新松子 1      192句

鎌倉はいつも物日や新松子    斎藤嘉久

新松子  松ぼくり  松毬  松ふぐり  松笠

作品
作者
掲載誌
掲載年月
ぬえ塚の新松子とや卓の上 稲畑汀子 ホトトギス 199810
新松子まつすぐに雨降つてをり 杉浦典子 火星 199812
新松子けふ一日を足らむとす 小澤克己 遠嶺 199901
新松子廃屋毀すにも指揮者 三原いしろ 海程 199910
風の神火の神の洞新松子 竹内悦子 199911
筒袖の絣が乾され新松子 岡和絵 火星 199911
生簀打つ雨の強さや新松子 野口光江 遠嶺 199912
旧館へ坂ゆるやかに新松子 長尾康子 風土 199912
磯風のほどよくみがく新松子 木下節子 俳句通信 199912
唐破風の波うつ屋根や新松子 木村仁美 馬醉木 200002
茅屋をつなぐ回廊新松子 大谷茂 遠嶺 200002
老舗たりよき風通す新松子 鈴鹿仁 京鹿子 200009
三川を望む鳥居や新松子 鶴田武子 俳句通信 200011
伊勢に向く一の鳥居や新松子 中川晴美 俳句通信 200011
新松子一人つきりの戸籍守る 児玉素朋 京鹿子 200011
濡れ縁の木目の荒び新松子 田中矢水 遠嶺 200101
大磯はモダンでシック新松子 大島竜子 200101
石橋は三歩に足るる新松子 安田登志子 ぐろっけ 200101
豪商の見せ棟づくり新松子 池田かよ ぐろっけ 200102
新松子僧には大事頭陀袋 鈴鹿仁 京鹿子 200109
新松子風あたらしくなりにけり 宮津昭彦 200110
武家屋敷ならぶ濠端新松子 富田房子 春耕 200110
新松子能舞台組む槌の音 永沼弥生 春耕 200110
日蓮の稚児髪の像新松子 斎藤珠子 遠嶺 200111
海へ張る老樹の瘤や新松子 中村立身 百鳥 200111
白蛇を祀る酒蔵新松子 高橋とも子 百鳥 200111
ばらつきし雨に艶めく新松子 木下節子 俳句通信 200111
新松子蔵の白壁かがやかす 佐藤みほ 200112
新松子水平線に船現るる 幡江美智子 百鳥 200112
新松子翁門出の跡にかな 池内けい吾 春耕 200112
未来へと遠嶺みなぎる新松子 小島とよ子 遠嶺 200112
新松子何かを訴へかける嬰 荒幡美津恵 遠嶺 200112
江の島の鳥居の見ゆる新松子 高木良多 春耕 200201
記念碑を抱く公園新松子 小田ひろ 円虹 200201
新松子干潟はことのほかしづか 市場基巳 200202
村人の紡ぎし手毬新松子 岡本幸枝 ぐろっけ 200204
新松子夫の墓ある富士の裾 小黒加支 酸漿 200206
音の違ふ神鈴ふたつ新松子 大谷茂 飛白 200208
この浜の松の過去問ふ新松子 稲畑汀子 ホトトギス 200210
されかうべをよけて拾ひぬ新松子 篠田純子 あを 200211
海からの風しなやかに新松子 橋本良子 遠嶺 200212
新松子拾ひ灯台岬去る 塩川雄三 築港 200212
日輪の遠くにありて新松子 津田経子 火星 200212
新松子橋の向かうは播磨灘 鎌倉ひろし 百鳥 200212
灯の点かぬ赤灯台や新松子 鎌倉ひろし 百鳥 200212
新松子一病抱へ喜寿迎ふ 藏本博美 ぐろっけ 200212
石塀の古きひび割れ新松子 阿部正枝 遠嶺 200212
刻止まる是清邸の新松子 柴田久子 風土 200301
次男坊は型やぶりなり新松子 蓮尾みどり ぐろっけ 200301
新松子脂の匂ひのしてゐたり 竹内悦子 200302
新松子母校の跡に拾ふかな 小田島成子 百鳥 200302
新松子旧街道の松並木 川瀬信子 築港 200303
甲斐駒に雲沸く日なり新松子 清水伊代乃 酸漿 200309
新松子並びて振りし神の鈴 小林あつ子 火星 200310
ささえられ手当てねもごろ新松子 東亜未 築地吟行 200310
三百年の松携帯電話新松子 東亜未 築地吟行 200310
うさぎ飼ふ因幡の宿の新松子 延川五十昭 六花 200310
ツェルニーの洩れくる他郷新松子 竹内弘子 あを 200311
一心に詩は詠むべし新松子 小澤克己 遠嶺 200311
台風のぐづぐづと来る新松子 伊藤多恵子 火星 200311
象岩の鼻を波越す新松子 木村仁美 馬醉木 200312
潮騒を左右にしたり新松子 永井博光 200312
新松子真白き産着詣でけり 鈴木綾子 百鳥 200312
走り根の海へ届きて新松子 小野田和世 200312
新松子茶杓の銘を「心」とす 神蔵器 風土 200401
星々を塵とは云わむ新松子 天野きく江 200401
何もおかぬ座敷をはなれ新松子 中野京子 200401
磨崖佛つつむ室生の新松子 水島夜雨 京鹿子 200401
橋殿のふたりの話新松子 沖増修治 百鳥 200401
石畳四方に伸びて新松子 浅田光蛙 対岸 200401
新松子宮路雀の慎しく 岩田育左右 遠嶺 200401
ひもろぎの木もれ日踏めり新松子 淵脇護 河鹿 200401
新松子草鞋結んでもらひたる 杉浦典子 火星 200401
じつと見る赤児面映ゆ新松子 早崎泰江 あを 200401
新松子見下ろす湾の凪畳 磯みどり 遠嶺 200402
朝の湯の溢れてをりし新松子 天野きく江 200402
新松子老いて大志を持ち歩く 神蔵器 風土 200410
島噴かぬ日の重なりに新松子 淵脇護 河鹿 200411
晩年に付きし握力新松子 松崎雨休 風土 200411
板前は無口がよろし新松子 常盤しづ子 馬醉木 200412
旋律を風につまびく新松子 石山惠子 遠嶺 200412
新松子胸中に鳴る鈴をもつ 加藤みき 200412
風鎮をかけしばかりや新松子 中野京子 200412
新松子狂言塚の前に佇ち 中谷葉留 風土 200412
白波を曳きし漁舟や新松子 上薗シヅ子 河鹿 200501
足音を立てぬ修行や新松子 中村昭義 百鳥 200501
新松子恋路に朝潮寄する音 須原正子 万象 200502
合唱の一人外れて新松子 折原烈子 帆船 200502
新松子樹下星霜の笹ほとり 丸山冬鳳 京鹿子 200509
新松子きのふのことは忘れたり 小澤克己 遠嶺 200510
すれ違ふ何かが爆づる新松子 小澤克己 遠嶺 200511
前髪は眉を隠して新松子 今瀬剛一 対岸 200511
新松子見つけ残月見失ひ 松本恒子 ぐろっけ 200511
いたづらに過ぎゆく日々や新松子 小松鈴子 酸漿 200512
支えられ接がれ藩主の新松子 小谷延子 栴檀 200512
一筋の迷ひなき道新松子 坂本ひさ子 遠嶺 200601
松野家の代々の松新松子 猪爪ふみ子 四葩 200601
石橋の石の緊まりや新松子 吉田島江 火星 200601
横文字の校訓に馴れ新松子 近藤倫子 ぐろっけ 200601
汎用の千枚通し新松子 吉田明子 200601
我が墓碑に一句刻まん新松子 森竹昭夫 遠嶺 200602
公館の塀の高さよ新松子 鳴海清美 六花 200602
くれなゐに色づき始む新松子 井山幸子 万象 200604
新松子雀の朝の声弾み 滝沢伊代次 万象 200610
樹の下の地蔵に供ふ新松子 高田たみ子 万象 200611
雨あがる出雲大社の新松子 松下八重美 200612
数へらる数へ切れざる新松子 市場基巳 200612
継承の国の礎新松子 今井松子 遠嶺 200612
日照雨あと色あざやかな新松子 井出やすはる 酸漿 200612
名刹の庭千年の新松子 松林順子 雨月 200701
玄海の返す波音新松子 前田陽子 200702
旧御用邸のしづけさ新松子 七種萩子 200702
歳月を重ね大樹の新松子 松本蓉子 六甲 200703
銅像の編笠姿新松子 若島久清 万象句集 200703
新松子めつきり雄松おんまつ少なうて 瀬川公馨 200709
鏡板の岩絵具褪せ新松子 品川鈴子 ぐろっけ 200710
風の日を蜘網まとひて新松子 横田初美 春燈 200711
少女子の顔ほどもある新松子 柳川晋 200711
回廊に風吹き渡る新松子 加瀬美代子 200711
磯風に誘はれて新松子かな 前田美恵子 200712
岩落つる水のしぶきや新松子 大坪景章 万象 200712
新松子五浦の沖のとの曇り 奥山絢子 風土 200712
新松子兄とも思ふ人逝きて 今井松子 遠嶺 200712
鏡板の剥落著し新松子 品川鈴子 ぐろっけ 200712
帯締めて正す背筋や新松子 花岡豊香 酸漿 200712
身にもどる力確かや新松子 永見嘉敏 酸漿 200712
島影に舫ふ白帆や新松子 井内佳代子 遠嶺 200801
新松子太平洋へ声を上ぐ 柴田久子 風土 200801
兵の馳せし道なり新松子 金田美恵子 ぐろっけ 200809
石垣の石の歳月新松子 千手和子 馬醉木 200811
潮風や古木の先の新松子 芹沢千春 炎環 200811
新松子道路ミラーを観光バス 三井つう 炎環 200811
老い先や置けば影添ふ新松子 定梶じょう あを 200811
新松子海原渡る日と風と 川崎俊子 馬醉木 200812
じゃんけんは仲良くあひこ新松子 森下康子 200812
新松子髭を剃りたる男かな 加藤みき 200812
大政奉還てふ間や新松子 神蔵器 風土 200812
海神に嘉永の狛犬新松子 川合まさお ぐろっけ 200812
念願の上木叶ふ新松子 赤羽正行 遠嶺 200901
新松子父が師となり家業継ぐ 森竹昭夫 遠嶺 200901
禅僧や死生一如と新松子 薗田英治 遠嶺 200901
新松子船のかたちの喫茶店 平野みち代 200901
濠に映るいろは松なる新松子 山口キミコ 200902
旧名主石川某や新松子 下山田美江 風土 200902
潮騒を子守唄とし新松子 守屋井蛙 酸漿 200902
新松子磯馴構へに歌碑立ちて 能村研三 200911
三百年の松晴れ晴れと新松子 赤堀洋子 万象 200912
生誕より死のなつかしき新松子 神蔵器 風土 200912
肯定も否定もせずや新松子 白数康弘 火星 200912
沛然と地を打つ雨や新松子 石原光徳 酸漿 200912
音読の子の声もるる新松子 岡田史女 末黒野 201001
回廊の玻璃のゆがみや新松子 菅野日出子 末黒野 201001
しんみりと親身になつて新松子 小山徳夫 遠嶺 201001
『風舟』の真白き未来新松子 今井松子 遠嶺 201001
六本木の舗道にひろふ新松子 箕輪カオル 201002
新松子制服変へる嘆願書 横内かよこ ぐろっけ 201002
新松子並べて遊ぶ幼あり 家塚洋子 酸漿 201002
新松子岩にぶつかる波の音 田崎京子 万象 201009
浮雲を鴟尾に繋ぎて新松子 千田敬 201010
姿よき見越しの松や新松子 柳橋繁子 201012
新松子海峡光るもの多し 桑島啓司 201012
海坂もゆきあひの空新松子 山本無蓋 201012
若者の育てし林新松子 濱田カノエ 酸漿 201012
新松子鱗片青く育ちけり 岩下芳子 201101
新松子聞こえるやうに呟けり 風間史子 201101
半蔀上げ内陣明し新松子 松本三千夫 末黒野 201101
内海に潮すぢ伸びる新松子 矢野百合子 201101
海人の露地猫の露地あり新松子 小林朱夏 201101
新松子夢はでかいがまだ青く 能美昌二郎 201102
新松子古びし蔵は江戸名残り 岡野里子 末黒野 201102
千年の七堂伽藍新松子 石黒興平 末黒野 201104
南郷庵の松の二代目新松子 塩見治郎 雨月 201111
俳諧道場机に一つ新松子 神蔵器 風土 201111
新松子見上ぐれば塔迫り来る 伊藤純子 201112
手に残る香り清しく新松子 山崎稔子 末黒野 201112
数を尽くせり天領の新松子 田中貞雄 ろんど 201112
奥ひろき足袋屋の跡地新松子 佐渡谷秀一 春燈 201201
白亜紀の風の岬や新松子 横田初美 春燈 201201
慶喜の大政奉還新松子 神蔵器 風土 201201
潮騒に触るる旅愁や新松子 雲所誠子 風土 201201
砂白き舞子の浜や新松子 浅井吉雄慈 夕端居 201203
判読の難き高札新松子 岡野里子 末黒野 201204
新松子目に増やしをり蚶満寺 北崎展江 くりから 201209
海近き松十本の新松子 稲畑汀子 ホトトギス 201210
こころざし高きに遊び新松子 小野恵美子 馬醉木 201211
風のまま気ままに生きむ新松子 町山公孝 201212
幾年も神護る家新松子 小西和子 201301
「いやいや」が知恵のはじまり新松子 栗原公子 201301
曾遊の気比の渚の新松子 大坪景章 万象 201301
被爆樹の捩れにくわし新松子 三枝邦光 ぐろっけ 201301
そつと出す児の宝物新松子 古林田鶴子 ぐろっけ 201303
羽衣は西域の裂新松子 秋山白兎 羽衣まつり 201304

新松子→ 2

     

2021年10月25日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。