水 仙 5     166句

水仙の花活け會に規約なし    高浜虚子

水仙  黄水仙

作品
作者
掲載誌
掲載年月
一月の水仙畑の朝日子よ 伊丹さち子 馬醉木 200702
水仙や島主の名もて島を呼び 伊藤白潮 200702
水仙に幻惑されてゐて至福 大橋敦子 雨月 200702
池畔梅水仙と香をきそひをり 阿部ひろし 酸漿 200702
凪の日のひかり真つ直ぐ野水仙 渡辺昭 200703
晩年のことば尊ぶ水仙花 吉田陽代 200703
水仙の蕾を擡ぐ凛々しさよ おかたかお 200703
水仙を見てゐて肩を凝らしけり 大橋敦子 雨月 200703
水仙の二本を挿せば二本の香 石垣幸子 雨月 200703
水仙や枯淡を旨のくらしにて 味村志津子 雨月 200703
水仙を活けて心の張り高む 上坂渥子 雨月 200703
水仙花心のねぢれをほぐしけり 塩野きみ 遠嶺 200703
水仙花綺麗に老いし人と逢ふ 中島静子 酸漿 200703
野水仙日なた日かげの光かな 鴨下昭 200703
空間のねぢれねぢれて水仙花 小澤克己 遠嶺 200704
姿見に先づ水仙の映りけり 浜田はるみ 遠嶺 200704
海荒れてゐし水仙の出荷どき 大西八洲雄 万象 200704
直立の水仙にあるこころざし 塩山弓子 雨月 200704
取り囲む空気にちから水仙花 辻直美 200704
朝市の水仙潮風に束ね 内山花葉 200704
墓新らし水仙を噎せるほど 田原陽子 200704
水仙や石橋つなぐ庭と庭 根岸美智子 200704
水仙の芽の照り合へる誕生日 坪井洋子 200704
浪音の後へなだるる島水仙 清水幸治 200705
がんがんと朝日のあがる水仙花 百瀬七生子 海光 200705
浮世絵に影は描かれず水仙花 百瀬七生子 海光 200705
友訪ふ手植ゑ水仙大束に 澤浦緑 ぐろっけ 200705
水仙花自由にどうぞと角に置き 澤浦緑 ぐろっけ 200705
海風を去なし孤高の水仙花 久保晴子 雨月 200705
妻三日留守水仙の濃く匂ふ 山本喜朗 雨月 200705
病む老の気配のありぬ水仙花 大塚民枝 酸漿 200705
水仙を抱いて来し胸香りけり 木内美保子 六花 200705
水仙をブルーの紐で束ねけり 松下幸恵 六花 200705
一輪の水仙の香に眉上ぐる 筒井八重子 六花 200705
燈台の風の水仙低くひくく 加瀬美代子 200705
水仙の花の律義と対峙せり 西口万佐子 200705
数ほどは香らぬ浜の水仙花 荒川香代 200706
裏庭と云へど原なす水仙花 池田かよ ぐろっけ 200706
水仙の仏間に写経墨をする 今井忍 ぐろっけ 200706
ひと叢の夏水仙の夕げしき 山尾玉藻 火星 200707
秘すれば花その有り様に水仙花 本城布沙女 雨月 200708
夏水仙兄弟の家隣り合ふ 松崎鉄之介 200710
曇日を仰ぐ水仙剪りながら ことり 六花 200712
立ち込むる匂ひ水仙枯れながら ことり 六花 200712
水仙の花の律儀と対峙せり 西口万佐子 200801
生まれ日の素直に在れよ水仙花 塩野きみ 遠嶺 200802
水仙花受験の子等の長き列 山荘慶子 あを 200802
墨の香の尖るを鬩ぐ水仙花 石崎浄 風土 200803
菰巻きの水仙積んで糶市場 内海保子 万象 200803
水仙に屈み香りを確かむる 堀田恵美子 雨月 200803
水仙の島へ纜放られし 山尾玉藻 火星 200803
水仙の初咲知らす夫の声 高木千鶴子 酸漿 200803
廃校趾なほ水仙の咲きつげる 松元末則 酸漿 200803
水仙の凛と亡き夫偲ばせる 杉本綾 200804
誰が活けし水仙なるや無人駅 泉田秋硯 200804
水仙の香り満ちてし孔子廟 杉本薬王子 風土 200804
背伸びして波濤覗けり野水仙 丹羽香久 春燈 200804
水仙を抱き人込みにまぎれたる 安達風越 雨月 200804
水仙花恙なき師をよろこべり 吉田豊子 雨月 200804
聞き返す夫の口癖野水仙 高橋澄子 200804
水仙の一列なれば花揃ふ 宮津昭彦 200804
水仙や空へ空へと湧く蕾 三井孝子 六花 200804
水仙や空の青さを入れて撮る 山田孝枝 酸漿 200804
初雪を払ひ水仙匂ひ立つ 君島栄子 酸漿 200804
水仙をひと抱えしてひと揺すり 坪内稔典 稔典句集 200804
釣客を迎へる島の野水仙 垣内薫 200805
水仙のとらへどころの無き不安 竹下昌子 200805
水仙の十本母の忌なりけり 竹下昌子 200805
水仙や灯台の影海に落つ 七種年男 200805
歌ふとは輝くことや水仙花 松本きみ枝 遠嶺 200805
水仙や異国の友へ手紙書く 松隈絹子 遠嶺 200805
はじらひを忘れぬ入や水仙花 岡垣佳子 遠嶺 200805
水仙や風変幻の岬の鼻 倉科紫光 馬醉木 200805
水仙や燈台に鳴る魔除札 山本とく江 万象 200805
墨染めの衣干しあり水仙花 綱川恵子 万象 200805
水仙の芽が出て嬰の風邪もらふ 高尾豊子 火星 200805
水仙のうつむいてゐる自己主張 伊勢きみこ 火星 200805
水仙の系図いちばん上は海 直江裕子 京鹿子 200805
水仙花一途といふはつつましき 田所洋子 雨月 200805
水仙のレトロ調なり先斗町 松田和子 200806
荒地にも喇叭水仙逞しき 駒井のぶ 200806
一献のごと水仙の香を賜ふ 長山あや ホトトギス 200806
風もなく穏やかな日や野水仙 安原葉 ホトトギス 200806
水仙の荒磯の音に身を寄する 内藤呈念 ホトトギス 200806
雪折れの水仙それでも咲いて見せ おかたかお 200806
姉妹住む家に口紅水仙咲く 松崎鉄之介 200806
水仙や此の畑守る垣に添ふ 神田一瓢 雨月 200806
花水仙教師の子どもあと継がず 井関祥子 酸漿 200808
御用邸占めて一劃野水仙 稲畑汀子 ホトトギス 200901
水仙を活けてその香を纏ひけり 稲畑汀子 ホトトギス 200901
水仙の香に身を寄する安息日 嶋村恵美子 春燈 200901
師の句碑を水仙の芽の取り巻ける 久保田雪枝 雨月 200901
会釈して水仙の香を残しゆく 木下忠雄 酸漿 200901
水仙の香を纏ひつつ席に着く 稲畑汀子 ホトトギス 200902
水琴の縁に殖えつぐ水仙花 鈴木石花 風土 200902
水仙花俯き癖は我にもまた 久米憲子 春燈 200902
水仙の凛乎と立てる心意気 大橋敦子 雨月 200902
水仙の香を荒海の風煽つ 大橋敦子 雨月 200902
風なくて書斎の水仙淋しかろ 大橋敦子 雨月 200902
水仙に孤高の香とふありにけり 大橋敦子 雨月 200902
切株を椅子に水仙売る女 上坂渥子 雨月 200902
水仙や此度(こたび)も踏みし寺の磴 阿部ひろし 酸漿 200902
水仙に由比が浜辺の沖明り 阿部ひろし 酸漿 200902
一湾に沖波幾重水仙花 吉沢陽子 200903
水仙の向きの彼方此方誕生日 森ゆみ子 炎環 200903
口笛の花弁とがらせ水仙花 増田明美 炎環 200903
水仙や次に咲かんとする莟 森戸柚斎 炎環 200903
関係のわからぬ二人野水仙 森戸柚斎 炎環 200903
水仙を生けて一日をつつしめり 神蔵器 風土 200903
水仙の風雅の真を香りけり 大橋敦子 雨月 200903
ピアノの上の水仙ショパンの香を流す 大橋晄 雨月 200903
水仙や筧の水の細りをり 青木陽子 酸漿 200903
水仙の香りほのかに厨窓 青木政江 酸漿 200903
野水仙海風に爪立てらるる 篠田純子 あを 200903
水仙郷海原を背に風わたる 山本節子 200904

 宣長地資料館

水仙や医業支へし薬箱

井口淳子 200904
水仙を手折りてくれし尼僧かな 野口光江 遠嶺 200904
水仙の花のたかさに屈みけり 海村禮子 春燈 200904
水仙のよろめく崖や人もまた 泉田秋硯 200904
月光に浮上や丘の水仙花 村上昌子 200904
水仙や契りし後も干支違ひ 布川直幸 200904
水仙をすらりと活けて寺厠 羽賀恭子 200904
水仙や後炭の膝を進めらる 久津見風牛 200904
月魄の鎮もり始む水仙花 西村純太 200904
水仙の香に淡あわと紅を引く 田原陽子 200904
道端に買うて大束水仙花 村上すみ子 200904
水仙の駅に来てゐる通り雨 高田令子 200904
香の失せて壺に溢れし水仙花 藏本博美 ぐろっけ 200904
水仙や小川は音を調へて 岩木茂 風土 200904
真直に意志通す児や水仙花 鈴木庸子 風土 200904
心にも崖あり崖の水仙花 竪山道助 風土 200904
会報や余白のたびに水仙花 藤幹子 炎環 200904
師の教へ主客合一水仙花 井田実代子 雨月 200904
一軒家の籬に覗く水仙花 大井彌雨 雨月 200904
折れてなほ水仙花を開きけり 中原敏雄 雨月 200904
手折るとふ悲しきことば水仙花 中原敏雄 雨月 200904
十本の水仙十本分さびし 安居正浩 200904
荒海に向きてあまねし野水仙 樋口みのぶ 200904
野水仙岬の怒濤迫りけり 鶴田勝子 火星 200904
水仙の花束を抱く緋の襷 中石紀美代 火星 200904
池普請すすむ日射や水仙花 井口初江 酸漿 200904
水仙のずうつと先に富士の山 渡部磐空 200905
水仙の群がり咲きてなほ静か 内藤呈念 ホトトギス 200905
水仙の群や電車にふれさうに 杉本貞 炎環 200905
来るものに去るものに沖野水仙 櫨木優子 200905
手加減のなき海風や野水仙 太田陽子 200905
ふるさとの海荒れをらむ水仙花 村田文一 遠嶺 200905
水仙の花や清輝の惜しみなく 松吉惠子 遠嶺 200905
水仙やマリアはいつも横抱きに 相良牧人 200905
特攻の船の洞窟水仙花 大坪景章 万象 200905
水仙の凛と咲いたり野風呂の忌 高木智 春燈 200905
雛百詠かがげて偲ぶ水仙忌 高木智 春燈 200905
季語三つある句もゆかし水仙忌 高木智 春燈 200905
とびとびに水仙の咲く海女の墓 萩原すみ 春燈 200905
一輪の水仙に部屋和みけり 筒井八重子 六花 200905
水仙の直き水盤静かなる 五ヶ瀬川流一 六花 200905
水仙や母校は今も男子校 瀬島洒望 やぶれ傘 200905
湧き水のせせらぎとなる野水仙 渡邊孝彦 やぶれ傘 200905
流言をラッパ水仙囃すかに 宮崎左智子 200906
わたつみの沖波暗し野水仙 半澤正子 馬醉木 200906
帰る部屋ありて水仙抱き急ぐ 長谷川智弥子 炎環 200906
水仙へ俯き並ぶ石仏 小阪律子 ぐろっけ 200906
日に浴し喇叭水仙独り占め 仙石君子 雨月 200906
水仙のありあまるほど香りけり 久永つう 六花 200908
昨夜の雨弾き水仙香りけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201001
白はきと黄の口はきと水仙花 大橋敦子 雨月 201001
水仙→ 6      

 

2021年1月26日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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