待 春 1    226句

待春や氷にまじるちりあくた  智月

春待つ  待春

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書他
待春の心が先に歩きをり 稲畑汀子 ホトトギス 199901  
待春の鳥にかこまれ野草摘み 稲畑汀子 ホトトギス 199902

悼 

田村萱山様

待春の雨に土の香もどりけり 水谷芳子 雨月 199903  
待春の息弾まする男坂 細原順子 俳句通信 199904  
待春や仏壇に置く癌封じ 関根洋子 風土 199905  
待春や夕日に押さる荷足船 水野あき子 遠嶺 199905  
待春の山の鼓動を聞く旅路 塙告冬 ホトトギス 199906  
待春の心忘るる旅路とも 稲畑汀子 ホトトギス 200001  
待春の振れば楊子の出る器 小形さとる 200003  
待春の心育くむ植木鉢 大森光栄子 円虹 200004  
水谺して待春の一樹立つ 小澤克己 遠嶺 200004  
待春のセロリ噛みをる白歯なり 小形さとる 200004  
待春の机辺に塵をふやしけり 奥田節子 火星 200007  
待春や出窓に並ぶ植木鉢 木村てる代 俳句通信 200103  
待春の星や暈被る夜もありて 宮津昭彦 200104  
待春やマツチの軸の塔を積み 鷲見明子 風土 200104  
待春のまだ下ろされぬ乳母車 須田千代 200104  
待春や老いて心の火を守り 廣島泰三 200105  
待春や鳩の撒き餌に鴉来て 小林かいう 200105  
待春の日差し満たして新講座 小澤克己 遠嶺 200204  
待春や葉先のゆるる花を買ふ 菅井悦子 200204  
待春や日々大切に夫と居る 西美知子 円虹 200204  
待春やみつめて猫のみどりの瞳 藤ミネ子 風土 200204  
待春の朝粥に塩ひとつまみ 吉田三保 200204  
待春や良きこと包みオムライス 利根川妙子 200205  
待春や菓子屋の窓の鬼の面 曷川克 遠嶺 200205  
待春の昂り確と旅仕度 上田繁 遠嶺 200205  
髭剃つて待春の街通りけり 遠藤和彦 遠嶺 200205  
待春のうるみ走りに鳥のこゑ 北川孝子 京鹿子 200205  
待春の旅路に展け伊豆の海 稲畑汀子 ホトトギス 200301  
待春の光の中に帰国かな 稲畑汀子 ホトトギス 200302  
待春のテーブルクロス替へてより 坊城中子 円虹 200303  
待春や癒ゆる兆しの頬の色 山口マサエ 雲の峰 200303  
待春や投句よろこぶ投句函 山田弘子 円虹 200304  
待春の明日につながる雨かとも 高濱朋子 円虹 200304  
待春の心は風に立ち向ふ 高濱朋子 円虹 200304  
待春の枝広げきる椋大樹 深川知子 雲の峰 200304  
一絃琴果て待春の雨の音 深川知子 雲の峰 200304  
待春や電池仕掛けの鳥鳴かせ 西村しげ子 雨月 200304  
待春やはなびら餅の紅透けて 山路紀子 風土 200305  
茶屋となりし待春軒に花山茱萸 松崎鉄之介 200305  
待春のうぐひす色の財布かな 武田眞砂 百鳥 200305  
待春の伊豆の波音聞く宿り 安原葉 ホトトギス 200306  
待春や車夫屯する段葛 四戸和彦 八千草 200307  
待春の姉の遺せる紅をさす 大野信子 草の花 200403  
待春の李朝のこころつたふ壺 長谷川史郊 馬醉木 200404  
待春のエアロビ・シューズ真新らし 小林かいう 200404  
待春の空の沖へと鳥放つ 小澤克己 遠嶺 200404  
高架ゆく待春の街見おろして 大橋麻沙子 雨月 200404  
待春やみどりご抱く日の近き 落合絹代 雨月 200404  
待春の身を寄せ合うて鯉泳ぐ 尾辻のり子 河鹿 200404  
待春の薬師神社や茅を葺く 芳賀雅子 遠嶺 200405  
待春の鉤のゆるみし帽子掛 風間史子 200405  
待春のシチューパイ皮ぷすと切る 高橋道子 200405  
待春や柵を突き伸ぶ象の鼻 早乙女久子 栴檀 200405  
待春の蕾一途に揃ひけり 伊藤敬子 遠嶺 200406  
待春の花束を抱き誕生日 稲畑汀子 ホトトギス 200501  
待春の心もこめし花束に 稲畑汀子 ホトトギス 200501  
待春の息ふき拭ふ手鏡を 丸山佳子 京鹿子 200501  
待春や三十五年を祝ぐ句座に 青垣和子 雨月 200504  
待春やオカリナを聞き和みゐて 青垣和子 雨月 200504  
待春や飛翔真白に鸛 堀田こう 雨月 200504  
待春の暦一枚めくりけり 青木民子 酸漿 200504  
待春や吾より出でし鳥の声 近藤喜子 200504  
待春や振つて濁らすにごり酒 蓮井崇男 対岸 200504  
待春の望遠鏡の俯角かな 高木嘉久 200504  
履歴書に待春の瞳の写真貼る 工藤進 200504  
待春の男に着物美学かな 小澤克己 遠嶺 200504  
待春の日ざしへ鯉の位置かはる 渡邉友七 あを 200504  
待春や白煙なびく河川敷 早崎泰江 あを 200504  
待春の机上に夫の時刻表 永田歌子 遠嶺 200505  
待春の向かひの家のピアノ曲 島元文 遠嶺 200505  
待春の雲の光りて神の嶺々 有島扇水 河鹿 200505  
役を退くその日を数う待春や 牛木きよはる 200505  
待春や父に似てきし甲の皺 原田達夫 虫合せ 200506  
待春やぽきぽき鳴らす指の骨 川口松生 200507  
待春やリクルートスーツの硬き襟 佐藤仁 200508  
待春の川面しづかに日を流し 吉田三保 200601  
待春の肉屋に盛れり赤玉子 横井博行 万象 200604  
待春や正子手描きの百人首 橋添やよひ 風土 200604  
待春や木の切り口に日が満ちて 根岸善行 風土 200604  
待春やシルバーシート色違へ 石川喜代美 百鳥 200604  
待春の板葺きの家の煤の梁 伊藤和子 遠嶺 200605  
待春の絵画のやうな文字踊る 佐山苑子 遠嶺 200605  
待春のチェロに優しき肩のあり 佐山苑子 遠嶺 200605  
待春の樹々のつぶやき高まりぬ 西氏宣子 遠嶺 200605  
待春の海丘の上の双眼鏡 竹内文子 遠嶺 200605  
待春の欅大樹に瘤と洞 永橋久子 百鳥 200605  
待春の二つ並べて陶人形 環順子 夢帽子 200608  
天泣といふ待春の空であり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200701  
待春の色に落ち着く庭の木々 稲畑廣太郎 ホトトギス 200701  
待春の車窓は富士を尖らせて 稲畑廣太郎 ホトトギス 200701  
待春の机辺乱れて一書あり 今井千鶴子 ホトトギス 200704  
待春の墨書や嶺の文字太し 小澤克己 遠嶺 200704  
待春の三姉妹への贈物 今井松子 遠嶺 200704  
待春やかたづけてをる机の辺 加藤みき 200704  
待春のまだ閉ざされし渡舟口 大西八洲雄 万象 200704  
待春の光が包む孕み牛 物江康平 春燈 200704  
待春も死語となりさう温暖化 岡谷栄子 200705  
待春の魚眼レンズに空と海 横松しげる 遠嶺 200705  
待春の森に小さな動物園 土岐明子 遠嶺 200705  
待春の磨き置かれて父の杖 峯桜子 遠嶺 200705  
待春のひとつの茶屋の緋毛氈 西口万佐子 200705  
待春の月のうるめる夜の句会 今井千鶴子 ホトトギス 200706  
待春の心添はぬと北の客 稲畑汀子 ホトトギス 200801  
海眺めをる待春の紳士帽 小澤克己 遠嶺 200802  
待春やしづかに今は俘虜ならず 物江康平 春燈 200803  
待春の人恋ふひかり退院す 勝見玲子 200804  
待春や今朝は濃い目のロイヤルティー 高橋あつこ 遠嶺 200805  
待春の歩が大地より受くるもの 湯川雅 ホトトギス 200806  
待春や童画のやうな月出でし 野口みどり 酸漿 200806  
待春の湖が放てる波のいろ 木内憲子 200806  
待春の空を信じて旅路あり 稲畑汀子 ホトトギス 200901  
待春の寺に先師の句碑を訪ふ 遠藤和彦 彩雲 200901  
待春の心にゆとりあることを 稲畑汀子 ホトトギス 200902  
待春や膝にこぼれし粉薬 船越和香 馬醉木 200904  
動き出す待春の木々に水の音 羽賀恭子 200904  
待春や母真つ新な試歩の靴 近藤敏子 200904  
待春の川面にうすき吾の影 竹下昌子 200905  
待春や雪一丈の羽後に住み 園部蕗郷 春燈 200905  
待春の歩幅君との距離縮め 稲畑廣太郎 ホトトギス 201001  
待春の川対岸に色持たず 稲畑廣太郎 ホトトギス 201001  
待春の心ふくらみゆけるかな 稲畑汀子 ホトトギス 201001  
待春の五百羅漢やみな笑まひ 小澤菜美 201003  
待春の碑の石選びけり 村田くにいち 風土 201003  
待春や泡もりあがるカプチーノ 那須淳男 馬醉木 201004  
待春や加賀に五色の昔菓子 川端俊雄 火星 201004  
待春や水木の枝のくれなゐに 工藤ミネ子 風土 201004  
待春の百戸の谿を訪ねけり 清水美子 春燈 201004  
待春や浅黄の紬仕付け取る 小山繁子 春燈 201004  
待春の影さし交す雑木山 徳井節子 馬醉木 201005  
待春の道ぬれ色の夜明けかな 菅野蒔子 末黒野 201005  
待春や葵御紋の石扉 小野寺節子 風土 201005  
待春やついと鳥翳窓よぎり 大橋敦子 雨月 201103  
待春の大きく見ゆる指揮者の背 高橋将夫 201104  
待春や山頭火とも違ふ道 近藤公子 201104  
待春や予定なき日も薄化粧 小山繁子 春燈 201104  
待春の光の跳ねる湖畔かな 吉沢陽子 201104  
池深く待春の鯉身じろがず 川崎良平 雨月 201104  
何笑ひしか待春の巫女だまり 森岡正作 201104  
待春やゆきひら鍋の卵とぢ 富川明子 201104  
待春の立てかけてある母の杖 田所節子 201105  
待春や荒川線をひとわたり 田中貞雄 ろんど 201105  
待春や豆大福の粉こぼれ 丑久保勲 やぶれ傘 201105  
待春の鎌倉駅に人多し 石井邦子 酸漿 201105  
待春や運河に揺るる舫船 網野茂子 酸漿 201105  
待春や心萎えなば嬰を見に 島貫寿恵子 雨月 201105  
待春の音をふりまき宣伝機 柳生千枝子 火星 201106  
待春の耳あてて聞く木の鼓動 能美昌二郎 201108  
待春の茅淳海より明けて来し 稲畑廣太郎 ホトトギス 201110  
待春の波亜米利加を近付けて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201201  
待春の色を咲かせて京和菓子 浅井吉雄慈 夕端居 201203  
待春や本箱の本並べ替へ 浅井吉雄慈 夕端居 201203  
待春のマリオネットは声もたず 高橋将夫 201204  
待春の海女小屋にある隠し酒 植木緑愁 201204  
待春のこころ納屋なる鋤鍬に 水谷靖 雨月 201204  
待春のなにかの紐を引いてゐる 井上菜摘子 京鹿子 201205  
待春の少し崩れし門の塩 古井公代 ぐろっけ 201205  
待春の心切り裂く訃音かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201301

悼 

山田雅夫様

待春や遠き嶺々日を抱き 徳井節子 馬醉木 201303  
待春の島一周のフルマラソン 川崎真樹子 春燈 201303  
帰つて来てね待春の再入院 北川英子 201303  
たつぷりと圧す待春の足三里 安居正浩 201303  
待春を黙し語らず四畳半 吉田宏之 201304  
待春や天地返しの父祖の畑 間宮あや子 馬醉木 201304  
待春や文箱の中の誘ひ文 武生喜玖乃 雨月 201305  
待春のたたまれてある車椅子 田所節子 201306  
待春の目差となる龍馬像 稲畑廣太郎 ホトトギス 201401  
待春や明るき木々に未生の声 近藤喜子 201404  
待春や唇にのるみすずの詩 宮沢治子 春燈 201404  
待春や花屋は水を走らせて 田所節子 201404  
待春や恋わずらいのこときもの 金田けいし ろんど 201405  
車椅子の児に待春の心切 播磨武子 雨月 201405  
待春や柱時計のぼんと鳴る 亀井紀子 201406  
待春や舞台の乙女も客席も 木戸宏子 璦別冊 201408  
時計屋の十時十分みな待春 網野月を 201410  
待春の秒針にあるのぼり坂 田部井幸枝 201405  
待春のカテドラルめく都庁かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201501  
白波も待春の音奏で伊豆 稲畑廣太郎 ホトトギス 201501  
俳磚のふえ待春の庭となる 稲畑汀子 ホトトギス 201501  
待春の音に豚カツ揚がりたる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201502  
富士見えしより待春の心かな 稲畑汀子 ホトトギス 201502  
待春の音に豚カツ揚がりたる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201502  
富士見えしより待春の心かな 稲畑汀子 ホトトギス 201502  
待春やつましき語彙を紡ぎつつ 福島照子 京鹿子 201504  
待春のほのあたたかきマドレーヌ 今瀬一博 201504  
フレンチトースト待春の甘さかな 鈴木藤子 ろんど 201504  
待春の胸に昂りおぼえけり 寺田すず江 201504  
待春の船乗観音漕ぐさまに 伊藤純子 201504  
待春や日差し明るくなればなほ 大橋晄 雨月 201504  
待春の踏ん付けられし天の邪鬼 大石よし子 雨月 201504  
幾重にも吊る待春の千羽鶴 石谷淳子 雨月 201504  
待春やピンクのセーター出してをり 山荘慶子 あを 201504  
待春や彩整はぬ花時計 斉藤マキ子 末黒野 201505  
まだ箱にある待春のベビー靴 渕田則子 末黒野 201505  
待春の猫の集会路地の奥 中山静枝 201505  
待春や足裏のちとむづ痒き 頼田幸子 201505  
待春の尾瀬や峠の道閉され 山本無蓋 201505  
鬱溶かす待春の陽に恵みあり 渡辺貞子 京鹿子 201505  
待春の雲を掴んでゐる背伸び 古賀しぐれ ホトトギス 201506  
待春や王子迎へし地震の町 田中信行 201506  
待春や縄文土偶の女神笑む 鈴木静恵 花こぶし 201508  
待春やティッシュは函に伸び上がり 林昭太郎 201510  
ふり返りつつ待春の心あり 稲畑汀子 ホトトギス 201601  
待春の旅路の果にある家路 稲畑汀子 ホトトギス 201601  
沖縄の待春陸奥の待春 稲畑廣太郎 ホトトギス 201601  
待春の富嶽都心を俯瞰して 稲畑廣太郎 ホトトギス 201602  
鈍行が過ぐ待春の窓つらね 辻美奈子 201604  
けむり一筋待春の山裾野 久染康子 201604  
力足を踏む待春の大地かな 柴崎英子 201604  
待春や今日はここまでぬり絵して 小川流子 201604  
待春やふいに鳴り出すオルゴール 矢口笑子 春燈 201604  
待春や眼鏡なつ得まで磨く 神田恵琳 春燈 201604  
待春の汀にひろふ貝ひとつ 廣瀬克子 春燈 201604  
待春のこころ膨らむ思ひあり 須藤美智子 風土 201604  
待春や光と名付け曽孫生る 野村鞆枝 京鹿子 201605  
待春のまなざし揃ふ磨崖仏 山本則男 201605  
待春の心揺さ振る発車ベル 村上悦子 雨月 201605  
待春といふは期待の広ごりて 後藤立夫 ホトトギス 201606  
待春の空より降つてくることば 岩岡中正 ホトトギス 201607  
待春の心とは祝ぎ心かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201701

祝「玄海」

主宰交代

待春の湾に歴史を重ねつつ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201701  
待春の目覚め雨音風音に 稲畑廣太郎 ホトトギス 201701  
待春の湾凸凹にならひかな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201701  
待春の空黒々と明け初むる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201701  
待春の湾は変奏曲奏で 稲畑廣太郎 ホトトギス 201701 待春 →2

 

2020年2月8日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。