涼 し 12    200句

涼しさや庭のあかりは鄰かな   永井荷風

涼し  涼気

作品
作者
掲載誌
掲載年月
除幕の日語る住職句碑涼し 千原叡子 ホトトギス 201110
山国の木霊の宿る句碑涼し 古賀しぐれ ホトトギス 201110
木洩日に涼しからむと遥かより 今井千鶴子 ホトトギス 201110
涼しきもの数へつくして眠りけり 島田尚子 馬醉木 201110
空海の山の梵字の涼しかり 岩木茂 風土 201110
高階の夜景涼しき誕生日 生田恵美子 風土 201110
炎昼に白雲動くこと涼し 羽賀恭子 201110
透明な赤子湯上り肌涼し 羽賀恭子 201110
推敲の得心ゆかず星涼し 鈴木一三 末黒野 201110
影涼し帝釈天の松大樹 原和三 末黒野 201110
手を触れてさくらの大樹影涼し 浅川幸代 末黒野 201110
涼しさや堰を乗り越え水の青 浅川幸代 末黒野 201110
風穴の涼しきことよ時忘る 池谷鹿次 末黒野 201110
涼しさや水車離るる水の嵩 平澤侃 末黒野 201110
根本中堂不滅の燭の涼しさよ 平澤侃 末黒野 201110
手書き稿執する人の涼しかり 能村研三 201110
わが腕に涼しき命駆けてくる 田所節子 201110
直線を涼しく配し美術館 清水佑実子 201110
涼しくて日がな一日庭造り 内藤玲二 201110
川風の涼しき老舗通し土間 中島霞 ぐろっけ 201110
涼し気に蕎麦啜りゐて左利き 中島霞 ぐろっけ 201110
毛槍のごと打ち枝をされ杉涼し 松井洋子 ぐろっけ 201110
戒名を誉めらる遺影涼しかり 松本恒子 ぐろっけ 201110
涼しさをしあはせと思ふ昨日今日 遠藤とも子 ぐろっけ 201110
駆け込んできて涼しげな顔でゐる 高橋将夫 201110
昼寝覚この世涼しくゐたりけり 雨村敏子 201110
吟詠の川面にひびき星涼し 近藤きくえ 201110
ようやくに色紙かけ替へ風涼し 谷村幸子 201110
白描の菩薩涼しき眄よ 西村純太 201110
庭下駄のかたき鼻緒の涼しかり 杉浦典子 火星 201110
墓石の涼しき人でありにけり 戸栗末廣 火星 201110
落款に込むる思ひや書涼し 川崎真樹子 春燈 201110
弁天を祀る洞窟灯の涼し 吉成美代子 あを 201110
涼しさの豆腐八つに切りにけり 有本惠美子 ろんど 201110
湯灌して姉の涼しき貌哀し 近藤豊子 雨月 201110
館涼し誓子波津女の筆跡も 尾崎みつ子 雨月 201110
白鳳仏少年めきし涼しさよ 三枝正子 万象 201110
上賀茂の立て砂涼し水こだま コ田千鶴子 花の翼 201111
絶筆の子規の墨色涼しかり コ田千鶴子 花の翼 201111
参道の一歩涼しき太郎杉 コ田千鶴子 花の翼 201111
坑道に涼しき風よ時流れ 中井登喜子 201111
デッキより湖を一望風涼し 西垣順子 201111
邂逅の涼しその後の消息も 安原葉 ホトトギス 201111
水を生み水を落して山涼し 古賀しぐれ ホトトギス 201111
涼しかり火をくぐりきし白磁壺 小坂優美子 馬醉木 201111
すぐ寝落つ幼の息の涼しさよ 丸山美奈子 馬醉木 201111
星涼しテントの中の灯を暗く 服部早苗 201111
百畳に山気満ちたる涼しさよ 宮井知英 201111
野の花を挿して涼しく一人住む 近藤南麓 万象 201111
一面のさざ波となる池涼し 榎本桂子 万象 201111
涼しさや九十四才仮眠中 北村香朗 京鹿子 201111
涼しげにふの字ふんわり坐りゐる 松田都青 京鹿子 201111
生命の波打ち際に来て涼し 松田都青 京鹿子 201111
灯の一つ見上ぐ飛行機夕涼し 岡田愛子 京鹿子 201111
烏天狗所作の決まりて風涼し 新江たか ろんど 201111
夕涼し眼鏡はづして遠ながめ 笠置早苗 火星 201111
急流の奇岩を躱す櫂涼し 藤田かもめ ぐろっけ 201111
一通の信書涼しく過去を呼ぶ 史あかり ぐろっけ 201111
行きずりの船場ことばの涼しさよ 西田敏之 ぐろっけ 201111
老どちの半跏の坐禅堂涼し 荒木稔 ぐろっけ 201111
音涼し引導石に賽すれば 笹倉さえみ 雨月 201111
滝涼し滝の名句を口ずさみ 岩木茂 風土 201111
涼しさや三尊とゐて塔仰ぐ 雨宮桂子 風土 201111
朝涼し人通りなき河童橋 根岸善行 風土 201111
淡海以て近江涼しくしてをりぬ  古賀しぐれ ホトトギス 201112
余りにも北海道の涼しさに  河野美奇 ホトトギス 201112
図書館の高窓明り森涼し  大木さつき ホトトギス 201112
日本に言の葉ありて涼しけれ 佐土井智津子 ホトトギス 201112
辷るかに湖渡り来る風涼し  宮崎正 ホトトギス 201112
曼陀羅に数多のほとけ堂涼し 安武晨子 201112
百幹の竹の饒舌荘涼し 安武晨子 201112
裾さばき涼しき男きたりけり 池田華甲 201112
涼しさよ金箔くまなく貼られゐて 青木朋子 201112
香盆の艶や涼しさ床にのる 伊藤希眸 京鹿子 201112
すべらかにロダンのニンフ像涼し 松井洋子 ぐろっけ 201112
一病に何ぞと対しゐて涼し 内山芳子 雨月 201112
壁に貼る山の大地図風涼し 櫻井住江 万象 201112
すこし手を入れて涼しくしてありぬ 後藤立夫 ホトトギス 201201
サボテンの花涼しげに夏の朝 吉田博行 かさね 201201
ネクタイを締めて涼しくなりにけり 根岸善行 風土 201201
黒鹿毛のまつげ涼しく草を食む 今井春生 201202
宥坐之器満ち落ちる水涼しかり 大森尚子 風土 201202
群島の涼しき海図製作す 豊田都峰 水の唄 201203
回遊魚めまぐるしくて涼しかり 竹内弘子 あを 201203
点滴を見つめ涼しき一と日かな 苑実耶 大河 201203
潮の香の路地裏涼し漁師町 岡本ヨシエ 末黒野 201204
席譲る少年の目の涼しさよ 神谷さうび 末黒野 201204
風涼し土鈴の音を聞きくらべ 神谷さうび 末黒野 201204
連獅子の子役の見得や灯の涼し 美田茂子 末黒野 201204
一山の谺となりて鐘涼し 稲畑廣太郎 ホトトギス 201205
源流を確かめもして川涼し 稲畑廣太郎 ホトトギス 201205
十段で涼しく登城諦めし 稲畑廣太郎 ホトトギス 201205
聞き馴れし川音涼し生家かな 井村和子 風花 201206
水車のみ光陰涼し高札場 桂樟蹊子 201206
父の星涼しく華燭見下しぬ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201206
川幅といふ涼しさに佇めり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201206
能涼し闇司る面かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201206
日本の原風景の里涼し 稲畑廣太郎 ホトトギス 201206
味があると言はれし文字の句碑涼し 稲畑廣太郎 ホトトギス 201206
一山の涼しき出会ひありし句碑 稻畑汀子 ホトトギス 201206
刻々といへる努力の涼しさよ 稻畑汀子 ホトトギス 201206
漱石に警策の音涼しかり 神蔵器 風土 201206
幾万の生命いのち涼しく寺領かな 塩路隆子 201207
星涼し棚田水口閉ざされて コ町千鶴子 馬醉木 201207
あの佳人と気付きてよりの声涼し 稲畑廣太郎 ホトトギス 201207
初めての街涼しさと親しさに 稲畑廣太郎 ホトトギス 201207
函館の百万ドルの灯涼し 稲畑廣太郎 ホトトギス 201207
喇叭手の涼しき音色聞えさう 稲畑廣太郎 ホトトギス 201207
墓涼し烈女眠ると聞けばなほ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201207
三瓶蕎麦てふ涼しさを啜りけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201207

 自宅近所のバーに贈る

灯涼し佳人がワイン注げばなほ

稲畑廣太郎 ホトトギス 201207
再会は涼しき距離を保ちつつ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201207
唐崎の松頂上の涼しかり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201207
じやんけんにさつさと負けて灯涼し 稲畑廣太郎 ホトトギス 201207
堂涼し今日から僕は仏教徒 稲畑廣太郎 ホトトギス 201207
五十人撞く三井寺の鐘涼し 稲畑廣太郎 ホトトギス 201207
宝物めく天井の灯涼し 稲畑廣太郎 ホトトギス 201207
城涼し池内家も徳川派 稲畑廣太郎 ホトトギス 201207
熱き茶をすする涼しさあることを 稻畑汀子 ホトトギス 201207
津波来し跡なきホテル灯涼し 稻畑汀子 ホトトギス 201207
誰彼の消息交はし旅涼し 稻畑汀子 ホトトギス 201207
咲き替り咲きつぐ沼の旅涼し 稻畑汀子 ホトトギス 201207
涼しさを口に出したくなる日かな 稻畑汀子 ホトトギス 201207
涼しさは持つて帰れぬ蝦夷の旅 稻畑汀子 ホトトギス 201207
饒舌を寡黙に受けて涼しさよ 稻畑汀子 ホトトギス 201207
若者の涼しき声を先立てて 稻畑汀子 ホトトギス 201207
二日目の涼しき帰路となりぬべし 稻畑汀子 ホトトギス 201207
舟で行く潮来花嫁風涼し 松田利秋 かさね 201207
白樺の白の躾けの涼しけれ 田中貞雄 ろんど 201207
朝涼し風と水おと交叉して 武藤嘉子 201208
月涼しひとりにひとつづつの座よ 近藤牧男 春燈 201208
金網屋よりスカイツリーを見て涼し 辻美奈子 201208
羽衣と言ひ天女とも言ひ涼し 上坂渥子 雨月 201208
床に落ち音の涼しき空ボトル 小川玉泉 末黒野 201208
白河あたり声の涼しき車内売り 安田とし子 ぐろっけ 201208
涼しさを極め主宰の笑顔かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201208
十薬の匂ひ馴染んで目の涼し 菊地崇之 かさね 201208
懐に挿す笛袋星涼し 渡辺数子 火星 201208
夕暮れて水族館の星涼し 増田一代 201208
脇涼し冷し麦茶を抱き歩き 山田六甲 六花 201208
風涼し修学旅行へゆく少女 田中藤穂 あを 201208
畳目を踏んで蹠を涼しうす 布川直幸 201208
百畳のどこに坐るも涼しけり 高橋将夫 201208
つまみ簪ゆれて人情涼しかり 武藤嘉子 201208
剥落の左右の大臣の影涼し 西畑敦子 火星 201208
鴛鴦涼し濠にゆらめく天守閣 安田とし子 ぐろっけ 201208

 悼 今井杏太郎氏

いくたびも目覚めて涼し滑川

神蔵器 風土 201208
豆腐食べことば涼しくつかひけり 中山純子 万象 201208

 瀧青佳様の追悼有恒俳句会

藤袴文庫に残る名の涼し

稲畑汀子 ホトトギス 201208
熊野路の麓の宿坊月涼し 郡山真帆 かさね 201208
天上の青虎地上のむつみ涼し 稲畑廣太郎 ホトトギス 201208
一度てふ温度差だけで汗涼し 稲畑廣太郎 ホトトギス 201208
スカイツリーすつくと粋の灯涼し 座古稔子 201208
クラシックホテルの威厳灯涼し 稲畑廣太郎 ホトトギス 201208
ロック座の小町涼しく老いけらし 辻美奈子 201208
神の池に浮かぶ楼閣風涼し 和田郁子 201209
橅涼し迦陵頻伽もみ空には 大畑善昭 201209
滝寺荘ながむ闘竜灘涼し 江見巌 六花 201209
月涼し千手のみ手の翳り濃く 長谷英夫 馬醉木 201209
千枚田貫く水音涼しかり 城台洋子 馬醉木 201209
声明の和して涼しき護摩祈祷 藤原若菜 春燈 201209
星涼し音なく廻る観覧車 師岡洋子 ぐろっけ 201209
水琴窟天平の世の水涼し 東良子 201209
水琴の涼しき韻に屈みけり 田下宮子 201209
水音の涼し四阿「有楽」かな 田中佐知子 風土 201209
深山の渓谷涼し水の音 吉田博行 かさね 201209
寄するより引きゆく波の音涼し 仙石君子 雨月 201209
化粧水の無色涼しきたなごころ 甲州千草 201209
女流書家の揮毫涼しき蔵茶房 松岡和子 201209
蝉涼し雲分けてゆく奥の院 田中藤穂 あを 201209
涼しさを仏間に入れる小窓かな 伊藤憲子 201209
来ぬ人を待つ松が枝の月涼し 塩貝朱千 京鹿子 201209
友と入る薬師の堂や灯の涼し 谷村幸子 201209
涼しさや果てなき思ひ三保の海 四條進 201209
手を振つてオペ室に消ゆ妻涼し 木内博一 春燈 201209
名刹の枯山水の灘涼し 杉山瑞恵 雨月 201209
泪目をなほす目薬涼しかり 神蔵器 風土 201209
耳鳴りてふ異界の音や星涼し 藤原照子 201209
夏涼し川面に石をすべらしぬ 石脇みはる 201209
館涼し粋な火消しの噺など 東野鈴子 雨月 201209
百人の僧の庭掃く涼しさよ 近藤幸三郎 風土 201209
八十八齢や知足の心涼しくて 大橋敦子 雨月 201209
峡をゆく北山杉の涼しかり 和田郁子 201209
馬の目に涼しさ貰ふ賀茂の杜 竹中一花 201209
芭蕉句碑に会ひ得て涼し札所寺 橋添やよひ 風土 201209
当ての無き一と日を贅として涼し 柴田佐知子 201209
嬰抱く木喰仏や風涼し 東良子 201209
月涼し潮鳴り聴こゆ浜の家 青木英林 かさね 201209
ふる里に君在ると聞く涼しさよ 大木清美子 201209
地獄絵に火いろ血のいろ月涼し 塩貝朱千 京鹿子 201209
一切を妻に任せて風涼し 水原春郎 馬醉木 201209
エッフェル塔のスパーク短か夜の涼し 塩路隆子 201209
朝涼し家族のパンの生地叩く 森理和 あを 201210
朝顔の垣根涼しき散歩道 青木英林 かさね 201210
蔵造りの漆喰窓に風涼し 小池清司 かさね 201210
軽井沢銀座ベンツの人涼し 鈴木照子 201210
もう少し寝かす詠草星涼し 安藤しおん 201210
川風が涼しさはこぶ焼肉屋 早崎泰江 あを 201210
蝉涼し機にかかれる上田縞 宇都宮敦子 201210
声明に笙の音涼しモダン寺 平田恵美子 ぐろっけ 201210
涼し →13      

 

2021年8月10日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。