14       200句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
磐座や寄らば小滝のもらひ水 鈴鹿呂仁 京鹿子 201706
静けさや不動の黙へ滝の音 尾崎千代一 末黒野 201708
沢蟹の這ふにまかせて滝不動 南うみを 風土 201708
落人の拓きし道や滝の音 岩田洋子 201708
滝音はバッハのマタイ受難曲 山田六甲 六花 201709
滝仰ぐ飛沫とどかぬところより 佐津のぼる 六花 201709
瀧にゐてともに流せし思ひあり 柴田靖子 201709
怨(ゑん)を消す力秘めたる女滝かな 有松洋子 201709
滝壺に奈落見て来し枝浮かぶ 松井志津子 201709
がうがうと梅雨滝全身重くなる 内山花葉 201709
木洩日や抹茶頂く滝見茶屋 森清信子 末黒野 201709
滝の水威風堂々落ちにけり 山本無蓋 201709
吊橋の定員五名滝の音 数長藤代 201709
遠目にもそれと判りし滝の帯 笠井敦子 201709
落差即ち滝となり万緑裡 佐藤淑子 雨月 201709
すさのをの大蛇棲むとふ滝しぶき 山本喜朗 雨月 201709
月待の滝とや雨の降りさうな 枝みや子 やぶれ傘 201709
滝壺や翅あるものを吸ひ寄せて 大沢美智子 201710
なだれ立つ柱状節理滝落とす 大沢美智子 201710
見惚れたる滝の平和に飽きてをり 石田きよし 201710
マイナスイオン二万浴ぶ滝見かな 松林依子 201710
滝といふ詩魂が落ちてゆきにけり 岩岡中正 ホトトギス 201710
滝と丈きそふ樹々縫ひ揚羽蝶 南光翠峰 馬醉木 201710
滝しぶきか雨かと少しあとずさる 南うみを 風土 201710
急ぐ水急がぬ水も滝しぶき 吉永すみれ 風土 201710
まだ見えぬ滝に木の葉の震へをり 高橋まき子 風土 201710
命しづかに立ち尽す瀧の裏 水野恒彦 201710
滝壺のせめぎや水の性と精 木多芙美 春燈 201710
妻と行くやさしさ落ちる女滝かな 伊吹之博 京鹿子 201710
我勝ちに水の集まる先に滝 中村千久 万象 201710
真っ直ぐにはた岩に添ひ滝落つる 大橋晄 雨月 201710
滝水のややに少なき憾みあり 大橋晄 雨月 201710
夏蝶の誘ひくるる滝の道 大橋晄 雨月 201710
滝道の泊月の句碑木下闇 大橋晄 雨月 201710
養老の嶺々の絞るる孝子滝 高木典子 雨月 201710
瀧落ちて矢は天空へ大祓 中島陽華 201711
滝しぶく五感も声もすい込まる 安野眞澄 201711
もうすぐに滝となる水知らぬふり 石田きよし 201711
谺する太古の調べ滝の音 小山直子 末黒野 201711
新涼や真一文字に滝落つる 服部鹿頭矢 馬醉木 201711
生れたての滝風一心に浴びる 谷田明日香 風土 201711
揚羽蝶男滝女滝を往きかへり 谷田明日香 風土 201711
滝音や思慕深ければささめきて 塩貝朱千 京鹿子 201711
みなもとは星屑の降る三段滝 山中志津子 京鹿子 201711
明るき灯滝まで連ね地蔵盆 原田しずえ 万象 201712
山路来て滝一本の止めなす 平沢恵子 春燈 201712
滝壺へ下る黄泉路を辿るごと 山内碧 201712
大瀧の全ての音をのみこめる福 倉和子 201712
滝に身を委ねてゐたる一壺天 升田ヤスヱ 六花 201712
龍王を祀る社や滝しづか 延川五十昭 六花 201712
岩肌をつたひて滝の水しづか 延川五十昭 六花 201712
走り根のかに歩きする滝の道 延川五十昭 六花 201712
岩穿つ修験の道や滝の音 延川五十昭 六花 201712
奥山にけもの臭へる滝の道 住田千代子 六花 201712
堂々と落つる男滝の轟けり 住田千代子 六花 201712
滝音を心静かに茶屋にかな 住田千代子 六花 201712
滝の辺の緑を噛めば薄荷かな 田尻勝子 六花 201712
幻の七種の滝によろめけり 延川笙子 六花 201712
滝道をあえぎあえぎて登りけり 延川笙子 六花 201712
作り滝借景にして菊人形 菅野日出子 末黒野 201802
滝行のごと打たせ湯に年惜む 森藤千鶴 馬醉木 201802
まん中の滝見茶屋にもBランチ 平きみえ 船団 201802
滝行者水の勢によろめけり 栗原京子 201801
大滝のしぶきの及ぶ馬洗ふ 河原敬子 201804
滝の上に空現れて晴れにけり 高橋龍 201807
滝壺へ入りゆく行者みな白く 柴田佐知子 201807
滝の面(も)をわが魂駈け上がる 水野恒彦 201808
人の世は不可解でよし滝の面 本多俊子 201808
心臓をめがけ一気に滝落つる 田中美恵子 201808
滝の前いつしか棒になつてをり 千田百里 201809
夜明けつつ霊光つよし神の瀧 水野恒彦 201809
大滝にたましひぬれて安らけし 藤田美耶子 201809
雲の峰より一の滝二の滝へ 長谷英夫 馬醉木 201809
瀧壺を覗き込みゐる蝉時雨 谷口一献 六花 201809
源流の滝や低きを尊めり 定梶じょう あを 201808
孝行や清清し養老の滝 長崎桂子 あを 201808
滝口の風断つ念誦赤とんぼ 鈴鹿呂仁 京鹿子 201810
神宿る滝ほとばしり一枚岩 佐久間由子 201810
梅雨の滝この世の音を飲み込みぬ 阪上多恵子 雨月 201810
瀧を落ち瀧へ流るる水の青 小池一司 六花 201810
木漏れ日の滝にうろこの如きもの 南うみを 風土 201810
滝風におのづと両手ひろげをり 南うみを 風土 201810
滝守の提げて供への生卵 南うみを 風土 201810
良弁の滝とは竜の吐きだせる 内藤静 風土 201810
遠ざかりながら滝音懐かしむ 定梶じょう あを 201810
温泉の町のあかりを遠く滝落つる 西村しげ子 雨月 201811
大いなる山鳴りのごと滝落つる 佐藤貞子 雨月 201811
滝落ちて山の真みどりまつ二つ 小原芙美子 風土 201811
滝の水岩に沿ひ来てうすみどり 島玲子 風土 201811
大空に生まれて滝の落ちにけり 住田千代子 六花 201812
木の橋を弾ませ滝を目指しけり 住田千代子 六花 201812
定まらぬ歩幅に辿る滝の道 住田千代子 六花 201812
法の声那智大瀧となりにけり 中島陽華 201812
滝壺に水青あをと蘇生せり 田辺博充 201901
荒き流れ静かな流れ滝道は 大橋晄 雨月 201902
竜門の滝しぶきより秋の声 横山昭子 雨月 201902
木々の影乗せて大滝どうと落つ 青木朋子 201902
滝壺に次々水の飛び込めり 青木朋子 201902
滝飛沫総身くまなく浴ぶるまで 青木朋子 201902
離れても滝の飛沫のなかにをり 青木朋子 201902
岸壁を削りしほどの滝落つる 石橋幾代 201902
箕面滝見えざる憾み嵐後 大橋晄 雨月 201903
滝の道ゆたかに濡れて初不動 中根美保 風土 201903
瀧の中逆のぼる水のありにけり 石川桂郎 風土 201905
木琴のやうな橋なり滝仰ぐ 山田六甲 六花 201906
滝落ちて空筒抜けの柞山 池野つむぎ 馬醉木 201908
水分の命の滝の飛沫浴ぶ 上辻蒼人 風土 201908
滝壺の中より釣れし大岩魚 手島靖一 馬醉木 201909
額を替へ滝の音聴く先師の忌 白澤よし子 馬醉木 201909
水力に憂さも流してみたき滝 岩月優美子 201909
一天にこころ洗はる滝の音 藤田美耶子 201909
縁近く座して薄茶や滝見茶屋 小原紀子 末黒野 201909
雲は詩を滝は光を描きけり 吉清和代 201909
乾坤の気息整へ男滝落つ 三好康子 風土 201909
瀧音へ近づいて来る話し声 安藤久美子 やぶれ傘 201910
山縫うて岩をた走る滝の音 黒滝志麻子 末黒野 201910
大らかな重力の束滝落つる 種山啓子 201910
明らかに上昇気流滝の上 山田夏子 雨月 201910
流木を刺しても平気滝の水 出口誠 六花 201910
滝落ちて石の白く染まりけり 出口誠 六花 201910
滝落ちてしぶきのかかる遠くまで 出口誠 六花 201910
滝つぽにペットボトルの浮いてをり 出口誠 六花 201910
滝の前皆を集めて「はいチーズ」 出口誠 六花 201910
瀧つぼに入つてみたくなる我が身 出口誠 六花 201910
磐座に詩魂の宿る滝の裏 江見巌 六花 201910
息吸うて五臓透きくる滝の前 宮口征子 馬醉木 201911
三島とは滝を神とも仏とも 大久保白村 ホトトギス 201911
滝行の絞らずに干す白衣かな 小倉征子 201911
山青し滝の白さをなほ白く 堺昌子 末黒野 201911
滝音も瀬音もかすか遊歩道 今村千年 末黒野 201911
届かざる想ひのたけを滝の水 延川笙子 六花 201911
北斎の浮世絵のまま落つる滝 馬場節子 春燈 201912
老鶯の鳴いてこそなる滝の奥 後藤比奈夫 ホトトギス 201912
滝音に心眼開きをりにけり 和田華凛 ホトトギス 201912
名水で絵具を溶いて瀧を描く 松本善一 やぶれ傘 201912
滝しぶき神のにほひと思ひけり 服部早苗 201912
滝壺の水の極楽浄土かな 戸栗末廣 201912
鬼の子にうおんうおんと瀧の音 増成栗人 202002
滝怒濤山の力をまのあたり 角野良生 202003
滝清し注連も不動も見当たらず 角野良生 202003
滝奥に飯炊いてゐる夫婦かな 山田六甲 六花 202006
滝落つる山気霊気となる刹那 稲畑廣太郎 ホトトギス 202007
滝しぶき雨後の青空神神し 松本鷹根 京鹿子 202009
はじまりがあれば終りも滝落つる 木村公子 202009
滝浴びて鉄気に染まる石不動 岩木茂 風土 202009
大滝に洗はれ削がれゆくこころ 藤田美耶子 202009
修験道折れてにはかに滝の音 田中佐知子 風土 202009
一本の天柱として滝仰ぐ 岩木茂 風土 202009
蟠り宿さず滝の潔き 小林清彦 末黒野 202009
近づけば吸込まれさう瀧の色 安齋正蔵 やぶれ傘 202009
朝靄を辿る杣道行者滝 佐俣まさを 春燈 202009
滝の上に天へと続く道のあり 和田華凛 ホトトギス 202010
空耳の滝音の絶ゆ嵯峨晩夏 鈴鹿呂仁 京鹿子 202010
遠ざかりゆく煩悩や滝の前 橋添やよひ 風土 202010
滝壼の手前の水の明るくて 浅田光代 風土 202010
岩肌を白衣と化すや千条ちすじ 林いづみ 風土 202010
滝壺の水の喝采誕生日 千田百里 202010
光芒の降る森に聞く滝の音 能美昌二郎 202010
滝壺に滝の押し出す風のあり 能美昌二郎 202010
大滝の音が音呼ぶ山の底 能美昌二郎 202010
注連かかる滝の終りなき白炎 宮内とし子 202010
法の山行者が滝にまろびけり 山田六甲 六花 202010
船頭の片手拝みや神の滝 山田六甲 六花 202010
右に神左に滝や最上川 山田六甲 六花 202010
滝しぶき水面にあたり霧になる 出口誠 六花 202010
大雨の濁りが少し滝の水 田中藤穂 あを 202010
渓流や瀬音を凌ぐ滝の音 高木邦雄 末黒野 202011
滝の上少年一人飛び込みぬ 出口誠 六花 202011
滝水を離れて蝉の声溢る 延川笙子 六花 202011
滝水に山の鼓動を聴いてをり 延川笙子 六花 202011
滝音のなほ高めゐる山気かな 森清堯 末黒野 202011
野分立つほつれ懸かりの滝一縷 能村研三 201911
神の威を閉ぢ込めて滝涸れにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 202012
身の内を奪はれてゆく滝の前 石橋幾代 202101
くちびるを読みあつてゐる瀧の前 永淵惠子 202101
布引の滝の流れの落葉かな 遠藤泉 202101
瀧壷を覗く木の枝折れるなよ 亀田虎童子 202107
一条の滝を奉りて香絶えず 鈴木和江 202107
山の奥奥へと瀧音誘へり 鈴木和江 202108
滝しぶき歳を忘れて仰ぎ見る 松本鷹根 京鹿子 202108
真白なる十三絃や瀧落つる 塩貝朱千 京鹿子 202108
瞑目す音は瀧音山深し 伊藤希眸 京鹿子 202108
心音となるまで座せる瀧の前 増成栗人 202109
木隠れの瀧は白蛇となりにけり 南うみを 風土 202110
深山の音をかき消し滝しぶき 鈴木英雄 末黒野 202111
滝音の聞こゆる茶屋で昼餉摂る 瀬島洒望 やぶれ傘 202111
滝音の滝音を追ふ早さかな 和田華凛 ホトトギス 202112
神は愛滝は光を惜しみなく 岩岡中正 ホトトギス 202203
一陽来復禊の瀧に日矢が降る 北村操 202204
滝一条風と光と喚声と 東小薗美千代 末黒野 202204
姿こそ見えね野太き滝の声 布施由岐子 末黒野 202204
水神の怒りのごとく鼓滝 山田六甲 六花 202205
滝川の音の飛騨へと岐れ行く 山田六甲 六花 202205
滝道を寒行二人草鞋掛け 池谷鹿次 末黒野 202206
月ひとつ富士の裾野に瀧七つ 佐藤竹僊 あを 202207
瀧壺の石の動きを見てをりぬ 小張志げ 春燈 202207
大那智の身ぬちつらぬく滝の音 田中佐知子 風土 202208
目の前に見てゐて滝の遥かなる 川高郷之助 202208
滝壺の音に人語を奪はるる 枇杷木愛 202208
滝壺の碧き深みの飛沫かな 尾崎千代一 末黒野 202208
滝→ 14

 

2023年6月4日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。

 
23/06/04 2023年6月4日 2023年6月4日