182句

    寿司

作品
作者
掲載誌
掲載年月
鯖鮨や梅雨のなかばの近江路に 皆川盤水 春耕 199808
腕時計置いてきし夜のさより鮨 杉浦典子 火星 199908
みよしのは今真青なる朴葉鮨 柏井幸子 円虹 199909
界隈の路地をそらんじあなご鮨 千田百里 巴里発 199911
青空のひろがつて来る鯖の鮨 伊藤多恵子 火星 199912
柿の葉鮨囲む姉妹に恙なし 小池槇女 火星 199912
春寒の柿の葉鮨ある旅もがな 能村登四郎 200003
火桶置く奈良の老舗の鮨どころ 辻井桂子 俳句通信 200004
包丁を濡らして巻き鮨切りにけり 正木光子 いろり 200010
魚河岸や師走滅法旨い鮨 芝尚子 あを 200103
大桶の鮨とり分けて忌の集ひ 鷹羽狩行 200109
時価とある末おそろしき鮨を食ふ 泉田秋硯 200110
鮎鮨の背の青さよ一つまみ 内藤順子 酸漿 200110
枇杷の花鮨屋に昼のシャンデリア 戸田喜久子 200202
祭鮨風の自在に床柱 成定紋子 船団 200202
伊勢の鮨この上なくて刻惜む 大橋敦子 雨月 200207
押鮨を名代に当主六代目 川合広保 雲の峰 200208
みちのくの回転鮨に海鞘ありぬ 望月ひろゆき 200210
別れての柿の葉鮨となりにけり 篠原俊博 銀化 200210
節分の巻き鮨千本売り切りし 阪口美枝子 雨月 200303
節分の巻き鮨を巻く夫と子と 阪口美枝子 雨月 200303
節分の鮨米七斗炊き上げし 阪口美枝子 雨月 200303
みちのくの鰰鮨の神の味 松崎鉄之介 200303
鮨飯を覚ます光に夏来る 伊藤京子 200308
母の日や母に習ひし鮨を押す 塩谷はつ枝 馬醉木 200309
ふるさとに海の幸あり祭鮨 斉藤静枝 あを 200309
秋の暮関さばの鮨旨きこと 芝尚子 築地吟行 200310
鮨桶へきりりと固き花結び 及川茂登子 対岸 200310
巻鮨の酢の利きすぎる野分前 須佐薫子 帆船 200311
目の粗きたつぺや漁夫の一夜鮨 十河波津 200312
秋日和関鯖の鮨うまきこと 芝尚子 あを 200312
白峯の夜風なりけり蝦蛄の鮨 谷村幸子 200312
三人して鮨屋の椅子に長き夜 芝宮須磨子 あを 200312
銀の光頬ばる秋刀魚鮨 沖増修治 百鳥 200401
笹まきの一口鮨や春立てる 福盛悦子 雨月 200403
熊笹に押鮨つつむ細雪 荒井千佐代 200405
なれ鮨や湖北に残る京言葉 三好智子 200407
柿若葉柿の葉鮨のために摘む 二瓶洋子 六花 200409
糸引くや鮒鮨の飯炊かれつつ 辻恵美子 栴檀 200410
大将の戻つて来たり祭鮨 山田六甲 六花 200410
鮒鮨を仕込む母屋に風鈴鳴る 長村雄作 栴檀 200411
鮨種に牛肉もあり終戦忌 坂上香菜 200411
繭倉の前鮒鮨の飯を炊く 遠藤三鈴 栴檀 200411
雨のあと青き風くる朴葉鮨 柴田佐知子 200411
直哉忌や鮨屋の猫の名は小僧 岡野イネ子 春燈 200412
鯖鮨の鯖の香口の端に残る 大橋敦子 雨月 200412
鱒鮨の近江も奥に落ち合ひぬ 山尾玉藻 火星 200507
山越や薫風の中の目張鮨 中里カヨ 酸漿 200508
山葵抜きの鮨囲みをり子供の日 山田夏子 雨月 200508
穴子鮨嫂作り母の好み 島村久枝 200509
斉の座の今年ひとりや笹の鮨 井上信子 200511
ちらし鮨お福分けする夕月夜 芝尚子 あを 200512
太刀魚焼き散らし鮨をし吾を待てる 近藤豊子 雨月 200601
鮨に敷く竹も春なる緑かな 兼子栄子 酸漿 200602
持てなしの鱧鮨香る奥座敷 和田照子 200602
鯵鮨の柚子一切れのかをりかな 大栗須美子 万象 200603
大湯呑抱けば鮨屋に亀の鳴く 戸田春月 火星 200605
茶を揉みし香の残る指鮨つまむ 谿昭哉 200607
手土産と湯引き鱧鮨持たさるる 安井和子 200609
東征に柿の葉鮨を伴とせり 泉田秋硯 200610
亡き人の声もまじりて祭鮨 伊東恵美子 馬醉木 200611
さざんかの花弁ふんで鮨届く 市場基巳 200704
握り良し押してなほ良し穴子鮨 稲畑廣太郎 ホトトギス 200706
旅人の買ひ俊へゆく諸子鮨 横井博行 万象 200707
黒潮の幸の太刀魚鮨得たり 池田かよ ぐろっけ 200708
鮎鮨を泳ぐ形に皿にのせ 舩越美喜 京鹿子 200709
鮨つまみながら読みゐる革命史 松田都青 京鹿子 200709
青田が囲む鮨屋も磯の匂ひして 金井充 百日紅 200711
しみじみ食ぶ妻の好みし蕪鮨 大橋晄 雨月 200803
白魚の鮨に四方山話湧く 宮城島たか子 200805
握り鮨の鯛に木の芽の透きにけり 杉谷文江 200806
鮒鮨の個々に味あり浜の宿 中川すみ子 200810
軒低く古りし居酒屋秋刀魚鮨 森理和 あを 200811
初秋刀魚鮨屋の背の丸くなり 赤座典子 あを 200811
秋祭りに賜ふ播州くされ鮨 宮崎左智子 200811
茗荷鮨みるみる減りぬ備前皿 太田昌子 馬醉木 200812
米人の握る鮨種秋灯 市村義夫 風土 200812
柿の葉を出でし鮨の香四日かな 山尾玉藻 火星 200902
鮨種の品書にある師走かな 川口襄 遠嶺 200903
温め鮨食らひ思はぬ知恵湧きぬ 南光翠峰 馬醉木 200903
笹鮨の笹すぐ乾く漱石忌 山路紀子 風土 200903
蒸し鮨を食うべ七福詣かな 伊勢きみこ 火星 200904
散鮨の木の芽山椒を叩きけり 山田六甲 六花 200905
ぬひぐるみにキウイ加はり五目鮨 赤座典子 あを 200907
買ひし鮨忘れしままに万愚節 大橋晄 雨月 200907
江戸前の鮨万太郎忌なりけり 本田保 春燈 200907
鮨桶に水張つてをり子どもの日 笹村政子 六花 200908
鮨食べて流人の裔と親しめり 山田春生 万象 200909
お喋りも共に呉れたる穴子鮨 平田恵美子 ぐろっけ 200909
おひとつどうどす蓮の葉鮨によばれけり 柴崎富子 春燈 200910
熊野路のかがやく海や秋刀魚鮨 坂上香菜 201001
紅葉湯のほてりなほあり目張り鮨 鈴木照子 201001
小寒の玄関ベルは出前鮨 嶋田摩耶子 ホトトギス 201005
夕餉には鮨屋ヘバレンタインの日 小原登志春 雨月 201005
もろぶたに運ぶ鮨飯春祭 中条さゆり 201006
鮨桶の底に飯粒春近し 天野美登里 やぶれ傘 201006
巻き鮨のアボカドの青涼しかり 田所節子 201009
手巻鮨母の話に逸れてゆき 平田恵美子 ぐろっけ 201011
秋鯖の鮨届けられ木偶桟敷 塩路隆子 201012
鮨桶の箍緩みたる冬隣 宮井知英 201101
寒鰤の鮨とびきりの口あたり 上原重一 201101
訪ふ里の鯖鮨旨し赤のまま 宮崎左智子 201101
鱶鮨を納めし蔵のなまこ壁 坂上香菜 201103
ぼんぼりや愛ちりばめし散らし鮨 岸本幸 ろんど 201106
房総の春や金目鯛のあぶり鮨 原口頌子 ろんど 201106
初物の鱧鮨囲み釣りばなし 竹内悦子 201108
海がまあきれいに晴れて一夜鮨 小形さとる 201108
鮒鮨や近江の人はみな長寿 竹内悦子 ちちろ虫 201108
鮨もよし酒もよろしと涼むかな 小形さとる 201109
散鮨を取り分けてをり半夏生 加藤みき 201109
鮨を食ふ鱧の骨切り眺めつつ 難波篤直 201110
巻き鮨のはなやぎ並べもてなさる 菅澤陽子 春燈 201111
十二月八日ハワイの鮨を食ふ 近藤ともひろ ろんど 201203
幕間の大阪鮨や年の内 緒方佳子 火星 201203
灯を点す老舗鮨屋の松飾 有賀鈴乃 末黒野 201204
握り鮨の山葵が口にひろごれる 長島清山 かさね 201205
妻をれば鮨でもつまむ花筏 川井素山 かさね 201206
鱧鮨を玻璃皿に盛り茶屋料理 田下宮子 201208
鱧鮨や辻わたりくる遠囃子 高瀬史 馬醉木 201210
鮨だねに隠し包丁走り梅雨 榎本文代 万象 201210
冷酒や二年越しなる鮒の鮨 江見巌 六花 201210
門口に鮨屋の桶や立葵 根橋宏次 やぶれ傘 201210
誇らかに姑率先の祭鮨 千原叡子 ホトトギス 201211
道の駅焙り過ぎなる秋刀魚鮨 堀志皋 火星 201301
初春の箱鮨ひとつ頬張りぬ 竹内悦子 201304
春の日や鮨屋の桶の幾重ね 大場光よし 風土 201305
灯の映る鱵の鮨を二貫ほど 根橋宏次 やぶれ傘 201305
銀鱈の初の押鮨旅情湧く 三橋玲子 末黒野 201310
柿の葉で包みし鮨の鱰なる 山野美賛子 ぐろっけ 201310
押鮨の笹ほどきあふ月の宴 山田六甲 六花 201310
笹鮨の笹をかさねて母郷の夜 松本美簾 馬醉木 201311
秋日和傾けて乾す鮨の桶 布村松景 春燈 201312
湯ほてりに宿着ふくらむ蕪鮨 桂樟蹊子 201312
新米の張紙誘う鮨のれん 鎌田慶子 ろんど 201402
白梅の一輪鮨に押してあり 山田六甲 六花 201402
祭鮨飽きたる子らに塩むすび 今井忍 ぐろっけ 201402
圧し強き鯖鮨北山時雨かな 田中佐知子 風土 201402
鯖鮨や声に歳の知れる憂さ 竹内弘子 あを 201403
節分の豆よ鮨よと命守る 磯野しをり 雨月 201405
毛抜鮨神田祭に来てさがす 水原秋櫻子 馬醉木 201405
暮れてより雛の鮨の届けらる 小林愛子 万象 201406
箱鮨の角がいのちや般若湯 桐島加代子 ろんど 201407
くらわんか鮨の名残りの伊万里焼 池端英子 ろんど 201408
青年に冬生き生きと鮨にぎられ 堀内一郎 堀内一郎集 201412
鮨の酢に噎せて母似の咳こぼす 竹内弘子 あを 201501
西洋料理の口直しとて蕪鮨 大橋晄 雨月 201504
鮨食べて雨の大川わたりけり 佐藤和子 万象 201510
にぎり鮨握り三十七回忌 山崎靖子 201510
鮨桶に海老の尾のこす誕生日 佐津のぼる 六花 201510
鮎鮨や工都の靄に月上がる 高橋泰子 201510
江戸前の声ごと入れて握り鮨 熊川暁子 201511
鮨詰めを更につめ合ひ燗冷まし 風間史子 201607
鯖鮨の熟るる納戸の闇照らす 吉村摂護 201607
車座になつて分けあふ鱧の鮨 市村明代 馬醉木 201608
生き死にの話鯖鮨食べてをり 竹内悦子 201608
鮨つまみ女同志の砂払ひ 田原陽子 201609
鮨詰の秋思の顔と乗り合はす 田所節子 201611
呉須赤絵蒸鮨五客揃ひけり 水原秋櫻子 馬醉木 201612
江戸情緒残すこの坂穴子鮨 田中藤穂 あを 201610
初午や甘く煮染めし稲荷鮨 木村みどり 春燈 201704
雛の夜の夫婦に届くちらし鮨 田中臥石 末黒野 201706
リクエストは五目鮨花いちもんめ 雨村敏子 201707
蒸し鮨を黒門市場の賑はひに 多方清子 雨月 201803
歯触りも味覚も加賀の蕪鮨 江木紀子 雨月 201804
川音に昏るる吉野の釣瓶鮨 大久保志遼 201808
献上の誉れの味の穴子鮨 三村純也 ホトトギス 201809
立山の谿の匂ひや鱒の鮨 竹中一花 201809
酢を打つて腕の自在に祭鮨 亀井福恵 京鹿子 201812
蕪鮨友の供養と届きけり 竹内喜代子 雨月 201905
春惜む最中の鮨のさくら色 一民江 馬醉木 201907
押し鮨を開き越中ほのかなり 酒井たかお 201912
わだかまり解けてつまみぬ細魚鮨 黒滝志麻子 末黒野 202007
消毒のそのままの手で抓む鮨 谷口一献 六花 202009
鮎鮨の尾つぽの残る誕生日 小原芙美子 風土 202011
ちらし鮨仕上げの卵ほそく切る 綱徳女 春燈 202107
居住ひを正し老舗の鮒鮨屋 古賀しぐれ ホトトギス 202111
お土産に鮨・菓子・葡萄敬老日 田中藤穂 あを 202111
湯呑み手に回りくる鮨待ちてをり 三浦信行 202208
一刷のたれは秘伝ぞ穴子鮨 内藤静 風土 202209
瀬戸内の穴子たつぷりちらし鮨 落合絹代 風土 202209
胸までの大船観音鯵の鮨 落合絹代 風土 202209
一貫は舌にとろけて握り鮨 森田節子 風土 202209

 

2023年7月13日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。