秋 思 2  100句

大暴れせるその後の秋思の子   長谷部朝子   暖流

秋愁  秋思

作品
作者
掲載誌
掲載年月
墨つぎて秋思の筆の迷ひけり 石川倜子 馬醉木 201511
秋思いま神の御旨に委ねけり 卯木堯子 春燈 201511
秋思濃きミケランジェロの天井画 安永圭子 風土 201511
貝殻の秋思の縞を拾ひけり 本多俊子 201511
覗きたる水に映りしわが秋思 岩月優美子 201511
漁火の一つ遠のく秋思かな 森岡正作 201511
この秋思色ありとせば貝の裏 松井志津子 201511
深閑と秋思を独り行き戻り 酒本八重 201512
いときり歯よせて糸切る秋思かな 久布白文子 馬醉木 201512
大いなる雲に秋思を見すかさる 本多俊子 201512
夕風や秋思の歩幅保ちつつ 成田美代 201512
何もかも遅くなり来し秋思かな 永田万年青 六花 201512
レリーフ四十八枚分の秋思 辻水音 201512
猫と僕ゴロンゴロンと秋思 田邉好美 201512
この顔は秋思の顔かブルドッグ 中川久仁子 201512
甲羅干す亀万年の秋思かな 橋本くに彦 ホトトギス 201601
猫を抱く秋思のモデル影もたず 丸井巴水 京鹿子 201601
秋思ふと瞼のふちにとどまりぬ 畑佳与 京鹿子 201601
この秋思付き来るままに連れ歩く 外山節子 末黒野 201601
針持つ手ときには止まる秋思かな 芝田幸惠 末黒野 201601
ミュシャの絵の流るる髪に秋思あり 岩月優美子 201601
ガレの灯のひときは秋思濃かりけり 粛藤晴夫 春燈 201601
一族の墓塔に秘むる秋思かな 後藤眞由美 春燈 201601
肖像の女王の眼差し秋思かな 森田節子 風土 201602
皇居前ビルの窓々秋思かな 神田惣介 京鹿子 201602
右左見て出口なき秋思かな 天谷翔子 201602
寝すがたの観音様にある秋思 岡野ひろ子 201602
人のふり見て深まれる秋思かな 西川みほ 末黒野 201602
ハイヒール秋思コツコツ遠ざかる 火箱ひろ 船団 201602
わが秋思遺影の妻も同じかも 木村享史 ホトトギス 201603
空の青川の氾濫見し秋思 都築繁子 201603
硝子戸の子規の天地にある秋思 黒川悦子 ホトトギス 201604
自づから渚へ来たる秋思かな 深川淑枝 201605
迷惑をかけてしまひし秋思かな 稲畑汀子 ホトトギス 201610
秋思なほ上り框に腰かけて 杉本光 201611
鮨詰の秋思の顔と乗り合はす 田所節子 201611
リオ五輪勝者にもある秋思かな 江島照美 201611
すぎたれば良きも悪しきも秋思かな 柴田靖子 201611
身ほとりの塵の愛しき秋思かな 鈴鹿呂仁 京鹿子 201611
ひょうたん池水面に漂う秋思かな 大山夏子 201611
花豆をふつくら煮るや秋思ふ 阪倉孝子 201612
引く波の小石を鳴らす秋思かな 高橋まき子 風土 201612
後ろ手に閉める秋思の漢の背 加藤峰子 201612
木村屋の餡麺麭由来の秋思かな 齋藤晴夫 春燈 201612
秋思とは逆立の脚壁にあづけ 片桐てい女 春燈 201612
秋思かなビードロ三度吹いてみる つじあきこ 201612
埴輪みな秋思の陰を纏ひ立つ 金森教子 雨月 201701
径に奥その先に奥秋思の歩 湯川雅 ホトトギス 201701
水音に消えて秋思の深からず 水野恒彦 201701
とどのつまりは聖書にもどる秋思かな 井上正子 童女 201701
秋思かなアールグレイの香り立ち 志方章子 六花 201701
ボールペンしばしノックの秋思かな 峰崎成規 201701
見えもせぬ山の向うを見て秋思 窪田佳津子 雨月 201702
松陰の墓所に秋思の風渡り 山本漾子 雨月 201702
秋思かな与謝野晶子のみだれ髪 浦川哲子 201701
秋思かな奥付夫の蔵書印 平居澪子 六花 201702
父の忌の数珠を爪繰る秋思かな 石黒興平 末黒野 201702
赤門を前に秋思の八十路かな 大久保白村 ホトトギス 201704
針持つ手ときには止まる秋思かな 芝田幸惠 末黒野 201704
金平糖一粒づつの秋思かな 西村博子 馬醉木 201710
リサイタル余韻にひたる秋思かな 大石恵子 201711
秋思ふとロートレックの影にかな 岩月優美子 201712
秋思深むわが身ほとりの本の山 近藤紀子 201712
磧石にしばし温もる秋思かな 高橋あさの 201712
長居してゴリラの秋思もらひけり 楠原幹子 201712
大時計振り子の幅にある秋思 諸岡和子 201712
山門を潜る秋思の身を屈め 安斎久苗 末黒野 201712
路地奥へ闇が背を押す秋思かな 安斎久苗 末黒野 201712
分らぬの言にはじまる秋思かな 森清堯 末黒野 201712
神鈴の余韻ひろごる秋思かな 黒澤志麻子 末黒野 201712
百万個の水玉百万個の秋思 辻水音 201712
息吸へばごんごん押して来る秋思 辻響子 201712
秋思くる波打つガラスに指の跡 つじあきこ 201712
オノヨーコ十歳秋思の眉太く 火箱ひろ 201712
たぷたぷと波打ちぎわの揺れ秋思 火箱ひろ 201712
秋思ふと銀杏大樹の樹皮の瑕 大久保進 万象 201712
蔓草ののぼりつめたる秋思かな 宮口征子 馬醉木 201712
木洩れ日の径や秋思の靴の音 小山繁子 春燈 201801
城濠に行雲映る秋思かな 升田義次 馬醉木 201801
何の実ぞ秋思に形あるごとし 熊川暁子 201801
草の息星の雫も秋思かな 水野恒彦 201801
あがなうて秋思ほぐるる舞扇 樋口英子 201801
百獣の王も秋思の只中に 平居澪子 六花 201801
楊貴妃の秋思の眉刷毛万年青咲き 小田嶋野笛 末黒野 201802
外に出でて風に流せる秋思かな 及川照子 末黒野 201804
秋思の道いつの間にやら切り通し 長沼佐智 船団 201805
プロ野球先の見えたる秋思かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201809
ポケットに秋思しまうて雑踏へ 定梶じょう あを 201811
秋思かな歪な真珠身につけて 村田あを衣 京鹿子 201811
装身具外す秋思の指をもて 千田百里 201811
知らざりしことに気づきし秋思かな 徳田千鶴子 馬醉木 201811
濤のこゑ秋思の背を追ひ来る 間宮あや子 馬醉木 201811
肘突いて秋思の人か居眠りか 田中藤穂 あを 201812
しばし秋思海底トンネル抜けてより 木多芙美子 春燈 201812
この秋思象望郷のマンボ踏み 藤代康明 201812
二十五時秋思の穴に籠りたり 森村江風 201812
秋思の弦秋意の管のセレナーデ 上谷昌憲 201812
微動せぬゴリラと秋思分かち合ふ 森岡正作 201812
猫抱くや秋思の嵩の小さくなる はしもと風里 201812
吊り皮に揺れる秋思を揺れるまま 笹村恵美子 201812
秋思 →3      

 

2021年11月12日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。