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清滝や波に散り込む青松葉   松蕉

  瀑布

作品
作者
掲載誌
掲載年月
滝現るる水の高さを神として 鳥居おさむ ろんど 201406
滝音に街騒消されゆく早さ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201406
滝行者ほのぼの命火照りをり 田所節子 201407
吟行の汗をひと薙ぎ滝の前 久保東海司 201407
夜の瀧崖の下より人の声 岡淑子 雨月 201407
法の山打たれよといふ滝のこゑ 太田昌子 馬醉木 201407
白やしほ白を尽して滝谺 コ田千鶴子 馬醉木 201407
瀧壺の水ごんごんと入れ替はる 久染康子 201407
口重き人と連れ立つ滝の前 松本美簾 馬醉木 201408
滝壺は滝を鍛へてをりにけり 山田六甲 六花 201408
滝壺に散骨をして帰りけり 山田六甲 六花 201408
滝道や下りるときにも足をあげ 山田六甲 六花 201408

 万年青さんへ椿の杖

滝水に剪りたる枝を洗ひけり

山田六甲 六花 201408
滝高みわれに翼を与へけり 山田六甲 六花 201408
滝音の聞え忽ち気の逸る 大橋晄 雨月 201408
滝音に見送られつつ坂下る 大橋晄 雨月 201408
滝しぶき浴び心奥の目覚めたり 大橋晄 雨月 201408
滝しぶき心自づと清浄に 金森信子 雨月 201408
神の血は真白し瀧の飛沫浴ぶ 丸井巴水 京鹿子 201408
一山の鼓動大滝轟けり 金森信子 雨月 201408
谺していづこの方に滝のある 山田六甲 六花 201408
不動寺の表と裏に瀧の音 豊田高子 万象 201408
夜半句碑へ日々あらたなる滝の音 宮平静子 雨月 201408
詩仙堂の庭の静寂や滝の音 中川すみ子 201408
昨日の雨集め続々滝落ち来 大橋晄 雨月 201408
細々と滝の面目たててをり 山田六甲 六花 201408
登り来て滝拝みたる媼かな 井上静子 201408
滝行に入りし男女に区別なし 永井博光 201408
滝落ちて激つ瀬もはた淀む瀬も 大橋晄 雨月 201408
長草のひれ伏しもせず滝の風 山田六甲 六花 201408
茶店にて滝眺めつつ人恋し 溝渕弘志 六花 201409
滝壺や水の刃にゑぐらるる 石田きよし 201409
滝壺に急ぎし水の渇きかな 近藤喜子 201409
滝落ちて離るる水の静かかな 横山さくら 春燈 201409
滝落ちて天地つなぐ響きあり 阪上多恵子 雨月 201409
滝音を辿りて巡る耳行脚 内山照久 201409
滝音に息弾ませて歩きけり 溝渕弘志 六花 201409
滝の前なんと小さき嘆きなる 栗原公子 201409
滝あふぐ悩みなきかに口あけて 栗原公子 201409
大滝の吹き下ろしくる夏の蝶 山田六甲 六花 201409
渓流の曲がりて突と滝の音 吉田万喜子 雨月 201409
群青の空織り込みて滝飛沫 安斎久英 末黒野 201409
青空へ曲がりつつ滝落ちにけり 涼野海音 火星 201409
岩を撥ね撥ねて気負へる梅雨の滝 安部和子 雨月 201409
小滝にも壺あり古き懸の創 丸井巴水 京鹿子 201409
寂かなり千条の滝の中にゐて 高橋たか子 馬醉木 201409
ふだんてふ心にとほく滝仰ぐ 西岡啓子 春燈 201409
喉元へ月の滝風下り来る 山田六甲 六花 201409
滝壺を手足短かく覗き込む 安藤しおん 201409
滝壺に落ち来る水の涼しかり 筒井八重子 六花 201410
滝離れ今すつきりと心晴 筒井八重子 六花 201410
滝へ寄るその滝の気に肖るべく 田辺博充 201410
滝の水八月空は曇りかな 筒井八重子 六花 201410
千三百年を誇りて滝開く 佐藤貞子 雨月 201410
翠巒に法螺貝を吹く滝開き 大橋淳一 雨月 201410
震災の爪痕きびし行者滝 千葉惠美子 末黒野 201410
岩重ね滝の中にも滝作る 出口誠 六花 201410
純白となる水のあり滝の前 宮内とし子 201410
裏滝や森の匂の水奔る 塙誠一郎 201410
落ちながら霧となりゆく神の瀧 林昭太郎 201410
養老の滝滔々の飛沫浴ぶ 竹内悦子 201410
木下風受けて楽しむ滝涼し 筒井八重子 六花 201410
養老の滝より風の湧き立てる 竹内悦子 201410
お互ひに聞こえぬ会話滝殿に 浅井青二 雨月 201410
鹿の角沈んでゐたる滝の水 山田六甲 六花 201410
何段も岩にぶつかり滝生まる 出口誠 六花 201410
瀑布背に山伏問答滝開 村上美智子 雨月 201410
孝子伝説自負し養老滝開く 大橋淳一 雨月 201410
滝水に両手をつけて顔に当つ 筒井八重子 六花 201410
滝仰ぐ太古のこゑの一直線 吉武千束 太古のこゑ 201411
永遠は瀧に一瞬はきららかに 有松洋子 緑光 201411
現し世の音は聴こえず滝の前 久保東海司 201411
青女てふ寝息のやうな細き滝 塩貝朱千 京鹿子 201411
滝落ちて竜の骨格造りたる 中島悠美子 京鹿子 201411
滝みあげ見あげつつ行く峡の道 野村鞆枝 京鹿子 201411
滝壺の白き沸騰男去る 伊藤希眸 京鹿子 201411
滝百態刹那々々に父の声 福島照子 京鹿子 201411
本滝の光増しつつ落ちにけり 笹村政子 六花 201411
滝裏の洞に筵の敷かれをり 田尻勝子 六花 201411
大滝の空やや低く鷹渡る 石垣幸子 雨月 201411
千仞の滝の真下の茅の輪かな 碇天牛 雨月 201411
滝壺の淀みし色の美しき 笹村政子 六花 201411
口渇くまで滝壺に近づきぬ 笹村政子 六花 201411
滝壺につき出し枝の打たれをり 笹村政子 六花 201411
一本といふのがよろし女滝 笹村政子 六花 201411
木洩日に負けぬ一条女滝 笹村政子 六花 201411
青羊歯の色に落ちけり隠れ滝 笹村政子 六花 201411
日の満ちて滝の細身となりにけり 笹村政子 六花 201411
掠めゆく鳥に滝音高まれり 笹村政子 六花 201411
菜箸の先代ゆづり滝見茶屋 笹村政子 六花 201411
もう一度水の生まるる滝の段 升田ヤス子 六花 201411
岩肌に適ひつつ落つ雌滝かな 升田ヤス子 六花 201411
手を浸すいつから滝になったのか 赤松赤彦 六花 201411
滝落ちて緑濃き水生み出せり 赤松赤彦 六花 201411
人気なき滝道のぼるラジオかな 赤松赤彦 六花 201411
滝壺の水の押し合ふひとところ 戸栗末廣 201412
別れ話混じり聞こゆる瀧の音 天谷翔子 201412
滝壺に浸り眞言唱ふ人 久保東海司 201412
滝水のひた走りける無月かな 浜口高子 火星 201412
滝の上に釣瓶落しの空残る 生田恵美子 風土 201412
滝を見にゆく掌の白さかな 堀内一郎 堀内一郎集 201412
滝行者まなこ窪みてもどりけり 小野 寿子 201501
百丈の瀧あり霧を浮かび出て 久保東海司 201501
大声で猿の悪口滝まっすぐ 中谷三干子 船団 201502
榾山と積み上げ布留の行者滝 金森教子 雨月 201503
滝三筋白神山地橅橅橅 野沢しの武 風土 201503
滝見上げをるを見下ろしをりにけり 伊藤とほ歩 ホトトギス 201504
行程に乗らぬ滝道引返す 稲畑汀子 ホトトギス 201506
滝道を登り切つたる明るさよ 稲畑汀子 ホトトギス 201506
明と暗綯ひ交ぜて落つ神の滝 寺田すず江 明日葉 201505
滝壷へ求婚の声落しをり 布川直幸 201507
初夏の日を弾き返して雄滝なり 大橋晄 雨月 201507
滝道を過ぎて登山となりにけり 大橋晄 雨月 201507
木洩日や男滝にしぶく女声 白神知恵子 女坂 201508
奔流の眼前失せて滝となる 峰崎成規 201508
轟音を吹雪の色に滝一本 工藤ミネ子 風土 201508
滝落ちて岩打つ容赦なかりけり 生田恵美子 風土 201508
走り根の じや でもかまはぬ滝の道 山田六甲 六花 201508
香焚いて滝の呪縛の中にをり 山田六甲 六花 201508
滝壺へ近づく母へ泣く子かな 山田六甲 六花 201508
滝風の青々と降り注ぎけり 山田六甲 六花 201508
足許の明るきうちに滝 なむ 山田六甲 六花 201508
滝落つる人の生死に関らず 川上恵子 雨月 201508
余生など成行き任せ滝に佇つ 川上恵子 雨月 201508
海近き杜にひびけり瀧の音 仲山秋岳 万象 201508
布引の滝縦縞でありにけり 八木健 八木健俳句集 201509
男滝から女滝への道九十九折 高橋将夫 201509
滝道や落差おしえる孫とゐて 谷岡尚美 201509
瀧こだま四方の峰々に乱反射 久染康子 201509
頭から足の先まで滝の音 神山節子 201509
滝ふたつ響きて山の音となる 黒滝志麻子 末黒野 201509
滝音のふと遠ざかる時のあり 飛高隆夫 万象 201509
ひどすぢの滝を遠見の千曲川 安立公彦 春燈 201509
空深く杉のありたる滝詣 山田六甲 六花 201509
万緑を左右に割つて瀧光る 池田高清 201509
滝仰ぐ園の奥処に友を待ち 水田壽子 雨月 201509
滝壺のそばより雲を仰ぎけり 大崎紀夫 虻の昼 201510
滝となる嬉しさに水躍りけり 飛高隆夫 万象 201510
杉桧伐られて滝の迫るかな 田中佐知子 風土 201510
滝の風やまももの樹に届き来て 田中佐知子 風土 201510
滝の生む風に吹かれてをりにけり 柿沼盟子 風土 201510
滝行の草鞋を結ぶ女かな 奥田茶々 風土 201510
滝見茶屋轟音耳に甘酒を 久保東海司 201510
深山に神の声とも滝落つる 岩月優美子 201510
吹割の渦の逆巻く滝しぶき 都留百太郎 末黒野 201510
岩裂きて天より落つる禊滝 室伏みどり 雨月 201510
多度万緑神の大滝深く抱き 室伏みどり 雨月 201510
禊滝十五丈余を落下せり 室伏みどり 雨月 201510
群青の谷鬱蒼と滝落つる 室伏みどり 雨月 201510
滝つぼに落ちて上がりぬ箕面川 出口誠 六花 201510
滝しぶき白に土色混じりけり 出口誠 六花 201510
川幅をいつぱい使ひ滝が落つ 出口誠 六花 201510
滝の水霧雨となりふりかかる 出口誠 六花 201510
大巌を叩いて滝の鎮まれり 市村明代 馬醉木 201511
雄瀧より雌滝になじみ忍び籠む 丸井巴水 京鹿子 201511
上からも下からも滝とどろけり 大内和憲 万象 201511
谷川の滝となりけり山法師 田中臥石 末黒野 201511
滝壺の深さを見せぬ飛沫かな 加藤静江 末黒野 201511
山襞を洗ふがごとき男滝かな 塚越弥栄子 末黒野 201511
仰ぎてもなほ滝口の見えざりき 平居澪子 六花 201511
湿原へ音無き滝の落ちにけり 藤沢秀永 201511
滝壺に射し込む月の冷まじや 根岸善雄 馬醉木 201512
滝壺の真上の暗さ乱れ萩 佐藤三男 万象 201512
すべりくる滝一陣の風となる 松本幸男 万象 201512
滝壺を離れし水のだらしなき 宮井知英 201512
踏ん張つて滝のしぶきへ手を伸ばす 白水良子 201512
彩雲の光に染まる瀧しぶき 押田裕見子 201512
稲光して白髭の滝落つる 山口素基 万象 201602
瀧落ちて山迫り上がる心太 岡田一夫 201602
子の尻に岩の擦り傷滝滑り 升田ヤス子 玫瑰 201604
滝壺へ近づく術のなかりけり 稲畑汀子 ホトトギス 201607
引返す滝音遠き所かな 稲畑汀子 ホトトギス 201607
滝裏にのぞくこの世のおもしろき 永淵暫子 201607
白糸の滝の千筋の自在かな 藤原照子 201608
白炎の滝の谺や群青忌 鈴木漱玉 馬醉木 201609
人の世の音の消えゆく滝の前 市村健夫 馬醉木 201609
滝である限り現在進行形 小泉三枝 春燈 201609
若狭なり観音に逢ひ滝にあふ 南うみを 風土 201609
滝落ちてひととき音の直立す 見目トキ子 万象 201609
木洩日を床几に配り滝見茶屋 上谷昌憲 201609
大滝や岩打つたびに風湧いて 田所節子 201609
チェンソーもて彫られし龍や滝の音 森清堯 末黒野 201609
大滝に打たれ素直となりにけり 高倉和子 201609
滝つぼを出て現世の人となる 柴田志津子 201609
ゴンドラ行く布引の滝近づけて 金森信子 雨月 201609
滝見えて音遥かなり群青忌 曽根薫風 馬醉木 201610
ためらひと惑ひ消さるる滝の前 岩月優美子 201610
百の滝エメラルドグリーン映ゆるなり 中村洋子 風土 201610
滝の前昂れる人黙す人 渡辺やや 風土 201610
終章の未だまとまらず瀧一途 塩貝朱千 京鹿子 201610
滝に背骨瀬にふくらはぎ手に句帳 木戸渥子 京鹿子 201610
滝涼し孝子の水のほとばしり 佐藤貞子 雨月 201610
大瀧の音のけだるき真昼かな 笹村政子 六花 201610
滝の落つ水面にもやのかかりけり 出口誠 六花 201610
風起こし飛沫浴びせて滝が落つ 出口誠 六花 201610
細々と一木だけの滝も落つ 出口誠 六花 201610
滝の水岩に当たりて太くなる 出口誠 六花 201610
滝の水とはためらはぬ水のこと 和田華凛 ホトトギス 201611
誓ふことありこの滝にこの句碑に 和田華凛 ホトトギス 201611
裏海へ筋金入りの瀧一本 久染康子 201611
中能登の荒行僧や滝開 藤代康明 201611
滝壺に入りし眞言唱ふ人 久保東海司 201611
金輪際合掌とかぬ滝行者 柴田志津子 201611
滝離れしばらくはみな声高に 大久保白村 ホトトギス 201612
滝の音風がつれくる札所かな 見目トキ子 万象 201612
滝の音森林浴をしてゆけば 増田みな子 やぶれ傘 201612
よきことはちょっとでよろし滝めぐる 浦川哲子 201612
滝壺に滝の溺れてゐたりけり 七種年男 輪中の空 201612
冷やかな山気や滝の水勢に 宮平静子 雨月 201701
滝音激し心経の声聞きとれず 堀田清江 雨月 201701
酒の香のせしといふ滝まのあたり 後藤比奈夫 ホトトギス 201701
養老川優しき滝を落しけり 後藤比奈夫 ホトトギス 201701
養老は父祖のふるさとこの滝も 後藤比奈夫 ホトトギス 201701
一枚の水こなごなに滝となる 橋本くに彦 ホトトギス 201701
天の川宇宙の果てで滝となる 高橋将夫 201701
滝壺に滝の溺れてゐたりけり 七種年男 201701
木を伐って瀧を裸にしてありぬ 中川句寿夫 ここのもん 201705
笏持って歩いて貰ふ滝開き 中川句寿夫 ここのもん 201705
滝 →13      

 

2021年5月27日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。

 
21/05/27 2021年5月27日 2021年5月27日