水 仙 9     100句

其にほひ桃より白し水仙花   芭蕉

水仙  黄水仙

作品
作者
掲載誌
掲載年月
黒潮の光へなだれ野水仙 三輪温子 雨月 201903
水仙の叢より歩巾広くなり 高木晶子 京鹿子 201903
夜のうちの雨水仙の立ち揃ふ 能村研三 201903
水仙を咲かせ布袋を祀る寺 廣瀬雅男 やぶれ傘 201903
水仙をゆする風くる畑の端 白石正躬 やぶれ傘 201903
水仙を湿らす程の昼の雨 渡邉孝彦 やぶれ傘 201903
水仙や間隔長き昼のバス 谷口摩耶 201903
野水仙長寿言祝ぐ若者等 長崎桂子 あを 201904
水仙のにほふ辺りの夜の底 善野行 六花 201904
水仙の吹かれつぱなし郵便来る 伊藤希眸 京鹿子 201904
通されて水仙匂ふ中二階 宮内とし子 201904
波音の響く岬や水仙花 及川照子 末黒野 201904
膝元を明るくしたり水仙花 細川洋子 201904
喇叭水仙風に音程任せをり 森岡正作 201904
寂光の香や切岸の水仙花 小林文良 春燈 201904
波さわぎ葉づれにはかに野水仙 佐津のぼる 六花 201904
水仙を手前に富士の雄姿かな 小島昭夫 春燈 201904
岬まで歩くつもりや水仙花 村上美智子 雨月 201905
一隅の日差しの匂ひ水仙花 本多正子 雨月 201905
蓮池の回りに咲きて野水仙 安部和子 雨月 201905
建国日水仙の芽を数へゐる 大沼経子 201905
ぐい飲みに夢を注ぎたす水仙忌 鈴鹿呂仁 京鹿子 201905
行間にこころの弛み野水仙 塩貝朱千 京鹿子 201905
厚雲のほぐれ鳥翔つ水仙忌 北川孝子 京鹿子 201905
観覧車水仙の地へ降りて来る 横井遥 201905
水仙の川面に青き空ありぬ 廣畑育子 六花 201905
隣との地境今に水仙花 小川玉泉 末黒野 201905
絶つほどの煩悩はなし野水仙 赤峰ひろし 201905
もてなしは一輪挿しの水仙花 村手雅子 201905
思ひきり風雨と車音野水仙 伊藤希眸 京鹿子 201905
人はみな何かに祈る水仙忌 北川孝子 京鹿子 201905
野水仙手折れば母の声がする 佐藤あさ子 201905
水仙を壺に久女の忌でありぬ 水谷はや子 201905
蘆叢の一隅を占め水仙花 安部和子 雨月 201905
皇后の水仙根付く地震の地よ 荒井ハルエ 春燈 201905
一輪の水仙の寂お茶点つる 本多正子 雨月 201905
満開の水仙先師に捧げたく 片岡良子 雨月 201905
水仙の香り抱へて客来る 高濱朋子 ホトトギス 201905
野水仙盛る堤や通学路 斉藤雅子 末黒野 201906
日を追はぬ水仙海の風まかせ 森清信子 末黒野 201906
本題に入る水仙片寄せる 谷さやん 船団 201906
季の音に耳目そばだつ水仙忌 菊池和子 京鹿子 201906
水仙の息つめてゐる夜汽車かな 山中志津子 京鹿子 201906
南無空のひかりとなれり野水仙 安田優歌 京鹿子 201906
窓はそら色水仙は父の花 谷さやん 船団 201906
水仙のふるさとという景色かな 藪ノ内君代 船団 201906
三寒に水仙四温に梅開花 竹村淳 201906
足下は真青なる海野水仙 湖東紀子 ホトトギス 201906
高らかに喇叭水仙喇叭立て 山田夏子 雨月 201907
爪木崎群れて孤独か水仙花 仁上博恵 201907
貴公子の片鱗喇叭水仙に 山田夏子 雨月 201907
ドア開くや水仙の香と若き娘と 窪みち子 201907
そむき合ふ水仙一気に束ねけり 柴崎富子 白地 201909
水仙花海恋ふ色として楚々と 稲畑廣太郎 ホトトギス 201912
この部屋に水仙の香の活けらるる 稲畑汀子 ホトトギス 202001
島を訪ふ日の待たるるも野水仙 稲畑汀子 ホトトギス 202001
開国の哀史を秘めて野水仙 稲畑廣太郎 ホトトギス 202001
水仙花土手に一本日を儘に 大塚たきよ 202003
澄みわたる水仙の香のひとところ 藤田美耶子 202003
水仙のけふ純白に咲き揃ふ 谷口摩耶 202003
白波の噛む切り岸の水仙花 丸尾和子 雨月 202003
水仙の句座に流れる香りかな 大橋晄 雨月 202003
夕闇に水仙ゆるる渡船小屋 白石正躬 やぶれ傘 202003
水仙の花のかたへに魚干され 根橋宏次 やぶれ傘 202003
水仙や葉のみ育ちて花を待つ 石川憲二 六花 202004
節分会水仙の花賑はへり 延川笙子 六花 202004
水仙花ギリシャ神話の美少年 及川照子 末黒野 202004
海見ゆる園の水仙汀女句碑 高木邦雄 末黒野 202004
波音の風音の崎野水仙 岡野里子 末黒野 202004
海鳴りの迫る岬や野水仙 森清堯 末黒野 202004
海よりの風をあまして野水仙 三代川玲子 春燈 202004
水仙の香やよみがへる祖母の笑み 荒井慈 春燈 202004
水仙を包む汚職の新聞紙 熊川暁子 202004
夕暮れに三毛猫の来る水仙花 秋川泉 あを 202004
谷を埋め岡を越えをり野水仙 堺昌子 末黒野 202005
八十路には八十路の立志水仙花 斉藤マキ子 末黒野 202005
水仙の香る電話の向かうかな 山中志津子 京鹿子 202005
紅梅に佇ち水仙に屈みけり 山内宏子 202005
水仙の道に墓ある嬉しさよ 竹中一花 202005
水仙の花の香束ね持ち帰る 久保夢女 202005
この風が季節を分かつ野水仙 平野多聞 202005
ねず色の遠山丘の水仙花 岡野里子 末黒野 202005
鳶飛ぶ水仙の群山間に 堺昌子 末黒野 202006
百周年絆ひろげし水仙忌 西村白杼 京鹿子 202006
水仙の土もたげゐるひとところ 山本久枝 やぶれ傘 202006
水仙の一本すくと残り立つ 増田裕司 やぶれ傘 202006
水仙の波打つてゐる斜面かな 戸栗末廣 202006
みな海へ向く水仙の百万本 坂口晴子 202007
捨てられぬ母の針箱水仙花 横田敬子 202007
水仙や食事制限相伴す 土井ゆう子 風土 202007
ラッパ水仙笑ひころげてゐた昔 井尻妙子 京鹿子 202008
野水仙淡路の旅の近づきて 稲畑汀子 ホトトギス 202101
信条を曲げぬ体なり水仙花 中貞子 202102
山裾の崖の観音水仙花 福田禎子 末黒野 202103
水仙がホース格納箱脇に 渡邊孝彦 やぶれ傘 202103
父母の写真に供へ水仙花 秋山信行 やぶれ傘 202103
町会の倉庫の横の水仙花 村田武 やぶれ傘 202103
水仙は工事現場の片隅に 神山市実 やぶれ傘 202103
水仙を活けてひとりの夜となり 木村瑞枝 やぶれ傘 202103
房州の波の白さや野水仙 須賀敏子 あを 202103
水仙 →10

 

2022年2月5日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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