作品 |
作者 |
掲載誌 |
掲載年月 |
滝音にも起承転結あるごとし |
保坂加津夫 |
自在抄 |
199600 |
滝殿の革座布団のうすつぺら |
山尾玉藻 |
火星 |
199808 |
滝音もはるかとなりし水田べり |
藤井昌治 |
朝 |
199808 |
真ン前の滝のしぶきの中に入る |
小菅佳子 |
槐 |
199809 |
一列に滝のうしろを通りけり |
塩田博久 |
風土 |
199809 |
布曳の滝に一日の雨を織る |
山田弘子 |
円虹 |
199809 |
滝音に倦めばはんざき動き出す |
山田弘子 |
円虹 |
199809 |
まだ姿見えねど響く男滝かな |
益田風彦 |
狩 |
199810 |
天日へ滝引き上ぐる熊野かな |
神蔵器 |
風土 |
199810 |
瀧落ちて流れの音となりにけり |
福井鳳水 |
円虹 |
199810 |
滝の前にはTシャッがよく似合ふ |
大橋敦子 |
雨月 |
199810 |
滝落ちねば背後より水迫る迫る |
大橋敦子 |
雨月 |
199810 |
滝とありし刻をうしろにしてきたり |
宮津昭彦 |
濱 |
199810 |
澄み切つてみて滝壺の底見せず |
三浦美穂 |
狩 |
199811 |
白妙の滝呑み暗き淵となる |
稲岡長 |
ホトトギス |
199811 |
神瀧の霊気の風の湿りたり |
三崎由紀子 |
遠嶺 |
199811 |
森林鉄道滝の響きのにはかなり |
林香燿子 |
濱 |
199811 |
耳栓に小指がよろし滝冷えて |
中島進二 |
銀化 |
199811 |
航涼し海の色変へ湯滝落つ |
渡会昌広 |
馬醉木 |
199812 |
少女来て滝の行者と変身す |
山口喜代子 |
円虹 |
199901 |
夫婦瀧青に昂ぶり相ひ寄りぬ |
村田冨美子 |
京鹿子 |
199901 |
滝がしら水の勢ひて盛りあがる |
大橋敦子 |
雨月 |
199903 |
滝に打たれ続け仏となりし岩 |
大橋敦子 |
雨月 |
199903 |
滝のみち片や日陰り片や照り |
大橋敦子 |
雨月 |
199903 |
名は無くも赤目の滝の一部分 |
稲畑汀子 |
ホトトギス |
199906 |
滝となる水逸れし水動と静 |
稲畑汀子 |
ホトトギス |
199906 |
ダンディーな山に秘滝を蔵すかな |
能村研三 |
沖 |
199907 |
上り行くゴンドラ真下瀧飛沫 |
有賀たもつ |
遠嶺 |
199908 |
天地貫き滝柱太敷ける |
本城布沙女 |
雨月 |
199908 |
滝壷に足を取られて修行僧 |
福田みさを |
いろり |
199908 |
青飛沫して一画布に瀧落つる |
小澤克己 |
遠嶺 |
199909 |
暮れてゆく滝よりの風ありにけり |
出原博明 |
円虹 |
199909 |
滝壺の激ちの下の青き闇 |
出原博明 |
円虹 |
199909 |
滝道へ四輪駆動の空気圧 |
能村研三 |
沖 |
199909 |
それぞれに黙の語彙溜む滝の前 |
能村研三 |
沖 |
199909 |
岩に跳ね草に跳ね滝まみどりに |
金田きみ子 |
朝 |
199909 |
容赦なくしぶきをあげて滝行者 |
菰田晶 |
狩 |
199910 |
滝道や掴めば揺らぐものばかり |
南うみを |
風土 |
199910 |
滝水に青檜葉の束浸しあり |
南うみを |
風土 |
199910 |
滝の裏しづかに伝ふ水のあり |
南うみを |
風土 |
199910 |
日本百選瀧に賞状授けけり |
宮津昭彦 |
濱 |
199910 |
瀧口は視線集むる夜半以後 |
亀丸公俊 |
銀化 |
199910 |
山腹に瀧の一軸吊られをる |
水内慶太 |
銀化 |
199910 |
水楢の林の深し滝の音 |
三澤福泉 |
俳句通信 |
199910 |
滝近し青竹垣の結ひしかと |
岡本眸 |
朝 |
199910 |
太々と滝深々と一王子 |
村松紅花 |
ホトトギス |
199911 |
滝の中尖つて落つる水のあり |
粟津松彩子 |
ホトトギス |
199911 |
目を閉ぢて我がものとせり滝の声 |
木戸浦衣江 |
狩 |
199911 |
飛び下りてまたまた飛んで四度の滝 |
川鍋絹子 |
馬醉木 |
199911 |
荒滝や胸につかへし事流す |
阿部悦子 |
酸漿 |
199911 |
水引や清滝音をひそめける |
田中よしとも |
酸漿 |
199911 |
滝行のまだ濡れてゐる草鞋借る |
岩瀬操舟 |
円虹 |
199911 |
仰ぎ見る滝の高さに空のあり |
迫谷富子 |
いろり |
199911 |
滝見茶屋水に打たせしものを売り |
大城まつ子 |
朝 |
199911 |
はじめから濡れしところを瀧落つる |
青山丈 |
朝 |
199911 |
釜壺に落ちてことさら滝澄めり |
能村研三 |
沖 |
199912 |
滝しぶき血管浮きし腕垂らす |
榎本祐子 |
海程 |
199912 |
瀧の風まとへり郡上義民の碑 |
松崎鉄之介 |
濱 |
199912 |
滝音が人を集めてをりにけり |
稲畑廣太郎 |
廣太郎句集 |
199912 |
滝壷に狙ひ定めて滝落ちぬ |
稲畑廣太郎 |
廣太郎句集 |
199912 |
胸中に白一条の瀧落ちる |
北原武巳 |
船団 |
199912 |
滝浴びて半透明に固れまり |
荻野美佐子 |
船団 |
199912 |
虹生める弥陀の顕現仏瀧 |
安達しげを |
船団 |
199912 |
瀧に作ち縄文期へ夢拡げけり |
安達しげを |
船団 |
199912 |
お弥彦の裏滝として海に落つ |
湯橋喜美 |
沖 |
200001 |
滝の威に触れ来し人らぬくめ酒 |
渡邊牢晴 |
雨月 |
200002 |
蒼天へ竜のぼる滝ありにけり |
橋添やよひ |
風土 |
200002 |
滝涸れて神杉鉾を競ひ合ふ |
高橋好温 |
馬醉木 |
200002 |
ま昼間の滝の上より人の声 |
夏秋明子 |
ヒッポ千番地 |
200003 |
滝音の近くなるときふり返る |
夏秋明子 |
ヒッポ千番地 |
200003 |
補陀落の風に曲がりし神の瀧 |
山尾玉藻 |
火星 |
200006 |
どちらかと聞かれ山好き瀧音も |
丸山佳子 |
京鹿子 |
200006 |
滝道を歩く余力のなき如く |
稲畑汀子 |
ホトトギス |
200007 |
句碑の文字隠す出水の滝と聞く |
稲畑汀子 |
ホトトギス |
200007 |
一キロと聞けば滝道引返す |
稲畑汀子 |
ホトトギス |
200007 |
影拾ひひろひて滝はまだ遠く |
稲畑汀子 |
ホトトギス |
200007 |
滝音とちがふ瀬音につながりぬ |
稲畑汀子 |
ホトトギス |
200007 |
水音のなき滝道もありぬべし |
稲畑汀子 |
ホトトギス |
200007 |
滝音のここより山路急なりし |
稲畑汀子 |
ホトトギス |
200007 |
しばらくは鳩と歩めり滝の道 |
大塚洋子 |
酸漿 |
200007 |
瀧裏に仕舞ひ忘じし虹いくつ |
中原道夫 |
銀化 |
200007 |
滝壺に邪念を捨てて生き返る |
高木伸一 |
六花 |
200007 |
蜘蛛棲むと云ふ滝壺の底が見ゆ |
水野邦夫 |
俳句通信 |
200007 |
ふかぶかと緑茶の香る滝見茶屋 |
朝妻力 |
俳句通信 |
200007 |
滝落つる刹那々々を轟いて |
柏井幸子 |
円虹 |
200008 |
滝涸れて山は大きな黙となる |
柏井幸子 |
円虹 |
200008 |
山高く水ひとすじの滝落つる |
小川花久 |
いろり |
200008 |
滝壺の飛沫にみどり映りけり |
東芳子 |
酸漿 |
200008 |
滝百条相打つ巌のゆるぎなし |
武政礼子 |
雨月 |
200008 |
折れてより光の滝となりにけり |
笹村政子 |
六花 |
200008 |
滝裾の乱れもみせず山の姫 |
笹村政子 |
六花 |
200008 |
滝の水掬へば指紋流れをり |
水野範子 |
ぐろっけ |
200008 |
国境に大滝二つ鴎舞ふ |
塩出眞一 |
ぐろっけ |
200008 |
蒼き水白く脹らみ滝落つる |
塩出眞一 |
ぐろっけ |
200008 |
飛沫浴び船より仰ぐ滝広し |
塩出眞一 |
ぐろっけ |
200008 |
響きあふ男滝女滝や群青忌 |
藤井寿江子 |
馬醉木 |
200009 |
滝行者水の力を少し逸れ |
藤井寿江子 |
馬醉木 |
200009 |
那智谷の霧吹上ぐる瀧見台 |
藤谷紫映 |
馬醉木 |
200009 |
山中の滝壺これが酒壺ならば |
鷹羽狩行 |
狩 |
200009 |
一本の滝身の内に充満す |
生田恵美子 |
風土 |
200009 |
滝 2→ |
2021年5月13日 作成
「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。
「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。
注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。
ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。