春 灯(しゅんとう) 1       100句

春燈や朱唇におはす御ン佛   朴魯植   ホトトギス

春灯  春ともし

作品
作者
掲載誌
掲載年月
食べ出して空腹と知り春燈下 嶋田摩耶子 ホトトギス 199808
書斎より春灯ともしゆきにけり 稲畑汀子 ホトトギス 199904
春灯に一人の時間生れけり 稲畑汀子 ホトトギス 199904
春燈や旅を戻りてひらく地図 大和田鏡子 俳句通信 199905
春燈や書き馴染みたる故宮筆 鈴木白洋 俳句通信 199905
春灯下文書庫に反故積み重ね 森高武 風土 199906
鶏血石彫るに春灯低めけり 菊子 199906
かぞへ居し盆地の春灯一挙に殖ゆ 丸山海道 海道全句集 199910
春燈を点し家守るてふ思ふ 三井孝子 六花 199911
留守の家に戻る春灯ともし出る 稲畑汀子 ホトトギス 200004
春燈や裏面は泣ける鬼女の面 鈴木まゆ 馬醉木 200005
春灯の古書肆に女あるじかな 武井美代子 風土 200005
春燈に彫るや丈余の多聞天 木村仁美 馬醉木 200006
春灯やひとりの夜もありて座す 有山光子 遠嶺 200006
春燈の鏡の中に居りにけり 小山森生 200006
虚子館の展示春灯溢れしめ 堀恭子 ホトトギス 200007
春灯やグラバー邸に隠し部屋 岬雪夫 200007
春灯に文化勲章燦々と 福井鳳水 円虹 200007
春灯や比古の短冊なつかしく 福井鳳水 円虹 200007
春灯に捩づる蛇身の鱗文 奥村鷹尾 京鹿子 200007
手向けたる春灯ゆれて声なき声 荻野千枝 京鹿子 200007
春燈や非常口への燈は緑 佐々木峻 ヒッポ千番地 200007
春灯に袖擦り合はす大芝居 三橋早苗 ぐろっけ 200007
春灯のともりて今日は休館日 稲畑汀子 ホトトギス 200103
春燈のひとつでありし花屋かな 藤原紅 いろり 200104
春灯や幼と遊ぶだまし舟 岩村節子 200104
春灯のこぼれ落ちたる川面かな 市川伊團次 六花 200104
春燈の一つ一つに詩のあり 新関澄子 遠嶺 200106
春燈やむかし廓の大籬 成澤桂助 百鳥 200106
初版本の解体新書春灯下 牧悦子 200107
虚子の世に紛れ込んだる春灯下 稲畑廣太郎 ホトトギス 200204
春灯のひとつひとつは根を持たず 山根みどり 銀化 200205
春燈にポリープ覗く眼が迫る 藏本博美 ぐろっけ 200205

 祝「門」十五周年

春燈美し獅子舞の噛む次の人

正木ゆう子 200205
春燈の点るごとくにほほゑます 細川洋子 200205
晩学や春燈の輪を砦とし 西川五郎 馬醉木 200206
春燈や人死してよりあかあかと 西川五郎 馬醉木 200206
春灯の綺羅へ吹き抜けたちあがる 武藤ともお 京鹿子 200206
むづかりてゐしが寝息や春燈下 三沢蘭 遠嶺 200206
眠れずにゐて春燈を消しにけり 近藤喜子 200206
常陸野の春灯一つづつ大き 浜口高子 火星 200206
春燈下播く與謝野源氏かな 山下佳子 200207
春灯やみな丸き瞳の縫ひぐるみ 平野静 京鹿子 200207
春灯や生徒ひとりの書道塾 代田青鳥 風土 200207
春灯に奈良墨の香を籠らせて 坂本祥子 円虹 200207
席満ちて春燈いよよ濃くなりぬ 高橋さえ子 200207
六甲へ春灯を積上げてをり 三輪満子 ホトトギス 200208
皆黙しゐて春灯の華やげる 三輪満子 ホトトギス 200208
春灯や物故者表に父の名も 大久保白村 ホトトギス 200208
春灯や協会設立十五年 大久保白村 ホトトギス 200208
春灯下メインデッシュの運ばるゝ 田上昭典 ホトトギス 200208
新しき仏春灯点けておく 磯江康子 ホトトギス 200208
春灯をおとし指揮者のおもむろに 磯江康子 ホトトギス 200208
春燈や画集に祖父の蔵書印 堀本祐子 遠嶺 200208
春燈の果の果までラスベガス 桑田青虎 ホトトギス 200212
なつかしき話次々春灯下 稲畑汀子 ホトトギス 200302
春灯下ワイングラスを振る女 稲畑廣太郎 ホトトギス 200303
春灯や飾り戸棚の和紙人形 森脇恵香 雲の峰 200304
春燈や江戸日本橋寄席はねる 茂木妙子 雲の峰 200304
寝そびれて春燈窶れさせにけり 佐藤多恵子 銀化 200304
海昏れて春燈といふ熱きもの 松岡隆子 200304
読みふける西行歌伝春灯下 林田茂子 帆船 200305
春燈にひろげし母の素焼きなり 戸栗末廣 火星 200305
春燈のときに重たく面映ゆく 栗虫信子 200305
春灯に経帷子を着せ申す 坊城としあつ ホトトギス 200306
春灯の駅に子の傘とどきけり 小山香月 酸漿 200306
春灯に指きらめかせフラメンコ 廣井良介 円虹 200306
春燈や大衆作家法話集 秋田谷明美 帆船 200306
春灯の吹き荒れて門司下関 杉浦典子 火星 200306
春灯や他山の石は小粒でも 豊田都峰 京鹿子 200306
春灯の洩るる仕舞屋格子かな 山田天 雨月 200306
春灯や硝子越しなるバレリーナ 角田信子 六花 200307
春燈や固唾をのんで切る電話 田村園子 200307
春灯下眠れぬ人を思ひをり 小林朱夏 200307
春燈を消してこの世になきごとし 西川五郎 馬醉木 200405
春灯や微笑仏なる老と居て 池部久子 酸漿 200406
春灯を低くしきれぎれなるを縫ふ 豊田都峰 京鹿子 200406
春灯や船に丸窓角の窓 笠間圭子 京鹿子 200406
春灯の火影に映る浄め塩 有島夛美 河鹿 200407
雨の道春灯の影濡れてをり 栢森定男 風よ 200407
春灯やをとこが困るときの眉 辻美奈子 200501
春灯下縁となりて句集祝ぐ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200503
八雲紙戴つをためらひ春灯下 八染藍子 200505
春灯に礼装の和服はみな美人 山田をがたま 京鹿子 200505
春灯や籠りの僧の沓の音 木暮剛平 万象 200505
別のこと考へてゐる春灯下 太田佳代子 春燈 200506
春灯や老の転びの軽からず 加藤君子 火星 200506
春灯や九十の後の年いくつ 加藤君子 火星 200506
春燈の影をしづかに機織女 江崎成則 栴檀 200506
春灯に声すきとほる夜来香 有島夛美 河鹿 200507
華やげる春灯農の三世代 駒井でる太 200507
春燈はエヂソンの竹使ふべし 江崎成則 栴檀 200507
枕辺の春灯を消しなほ想ふ 舩越美喜 京鹿子 200507
春灯やささいなことの積み重ね ことり 六花 200507

 「春燈」六十周年を祝して

春燈へ弥栄の杯高くあげ

鷹羽狩行 200603
春灯に机膨らむわが眼鏡 山田六甲 六花 200603
春灯に足を投げ出す酔ひをみな 山田六甲 六花 200604

 出版祝賀会

春灯の渦巻く芯にゐるわたし

出来由子 200605
春灯やささいな事を積み重ね ことり 六花 200605
肩に手を置く春灯の写真かな 辻直美 200605
春灯→ 2      

 

2021年4月1日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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