春 愁 4     99句

春愁や稽古鼓を仮枕    松本たかし

作品
作者
掲載誌
掲載年月
春愁に在すや羅漢目を伏せて 木野裕美 ぐろっけ 200407
春愁のピエロは化粧厚く塗り 栢森定男 風よ 200407
春愁の眼鏡の玉を拭き忘れ 栢森定男 風よ 200407
春愁の時計は二時を打ちにけり 曷川克 遠嶺 200408
春愁や励ます言葉探しをり 橘澄男 山景 200408
春愁や人かるがると死を語る 西村梼子 ぐろっけ 200409
春愁やからまることのなき小ゆび 八田木枯 夜さり 200409
春愁の二等辺三角形を描く 木村みかん 200410
春愁やはなればなれに鰈の眼 ほんだゆき 馬醉木 200501
春愁や栞のさだめよく動く 宇都宮滴水 京鹿子 200503
春愁やポップコーンはカレー味 高橋秋子 200503
春愁や眼の乾き目をつむり 滝沢伊代次 万象 200504
春愁や河馬の親子の大欠伸 相川秀子 帆船 200504
春愁やジャグジー風呂に身の弾み 山田六甲 六花 200504
春愁の踊り子鳴らす足の鈴 須賀允子 万象 200505
春愁のちりめんじやこを一つかみ 中尾杏子 200505
春愁の眼いつより持ち歩く 加藤はま子 200505
春愁を肩にたたへて盧舎那仏 鈴掛穂 200505
角砂糖春愁かくも淡きもの 大石たか 遠嶺 200505
春愁の虜の鳴らす裁鋏 出来由子 200505
春愁やめだかの腹の透けてをり 小林とみゑ 百鳥 200505
春愁の目差し深き観世音 木内徴子 万象 200505
春愁や手鏡を持ち歩く人 竹内弘子 あを 200505
春愁の一つ確定申告なり 長崎桂子 あを 200505
春愁や問へど答へぬ母と居て 徳田正樹 河鹿 200506
春愁のかけら集めて万華鏡 石本百合子 馬醉木 200506
サテュロスに逢ひ春愁の赤き酒 大曽根育代 遠嶺 200506
春愁や兎にも角にも先づ眠る 近藤喜子 200506
春愁やかへらざる日の旅鞄 市川玲子 春燈 200506
春愁の日暮を歌ふ鳩時計 辻田明 200506
春愁や別れの日また近づきて 三橋早苗 ぐろっけ 200506
春愁や渡来の火熨斗そのままに 岡部邦枝 200506
アンティークの家具にかこまれ春愁湧く 安井和子 200506
ロボット夫春愁などはあり得ない 篠田純子 あを 200506
航跡の長さ春愁さそひけり 千坂美津恵 200507
春愁といふには重し亡夫思ふ 松村富子 200507
チャンネルを変へて春愁まぎらはす 山下佳子 200507
石ひとつ投げ春愁の余呉の湖 遠藤若狭男 200507
春愁や古き栞の花言葉 内田稔 遠嶺 200507
春愁や歯科受付の吊り鏡 三枝邦光 ぐろっけ 200507
春愁や一言多き妻の愚痴 並木重助 酸漿 200507
鐘を撞き春愁の身を立て直す 藤田誉子 雨月 200507
春愁をゆっくり回す観覧車 竹内太郎 200507
春愁や聖者顔なる類人猿 川勝春 馬醉木 200508
春愁を捨つべし珊瑚礁の海 中島知恵子 雨月 200508
伝染といふ春愁のありにけり 河野美奇 ホトトギス 200509
春愁やちよつと甘えるよその猫 河野美奇 ホトトギス 200509
春愁の腕をほどきてストレッチ 山元志津香 八千草 200509
春愁や鷲づかみしても砂は砂 長井順子 200509
春愁や手のひらほどのパスポート 清水ゆみ子 200510
春愁や窓際に置くルームキー 清水ゆみ子 200510
春愁の肌をすべらす絹衣 宮澤さくら 今生 200510
逆上がりして春愁の撓みけり 細川洋子 200601
春愁を包めば淡き古むらさき 安田優子 京鹿子 200601
眉刷いて春愁のかほつくろへり 楠原幹子 白卓布 200602
春愁は達陀松明浴びてより 能村研三 200604
ひたひたと寄す春愁の渚かな 鈴木榮子 春燈 200604
欠席と返信出すに春愁湧く 横山茂子 200604
春愁やインクの切れしモンブラン 篠田たもつ 対岸 200604
春愁や栞いつまで宇治十帖 北川英子 200605
春愁や四十五度のお辞儀して 千田百里 200605
恋人岬の鐘春愁をひろめけり 入澤正 春燈 200605
春愁や白き錠剤てのひらに 山田暢子 風土 200605
春愁はふつと葬りし母のこと 小澤克己 遠嶺 200605
燃ゆごみに封じ捨てなむ春愁も 伊藤白潮 200605
春愁や水母の浮かぶ埠頭べり 辻恵美子 栴檀 200605
古き良き茶房春愁おのづから 岡本眸 200605
春愁や男の被る狐面 今瀬剛一 対岸 200605
春愁のそれきり鳴らず指の骨 淵脇護 河鹿 200606
春愁や冷たき電子辞書のキー コ田正樹 河鹿 200606
春愁や大きな文字の辞書を買ふ 木原紀幸 河鹿 200606
灯台光達距離春愁に及ばざる 鈴木榮子 春燈 200606
春愁やリアドロ人形影あはき 佐渡谷秀一 春燈 200606
コーヒーの濃く春愁のさらに濃く 志水美紀子 四葩 200606
嫁がせて身に春愁を抱へこむ 松尾いさ子 四葩 200606
春愁や低く漂ふサキソフォン 与川やよい 遠嶺 200606
春愁の目に愛犬の死を言へり 佐藤淑子 雨月 200606
春愁のをんな煙草を高く吐く 内海良太 万象 200606
晩節の視野春愁の赤ワイン 大島翠木 200606
春愁のたとへばロートレックの朱 岩月優美子 200606
春愁や汚れめだちし旅鞄 宇根綾子 二輪草 200606
春愁に近い旋律寮歌祭 達山丁字 200607
春愁や「若きヴェルテル」再読し 峰尾秀之 200607
春愁や鏡替へても同じ顔 徳永亜希 馬醉木 200607
春愁や古書のおほかた赤茶けて 大島由子 200607
春愁や断食月ラマダンの地の棗椰子 内山花葉 200607
鏡閉づ春愁をなほ封ぜざり 舩越美喜 京鹿子 200607
底抜けに笑ひ春愁置いてくる 坂根北陵 京鹿子 200607
ビルの根にころがつてゐる春愁 吉田明子 200607
春愁の動く歩道の歩を速む 大島寛治 雨月 200607
春愁や石ころ蹴ってみても猶 田中峰雪 雨月 200607
思ひ出し笑ひのあとに春愁湧く 谿昭哉 200607
春愁の象小さき眼で吾を視る 合川月林子 ぐろっけ 200607
春愁の財布に貯まる診察券 中村碧泉 ぐろっけ 200607
春愁や以前泊まりし宿にゐて 岩松八重 六花 200607
春愁に色ありとせば琥珀なり 千坂千津恵 200608
深息のひとつ春愁ゆれてをり 北川孝子 京鹿子 200608
春愁の長距離電話老姉妹 足利ロ子 ぐろっけ 200608
世界一野球春愁ぶっとばし 藤原りくを 八千草 200609
春愁→ 5      

 

2021年2月28日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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