新松子 2      98句

鎌倉はいつも物日や新松子    斎藤嘉久

新松子  松ぼくり

作品
作者
掲載誌
掲載年月
風紋は風のことづて新松子 小幡喜世子 ろんど 201311
通信の行き交ふ空や新松子 鳳蛮華 201312
赤ん坊の握りこぶしや新松子 雨宮桂子 風土 201312
新松子城のてつぺん日章旗 野澤あき 火星 201312
新松子海より低き木椅子かな 野澤あき 火星 201312
そびらより波音高し新松子 水原春郎 馬醉木 201312
細波の寄せ返す磯新松子 中本吉信 201312
羽衣の松の枝振り新松子 内藤庫江 末黒野 201401
新松子いわきの海を思ふべう 林いづみ 風土 201401
沼風に法螺貝をきく新松子 箕輪カオル 201401
風に竹田の子守唄新松子 庄司久美子 201401
ゆきあひの雲光りをり新松子 山本無蓋 201401
ひたすらに天辺見つむ新松子 荒井和昭 201402
切岸を洗ふ白波新松子 岡野里子 末黒野 201402
しとしとと雨降りつづく新松子 牛窪啓詞 やぶれ傘 201402
校庭の歓喜に育つ新松子 加藤峰子 201402
股覗きせよと堅田の新松子 山田六甲 六花 201408
新松子石の鳥居のもうひとつ 高尾豊子 火星 201411
餅菓子の包みの湿り新松子 甲州千草 201411
願掛けの吉報を待ち新松子 平松うさぎ 201411
潮風にかしぐ黒松新松子 都留百太郎 末黒野 201412
新松子一打に響く能座敷 小林朱夏 201412
留学の注意五箇条新松子 村高卯 201412
老人も大志を抱け新松子 宮崎高根 201501
風のつぶ雨のつぶ打つ新松子 西郷慶子 201501
父の速球受けて笑顔や新松子 西郷慶子 201501
新松子赤子は拳握りしめ 大橋晄 雨月 201501
出店して隠してをりぬ新松子 赤松赤彦 六花 201502
新松子高々と揺れ風のあと 大山夏子 201504
手入れして二三転がる新松子 稲畑汀子 ホトトギス 201510
追憶の淡くなりゆく新松子 宮川みね子 風土 201510
声を張る喜寿の集ひや新松子 吉田政江 201512
老いてなほ放つ生彩新松子 小松誠一 201512
口下手な人のまことや新松子 コ田千鶴子 馬醉木 201512
いくたびの別れの果や新松子 宮崎洋 春燈 201512
土匂ふ軍手の中に新松子 竹中一花 201512
稚の手の固き拳や新松子 中島昌子 201512
塔までの道真直なり新松子 橋本順子 201512
新松子海はいちめん日のかけら 原友子 201512
生きるとは信じる力新松子 斉藤裕子 あを 201512
新松子まぶしき海の夜明けなる 黒滝志麻子 末黒野 201512
どつしりと陵墓半円新松子 豊田信子 201512
新松子青々香淳御陵かな 内藤静 風土 201512
昼からは細かき雨に新松子 根橋宏次 やぶれ傘 201601
ときどきは笑つて見たし新松子 寺田すず江 201601
波音は汀に果つる新松子 森俊人 201602
唇の乾く潮風新松子 森清信子 末黒野 201602
子にしかと伝へたきこと新松子 岩町中正 ホトトギス 201603
新松子早死たりし学徒兵 沼田巴字 京鹿子 201609
石垣に旧家の重み新松子 大谷昌子 馬醉木 201612
立石を洗ふ日月新松子 高橋まき子 風土 201612
新松子塔は古色を深めけり 佐藤信子 春燈 201612
新松子しっとり濡れて雨上り 服部珠子 雨月 201701
粘粘と生(な)りし雌松の新松子 岩下芳子 201701
逆境をもろともとせず新松子 前田美恵子 201701
祠掃く前の一礼新松子 高橋道子 201701
潮騒の消えて仮寓の新松子 成田美代 201701
新松子神の系図の末広がり 吉田葎 201701
真水湧く砂州の松原新松子 福島せいぎ 万象 201702
新松子天馬に轡鞍もなし 中川句寿夫 ここのもん 201705
天守なき城の盛衰新松子 稲畑廣太郎 ホトトギス 201708
野仏は不動明王新松子 中村千久 万象 201710
一湾に重なる白帆新松子 利國春美 馬醉木 201711
沖に出る部活の白帆新松子 古山みどり 万象 201712
築山の松の枝ぶり新松子 堺昌子 末黒野 201712
駅を出てみぎ成田みち新松子 高橋道子 201712
新松子緊まりて黒き海の砂 栗坪和子 201801
蹄抱き磨く馬丁や新松子 林八重子 馬醉木 201801
一木はなべて脂吹く新松子 落合裕子 万象 201801
表札に生きてゐる夫新松子 宮本加津代 万象 201801
新松子左千夫住ひし藁庇 山下良江 万象 201802
山嶺に白き雲わく新松子 永井惠子 春燈 201802
新松子落として風の強き郷 上辻蒼人 風土 201802
荒磯廻り拾ひて固き新松子 田代民子 201804
新松子死後恋文を晒されて 津田このみ 船団 201806
陽に重き庭にあまたの新松子 伊藤希眸 京鹿子 201812
底ぬけの空の青さや新松子 木多芙美子 春燈 201812
反抗は大人の兆し新松子 能美昌二郎 201901
樹齢三百みどり清しき新松子 横山昭子 雨月 201902
新松子いやいや仕草反抗期 酒井たかお 201904
山裾は海に漬かりて新松子 吉田葎 201905
新松子さざなみのあと水平ら 根橋宏次 やぶれ傘 201911
新松子蒼き風吹く城ケ島 七種年男 201911
夜の潮豊かに寄せて新松子 佐藤千恵 京鹿子 201912
新松子はやばや決まる胎児の名 佐津のぼる 六花 201912
万物はみな緑から新松子 中貞子 201912
まだ若き尼僧の会釈新松子 山本漾子 雨月 202001
たまゆらに遠き雄叫び新松子 佐藤千恵 京鹿子 202001
国立劇場へむかふ濠端新松子 犬嶋テル子 春燈 202001
新松子野点で交はす花言葉 小菅澄重 春燈 202001
新松子僧寺尼寺ありし跡 小林共代 風土 202102
新松子→ 1
神苑に詑びの尽くしの新松子 松本鷹根 京鹿子 202111
空耳に潮騒ひびく新松子 森岡正作 202112
鳶の笛見上ぐる背伸び新松子 七郎衛門吉保 あを 202112
句碑の字に師の面影や新松子 松山三千江 春燈 202201
新松子大きく開く朝の門 浅木ノヱ 春燈 202201
玉砂利を踏む音千木へ新松子 南うみを 風土 202201
玄関の小棚に置いて新松子 瀬島洒望 やぶれ傘 202201
 

2022年11月1日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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