水 仙 3     100句

水仙にたまる師走の埃かな    高井几董

水仙  黄水仙

作品
作者
掲載誌
掲載年月
水仙の一輪づつや六地蔵
兼藤教子
春耕
200206
白きもの干す水仙を足もとに
鹿野佳子
200206
水仙の低く匂へる夕日かな
金田和子
200206
水仙や浦の会所は女溜り
小林あつ子
火星
200207
雨音に聞き耳立てる水仙か
松山律子
六花
200207
水仙咲き平家屋敷の女の名
密門令子
雨月
200207
ひもとけば水仙の香でありにけり
稲畑廣太郎
ホトトギス
200301
水仙のやうには海へ乗り出せず
高田令子
200301
水仙や銀次の海をてのひらに
神蔵器
風土
200302
水仙や筧の水の一筋に
平田紀美子
風土
200302
日本海までの断崖水仙郷
塩川雄三
潮路
200210
星磨くものの一つに白水仙
野口香葉
天女櫻
200209
切揃へある水仙が教卓に
須佐薫子
帆船
200302
水仙も水仙の香も立ちてをり
斉藤和子
帆船
200302
番小屋に水仙売りて男老ゆ
長井順子
200302
出棺に水仙の芽の竝びたる
中原道夫
銀化
200302
水仙の咲き継いでゐる更地かな
水谷ひさ江
六花
200202
水仙の海に挑んで咲きつづく
塩川雄三
築港
200303
出そびれてをり合唱の水仙花
大槻きみ
200303
水仙や右岸左岸の倉庫群
藤井基史
帆船
200303
自画像の芙美子に会へり水仙花
神蔵器
風土
200303
水仙や流人の島に波荒し
林裕子
風土
200303
水仙をちひさく束ね妹見舞ふ
深川知子
雲の峰
200303
野水仙須崎の浜に干物買ふ
山口たけし
雲の峰
200303
水仙の凍れる花に夜明けたり
伊丹さち子
馬醉木
200304
水仙の匂ひも描くつもりなり
泉田秋硯
200304
水仙のひとかたまりの匂ひかな
黒川悦子
円虹
200304
水仙の汀囲ひに舫舟
桑田眞佐子
火星
200304
いつからか人住まぬ家水仙花
岩月優美子
200304
背負籠の海鳴り放つ水仙花
小澤克己
遠嶺
200304
水仙花主のをらぬ館かな
三崎由紀子
遠嶺
200304
水仙の浜雨情立ち夢二立つ
田中藤穂
あを
200303
房総の嶬峨山総て水仙花
須賀敏子
あを
200303
水仙の束に岬の怒濤音
川井政子
風土
200304
針月の匂ひこぼせり水仙花
柿沼盟子
風土
200304
惟みる水仙の黄とゴツホの黄
川合広保
雲の峰
200304
水仙の岬に目覚むポセイドン
高畑信子
遠嶺
200305
水仙の芯の強さの匂ひけり
白井墨絵
遠嶺
200305
まつすぐな葉の囲み咲く水仙花
宮本道子
酸漿
200304
折れ水仙花笠鉾がもう来るぞ
西山美枝子
酸漿
200305
水仙の萎ゆるも散れぬさだめかな
中村崋好
銀化
200304
水仙の崖をじぐざぐ人の列
安部桂
築港
200304
水仙の崖径海へ突き出たる
安部桂
築港
200304
水仙の密生崖の裏表
安部桂
築港
200304
野水仙崖の傾斜にしやんと立つ
安部桂
築港
200304
海風が万の水仙香を攫ふ
安部桂
築港
200304
海風が水仙の香を奪ひゆく
浜野愛子
築港
200304
背を向けて互ひにそつぽ野水仙
浜野愛子
築港
200304
水仙の香りが留守の家守る
柴田正子
築港
200304
励まされ水仙の崖登りきる
伊藤三和
築港
200304
登り来て崖一面の水仙よ
伊藤三和
築港
200304
海風を受けて水仙群生す
鈴木佐和子
築港
200304
古代王国在りしと墳に水仙咲く
土田祈久男
200305
断崖まで水仙の香の満ちみちて
辻川錫子
築港
200305
水仙聳ゆ太陽の塔のごと
平田倫子
百鳥
200305
水仙や習ひ始めの管楽器
江坂衣代
百鳥
200305
城ヶ島の怒濤に暮るる野水仙
落合絹代
雨月
200305
水仙を挿してそっぽを向かれゐて
窪田佳津子
雨月
200304
生花の留めの水仙灯に匂ふ
鵜飼紫生
雨月
200304
水仙の一と本マリア像にかな
岡淑子
雨月
200304
水仙を摘み初稽古より戻る
太田土男
百鳥
200304
水仙の日射しの揺れて海女の墓
城石美津子
京鹿子
200304
水仙を知りたるあとの少女かな
天野きく江
200305
水仙や父の遺品の刀の鍔
柳生千枝子
火星
200305
水仙の蕾ふくらむ月あかり
戸栗末廣
火星
200305
水仙花父の形見の俳句帳
馬場美智子
六花
200305
水仙や四ノ三なる絹の針
中野哲子
六花
200305
万本の喇叭水仙咲き静か
金森恭子
築港
200306
ラツパ水仙ほどの器量でまだ独身
丸山佳子
京鹿子
200306
水仙の束抱いて身の透けてきし
柴田佐知子
200305
水仙が待合室の人気者
松田克行
帆船
200307
水仙の揺れはおのづと風まかせ
石川元子
酸漿
200307
海滾る日に水仙の匂ひたつ
矢崎昌
200307
父癒えし喇叭水仙より軍歌
房安栄子
築港
200307
花終り水仙の葉を一束に
亀井香草
築港
200308
みんなみの絵手紙水仙香り立つ
芦川まり
八千草
200308
ちひろ画の少女のいたり野水仙
芦川まり
八千草
200308
身の軽き日や水仙を束活けに
稲田節子
200307
ダホーデイル(ラッパ水仙)大き口あけ深呼吸
田中時子
八千草
200309
水仙に昃り易さの日射なる
鈴鹿野風呂
京鹿子
200310
潮の香を海に返しぬ野水仙
稲畑汀子
ホトトギス
200001
香をほどき初むは夜明の野水仙
稲畑汀子
ホトトギス
200001
水仙の香を囲む距離ありにけり
稲畑汀子
ホトトギス
200001
笏立つる葉に水仙のすくと立つ
大橋敦子
雨月
200401
水仙の琴線を張りつむるかな
安達風越
雨月
200401
水仙の芯の昏さへ海鳴す
青砥真貴子
200401
水仙をたっぷりさして母とをり
松岡映子
帆船
200402
店先に水仙を置く八百屋かな
鎌倉喜久恵
あを
200402
喪服着て旧交しばし水仙花
有島夛美
河鹿
200403
水仙や潮砕け散る烏帽子岩
朝妻力
雲の峰
200402
水仙花しらみ初めたる岬空
穴澤光江
遠嶺
200403
真摯なる心にうたれ水仙花
矢嶋みつ江
遠嶺
200403
海鳴りに真向かふ崖や水仙花
井内佳代子
遠嶺
200403
水仙や上手に齢重ねをり
津田礼乃
遠嶺
200403
はるかなる雲は天才水仙花
神蔵器
風土
200403
水仙や男波飛びつく殉教碑
一瀬昭子
馬醉木
200303
潮騒や海から空へ野水仙
森理和
あを
200403
水仙の香る湯宿に旅装解く
中村克久
雲の峰
200403
水仙や向き合ふ暮し取り戻す
井内佳代子
遠嶺
200404
潮騒は母の鞠唄野水仙
中尾杏子
200403
水仙4 →      

 

2021年1月24日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。