四月馬鹿 2      121句

四月馬鹿つい口癖は死後のこと   結城昌治   歳月

四月  四月馬鹿  エイプリルフール

作品
作者
掲載誌
掲載年月
四月馬鹿あっちこっちに気のあう木 中原幸子 以上、西陣から 200705
あつさりと出て行く猫や四月馬鹿 松下幸恵 六花 200705
四月馬鹿重機の爪が壁毀ち 定梶じょう あを 200705
山頂に夕日爆発四月馬鹿 布川直幸 200706
大凶のみくじ引きたる四月馬鹿 米山喜久子 200706
四月馬鹿大鯉数多閑かすぎ 大島翠木 200706
四月馬鹿ジヤンクメールを又消して 杉本薬王子 風土 200706
ばね指のテープを切らす四月馬鹿 安永圭子 風土 200706
情けにもおぼれ易しよ四月馬鹿 宮崎とき女 200706
四月馬鹿今日がきのふになる刹那 宇都宮滴水 京鹿子 200706
札入れに力ード氾濫四月馬鹿 岡本一路 京鹿子 200707
引つかけられ可可大笑の四月馬鹿 丹生をだまき 京鹿子 200707
子を呼ぶに犬の名呼びて四月馬鹿 大川冨美子 ぐろっけ 200707
四月馬鹿「メェー」と羊のぬいぐるみ 中崎敞子 ぐろっけ 200707
身一つの行末計る四月馬鹿 井上加世子 ぐろっけ 200707
四月馬鹿言ひ譯にしてにんまりと 芝尚子 あを 200707
大笑いさせて下さい四月馬鹿 木村茂登子 あを 200707
四月馬鹿だましおほせてふと悲し 長山あや ホトトギス 200708
手術して見る物みんな四月馬鹿 吉田多美 京鹿子 200708
薬より温泉が効きにけり四月馬鹿 松本文一郎 六花 200708
抱かれたき介護ロボ君四月馬鹿 平野きぬ子 八千草 200710
町会の役四つ受け四月馬鹿 仁平則子 200805
四月馬鹿己れも後期高齢者 伊藤白潮 200805
四月馬鹿女難除けてふ守り札 塩路隆子 200806
医通いの為の服買う四月馬鹿 松田とよ子 200806
ガソリンの税に喜憂や四月馬鹿 鈴木照子 200806
ロケットナビにての旅行や四月馬鹿 塩路五郎 200806
置き忘れ財布は嘆く四月馬鹿 渡辺安酔 200806
佇みし佳人妖しき四月馬鹿 相田和泉 春燈 200806
広辞苑落丁うれし四月馬鹿 小堀寛 京鹿子 200806
四月馬鹿かと一瞬いい電話 木村茂登子 あを 200806
吊皮に指あそばせて四月馬鹿 鎌倉喜久恵 あを 200806
四月馬鹿われの噂をわれ知らず 南光翠峰 馬醉木 200807
口下手が真面目の嘘も四月馬鹿 深沢龍三 200807
後輩が校長となる四月馬鹿 島谷征良 風土 200808
月の土地クイズで当る四月馬鹿 瀧春一 深林 200901
ふと妻が眞面目の顔で四月馬鹿 新関一杜 京鹿子 200904
方便の嘘さへつけず四月馬鹿 棗怜子 春燈 200905
いまさらにみどり嬰欲しや四月馬鹿 塩路隆子 200906
歯のすべて抜けたる夢や四月馬鹿 竹内悦子 200906
四月馬鹿色鉛筆の五百色 丹羽晶子 炎環 200906
四月馬鹿インフルエンザ鴉にも 池園二三江 春燈 200906
四月馬鹿ビフォーとアフター変りなし 岩谷丁字 春燈 200906
嘘寂し心貧しき四月馬鹿 嶋一洋 200906
四月馬鹿昭和一桁の細身かな 久保田嘉郎 酸漿 200906
生真面目の機嫌損ねし四月馬鹿 木下もと子 200907
四月馬鹿老いの施設に笑いなく 古林田鶴子 ぐろっけ 200907
本当のこと言つてをり四月馬鹿 新江たか ろんど 200907
風狂の酒と団子の四月馬鹿 川井秀夫 ろんど 200907
脳の中落書ばかり四月馬鹿 松田都青 京鹿子 200908
四月馬鹿生死を分ける一語あり 貝森光洋 六花 200908
四月馬鹿みな口開けて歯科医院 加茂達彌 200908
風呂敷を包む風呂敷四月馬鹿 渡部節郎 転舵の渦 200911
四月馬鹿返書の全てワープロで 佐藤喜孝 あを 201003
誤登録の携帯電話けいたいしきり四月馬鹿 新実貞子 201006
石蹴つて石につまづく四月馬鹿 仁平則子 201006
四月馬鹿石の音なき石工村 栗栖恵通子 201006
眦に人の茶柱四月馬鹿 安居正浩 201006
マジックの鳩の出て来ぬ四月馬鹿 貝森光洋 六花 201006
四月馬鹿化粧室というトイレ 鎌田慶子 ろんど 201006
絞った形に雑巾乾き四月馬鹿 定梶じょう あを 201006
四月馬鹿米寿翁の恋ざんげ 北尾章郎 201007
入院を延ばし延ばすや四月馬鹿 小林成子 201007
先客の靴に見覚え四月馬鹿 田村園子 201007
時経ちて笑ひ出しをり四月馬鹿 松嶋一洋 201007
券売機紙幣拒める四月馬鹿 森脇貞子 雨月 201007
近づきし死神の顔四月馬鹿 小澤克己 遠嶺 201008
四月馬鹿ならぬ訃報や月朧 嶋田摩耶子 ホトトギス 201009
四月馬鹿パンと飴とに隙間あり 竹貫示虹 京鹿子 201104
十二支に喰へぬものあり四月馬鹿 加茂達彌 201105
薄氷に指立てて見し四月馬鹿 阿部文子 酸漿 201105
四月馬鹿亡き娘の自慢話かな 成瀬櫻桃子 櫻桃子選集 201105
世論とはアラビヤ数字四月馬鹿 遠藤実 あを 201105
三月は無かったことに四月馬鹿 篠田純子 あを 201105
四月馬鹿犬の瞑想見てしまふ 森下康子 201106
フロントガラスに猫の足跡四月馬鹿 上野昌子 春燈 201106
地震見舞ためらふままや四月馬鹿 大坪景章 万象 201106
一つ荷を電車に忘れ四月馬鹿 鈴木とおる 風土 201106
洒落っ気が風評被害四月馬鹿 北尾章郎 201107
エステして女優気分や四月馬鹿 野村由美 201107
縺れやすきパソコンコード四月馬鹿 矢口笑子 春燈 201107
亀飼つて鳴くまで待てり四月馬鹿 竪山道助 風土 201107
退屈なひと日の暮れて四月馬鹿 細川コマヱ 雨月 201107
髭剃りしゴッホ自画像四月馬鹿 塩路五郎 201206
四月馬鹿大阪駅に迷ひけり 田下宮子 201206
花に酔ひ美談ぱかりや四月馬鹿 長島清山 かさね 201206
鬼婆あり鬼爺は無し四月馬鹿 滝沢幸助 春燈 201206
四月馬鹿合鍵わたす人もたず 大草由美子 春燈 201206
美容院行くに化粧や四月馬鹿 塩田博久 風土 201206
歳時記を重ね居眠り四月馬鹿 仁平則子 201206
カタカナ語辞典めくりて四月馬鹿 鈴木セツ 201206
猫参る稲荷神社に四月馬鹿 高野幸次 201206
連休の人波四月馬鹿の日や 定梶じょう あを 201206
四月馬鹿老の吾どっとからかはれ 長崎桂子 あを 201206
釣銭を吐く自販機や四月馬鹿 田岡千草 201207
我が名前褒むる人あり四月馬鹿 岩見甲 万象 201207
風評の椅子を捨ててる四月馬鹿 鴨下昭 201207
四月馬鹿行方不明の花ばさみ 蓮尾みどり ぐろっけ 201207
骨折で日記は余白四月馬鹿 林美智 ぐろっけ 201207
この検査値四月馬鹿にて済ませたや 柴田良二 雨月 201207
切り捨てる音いつまでか四月馬鹿 北村香朗 京鹿子 201208
逃げ一切まかりならぬ身四月馬鹿 上山永晃 鶴翼 201305
四月馬鹿効くも効かぬもサプリ癖 塩路隆子 201306
嘘磨きメール届ける四月馬鹿 大堀賢二 201306
亀に向かひ鳴けと言つたと四月馬鹿 佐藤喜仙 かさね 201306
四月馬鹿天から覗くおのれの死 上原重一 201306
一円貨に脚光にはか四月馬鹿 片桐てい女 春燈 201406
四月馬鹿我が惣菜を鍋島に 赤座典子 あを 201406
四月馬鹿死ぬまで余生などあらず 神蔵器 風土 201406
四月馬鹿二円切手を二枚買ふ 二宮一知 万象 201406
四月馬鹿一日中草引きにけり 橘正義 春燈 201407
四月馬鹿心を空にしておかな 田伏博子 ろんど 201407
四月馬鹿睡毛へ合せ鏡など だいじみどり 201407
万年筆駄々捏ねてゐし四月馬鹿 上家弘子 ろんど 201407
終了と機械の告ぐる四月馬鹿 菅野蒔子 末黒野 201407
四月馬鹿おれおれ電話来る頃か 相良牧人 201407
百円の朝採り野菜四月馬鹿 田中臥石 末黒野 201407
いま上野四月馬鹿だと見やぶられ 鎌田慶子 ろんど 201407
一人足す一人で一人四月馬鹿 鈴木石花 風土 201407
石一つ投げポルトガルの四月馬鹿 中村洋子 風土 201409
四月馬鹿パンの缶詰ながめつつ 衣斐ちづ子 201410

四月馬鹿 →3

     

 

 

2021年4月1日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。