涼 し 4    200句

能もなき教師とならんあら涼し   夏目漱石   漱石俳句集

涼し  涼気

作品
作者
掲載誌
掲載年月
鎌の音の三拍子なり朝涼し 川上美穂子 酸漿 200209
力み鳴く鷦鷯をり朝涼し 長田秋男 酸漿 200209
立食ひに瀬音涼しき峡の茶屋 内藤順子 酸漿 200209
参道の奥より風の来て涼し 村田さだ子 酸漿 200209
風涼し夜景華やぐスワン川 東芳子 酸漿 200209
声明涼しもう百日かまだ百日 竹内弘子 あを 200209
孫が居てその父がゐて夕涼し 萩原記代 200209
口上の涼しく駈けて桟敷席 名取袿子 200210
坂涼し荷風馴染みの男下駄 吉田久子 200210
きざはしの全段涼し立石寺 黒坂紫陽子 馬醉木 200210
軸一つのみの涼しさ奥座敷 東尾淀子 馬醉木 200210
森を出て森振り返る涼しき瞳 田中矢水 遠嶺 200210
涼しさやなぞりて行年七十七 神蔵器 風土 200210
峡の子のどの子も涼しこゑを持つ 神蔵器 風土 200210
心音や癌病室の涼しき灯 相沢有理子 風土 200210
光なき術後回復室涼し 山路紀子 風土 200210
脚長の涼しき猫はクリスタル 近藤幸三郎 風土 200210
海色の皿を並べて卓涼し 平万紀子 200210
涼しかり力尽きるといふことも 後藤比奈夫 ホトトギス 200210
国分寺径水涼し風涼し 河野美奇 ホトトギス 200210
無上とは十指にありて釈迦涼し 鈴鹿仁 京鹿子 200210
森涼し骨となるまで木を磨く 丸井巴水 京鹿子 200210
お馬流し浮燈台の涼しき沖 松崎鉄之介 200210
涼しさにふと居眠りて寛の夢 悼杉本寛君三句 200210
蔵涼し前と一字の鎧櫃 鈴木竹 200210
土間涼し窓の小さき蔵屋敷 林佳枝 酸漿 200210
白樺の葉擦れ涼しき美術館 網野茂子 酸漿 200210
堰に立つ長江河口の風涼し 網野茂子 酸漿 200210
川隔て灯る南座川床涼し 岡淑子 雨月 200210
喪に非ず黒の涼しき服召さる 喜多初枝 雨月 200210
法を説く百寿の貫主涼しけれ 堀田清江 雨月 200210
旅人に夕ベ涼しき胡弓の音 金森教子 雨月 200210
園の風皇居に隣る涼しさに 江木紀子 雨月 200210
御仏と共の光陰涼しけれ 武政礼子 雨月 200210
涼しさは弥陀に賜はりて島の寺 川上恵子 雨月 200210
梵鐘のひびく山頂星涼し 藤井豊子 築港 200210
道問へばどん突きどすえ寺涼し 井上芙美子 円虹 200210
簡素とは涼しき古刹なりしかな 井上芙美子 円虹 200210
卓涼し君にゆかりの花と云ふ 海輪久子 円虹 200210
小座敷は書道家好み館涼し 小田ひろ 円虹 200210
声明の揃うて涼し黄檗かな 石脇みはる 200210
ピエタ像身も身ほとりも涼しかる 鈴木勢津子 200210
観音の羂索かぞへゐて涼し 谷村幸子 200210
大利根の新たに涼し通ひ舟 久保秀貴 雲の峰 200210
神さぶや堂を真直の風涼し 奥田節子 火星 200210
クッキーの型を涼しく抜きをりぬ 吉田島江 火星 200210
風涼し警備艇にて何か鳴り 木内憲子 200210
海色の酒杯涼しくジンフィーズ 塩路隆子 200211
涼しさは灯の水槽の蓑笠子魚 岡本まち子 馬醉木 200211
洋燈を涼しくともし髭のシェフ 辻本みえ子 馬醉木 200211
ひるね猫ゆるす閻魔や堂涼し 中村風信子 馬醉木 200211
雲涼し翅があらばと仰ぐ日々 丸山佳子 京鹿子 200211
一草に置くたましひの涼しさを 豊田都峰 京鹿子 200211
三門の内を虚空と見て涼し 井尻妙子 京鹿子 200211
鐘を撞くべからず鴉涼しかり 滝沢環 京鹿子 200211
涼しきは皆馳走なり山の灯も 西岡残照 京鹿子 200211
十七忌若きつむじの僧涼し 佐藤香女 京鹿子 200211
磨るほどに墨の香れる涼しさよ 沖祐里 200211
古希越えし兄弟五人鴛鴦涼し 小宮山勇 遠嶺 200211
海峡に星の涼しき出合ひかな 三沢蘭 遠嶺 200211
安曇野の水豊かなり星涼し 浜中雅子 遠嶺 200211
投了のあとの涼しき二人かな 原田暹 百鳥 200211
頂上の涼しきメール届きけり 中田尚子 百鳥 200211
風の音水の音して山涼し 中西道子 百鳥 200211
洋館にアリア涼しく流れをり 青池亘 百鳥 200211
竹林に石仏ありて涼しかり 船山博之 百鳥 200211
文机の下や涼しき膝小僧 柴田久子 風土 200211
涼しさや袈裟に菩薩の指触れし 柴田久子 風土 200211
県境のトンネルを抜け風涼し 武本節子 築港 200211
金星のすでに涼しき高さかな 大東由美子 火星 200211
福耳の湯かんの母の涼しかり 小林成子 火星 200211
百日の嬰に涼しき男眉 清水公治 200211
鑑真の目と合ふ汝の目は涼し 松山律子 六花 200211
独り身を通せし古希の人涼し 平居澪子 六花 200211
扇面の掛仏とは涼しかり 大橋麻沙子 雨月 200211
伊勢丹を出で三越へ地下涼し 大島寛治 雨月 200211
気骨見ゆ仰臥漫録涼しけれ 片山喜久子 雨月 200211
シャガール展幻想めきて涼しかり 小峯雅子 酸漿 200211
燈下涼し恥づれど嬉し師の朱筆 加藤暢一 200211
夕涼し外湯めぐりの橋わたり 生方ふよう 200211
オペラグラスの視野に涼しき舞姿 刈米育子 200212
しばらくは涼しく子規と共にあり 今井千鶴子 ホトトギス 200212
涼しさに身を放りたること少し 岡田順子 ホトトギス 200212
墨涼し子規の文また虚子の文 蔦三郎 ホトトギス 200212
修行僧涼しき顔と裏腹に 小島左京 ホトトギス 200212
膝笑ひやがて涼しき奥の院 小島左京 ホトトギス 200212
良寛のいろはに対す涼しさよ 立石萠木 雨月 200212
北極の旅を涼しく語りけり 石川元子 酸漿 200212
過る風涼しくなりし雑木山 小峯雅子 酸漿 200212
帯鉄を締めて涼しき蔵の樽 河村泰子 ぐろっけ 200212
置き所得て涼しくも陶のもの 竹内方乃 ぐろっけ 200212
涼しさや木曾の旅籠の太柱 飛高隆夫 万象 200212
オカリナの流るる丘や星涼し 山田富朗 遠嶺 200212
演能の篝火もなほ涼しと見 椋誠一朗 ホトトギス 200301
持ち運びして文机の涼しかり 島玲子 風土 200301
剥落といふ涼しさの伎芸天 加美明美 200301
百年を経し子規の文字涼しかり 藤浦昭代 ホトトギス 200302
麻酔地獄さめて極楽星涼し 小野寺節子 風土 200304
脈をとるナースの素顔涼しかり 小野寺節子 風土 200304
涼しさは天人の舞ふ風ならん 長谷川櫂 俳壇年鑑 200304
御料人さん涼しう句碑見てはりまつか 稲畑廣太郎 ホトトギス 200305
道迷ふことも涼しき橅林 稲畑廣太郎 ホトトギス 200305
高僧の涼しく蓮如語りをり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200306
十五年飛躍を誓ふ会涼し 稲畑廣太郎 ホトトギス 200306
新婚の消息を聞く涼しさよ 稲畑汀子 ホトトギス 200306
展示替準備万端涼しさよ 稲畑汀子 ホトトギス 200306
表情の涼しき出会ひなりしかな 稲畑汀子 ホトトギス 200306
涼しさに着けば忘れてしまふ距離 稲畑汀子 ホトトギス 200306
どこまでも涼しき風と太陽と 稲畑汀子 ホトトギス 200306
会場の今日は明るく涼しき灯 稲畑汀子 ホトトギス 200306
善光寺境内涼し句碑除幕 稲畑汀子 ホトトギス 200306
雨止んで涼しき顔の揃ひたる 稲畑汀子 ホトトギス 200306
質問を受けて涼しく応ふべく 稲畑汀子 ホトトギス 200306
渡る人くぐる人あり橋涼し 須佐薫子 帆船 200306
涼しさや白は産着にはじまれり 高倉和子 200306
掠るるは涼しく息を継ぎしとき 野中亮介 馬醉木 200307
涼しげな熊竹蘭の葉の力 稲畑汀子 ホトトギス 200307
沼涼し山雨の置いてゆきしもの 稲畑汀子 ホトトギス 200307
健康を取り戻されし涼しさよ 稲畑汀子 ホトトギス 200307
涼しさを置いて来たりし帰路のこと 稲畑汀子 ホトトギス 200307
子規のこと虚子のことただ涼しさよ 稲畑汀子 ホトトギス 200307
取り戻す涼しき旅の心かな 稲畑汀子 ホトトギス 200307
石手川沿ひに涼しさ拾ひ来し 稲畑汀子 ホトトギス 200307
俳縁といふ涼しさに落ち着きぬ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200307
磊々峡岩・岩・岩の涼しさよ 林翔 200307
大寺の仏前婚は涼しかり 能村研三 200307

 手拝裕任『さそり座』序句

獅子・乙女・さそりと睦み星涼し

鷹羽狩行 200307
橋涼し一枚岩を架け連ね 丁野弘 200307
斜線橋占む工大の窓涼し 大橋敦子 雨月 200307
涼しかり思ひを声にすることも 柴田佐知子 200308
子の声も梳いて涼しき奈良格子 コ田千鶴子 馬醉木 200308
竹編みの十指を使ふ涼しさよ 岡部名保子 馬醉木 200308
涼しげに残暑の卓を飾るもの 稲畑汀子 ホトトギス 200308
かんながらの袖をかざして舞涼し 高橋邦夫 風土 200308
磴百余涼しき界へ入りにけり 禅京子 風土 200308
切通し涼しき声のとほりけり 禅京子 風土 200308
東慶寺に弥生子の墓の涼しかり 池田加代子 風土 200308
坂涼し逢ひたき人は無いけれど 丸山佳子 京鹿子 200308
宿場町竪繁格子涼しげに 松崎鉄之介 200308
喉に水通りて術後涼しかり 千葉冴子 200308
海鞘食ひし口中海の涼しさみつ 北原東洋男 200308
髭に風涼しく兄の逝きにけり 藤田輝枝 対岸 200308
松島湾涼し往く船帰る船 河村岳葉 築港 200308
涼しさや風庵ふうあん夕の蕎麦を打つ 朝妻力 雲の峯 200308
溜息と言継ぐ太夫三味涼し 朝妻力 雲の峯 200308
億年の氷河の碧き崖涼し 橋本恭二 雲の峯 200308
ひと目見て判ず碧の字涼しけれ 大橋敦子 雨月 200308
四万十川の水に遊びて風涼し 谷口ふみ子 雨月 200308
鈴屋に涼しき土間のありにけり 影山わこ 百鳥 200308
涼しさの凛と伸ばせし背筋かな 丸山敏幸 200308
星ひとつ捉へて涼し甕の水 岡本まち子 馬醉木 200309
すすき木菟ひさぐ三畳夕涼し 村上光子 馬醉木 200309
指きりの小指ほどきて涼しけれ 藤井明子 馬醉木 200309
涼しさや白磁の壺の口ひろく 野口伊久子 馬醉木 200309
皿のさみどりの蓼酢の涼しさよ 鷹羽狩行 200309
海涼し天使が星を釣つてをり 浜中雅子 遠嶺 200309
推敲は至福の刻よ灯涼し 山田弘子 円虹 200309
航涼し行く手行く手の島の揺れ 赤井よしを 円虹 200309
素語りの涼しげに聞く京座敷 沢井巨江 200309
灯涼し木に還りゆく円空仏 大沢美智子 200309
涼しかり鯉の一擲玉のごと 神蔵器 風土 200309
正座して涼しと思ふ風炉点前 斉藤小夜 風土 200309
風涼し西行庵に辿り着き 阿波谷和子 雲の峰 200309
手に触るるばかりに木曾の星涼し 池屍足穂 雲の峰 200309
後れ毛に遊ばす指や夕涼し 伊藤月江 雲の峰 200309
満天の星や吹きくる風涼し 原田千寿子 雲の峰 200309
康成の蔵書の展示館涼し 中井久子 雨月 200309
星涼し探偵ポアロにあそびゐて 熊岡俊子 雨月 200309
空白の涼しき誓子遺墨かな 萩谷幸子 雨月 200309
地蔵二百舟型浮彫り涼しげに 松崎鉄之介 200309
転げ出てそこにある岩涼しげに 村越化石 200309
涼しさやナース三人まだ卵 村越化石 200309
磐座は涼しき風の来るところ 谷上佳那 百鳥 200309
山の宿こゑの涼しき女将ゐて 八木玲子 百鳥 200309
涼しさを売り海に向く真珠店 櫻井幹郎 百鳥 200309
涼しさや門前に売る紬糸 影山わこ 百鳥 200309
涼しさの風海からと野原から 上岡末喜 築港 200309
風涼し小手かざし見る鞍馬寺 本荘初枝 築港 200309
涼しさや鳥居の奥に鳥居立ち 成井侃 対岸 200309
粧うて額の涼しき祭馬 城孝子 火星 200309
大屋根に日向の苔の涼しかり 堀博子 火星 200309
暇あれば座る籐椅子風涼し 岡久枝 酸漿 200309
涼しげに岩に群れ咲く鴨足草 須賀敏子 あを 200309
ベネチアの異邦人なり星涼し 須賀敏子 あを 200309
水音の涼しさいつも吊橋に 鈴木多枝子 あを 200309
忘じては問ふ草の名の涼しさよ 金田きみ子 200309
石庭の石余りなき涼しさよ 杉山真寿 200309
戸の全て外す離宮に風涼し 木曽鈴子 ぐろっけ 200309
涼しさや掌を海となし模型船 小川今日哉 200310
師の句集バイブルにして星涼し 渡辺智佳 遠嶺 200310
森の水あつめて川の涼しけれ 岩月優美子 200310
海白し風の一字の墨涼し 中野京子 200310
観の字を夜に見たりき涼しかり 雨村敏子 200310
朝涼し庭下駄揃へおく軒端 城戸愛子 酸漿 200310
三島大社舞殿の御簾涼しかり 網野茂子 酸漿 200310
灯の涼し車椅子用試着室 鈴木照子 200310
手紙派のかな文字涼し見舞状 谷口みちる 200310
浮世絵の女のつんと涼しかり 福嶋千代子 200310
涼しさや青田を神の鶏のこゑ 丸山照子 火星 200310
道灌の裔の案内の蔵涼し 内山芳子 雨月 200310
涼し→ 5      

 

2021年7月19日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。