秋 思 1  487句

大暴れせるその後の秋思の子   長谷部朝子   暖流

秋愁  秋思

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書他
膝折って牛一魂の秋思かな
保坂加津夫
自在抄
199600
天井のマツモトキヨシ的秋思
南村健治
船団
199902
除幕せし少年像の秋思かな
島崎晃
遠嶺
199903
人間のふくらんでくる秋思かな
秋山深雪
船団
199903
翅閉ぢし蝶は秋思の塚の霊
中浜菌芽
京鹿子
199904
秋思ふ茶をすすりまた秋思ふ
村越化石
199911
海に向き何も見てゐぬ秋思かな
千田百里
巴里発
199911
本閉ぢて秋思閉ざせるすべもなし
村山秀雄
199912
秋思かな鷄冠に傾ぎ癖つきて
中原道夫
銀化
199912
アクサカル見えなきを見る秋思かな
横尾桂子
銀化
199912

注・アクサカルは

白ひげのこと

秋思ふと般若の面の朱き裏
遠藤タミ子
京鹿子
199912
グリム読む丑三つ時の秋思かな
葉月ひさ子
船団
199912
おのづから秋思の黙や遺品展
折原あきの
船団
199912
いつ見ても秋思の顔のバーテンダー
小菅暢子
200001
屋根のなき石の祠の秋思かな
大柳篤子
俳句通信
200001
雑踏の隅の空間秋思あり
久保田一豊
いろり
200001
水落ちて落ちて秋思を濃くしたり
辻享子
六花
200003
カーテンの白く輝く秋思かな
わたなべじゅんこ
鳥になる
200003
秋思とは朝一番の歯磨き粉
わたなべじゅんこ
鳥になる
200003
頬杖の手は鰓になりゆく秋思
塩見恵介
虹の種
200005
秋思とも思えず死んだふりをして
藤田守啓
船団
200008
船切符潮じめりして秋思かな
能村研三
200009
木簡の秋思もろとも発掘す
東麗子
銀化
200010
二度洗ひしても秋思の落ちぬ日よ
川名将義
銀化
200010
箸持てぬ手をつくづくと秋思かな
水原春郎
馬醉木
200011
館へと抜けて秋思の冠木門
小澤克己
遠嶺
200011
石蹴つて秋思の水輪ひろがれり
北川英子
200011
敗残の将の武具見る秋思かな
春田淳子
俳句通信
200011
さそり座のしつぽの下の秋思かな
當麻幸子
俳句通信
200011
満ち潮に一歩しざりて秋思なほ
品川鈴子
ぐろっけ
200011
点灯の遅るることも秋思かな
鷹羽狩行
200012
タクシーに乗つてゐる間の秋思かな
高野美佐子
俳句通信
200012
わが秋思業平の歌床にかけ
谷榮子
雨月
200012
川太郎秋思に皿の乾くなり
中原道夫
銀化
200012
みづからの鼻梁の見えて秋思かな
岡崎るり子
銀化
200012
道真の七言絶句秋思祭
須賀悦子
ぐろっけ
200012
磴千段のぼりて秋思断ちにけり
武井清子
200101
正造翁の遺品遺墨の秋思かな
仲安敏雄
200101
秋思ふ折目をそれし紙ナイフ
久保山満末
遠嶺
200102
秋思ふと自動ピアノのショパン曲
橋場千舟
船団
200103
鋳掛け屋が鍋底叩く秋思かな
山口伸
海程
200108
夜明け来る秋思やかくもあるものを
保坂加津夫
いろり
200110
野の花の淡きに触るる秋思かな
福永みち子
馬醉木
200111
今宵また犬の遠吠する秋思
田中呑舟
火星
200111
動物園となりの檻にまた秋思
佐藤喜孝
あを
200111
秋思あり男ふたりにたまご焼
佐藤喜孝
あを
200111
受刑者秋思駿河箪笥を作りたる
堀内一郎
あを
200111
秋思ふ波のかき消す砂の文字
鈴木多枝子
あを
200111
送りくれし看取りの姉とゐる秋思
久保田雪枝
雨月
200111
独り居の湯あみのあとの秋思かな
酒井多加子
俳句通信
200111
謁見の間と云ふに座す秋思かな
大柳篤子
俳句通信
200111
嵯峨野ゆく一歩一歩の濃き秋思
浜麻衣子
六花
200111
秋思濃し家鴨にそつぽ向かれゐて
田辺博充
200112
展望塔に一人の刻の秋思かな
田所洋子
雨月
200112
掬ひたる砂ほの湿る秋思かな
大槻久美
円虹
200112
右を向き左を向きぬ秋思はれ
村越化石
200112
平安の古き伽藍に秋思あり
茂木とみ
いろり
200112
白壁に我が影長し秋思かな
侭田伊都希
いろり
200112
目のつぼを押して秋思の只中に
湯橋喜美
200112
庭苔の乾ききつたる秋思かな
鳴海清美
六花
200112
秋思ふとなまくら包丁研いでゐる
山越勝美
遠嶺
200112
仏塔に片手あづけて秋思かな
鎌倉喜久恵
あを
200112
秋思かな吊革にある温みにも
後藤志づ
あを
200112
秋思の夜癖になりたる横坐り
芝尚子
あを
200112
二面石表も裏も秋思なる
中川濱子
ぐろっけ
200112
秋思なり村雨堂の松籟は
中川濱子
ぐろっけ
200112
深海魚それぞれ秋思深き貌
村松紅花
ホトトギス
200201
かも知れぬ話のあとの秋思かな
井尻妙子
京鹿子
200201
秋思とも安全ピンの止めどころ
福山悦子
200201
ゲルニカの牛の目にある秋思かな
加藤富美子
200201
この秋思寂光院より添ひ来たる
千坂美津恵
200201
秋思かな言ふにいはれぬ母のこと
下平しづ子
雨月
200201
十月に生れて秋思は夕爾もまた
堀川千代子
百鳥
200201
渦と渦もつれ秋思の定まらず
長田等
200201
うめ吉の童画のうなじ秋思かな
金子里美
船団
200201
秋思なる足跡くずす退り波
岡野峯代
ぐろっけ
200201
うつむきて爪切る夜の秋思かな
向江醇子
ぐろっけ
200201
秋思あり階の軋める旧旅籠
藤原たかを
馬醉木
200202
身に纏ふ截金衣紋透く秋思
山田をがたま
京鹿子
200202
海龍王寺
墨を磨る秋思の濃さとなりにけり
鈴木良戈
200202
人垣の中に秋思のありにけり
石城幸子
百鳥
200202
島はるか秋思の一指もて差せり
高橋愛子
200202
ロボットに何の秋思ぞ俯ける
宮原みさを
花月亭
200208
この園のこの並木道秋思濃し
大橋敦子
雨月
200210
秋思かな楽章いつか変りゐし
林翔
200210
秋思なほ言葉は針を持つことも
渡辺昭
200210
鎌倉や虚子ねむしとも秋思とも
堀内一郎
あを
200210
忙中の足裏をなづる秋思かな
小野寺節子
風土
200211
仰向ける頭蓋秋思の重さとも
林翔
200211
一燈に深入りしたる秋思かな
佐山文子
200211
こなごなの秋思にせむと歩くなり
八條凛子
銀化
200211
凡そ百ほどは秋思の羅漢かな
朝妻力
雲の峰
200211
ビニールの傘に雨聞く秋思かな
朝妻力
雲の峰
200211
楊貴妃の湯殿見てゐる秋思かな
大橋克巳
雲の峰
200211
猿石に自虐秋思の顔を寄す
田中芳夫
200212
たたなはる峰の暮れ行く秋思かな
岡西恵美子
円虹
200212
川流る秋思のわれを歩ましめ
今村恵子
200212
雨雲に富士を盗られてゐる秋思
うまきいつこ
200212
ヴィーナスの片腕にこそ秋思の目
堀内一郎
あを
200212
はや秋思在庫不足となりにける
利根川博
銀化
200212
秋思ふと竹偶それぞれに翳もちて
名取袿子
200301
何処よりのサキソフォンぞや秋思の歩
野中啓子
200301
風の声樹のこゑ秋思深まりぬ
谷口みちる
200301
長き橋渡りきつたる秋思かな
土屋酔月
火星
200302
雨ざらしのハヌマーン像秋思湧く
松崎鉄之介
200302

 

由縁の旧琵琶湖ホテルの秋思かな
北村香朗
京鹿子
200302
秋思かな少しゆがみて貼る切手
平野静
京鹿子
200302
丸き背に秋思の募る鏡の我
滝川あい子
雨月
200302
つきまとふ秋思チェロ聴きまた募る
滝川あい子
雨月
200302
ベルリンの東側なり秋思ふと
佐田昭子
ぐろっけ
200302
髪切虫に秋思の髪を切らせみる
西山美枝子
酸漿
200305
華瓶手にすらりと立ちし秋思かな
野口香葉
遠嶺
200306
サザンクロス秋思の夫と手を握る
星川淑子
200307
南十字星
硯面の水のふくらむ秋思かな
高崎武義
200308
サイフォンをじつと見てゐる秋思かな
藤井明子
馬醉木
200311
秋思ふと鎖くろずむ銀時計
藤井明子
馬醉木
200311
鶴首は秋思のかたち花挿すとも
秋葉稚治
200311
赤き星仰ぎて秋思濃かりけり
岡本明美
雲の峰
200311
窯変の備前見てゐる秋思かな
志水芳秀
雲の峰
200311
水際に羽毛ただよふ秋思かな
杉江茂義
雲の峰
200311
秋思かな池の面に立つさざれなみ
高野美佐子
雲の峰
200311
磨崖仏露座仏秋思かぎりなし
和田敏子
雨月
200311
ベランダの椅子一脚の秋思かな
後藤志づ
あを
200311
惑の燃えて秋思の維新路地
兼久ちわき
馬醉木
200312
白秋の文机を撫ぜ秋思やや
渕上千津
200312
鏡拭き秋思の眉の和らぎぬ
谷口みちる
200312
業平の秋思のさまの似絵かな
館容子
200312
能舞の一歩一歩に秋思あり
渡辺玄子
酸漿
200312
若き男の埴輪の秋思深きかな
松崎鉄之介
200312
わが秋思障子を閉めて匿へり
村越化石
200312
秋思湧く紫砂香炉置く大玄関
林香燿子
200312
浪をとぶ鵜にも秋思のありぬべし
本多佑子
200312
秋思かな家訓を失せし床柱
福永光子
京鹿子
200312
手を合はす栗鼠の仕草も秋思かな
黒崎よし江
雲の峰
200312
秋思ふと沼の昏きに人の影
隈部郁子
200312
手鏡に微熱のありし秋思かな
高倉和子
200312
機関車の引く最後尾の秋思
小林朱夏
200312
曲り家の縁に日のさす秋思かな
下山田美江
風土
200401
秋思かな円柱ポストに口一つ
近藤幸三郎
風土
200401
けふ秋思きのふは自憤松葉杖
井上信子
200401
蒸しタオル当てて秋思の静かなる
松田都青
京鹿子
200401
槍鉋あとに触れゐる秋思かな
立石萌木
雨月
200401
夢二の絵の女秋思を託ちゐる
阪上多恵子
雨月
200401
無人ピアノ聞きて人待つ秋思かな
山中宏子
200401
禅寺に百の羅漢の秋思かな
小石秀子
酸漿
200401
奈良町の身代り猿に秋思ふと
谷泰子
ぐろっけ
200401
妹の電話で秋思母のこと
大空純子
ぐろっけ
200401
紫煙の香夫の背にある秋思かな
今村能子
遠嶺
200402
人気なき浜にはじまる秋思かな
三間菜々絵
遠嶺
200402
流れゆく雲を見てゐる秋思かな
田所洋子
雨月
200402
秋思にも切れあり継子の尻拭ひ
直江裕子
京鹿子
200402
店先の花に佇ずむ秋思かな
三井孝子
六花
200402
二人には二人の秋思雲を追ふ
三浦澄江
ぐろっけ
200403
球型の鏡や秋思凝縮す
若泉真樹
瑠璃
200407
点滴嫌や薬もいやと言ふ秋思
堀内一郎
あを
200408
とんとんと心の丈の隙も秋思
鈴木榮子
春燈
200411
最上川秋思の渦となりにけり
田嶋洋子
春燈
200411
わが秋思慈烏に哀しき反哺の孝
徳永辰雄
春燈
200411
美人から秋思の橋を渡りけり
堀内一郎
あを
200411
箸を置く音も山家の秋思かな
土生逸磨
河鹿
200412
耳打ちを胸に納めてより秋思
栗原公子
200412
白河に置いてきたりし秋思かな
高橋将夫
200412
牧人の影の一つに秋思あり
岩月優美子
200412
紅を引く筆先にある秋思かな
中嶋陽子
風土
200412
秋思してわたしそのまま季語となる
加藤君子
火星
200412
手を腰に当てて秋思の吾も一人
村越化石
200412
漆塗の廊下に立ちし秋思かな
谷野由紀子
春耕
200412
思惟仏拝してよりの秋思かな
八染藍子
200412
博多駅通り抜けたる秋思かな
柴田佐知子
200412
秋思かな声なく笑ふこともまた
高倉和子
200412
くちづけに解かれてゆく秋思かな
ことり
六花
200501
めぐり来て枯山水の秋思かな
小牧喜美子
遠嶺
200501
軸を替へ香かへてなほ秋思かな
窪田粧子
馬醉木
200501
ピカソ展秋思の枷の外れけり
小泉三枝
春燈
200501
隠亡の秋思や火葬場にひとり
大堀鶴侶
雨月
200501
薄日射す診察室の秋思かな
徳田正樹
河鹿
200502
藩芽請役の剣豪墓秋思
角直指
京鹿子
200502
日向より日蔭に入りて秋思かな
大串章
百鳥
200510
空を見てゐるつもりなる秋思かな
太田佳代子
春燈
200511
はづしたる眼鏡にもある秋思かな
長谷川春
200511
榧に降る雨を見てゐる秋思かな
野沢しの武
風土
200511
唇に指あて秋思はじまりぬ
尾堂Y
河鹿
200512
打楽器にはじき出さるる秋思かな
西川織子
馬醉木
200512
日を惜しみ崎の古墳へ秋思の歩
新田巣鳩
馬醉木
200512
鬱の字を書きつぎ秋思深めけり
託正夫
200512
空と海のけぢめなきより湧く秋思
林翔
200512
引潮の引きのこしたる秋思とも
坂ようこ
200512
ひとしきり描き幼なの秋思かな
高橋喜和
百鳥
200212
巨大魚のへの字の口の秋思かな
荒木英雄
対岸
200212
煌然と義経展や秋思あり
山下美絵子
遠嶺
200212
秋思かな瞽女の住みたる堂に坐し
味村志津子
雨月
200512
週末の博物館の秋思かな
徳田正樹
河鹿
200601
妻病めば語るすべなき秋思かな
徳田正樹
河鹿
200601
深爪の疹く夕べの秋思かな
松鶴裕子
河鹿
200601
二胡聴いてただに深むる秋思かな
峯桜子
遠嶺
200601
秋思かな政奉還の廊を踏む
近藤幸三郎
風土
200601
物狂ほし秋思にまさる遊心かな
西村純太
200602
バッハ弾く秋思よ耶蘇名グレゴリオ
福岡もも
百鳥
200602
「いろは歌」書きし机上の秋思かな
川畑はるか
遠嶺
200602
山住みの糠味噌に足す秋思かな
西川織子
馬醉木
200602
こゑだして笑ふことから秋思やや
吉弘恭子
あを
200601
盛衰の麦稈細工に秋思あり
森津三郎
京鹿子
200602
背をぴんと秋思あらざる西行像
物江晴子
八千草
200604
くちづけで分け合つてゐる秋思かな
ことり
六花
200605
聞くでなく話すでもなくただ秋思
丁野弘
200610
一片の雲を離さぬ秋思かな
森岡正作
200610
食み喋り舌一枚で秋思消ゆ
丸山佳子
京鹿子
200611
椅子深くロダンの秋思ともちがふ
伊藤白潮
200611
吊り鉤は秋思のかたち魚市場
戸田和子
200611
戯へして義経堂よりただ秋思
荻野嘉代子
春燈
200611
観音の指にはじまる秋思かな
岩月優美子
200611
秋思かなコルクくづれてワイン開き
大川ゆかり
200611
静の碑や秋思の人を去らしめず
四方ハツ子
春燈
200612
薄き紅ひく五指にある秋思かな
松原仲子
200612
陽関を出づる古人の秋思かな
小澤克己
遠嶺
200612
兄弟会欠席七人秋思かな
芝宮須磨子
あを
200612
日に焼けし畳の色も秋思かな
高倉和子
200612
秋思ふと北極星を仰ぎゐて
峰尾秀之
200701
光るもの身につけてゐて秋思かな
石見邦慧
200701
吉祥天漢の秋思なにほどぞ
岡田宜紀
春燈
200701
大胡坐かきて秋思のゴリラかな
折橋綾子
200701
門葉と誦す阿弥陀経秋思濃し
手島伸子
雨月
200701
時の流目に見せ秋思の砂時計
丹生をだまき
京鹿子
200701
懺悔室区切る緞帳秋思湧く
笠井育子
200701
ひと言のさそひ出したる秋思かな
関戸国子
酸漿
200701
仰臥のまま眉整ゆる秋思かな
苑実耶
200701
海賊大将秋思の夢の船枕
田中芳夫
200702
消燈の刻来て長き秋思かな
阪本哲弘
200702
切株は秋思の高さ日に乾き
内山花葉
200702
人形の瞳避けゐる秋思かな
滝川あい子
雨月
200702
遺句き秋思の刻に更けゐたる
池田倶子
雨月
200702
小筆ペン解つたやうで秋思文字
丸山冬鳳
京鹿子
200702
産土の神に詣でる秋思かな
藤原りくを
八千草
200702
熔岩といふ幾万年の秋思かな
岩岡中正
ホトトギス
200703
フェルメールの文よむ女も秋思かな
山元志津香
八千草
200703
日めくりの一言一句秋思かな
真木早苗
八千草
200704
鳥を見て鳥になりたき秋思かな
松嶋一洋
200705
小判型の「かみゆ以」看板ふと秋思
芦川まり
八千草
200705
簪館
伝馬消え馬頭観音秋思かな
勝原文夫
春燈
200707
大聖堂のマリア見下ろし秋思ふと
小林成子
200708
森ありて森に秋思の人一人
村越化石
200711
鍔広き帽子すつぽりの秋思かな
谷寿枝
酸漿
200711
身じろぎもせぬ梟の秋思かな
上原光代
酸漿
200711
浮き沈む水母に秋思ありにける
瀬戸悠
風土
200712
天井絵の真下に坐る秋思かな
曽根治子
風土
200712
筆刻む一字一句に秋思満つ
小澤克己
遠嶺
200712
無言館遺作の無言秋思あり
山本喜朗
雨月
200712
独言多くなりたる秋思かな
並木重助
酸漿
200712
言の葉を集めて募る秋思かな
須藤トモ子
200801
日時計の針となりたる秋思かな
小林成子
火星
200801
子規庵に流るる雲を見て秋思
三輪温子
雨月
200801
猫の首つまみあげたる秋思かな
瀬戸悠
風土
200801
傘立の傘の乱れも秋思かな
柿沼盟子
風土
200801
からくりの木偶に秋思の袖袂
三好千衣子
200801
秋思なほ閼伽井屋に涌く水音にも
諸岡和子
200801
知恵の輪の外れてよりの秋思かな
小林朱夏
200801
今宵また亡夫を偲びてわが秋思
松村富子
200802
返信を書き終りたる秋思かな
丸山美奈子
馬醉木
200802
生家跡道場跡と言ふ秋思
角直指
京鹿子
200802
相生の杖節ごとの秋思かな
間島あきら
風土
200802
自らに執す秋思の隠し得ず
岡本眸
200802
突如沖に白濤あがる秋思かな
岩岡中正
ホトトギス
200803
秋思かなふつふつグラタンつぶやいて
大川ゆかり
炎帝
200804
見るとなく鳶の輪見上げゐて秋思
丁野弘
200810
山の湯の秋思をさぐる鳩の声
酒井秀穂
炎環
200810
昇りゆく鳥へ秋思をゆだねけり
ことり
六花
200810
蝋色の夜明け秋思の椅子に在り
田中藤穂
あを
200112
秋思添ふ将門彫りし妙見像
後藤眞由美
春燈
200811
カステラの切り目うやむやなり秋思
三輪初子
炎環
200811
悪たれの浄瑠璃語りつつ秋思
品川鈴子
ぐろっけ
200811
運慶如来忽と現はる秋思かな
千田敬
200811
一石の水音秋思深まりぬ
清水節子
馬醉木
200812
ふたつみつ流木拾ひ秋思かな
岡部名保子
馬醉木
200812
秋思ふと人の心の見ゆるとき
粕谷澄
馬醉木
200812
ガレの花瓶灯りしよりの秋思なる
高瀬史
馬醉木
200812
秋思あり小さき去来の墓に供華
古田晴子
200812
白黒をつけたるのちの秋思かな
石脇みはる
200812
秋思やな不二の湧水こんこんと
中島陽華
200812
朱肉練る手のとどまりも秋思かな
山口速
200901
古の声聞く洞の秋思かな
稲嶺法子
遠嶺
200901
母郷遠しひとり秋思のノクターン
野中啓子
200901
濡れ手形残す秋思の川原石
田村園子
200901
爪染めて一過性ともわが秋思
来海雅子
200901
腕時計外せし跡にある秋思
前川明子
200901
割り切れぬ数字のやうな秋思かな
倉持梨恵
200901
故もなく不安うまるる秋思かな
四條進
200901
とどのつまり聖書にもどる秋思かな
井上正子
春燈
200901
火難負ひ飛鳥大仏秋思濃し
室伏みどり
雨月
200901
懸命に生きて秋思も限りなし
上藤八重子
酸漿
200901
晶子歌碑道元の碑と立ち秋思
隅田恵子
雨月
200902
青年の石笛に聴く秋思かな
大石喜美子
雨月
200902
人形の伏目に秋思誘はるる
大橋敦子
雨月
200909
高齢化わが集落にある秋思
渡辺安酔
200910
見える皆人造物の秋思かな
常田創
200911
留守番の黙の一日秋思かな
北尾章郎
200911
秋思とも齢ともただ座してをり
樋口英子
200101
横顔の子規の秋思を思ひけり
安原葉
ホトトギス
200911
海底トンネル秋思で越ゆる県境
木村公子
花貝母
200911
寝返りの肩に秋思の重たかり
布川直幸
200911
マンゴーの大きな種の秋思かな
松本圭司
200911
道端の石を秋思の椅子となし
藤原はる美
200911
水漬く枝に秋思の鷺か身じろがず
村上光子
馬醉木
200912
片減りの墨摺りなほす秋思かな
窪田粧子
馬醉木
200912
握力の落ちたる秋思瓶の蓋
鈴木照子
200912
背くらべの跡や秋思の柱疵
伊藤憲子
200912
寺田屋に秋思の龍馬刀痕
山口キミコ
200912
佇みて古城とドナウ秋思かな
金井香ル
200912
ブダペスト
寿の字の裏側の秋思かな
竹中一花
200912
湧水に手を入れ秋思いづくより
藤森すみれ
200912
エレベーター秋思は不意に垂直に
上谷昌憲
200912
名作の文庫に化する秋思かな
秋葉雅治
200912
引く潮に砂締りゆく秋思かな
松井志津子
200912
一人ひとり秋思の時間理髪店
古屋元
200912
退く波に流す秋思のひとかけら
近藤敏子
200912
秋思ふと発車時刻を待つ電車
倉持梨恵
200912
座禅石触れて冷たき秋思かな
松本和子
酸漿
200912
秋思あり遠目差の絵の少女
岡田房子
酸漿
200912
秋思ありゴリラの厚き胸板に
佐藤喜孝
あを
200912
白骨の如き木立の秋思かな
坂根宏子
201001
泣き出してしまへば楽な秋思かな
高倉和子
201001
手より砂こぼしつ秋思深めをり
小倉正穂
末黒野
201001
秋思ともなく襖のを燃え立たす
水野恒彦
201001
かの遺髪字彙にありける秋思かな
中島陽華
201001
フラミンゴ秋思の羽根を広げけり
藤井君江
馬醉木
201001
秋思の夜キング牧師の演説聞く
池田光子
201001
中将の面の翳りの秋思かな
金子つとむ
ろんど
201001
「末吉」と出たるも秋思館山寺
山田暢子
風土
201001
消沈の恙の夫の秋思かな
片岡良子
雨月
201001
家康の手形に触るる秋思かな
岡本ヨシエ
末黒野
201002
城塞の地下回廊の秋思かな
渡辺一三
201002
寂々と吹き行く風にふと秋思
青木錥子
201003
空仰ぎ秋思の星を数へけり
稲畑汀子
ホトトギス
201006
リヤドロの少女に見ゆる秋思かな
森下康子
201010
とんと音立てて秋思の花瓶置く
ことり
六花
201010
波立たぬままの秋思を持て余す
ことり
六花
201010
心地よき風の秋思を湯上がりに 福本スミ子 201011  
横顔の秋思のおもひ阿修羅像 本多俊子 201011  
陸続と秋思の面輪兵馬俑 千田百里 201011  
石白き女帝陵墓の秋思かな 秋葉雅治 201011  
マトリョーシカ次第に小さき秋思かな 松井志津子 201011  
パントマイム五百羅漢は秋思のうた 堀内一郎 あを 201011  
パソコンの起動待ちゐる秋思かな 田所節子 201012  
聞耳を立てては秋思かかへ込む 秋葉雅治 201012  
水辺まで歩いて秋思つのりけり 菅谷たけし 201012  
ビル跡に既視感湧きてより秋思 鳥居秀雄 201012  
源流の一滴二滴の秋思かな 館容子 201012  
人込みに置き忘れたる秋思かな 安斎久英 末黒野 201012  
崎鼻へ寄せて秋思の波がしら 安斎久英 末黒野 201012  
志功画く菩薩の巨乳秋思みつ 有田蟻太 201012  
天安門広場の前にゐて秋思 代田青鳥 風土 201012  
奪衣婆を見入る男の秋思かな 和田政子 201012  
小面の唇すこしあく秋思かな 岡和絵 火星 201012  
傘立てに傘一本の秋思かな 加古みちよ 火星 201012  
帯ドラマの帯にとらはる秋思かな 園部早智子 ろんど 201012  
観音の微笑半眼秋思あり 木村茂登子 あを 201012  
五位鷺の少し振り向く秋思かな 篠田純子 あを 201012  
小谷城偲ぶ三姫秋思かな 山口キミコ 201101  
ほほづゑの重くなりたる秋思かな 窪田粧子 馬醉木 201101  
唄ふ歌姫が誘ひし秋思かな 村上すみ子 201101  
遊興のビアノ秋思のバイオリン 石田きよし 201101  
水切りの石投げて絶つ秋思かな 山崎幸夫 末黒野 201101  
懺悔了へど秋思変はらぬ重さなり 荒井千佐代 201101  
筧より秋思の水の落つる音 田所節子 201101  
秋思はらはらホチキスで留めておく 辻美奈子 201101  
明王の眉間の皺の秋思かな 川崎光一郎 京鹿子 201101  
女医さんに秋思の眼のぞかるる 柴田良二 雨月 201101  
逆縁と言へる秋思のありにけり 柴田良二 雨月 201101  
立膝の幸村像にある秋思 奈辺慶子 雨月 201101  
腰かけてふかしタバコの秋思なる 本木下清美 ぐろっけ 201101  
逆転本塁打四万人秋思 立村霜衣 ホトトギス 201102  
廃院と決めし老医の秋思かな 稲岡長 ホトトギス 201102  
秋思とははるかな思ひありにけり 稲岡長 ホトトギス 201102  
水音に促されゐる秋思かな 稲岡長 ホトトギス 201102  
裸婦像の爪先にある秋思かな 延広禎一 201102  
九体仏の阿弥陀に九の秋思かな 中島知恵子 雨月 201102  
句友逝き秋思深むる日々なりき 中島知恵子 雨月 201102  
年尾師の秋思を想ふ忌日かな 大久保白村 ホトトギス 201103  
砂浜に秋思の歩幅ありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201104  
昼昏き玄室にわく秋思かな 石黒興平 末黒野 201104  
差し潮に水漬く柳の秋思かな 森清堯 末黒野 201104  
マエストロ秋思のアインザッツかな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201106  
女手に重し秋思の旅鞄 和田照子 201109  
遷都千三百年といふ秋思 稲畑廣太郎 ホトトギス 201110  
とある日のとある佳人の秋思かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201110  
もう止めませうと妻言ふ秋思かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201110  
恋といふ一病と付き合ふ秋思 稲畑廣太郎 ホトトギス 201110  
秋思の目宇宙の果てを見てをりぬ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201110  
一つづつ予定過ぎゆく秋思かな 稲畑汀子 ホトトギス 201110  
かけもちの会議二ケ所の秋思かな 稲畑汀子 ホトトギス 201110  
刻々の予定こなしてゆく秋思 稲畑汀子 ホトトギス 201110  
雨音をひとひ聴きたる秋思かな 徳田千鶴子 馬醉木 201110  
ふと指にからみつき来る秋思かな ことり 六花 201110  
秋思ただコップ一杯分の吐息 定梶じょう あを 201110  
母の声耳朶に秋思のはてもなし 城戸ひろみ 雨月 201111  
穴城の秋思苔むす野面積 鈴木照子 201112 小諸城址
豊胸の秋思観音仰ぎけり 塩路五郎 201112  
山門の仁王に秋思あづけけり 久米憲子 春燈 201112  
木洩日にほぐす秋思や旅二日 矢口笑子 春燈 201112  
潮鳴の果てなく続く秋思かな 村上絢子 馬醉木 201112  
遠筑波絵筆に拾ふ秋思かな 佐々木紗知 京鹿子 201112  
メタセコイア仰ぎてよりの秋思かな 稲垣佳子 末黒野 201112  
秋思てふ光の中につゝまるる 遠山みち子 201112  
釣糸を垂れて秋思を囲ひをり 菅谷たけし 201112  
閉ぢぎはにふつと秋思の粉袋 甲州千草 201112  
忍び寄る夜気に目覚むる秋思かな 本多正子 雨月 201112  
含蓄に一つ加ふる秋思かな 西川織子 馬醉木 201201  
忠敬像ひたひの皺の秋思かな 石田きよし 201201  
遊興のピアノ秋思のバイオリン 石田きよし 201201  
秋思ふとシャツのボタンに穴ふたつ 平野みち代 201201  
ソプラノの童謡澄みて秋思かな 松本周二 かさね 201201  
佇みて秋思賜はる四足門 小野寺節子 風土 201201  
秋思かな五体の軋み友として 鎌田慶子 ろんど 201201  
いやに爪伸びて秋思の極みかな 武藤嘉子 201201  
秋思ふと行き交ふ夜間飛行の灯 荒井千瑳子 201201  
濃き紅茶ピアニッシモの秋思かな 藤兼静子 201202  
セロフアンの震へをほどく秋思かな 直江裕子 京鹿子 201202  
江戸偲ぶ通行手形秋思濃し 外山生子 末黒野 201202  
戸籍簿にわが名一人の秋思かな 田所洋子 雨月 201202  
涸井戸の蓋に猫寝る秋思かな 平居澪子 六花 201202  
ジャムパンは赤くて甘くて秋思かな 火箱ひろ 船団 201203  
行先の初秋思ひて旅衣 稲畑汀子 ホトトギス 201208  
格言を読めば秋思の羅漢堂 宮内とし子 201210  
こゑ慎む羅漢の秋思堂に満ち 安藤しおん 201210  
答弁の眼にも秋思のふとよぎる 品川鈴子 ぐろっけ 201210  
浅草の終の映画館はこ閉づ秋思かな 秋葉雅治 201211  
侠気を男が語る秋思かな 舩山東子 ろんど 201211  
秋思とも恋とも汀歩きけり 小倉陶女 春燈 201212  
こと更に深き秋思や仕込杖 神田恵琳 春燈 201212 子規庵
三猿に徹し吹つ切る我が秋思 藤田かもめ ぐろっけ 201212  
秋思ふと三面鏡の開いてをり 宮内とし子 201212  
秋思かな等間隔に貨車停まり 上谷昌憲 201212  
美容院の鋏よく切れ秋思かな 齋藤厚子 201212  
妣恋ひの渚に佇ちて秋思濃し 村上美智子 雨月 201212  
帝廟の華麗によぎる秋思かな 伊藤純子 201301  
深層の崩壊秋思紀伊の国 坂根宏子 201301  
鉄塊に押し潰さるる秋思かな 原田達夫 201301  
凪ぐ海の一舟もなき秋思かな 米尾芳子 馬醉木 201301  
単線車秋思のせゆく湖畔かな 小山繁子 春燈 201301  
置かれゐる石と向き合ふ秋思かな 近藤喜子 201301  
秋思かな畳に積んで未読の書 山本町子 風土 201301  
手鏡の秋思へきりり紅を引く 北川英子 201301  
異国とはついよく見えて秋思かな 丸田信宏 京鹿子 201301  
秋思など迷はし神の悪戯よ 山崎青史 ろんど 201301  
秋思濃し夫の弱音を聞いてより 荒木治代 ぐろっけ 201301  
手すさびの何時か秋思の砂時計 小倉正穂 末黒野 201301  
積みし書をまた仕舞ひこむ秋思かな 熊切修 末黒野 201301  
せせらぎの弛まぬ音の秋思かな 内田梢 末黒野 201301  
独りの灯点してよりの秋思かな 岡淑子 雨月 201301  
師の電話終りしよりの秋思かな 宮原悦子 雨月 201301  
恐竜の化石に触れてより秋思 小原登志春 雨月 201301  
史実訪ひ説話たづぬる秋思の歩 宮平静子 雨月 201301  
人波に逆つて行く秋思かな 井手本恭子 201301  
黒塀の覗き窓見る秋思かな 大森尚子 風土 201302  
頬づゑの秋思の膝に犬乗り来 史あかり ぐろっけ 201302  
思ひきの大すすき野に秋思捨て 中島知恵子 雨月 201302  
秋思なら和紙の器でことたりる 直江裕子 京鹿子 201303  
秋思かな東京駅の近づきて 田中一美 ろんど 201303  
秋思かなサクランボジャムたつぷりと 柿本麗子 千の祈り 201307  
山門を潜り秋思を解きにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201310  
サラリーマン秋思を解く昼休み 稲畑廣太郎 ホトトギス 201310  
秋思の歩通夜の灯の近づいてくる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201310  
再会に秋思解けてゆきにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201311  
引潮に縞をなす砂秋思かな 高橋和枝 201310  
釈迦如来伏目に秋思深かりき 室伏みどり 雨月 201310  
逢ふだけで秋思捌ける姉卒寿 品川鈴子 ぐろっけ 201311  
雨音のやがて身叶に秋思とも 高倉和子 201311  
再会に秋思解けてゆきにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201311  
この秋思篁在す地獄絵図 田中浅子 201311 小野篁
ボールペンしばしノックの秋思かな 峰崎成規 201311  
秋思ふと背筋正しに寄る柱 湯橋喜美 201311  
観音の指先細き秋思かな 大口堂遊 春燈 201311  
傷つけて真珠宿らす秋思かな 秋葉雅治 201312  
天地の秋思を旅のふところに 小野寺節子 風土 201312  
石庭に問はず語りの秋思かな 水野節子 雨月 201312  
ふと秋思かすり傷にも包帯し 千田百里 201312  
遠つ世の甍を仰ぎ秋思かな 三輪温子 雨月 201312  
塞の神目鼻もあらぬ秋思かな 薮脇晴美 馬醉木 201312  
参禅の歩に余りある秋思かな 神田惠琳 春燈 201312  
耳栓を外して秋思はじまれり 高倉恵美子 201312  
問診票秋思の項は無かりけり 林昭太郎 201312  
秋思いま自由奔放志功の絵 粟倉昌子 201312  
腕を組むゴリラの孤独秋思濃し 塩路五郎 201312  
腕組みて嫁がす父の秋思濃し 岸本久栄 雨月 201312  
鍵盤に置かれし指にある秋思 中山静枝 201312  
竹林の葉擦れ幽し秋思かな 小池清司 かさね 201312  
讃岐岩叩けば秋思深くあり 時澤藍 201401  
半蔀を上げて小暗き秋思の間 生田恵美子 風土 201401  
帆船のマストに秋思絡みつく 神山節子 201401  
母の杖磨きて仕舞ふ秋思かな 松本恒子 ぐろっけ 201401  
七人もゐながら一人秋思かな 向江醇子 ぐろっけ 201401  
ボールペンしばしノックの秋思かな 峰崎成規 201401  
少年が呉れし秋思のオルゴール 福田葉子 201401  
伎芸天に秋思の翳や燭の揺れ 田中たつを 雨月 201401  
水音の耳に消えざる秋思かな 黒滝志麻子 末黒野 201401  
それぞれの灯にそれぞれの秋思かな 窪田佳津子 雨月 201401  
吊橋の真ん中あたり秋思かな 神山節子 201401  
天変地変逃るるすべもなき秋思 舩山東子 ろんど 201401  
遠望の国後島に秋思濃し 横山昭子 雨月 201402  
四角い海に壁ある魚の秋思かな 直江裕子 京鹿子 201402  
秋思とはかるく俯く半踟像 江島照美 201402  
秋思濃し使ふことなき夫婦箸 荒木治代 ぐろっけ 201402  
水を見て鳥にも秋思あるごとく 岩岡中正 ホトトギス 201403  
鞭打たれたる馬の目の秋思かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201408  
この秋思ヨブ記の章の重たさに 白井友梨 馬醉木 201410  
刻々と過ぎゆく時間とて秋思 稲畑汀子 ホトトギス 201410  
何事もなきが秋思でありし人 稲畑汀子 ホトトギス 201410  
頬杖をつけと秋思の促せる 千田百里 201410  
横向きに列車に揺られゐる秋思 辻美奈子 201411  
施錠せる音も秋思のひとつかな 濱上こういち 201411  
あご撫でて去来顔なる秋思かな 山田六甲 六花 201411  
晩餐のユダにはじまる秋思かな 山本喜朗 雨月 201411  
雨の音しっとり聞ける秋思かな 森下康子 201412  
窮すれば南無と唱ふる秋思かな 竹内悦子 201412  
水の輪に拡がりゆける秋思かな 萩庭一幹 馬醉木 201412  
髭を剃る朝ひとときの秋思かな 大口堂遊 春燈 201412  
カラマーゾフの兄弟の秋思かな 田中信行 201412  
秋思ふと白粉つけて紅つけて 佐藤弘香 ろんど 201412  
闊歩する新しき靴秋思果つ 下平誠子 ろんど 201412  
秋思ふと白粉つけて紅つけて 佐蘇弘香 ろんど 201412  
遠国の女王の目の秋思かな 青山正生 201412  
北を指す秋思なりけり夜行の灯 半田稜 ろんど 201412  
名の将の墓の荒ぶる秋思かな 塩見英子 雨月 201412  
塩胡椒適宜秋思はたつぷりと はしもと風里 201412  
簪に櫛にも金魚ああ秋思 つじあきこ 201412  
母の忌の明くるや秋思募るまま 山崎里美 201501  
再現の遣唐使船秋思いま 井口淳子 201501  
読みさしの詩集に栞る秋思かな 小泉三枝 春燈 201501  
秋思ふと飛行機雲の行方追ふ 本池美佐子 201501  
池に映る男の影の秋思かな 松本三千夫 末黒野 201501  
擂鉢に適ふ擂粉木秋思かな 田中佐知子 風土 201501  
仏頭のほほゑみに会ふ秋思かな 雨宮桂子 風土 201501  
恋を知るこけしに秋思漂ひぬ 寺田すず江 201501  
横臥して母百歳の秋思かな 佐藤弘香 ろんど 201501  
母の忌の明くるや秋思募るまま 山崎里美 201501  
秋思かな秋明菊の白ささへ 笹村政子 六花 201501  
水草に眠る魚見る秋思かな 平居澪子 六花 201501  
石切りの手彫の跡の秋思かな 竹田ひろ子 ろんど 201501  
犇き合ふ五百羅漢の秋思かな 田中一美 ろんど 201501  
秋思曳く石灯篭の市女笠 澤近栄子 京鹿子 201501  
重波や秋思の目もて佇めば 荒井千佐代 201502  
大琵琶の端に秋思の手を浸す 樺山翠 雨月 201502  
頬杖を突かれし虚子の秋思とは 木村享史 ホトトギス 201504  
西行の秋思を歌にたづねけり 竹下陶子 ホトトギス 201504  
大嵐忌日攫ってゆく秋思 稲畑廣太郎 ホトトギス 201507  
一ノ倉沢秋思の水音奔りけり 鈴木静恵 花こぶし 201508  
一本の白樺にある秋思かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201509  
リーデルのワイングラスの柄の秋思 稲畑廣太郎 ホトトギス 201510  
声掛けて声掛けられて秋思解く 稲畑廣太郎 ホトトギス 201510  
大嵐忌日攫つてゆく秋思 稲畑廣太郎 ホトトギス 201510  
秋思などなかりし如くありにけり 稲畑汀子 ホトトギス 201510  
秋思かな書棚に夫の謡本 宮川みね子 風土 201510 秋思 →2

 

2019年11月8日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。