秋愁ひ     40句

秋愁といふべかりけり複葉機   八田木枯

秋愁  秋思

作品
作者
掲載誌
掲載年月
秋愁や齢にはかてぬものばかり
大平保子
いろり
200011
思惟仏の笑みの古拙に秋愁湧く
谷添睦子
200012
よく弾むボール秋愁深かりし
能城檀
船団
200105
秋愁の急患不運な人ばかり
荻野千枝
京鹿子
200202
晴天の海鳴りが断つ秋愁ひ
遠藤真砂明
200311
野の草を束ねてよりの秋愁ひ
安田とし子
ぐろっけ
200601
秋愁を断ちぬウインドショッピング
伊藤康子
ぐろっけ
200601
また一機嘉手納あたりを秋愁
稲嶺法子
遠嶺
200602
秋愁の藩墓鳥語を聞きながす
角直指
京鹿子
200603
秋愁や夜明けの列車の音届く
永田勇
六甲
200612
火を焚いてアルキメデスの秋愁ひ
小澤克己
遠嶺
200712
秋愁ひシャボンの泡に包みけり
中田みなみ
200712
秋愁ふ手を丁寧に洗ひても
泉田秋硯
200812
老の手の白き皺見す秋愁ひ
大橋敦子
雨月
200911
念入りに鏡を拭きて秋愁ひ
高倉和子
201001
デスマスクと目の合ひしまま秋愁
泉田秋硯
201011
また欠けし信楽湯呑み秋愁ひ
竹内悦子
201012
地球儀をぐるりと廻し秋愁ひ
本多俊子
201012
カルデラ湖ぐるりと廻り秋愁
泉田秋硯
201012
楢枯れの続く山径秋愁ふ
坂根宏子
201101
秋愁ひ土塀崩るる大和古寺
清水侑久子
201101
秋愁や反る一枚のオブラート
熊川暁子
201102
秋愁や注ぎて切子の酒青く 中田みなみ 201111
エンデイングノート開きて秋愁ふ 三川美代子 201112
人といふ大きな筒や秋愁ひ 吉田希望 201112
秋愁ひ羽衣の樹は天に伸び 有本惠美子 ろんど 201112
引けば出て押せば引き込む秋愁ひ 松田都青 京鹿子 201202
物差で測れる程の秋愁ひ 松田都青 京鹿子 201203
秋愁の終着駅は胃のあたり 松田都青 京鹿子 201302
古傷にふいに触れられ秋愁ひ 横内かよこ ぐろっけ 201302
百幹に秋愁の容姿黄昏るる 佐瀬晶子 ろんど 201303
水族館の魚よ秋愁とは別の世に 伊藤希眸 京鹿子 201402
公開の終活講座秋愁ふ 鷲見たえ子 201412
捨て難き物捨つる日や秋愁ひ 大島みよし 201412
デング蚊もイスラム国も秋うれひ 大坪景章 万象 201412
壁覆ふ黄金イコン秋愁ひ 奥田茶々 風土 201512
秋愁や広貫堂の置きぐすり 中川句寿夫 ここのもん 201705
秋愁いスマホを開く会いたくて 仁上博恵 201905
手鏡は伏せておくもの秋愁 大政睦子 京鹿子 201912
秋愁黴蒸す地下の商店街 篠田大佳 あを 202011

 

2021年11月15日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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