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清滝や波に散り込む青松葉   松蕉

  瀑布

作品
作者
掲載誌
掲載年月
滝落ちるさみしさ時に束となり 細川洋子 201209
見えてゐて音なき滝を目差すかな 千田百里 201209
平らなる水の性捨て男滝かな 千田敬 201209
激情とやさしさ具ふ滝の水 高橋あさの 201209
大滝の時をりしぶきふとらしむ 鈴木一広 201209
滝となる水を跨ぎて顔洗ふ 中江月鈴子 201209
滝音の近づきてまた離れけり 中江月鈴子 201209
滝しぶき浴びし人がりの役はたす 中江月鈴子 201209
滝しぶき四ヶ国語の案内板 宮崎高根 201209
倒木に滝のしぶきの絶え間なし 宮崎高根 201209
父を越え母の齢へ滝落つる 青木ちづる 201209
置杖を戻して滝をあとにせり 田中佐知子 風土 201209
作り滝かなほうたるの失せやすし 深澤鱶 火星 201209
滝が滝追うて奔れる鞍馬路 奥田順子 火星 201209
青女の滝流るる先の白き蓮 西垣順子 201210
四段の滝それぞれに壷を持ち 小林美登里 かさね 201210
悠久の滝のしぶきや屋久の杉 橋本修平 かさね 201210
下帯のひとりめがけて小滝落つ 長久保郁子 かさね 201210
しぶき立つ滝の七色群青忌 錫木妙子 馬醉木 201210
まなうらに滝落ちやまぬ眠りかな 辻美奈子 201210
滝壺に水の息抜く瞬を見し 安居正浩 201210
涸れてなほ滝の名のこす力かな 千田敬 201210
梅雨深み名もなき滝の水嵩かな 河口仁志 201210
森を来て落差大きな滝に出づ 石脇みはる 201210
滝壺の青渦巻の大いなる 石脇みはる 201210
瀧音に天地ありけり月輪寺 栗栖恵通子 201210
注連替へて真つ新の滝しぶきかな 岩下芳子 201210
東山音羽の滝の静寂かな 三枝邦光 ぐろっけ 201210
滝しぶき頬にあびつつ撮られけり 前田恵美子 青鷹 201210
御用邸跡の公園滝涼し 松本三千夫 末黒野 201210
滝音の餌豊かに森深し 大橋伊佐子 末黒野 201210
豪雨後の地響きをあげ滝飛沫 都留百太郎 末黒野 201210
三段の滝の二段の捨身かな 間島あきら 風土 201210
滝音の近く抱く児の重さかな 五十嵐紀子 201210
勢ひで魚の列を乱す滝 出口誠 六花 201210
滝見上げ無我の境地となりにけり 小寺ふく子 六花 201210
がうがうと山鳴つてをり梅雨の滝 杉浦典子 火星 201210
目つむれば国境の滝轟々と 古田考鵬 雨月 201210
髪しめり来し滝近くなって来し 阪上多恵子 雨月 201210
金剛の瀧に行者が割り込めり 柴田佐知子 201210
大岩の坐つてをりし滝の前 だいじみどり 201210
滝しぶき対岸に来て駆け登る 鳳蛮華 201210
長柄杓を叩き溢るる音羽滝 粟倉昌子 201211
糸滝や不動の岩の苔つたひ 加藤静江 末黒野 201211
崖路や滝の裏より滝を見て 小泉貴弘 春燈 201211
空澄むや注連縄高き那智の滝 宮元陽子 末黒野 201211
ひと日滝訪ねたる身や火の恋し コ田千鶴子 馬醉木 201212
幼子の後ずさりして滝見台 松嶋一洋 201212
茶を賜ふ雨後の滝音もてなしに 乗光雅子 雨月 201212
白山の水瑠璃色の滝と落つ 手島伸子 雨月 201212
滝の道椎の朽木の転がりて 有賀昌子 やぶれ傘 201301
トンネルを抜けて飛沫の滝の前 都丸スミ代 やぶれ傘 201301
しぐるるや鳴滝に訪ふ翁句碑 横山昭子 雨月 201301
滝音を父の叱咤と思ひけり 黒澤登美枝 201307
さわさわと落つる小滝や散る光 米田文彦 かさね 201307
店先に造り滝置く蕎麦屋かな 廣瀬雅男 やぶれ傘 201309
梅雨明や注連を張りたる那智の滝 大谷信子 201310
上千本抜けて宮滝万葉路 橋本靖子 201310
滝壺やマイナスイオン身に浴びて 橋本靖子 201310
台風の傷跡残る那智の滝 増田一代 201310
言霊の力消えたり滝の前 江島照美 201310
滝音のひびかふ限り父の山 風間史子 201310
厳かに落つるほかなき男滝かな 来海雅子 201310
滝四段白変幻の衣展べて 千田敬 201310
滝への径しばらく水を離れけり 杉浦典子 火星 201310
七月の月より落つる瀧の音 城孝子 火星 201310
轟々と突っ立ち不動滝となむ 浅井青二 雨月 201310
夜に入りて滝音山を駆け巡る 池田喜代持 六花 201310
婆娑羅髪轟音放つ滝しぶき 荒木治代 ぐろっけ 201310
山雨急右往左往の滝見茶屋 荒木治代 ぐろっけ 201310
滝道の猿ら唾溜め脅かしぬ 石橋萬里 ぐろっけ 201310
これでもかと押込んでゐる滝壺に 佐藤喜孝 あを 201310
滝音といふ快晴の山の音 古賀しぐれ ホトトギス 201311
天辺も奈落も見えず滝涼し 古賀しぐれ ホトトギス 201311
滝壺は水を宥めてゐるところ 古賀しぐれ ホトトギス 201311
天孫の降臨の地や滝清き 橋本靖子 201311
瀧壺に響く群青山を出ず 笠井清佑 201311
水引や滝のしぶきを避けられず 伊藤純子 201311
椅子翔ちて滝見の蝶となりにけり 田中佐知子 風土 201311
蜘蛛の糸ひと筋よぎる滝の前 田中佐知子 風土 201311
まつさらな心となりぬ滝の前 林いづみ 風土 201311
岩山を落ち滝水の小躍りす 内藤恵子 万象 201311
瀧開き果て瀧音の強くなり 豊田高子 万象 201311
滝の音近付くほどに水匂ふ 北本奈津子 万象 201311
浅間山の伏流水や滝しぶき 原和三 末黒野 201311
袋田の滝のしぶきを浴びにけり 丑久保勲 やぶれ傘 201311
迷ひたる樹林の奥に隠れ滝 松村晋 ぐろっけ 201311
行く所暇人多し隠れ滝 松本恒子 ぐろっけ 201311
梅雨滝に風も呑まれてゐる秘境 藤浦昭代 ホトトギス 201312
奥入瀬の渓流へ落つ滝の数 大橋弘子 末黒野 201312
滝落ちて普通の水となりにけり 矢野百合子 201312
滝壺をいでてしづかな川となる 松田明子 201312
立ち尽くし黙すほかなき滝のまへ 松田明子 201312
滝音を袱紗包に山粧ふ 頓所友枝 201312
落つる滝白絹曳ける如くなる 宮原悦子 雨月 201312
滝懸かる林泉に佇み去り難し 宮原悦子 雨月 201312
大出水滝と見まがふ五十段 水野範子 ぐろっけ 201312
霧降りの瀧みち蝉の降るごとく 瀧春一 花石榴 201312
竜頭の瀧岩肌に跳ね躍りつつ 瀧春一 花石榴 201312
卯の花の径のはてなる瀧不動 瀧春一 花石榴 201312
一条のどこにも触れず滝落つる 生田恵美子 風土 201401
滝音や木綿帽子を二つ折 山本耀子 絵襖 201404
岩を踏み浮き根を跨ぎ瀧祭 南うみを 風土 201405
野菜売る幟も建つて瀧祭 南うみを 風土 201405
瀧壺に冷やして祭酒一斗 南うみを 風土 201405
瀧飛沫かかる祠へ生卵 南うみを 風土 201405
太鼓据ゑ男瀧女瀧と拝みぬ 南うみを 風土 201405
瀧神へ体ぶつつけ太鼓打つ 南うみを 風土 201405
瀧垢離の雫の衣枝に干す 南うみを 風土 201405
滝→12      

 

2021年5月25日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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