春 愁 5     100句

春愁や虚構の恋の捨てがたく    山口青邨

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書他
春愁の手をたあいなく握らるる ことり 六花 200609  
春愁や仮面の下の怪しき目 山下佳子 200703  
春愁は時訃の針音めきゐたる ことり 六甲 200703  
肘掛けに夢二春愁の脂滲み 品川鈴子 ぐろっけ 200703  
つくづくと八十路春愁なくもがな 青垣和子 雨月 200704  
春愁のいよよ深まる瀧の前 刈米育子 200705  
とりあへず春愁とでも言ひおくか 戸田和子 200705  
春愁や世に嫌はるる莨のみ 君塚敦二 春燈 200705  
春愁の眼が追ふよ離りゆく尾燈 林翔 200705  
春愁に叶ふ瑠璃色インクかな 千田百里 200705  
春愁や鏡嫌ひになつてをり 酒本八重 200705  
春愁や夫に戻らぬ詞あり 松井のぶ 200705  
春愁をかの引潮にあづけきし 北川英子 200705  
春愁のフォルテッシモでショパン弾く 荒井千佐代 200705  
アンティーク店春愁の椅子ばかり 古屋元 200705  
春愁の所為か根締めのぐらつきは 品川鈴子 ぐろっけ 200705  
春愁の箸折りて出づ軽食堂 渡邉友七 あを 200705  
春愁の水尾に曲れるところあり 定梶じょう あを 200705  
雨もりのさびしき春愁とはちがふ 定梶じょう あを 200705  
春愁やペリカンにある喉ぶくろ 荒川香代 200706  
春愁や古書に残れる蔵書票 水原春郎 馬醉木 200706  
春愁や乙女峠のマリヤ堂 名取袿子 200706  
齢ひとつ重ね春愁つのりけり 千坂美津恵 200706  
春愁の両耳覆ふイヤホーン 山中宏子 200706  
春愁を払ふ山風なりしかな 竹中一花 200706  
春愁のゴリラに透視され真昼 齋藤厚子 200706  
「受胎告知」観て春愁の土不踏 神蔵器 風土 200706  
春愁や霧笛寄せくる出船歌碑 宮崎見昭 遠嶺 200706  
春愁や何か足りない昨日今日 横山迪子 六花 200706  
ネクタイを引抜き春愁掌中に 渡邉友七 あを 200706  
カサブランカの香りどこまでも春愁 木村茂登子 あを 200706  
春愁や乳房を挟むマンモグラフィー 篠田純子 あを 200706  
春愁を人事の季語と納得す 岡本眸 200706  
春愁といふ賛沢に居りにけり 岡本眸 200706  
止まり木のカクテル減らず春愁 泉田秋硯 200707  
春愁を断たむがために絵筆取る 岡谷栄子 200707  
春愁や土砂噛みこぼすシャベルカー 藤田素子 火星 200707  
春愁の行き止まりなり尾 水野恒彦 200707  
春愁の重さをはづす腕時計 篠藤千佳子 200707  
砂時計春愁ほどの嵩こぼす 佐藤山人 200707  
コントラバス奏者瞑る春愁 高橋道子 200707  
春愁や今更どうにもならぬこと 荒木治代 ぐろっけ 200707  
春愁や写経の墨の淡くして 岩木眞澄 ぐろっけ 200707  
頬杖に春愁深き弥勒さま 森脇貞子 雨月 200707  
春愁や当てもなく城一周す 藤田誉子 雨月 200707  
春愁や一言多き妻の癖 並木重助 酸漿 200707  
春愁やミイラに残る黒き髪 渡辺玄子 酸漿 200707  
春愁の果は大きな沼の景 真保喜代子 200707  
春愁や照りて翳りて常の景 田村玲子 200707  
春愁や八幡山に灯の点り 石垣幸子 雨月 200708  
春愁を鳴門の渦に捨てて来し 石橋萬里 ぐろっけ 200708  
春愁の離れぬままに海たいら 国永靖子 ぐろっけ 200708  
春愁やずらりと井伊の赤備 久留米脩二 馬醉木 200708  
春愁を笑ひとばして杖に佇つ 浅井青陽子 ホトトギス 200709  
春愁や残るひとつの嘘あはれ 狭川青史 馬醉木 200710  
春愁の黒猫クレオパトラかな 中野京子 翁草 200710  
春愁やカバンの中にまたカバン 陽山道子 船団 200710  
春愁や箱をゆすつて御籤だす 田口紅子 200712  
銀紙にくるんでみたき春愁は 大川ゆかり 200801  
春愁の果は大きな沼の景 真保喜代子 200801  
春愁や落款のみなかたむきて 島谷征良 風土 200803  
夜は更けて春愁ほどく君の唇 ことり 六花 200803  
彫像にとり囲まれてゐる春愁 堀内一郎 あを 200804  
春愁やだんだん見ゆる雨のすぢ 大川ゆかり 炎帝 200804  
春愁や亡夫の書籍捨て難く 能勢栄子 200805  
春愁や表裏確かむ和紙の耳 落合絹代 風土 200805  
春愁や旅の終りの足湯して 水原春郎 馬醉木 200805  
春愁やまひるの海の音もなく 水野恒彦 200805  
春愁や妣の珊瑚の髪かざり 塩路隆子 200806  
春愁や金平糖を一つまみ 有田蟻太 200806  
軽躁の世と春愁に耽りけり 磯崎清 200806  
丘に立ち吾に春愁無くもなし 東良子 遠嶺 200806  
春愁か一刀彫師の黙深し 峰幸子 200806  
春愁や犬の寝息も降る雨も 近藤紀子 200806  
春愁の綿菓子かほをかくしけり 竹下昌子 200806  
春愁は猫にもありぬ塀の上 定梶じょう あを 200806  
春愁やいつもお供は強い風 長崎桂子 あを 200806  
春愁の泉となりぬ厨水 渡邉友七 あを 200806  
春愁や母のありやう思ふ朝 鈴木良子 酸漿 200806  
春愁の身を励ますは声立てず 安武晨子 200806  
猿沢の池の春愁亀泳ぐ 塩路五郎 200807  
春愁を乗せ空つぽの観覧車 藤井君江 馬醉木 200807  
春愁の明るすぎたる日差しかな 近藤喜子 200807  
春愁や社の道のさくら彩 中野京子 200807  
春愁や酒の肴はくわりんたう 大坪景章 万象 200807  
春愁やインクの減らぬインク瓶 田村園子 200807  
春愁の身を励ますは声立てず 安武晨子 200807  
春愁の影先立てて歩き出す 吉原一暁 200808  
雨の日の窓春愁を見つめけり 倉持梨恵 200808  
春愁のきはむ机上に粥を置き 前川明子 200808  
春愁やわれと鏡の中の吾と 野路斉子 200808  
春愁やすぐに汚れて靴の先 山下由理子 200810  
春愁や異国のコインもてあまし 鳳蛮華 200811  
春愁や四角のナフキン純白に 新関一杜 京鹿子 200904  
春愁や吸取紙に残る文字 安藤利恵 春燈 200904  
誰の肩に春愁の頭を乗せやうか 千田百里 200904  
春愁やちいさく點す深海魚 佐藤喜孝 あを 200904  
春愁やザビエル塔の鐘渉り 田下宮子 200905  
春愁や旧き日を恋ふ埴輪の目 塩路五郎 200905  
春愁や媼の記憶とぎれ勝ち 能勢栄子 200905 春愁 →6

 

2020年3月1日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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