四月 1       100句

雨がちの四月や誰も彼も病み    石塚友二

四月  四月馬鹿

作品
作者
掲載誌
掲載年月
夫婦して眼を病む四月はじまりぬ 別府優 199901
キューピーの描き方覚え四月尽 小宮山勇 青胡桃 199905
傷つかぬダイヤモンドになる四月 櫂未知子 銀化 199906
頸椎のねじれそのまま四月尽 竹部千代 199907
囲まれて独りになれる四月の雨 河野志保 海程 199907
身ごもりし乳房のあをさ四月来る 藤井勢津子 199907
相席は天狗四月の蛸焼屋 塩見恵介 船団 199912
泰然と全き落日四月かな 大津留いほり 200003
置き去りにされり四月の三日月にも 丸山佳子 京鹿子 200004
しゃぼんふくあわあわあわの四月かな 塩見恵介 虹の種 200005
原子炉の浦や四月の雪囲 田中佐知子 風土 200007
花びらを疊に拾ふ四月かな 小山森生 200007
かく早く過ぎ去る四月なりしかな 高濱朋子 円虹 200007
生きてゐる證四月の汽車に乘る 川端実 遠嶺 200008
上げ気味に眉をひきたる四月尽 三井孝子 六花 200009
ぷらぷらと五人集まる四月の木 中林明美 船団 200010
紙ばかりむやみに増えて四月逝く 成定紋子 船団 200010
二〇〇〇年四月三十日風雅 稲畑廣太郎 ホトトギス 200104
留守電の無言三件四月尽 鳴海清美 遊び蔓 200105
腕まくりさても四月を始むなり 久保夢女 200107
ポケツトにポケツトのある四月寒む 松田都青 京鹿子 200108
末広亭四月の花は文治とよ 柳浩子 船団 200110
消去して四月の魚に会いにゆく 瀬川照子 船団 200111
爪の反る過去のありけり四月尽 松村美智子 あを 200205
小猿の目もの言ひたげに四月逝く 鈴鹿仁 京鹿子 200206
老桜伐られ四月の空に穴 當川明子 200206
アイロンに残る温みや四月果つ 後藤志づ あを 200206
金運のなしてふ四月癌賜ふ 泉田秋硯 200207
一日の入院長し四月尽 松崎鉄之介 200207
四月はやはからずも聞く河鹿かな 小石秀子 酸漿 200207
脱ぎし靴磨いて四月逝きにけり 植松安子 200207
人形の伊予万歳や四月尽 岸はじめ ぐろっけ 200208
教へ子の昇進通知来て四月 邑橋淑子 遠嶺 200209
男子誕生四月の照りの空・風車 近藤きくえ 200209
円虹を編み継ぎ百や四月号 大久保白村 円虹 200304
川を見る四月八日の忌も近し 稲畑廣太郎 ホトトギス 200304
ひろがりし水輪四月の風の声 阿部正枝 絵具箱 200304
四月来る二足草鮭の詩と仕事 岡正実 200306
大岳の四月の雪をまとひけり 鈴木幾子 酸漿 200306
君等若木伸びよと申し置く四月 佐竹美保子 円虹 200306
引き継ぎを終へて四月になりにけり 佐竹美保子 円虹 200306
老婆には関はりの無き四月来る 奥村光子 築港 200306
詩と編集二足草鮭の四月来る 岡正実 200307
香時計の香てのひらに四月逝く 林裕子 風土 200307
四月来る約つぎつぎと日を埋めて 佐々木幸 200307
四月七日アトム第九に目を覚す 田中倫代 ぐろっけ 200307
静けさを五体にまとひ四月尽 上野裕子 200312
貌となりつゝ四月中照らされし 岡井省二 省二全句集 200312
四月まで書かれてをりし古日記 河合大拙 百鳥 200404
四月なほ雪の回廊巡らせつ 田中きよ子 酸漿 200406
落書のやうな雲生れ四月尽 平田はつみ 馬醉木 200407
素通りの土佐は四月の田水かな 大山里 200407
浮かれたる心リセット四月来る 白髭美佐子 200407
ポップコーン弾ける音や四月尽 森下康子 200407
丈長き制服の子の四月かな 大久保恵美子 遠嶺 200407
海豚見に四月の端の富戸の航 樋口桂紅 草の花 200407
群衆を躱す四月の駅ホーム 加藤峰子 200407
砂防あり八瀬に四月の鴨が浮く 松本鷹根 京鹿子 200408
箸置を二つ求めて四月なり 中村房枝 六花 200504
校正の朱筆さへづる四月号 大串章 百鳥 200505
晩酌の追加のわけの四月寒 達山丁字 200507
おほかたの用事わがこと四月寒 矢島久栄 200507
一双の歯車四月来たりけり 片山タケ子 200507
錆びてなほ錨のかたち四月尽 房安栄子 築港 200507
花洛忌も早や七度の四月尽 奥村鷹尾 京鹿子 200507
窓開けて四月の風を通しけり 山村修 酸漿 200507
ぴしぴしと四月の雹が物たたく 長澤健子 酸漿 200508
耳遠の同窓会の四月来る 森津三郎 京鹿子 200508
四月尽見守るほかに術もなく 苑実耶 200508
新しき樹木のかたち四月来る 辻直美 200606
象の瞑想四月の街へ子ら駆ける 伊藤希眸 京鹿子 200606
出棺の錦へ四月霰急 定梶じょう あを 200606
点滴の落つる早さよ四月尽 中上照代 火星 200607
若きらの便り嬉しき四月かな 荻野照 遠嶺 200607
アルプスの四月の雪を踏み仰ぐ 大西正栄 雨月 200607
万葉人の沓音たどり四月尽 上村葉子はこ 風土 200607
四月なほ雪降る村の転び耶蘇 滝沢幸助 春燈 200608
四月逝く模索の顔を置き去りに 風間史子 200608
四月以降消しゴムすつかり角のとれ 村田冨美子 京鹿子 200608
秋の日の秘仏を拝す四月堂 石井邦子 酸漿 200702
雲去来しては四月を揺さぶりぬ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200704
忌心に祝ぎの心に四月かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200704
咲くもののあり散るもののあり四月 稲畑廣太郎 ホトトギス 200704
四月来る甕に未来を詰めにけり 近藤公子 200706
草刈機音高らかに四月来る 中塚照枝 200707
教会へ四月の汗をそのままに 布川直幸 200707
酔余して何か足らざる四月尽 水野恒彦 200707
湧き水の音の高まり四月尽 岩月優美子 200707
新しき帽子の黄色四月来る 宇佐美ゆき 酸漿 200707
陸奥は含み笑ひの四月かな 斉藤裕子 あを 200707
水栓の漏れゐて四月始りぬ 定梶じょう あを 200707
点眼後四月さびしき景の見ゆ 定梶じょう あを 200707
少年の瞳巨きく四月来る 渡邉友七 あを 200707
ヒットラー嫌いの私の生れし四月廿日 篠田純子 あを 200707
樹を抱いて人のよろこぶ四月来る 野路斉子 200707
家船に花鉢一つ四月尽 野路斉子 200707
つづけさま忘れ物する四月かな 大坪景章 万象 200708
昭和にて数へる齢四月来る 高倉恵美子 200708
線香の煙に似たり四月盡 竹貫示虹 京鹿子 200804
男来て四月の雑木ぶったぎる 坪内稔典 稔典句集U 200804
四月 →2      

 

2021年4月24日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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