水 仙 8     100句

其にほひ桃より白し水仙花   芭蕉

水仙  黄水仙

作品
作者
掲載誌
掲載年月
強風をいなして咲けり水仙花 秋川泉 あを 201704
水仙や強風になほ香を保ち 大橋晄 雨月 201704
岬鼻を攻むる怒濤や野水仙 大川暉美 末黒野 201704
水仙や崖の下より波の音 池谷鹿次 末黒野 201704
水仙の香り溜りといふがあり 辻美奈子 201704
駅までの標となりて野水仙 頓所友枝 201704
水仙の香の深沈と石仏 藤田美耶子 201704
潮目より風の吹きくる水仙花 阿部月山子 万象 201704
交番はいつも空っぽ水仙花 岡田正義 雨月 201704
結ばれし水仙の葉に春みぞれ 森なほ子 あを 201705
水仙と松を競はせ城ヶ島 田村加代 末黒野 201705
水仙に午後の日あふれ庭の昼 吉田きみえ 末黒野 201705
水仙畑筧を落つる水の音 伊藤美音子 万象 201705
岬山をうづめつくして水仙花 伊藤美音子 万象 201705
水仙の喇叭のなかのうすみどり 中川句寿夫 ここのもん 201705
水仙の一群れ柵の向う側 江見悦子 万象 201705
遠山は暮れ水仙に日の名残り 飛高隆夫 万象 201705
あら樫の林を抜けて野水仙 箕輪カオル 201705
尋ぬれば破れ家なりし水仙花 原田達夫 201705
水仙に囲まれゐたる墓数基 伊藤美音子 万象 201705
風のたび水仙匂ふ峠口 伊藤美音子 万象 201705
水仙や風にゆらゆら遊んでる 溝渕弘志 六花 201705
黒潮の洗ふ岬の水仙花 榎本秀治 201705
水仙を活けて師を恋ふ一行詩 玉置かよ子 雨月 201705
銀の瓶の水仙香の深し 大石喜美子 雨月 201705
敦子の忌近し水仙句座に活け 大橋晄 雨月 201705
汐汲浜水仙ひとつ流れ着く 岩木茂 風土 201705
海鳴りや虚空へ萎ゆる水仙花 上野紫泉 京鹿子 201705
淡路とは阿波への路か水仙花 山崎隆司 京鹿子 201705
水仙を活けて菊炭沈ませり 住田千代子 六花 201706
早春の風に花あげ野水仙 久保東海司 201706
六腑突く水仙の香の一直線 吉田孝江 京鹿子 201706
水仙の所を得しとして匂ふ 高木晶子 京鹿子 201706
胸になほおもかげの生き水仙忌 北川孝子 京鹿子 201706
句は心俳味豊かな水仙忌 植村蘇星 京鹿子 201706
一系になびき不変の水仙忌 植村蘇星 京鹿子 201706
年尾偲ぶこと海も見て野水仙 嶋田一歩 ホトトギス 201707
海風に負けずに揺れて野水仙 嶋田一歩 ホトトギス 201707
野水仙潮の流れを見て育つ 久保東海司 201708
水仙のひとかたまりが土手下に 白石正躬 やぶれ傘 201711
水仙や少女の「好き」は恋ならず 河本由紀子 春燈 201803
独り居の暮れて水仙匂ひけり 中野あぐり 春燈 201803
初咲きの水仙夫の供華とせむ 宮本加津代 万象 201803
夫の君の御許にかをれ水仙花 岡野里子 末黒野 201803
抽ん出て風を呼びをり野水仙 菅野日出子 末黒野 201803
ラッパ水仙ラ抜き言葉は許さない 木戸渥子 京鹿子 201803
水仙の花芽すつくと立ち上がり 伊藤由良 末黒野 201803
波音にまさる風音水仙花 佐々木よし子 201803
庭先にうつむき咲けり水仙花 石森理和 あを 201804
水仙の香に眠りたる猫と吾 秋川泉 あを 201804
水仙の香のしづかさや寺座敷 種田利子 春燈 201804
風ひとつ水仙の香を盗みをり 橋本くに彦 ホトトギス 201804
一輪の水仙部屋を正しうす 渡辺美智子 末黒野 201804
海原の沖行く舟や水仙花 田中繁夫 末黒野 201804
もう山の影がとどいて水仙花 栗坪和子 201804
海からの風まだ硬し水仙花 及川照子 末黒野 201804
校庭に真向き背きて水仙花 森一枝 末黒野 201804
崖道の展けて海や八重水仙 松本三千夫 末黒野 201804
観音は細みにをはす水仙花 市村明代 馬醉木 201804
風ん子と忍び笑ひの野水仙 塩貝朱千 京鹿子 201804
水仙花光芒湖を渡り来る 松本鷹根 京鹿子 201804
断崖に波砕け散る野水仙 西千代恵 雨月 201804
寒に耐へ咲く水仙の矜恃かな 堀田こう 雨月 201804
水仙の一花に書斎引き締まる 三輪温子 雨月 201804
一日が丸く暮れたり寒水仙 犬塚芳子 201804
水仙の香の満ちてゐし畳かな 田中藤穂 あを 201804
老猫も水仙の香に酔うてをり 秋川泉 あを 201804
去年より三株殖えをり水仙花 石森理和 あを 201804
もともとは伊豆の道辺の水仙花 石森理和 あを 201804
生きる場所突如替へられ水仙花 石森理和 あを 201804
花好きの中でも一番水仙花 石森理和 あを 201804
写経終へ水仙深く匂ひ立つ 阪倉孝子 201805
水仙の一塊に日の優し 友田悠子 末黒野 201805
波音の孕む光や水仙花 大塚かずよ 末黒野 201805
野水仙百万本の靡く崎 高木邦雄 末黒野 201805
野水仙潮の香強き雨意の風 森清堯 末黒野 201805
折り鶴の角度に折れて野水仙 大川ゆかり 201805
水仙忌一句成さずば百句なし 鈴鹿呂仁 京鹿子 201805
水仙の低きより咲く風岬 佐藤澄世 馬醉木 201805
野水仙海は大きな日向かな 岡本秀子 201805
水仙や色紙に母が筆の詩 藤井寿江子 馬醉木 201805
汀道続く限りや野水仙 安斎久英 末黒野 201805
水仙を嗅いでをりたる羅漢仏 志方章子 六花 201805
水仙や鋏入れればキュッと鳴く 久保夢女 201805
鐘つけば水仙匂ひきたりけり 志方章子 六花 201806
その中に近道もでき野水仙 嶋田一歩 ホトトギス 201806
すぐ解く荷として届き野水仙 嶋田一歩 ホトトギス 201806
水仙の一花孤高を保ちをり 大橋晄 雨月 201806
波しぶき葉ばかり伸ぶる野水仙 岸洋子 201807
水仙を摘んで束ねて誕生日 衣斐ちづ子 201807
水仙やもう行かなくてよい母の家 えとう樹里 201808
灯を消してなほ水仙はそこにあり 大橋晄 ホトトギス 201808
水仙に賽銭あげて戻り橋 長沼佐智 船団 201809
崖っぷちのキスの金色水仙花 山田まさ子 船団 201811
水仙や下田の旅を目前に 稲畑廣太郎 ホトトギス 201901
水仙に旅の記憶といふ香り 稲畑廣太郎 ホトトギス 201901
潮の香の風にも乗りて野水仙 稲畑汀子 ホトトギス 201901
水仙の吾に気魄の花をかかぐ 大橋敦子 雨月 201901
水仙の拗ねた一本海を見ず 丸井巴水 京鹿子 201902
水仙の葉を分け茎を立てにけり 大日向幸江 あを 201902

水仙→ 9

 

2021年2月5日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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