春 曉 2      105句

長き長き春暁の貨車なつかしき    加藤楸邨

春の朝  春暁  春曙  春の夜明け

作品
作者
掲載誌
掲載年月
春暁の都心地下より動き出す 稲畑廣太郎 ホトトギス 200804
春暁に白く明けたる吉野山 稲畑廣太郎 ホトトギス 200804
春暁の夢は必ず君の居て 稲畑廣太郎 ホトトギス 200804
春暁の君は帆船帆を開く 坪内稔典 坪内稔典句集U 200804
春暁や嫁取りの餅掲き上がり 大上充子 馬醉木 200805
春暁の光投げ来る窓ガラス 小松渓水 酸漿 200805
消べき灯の春暁とぼること寂し 定梶じょう あを 200805
癌去らず春暁男泣きもする 冨岡夜詩彦 200806
紅うすく春暁の空染まりゆく 池田光子 200806
春曉の水に沈みし仏具かな 久津見風牛 200806
春暁の階段を猫上りゐて 徳丸峻二 風土 200807
鳥と目覚む核多き国の春暁に 長城 藤田宏 200808
春暁の中より電車来たりけり 浅井敦子 万象 200810
春暁の細き月見て旅立ちぬ 稲畑汀子 ホトトギス 200904
春暁や草木虫魚盛んなれ 瀧青佳 ホトトギス 200905
春暁や根原的な生思ふ 瀧青佳 ホトトギス 200905
春暁の酸素吸入一憂す 中山皓雪 200905
春暁や散歩をねだる犬言葉 増田大 春燈 200905
春暁の老の合唱サンタルチア 佐方敏明 ぐろっけ 200905
春暁や双眸とぢて見ゆるもの 鷹崎由未子 春燈 200905
春暁や柩主治医に見送られ 片井久子 春燈 200906
春暁の湯殿のけむりのびやかに 吉村さよ子 春燈 200906
春暁の厨につくる生姜糖 阿部文子 酸漿 200906
春曉や水に捨てゐる桶の水 佐藤喜孝 あを 200906
春暁の二羽もつれつつ雨に啼き 藤野寿子 あを 200906
春曉の波音高しネプチューン 岩月優美子 200907
春暁や大き澪ひき出漁す 宮野百合子 200907
春暁の睡りの皺の鼻にある 土田孝 ろんど 200907
春暁や山の底より山浮かす 石坂比呂子 ろんど 200907
春暁や夢の仕舞に母の来て 赤羽正行 遠嶺 200908
春暁やまた目を閉ぢて母に会ふ 星原悦子 200908
春暁や一絃琴の須磨寺に 手島伸子 雨月 200908
春暁や老いては眠り継ぎ足して 有働亨 馬醉木 201001
春暁や鎮痛剤のさくらいろ 林いづみ 風土 201001
春暁や安来生れの寛次郎 林日圓 京鹿子 201003
春暁の太白仰ぎ旅に発つ 稲畑汀子 ホトトギス 201004
春暁のからくりかとも西に月 千田敬 201004
春暁や光明丹をつかひきる 吉弘恭子 あを 201004
春暁やてのひらほどの舟帰る 成田美代 201005
春暁の明るき夢の尾に乗りて 池田達二 風土 201005
春暁の曙杉の高さかな 中川悦子 酸漿 201005
行果てて堂春暁の刻流れ 狭川青史 馬醉木 201006
春暁を叫びて鳥の横切れり 高谷栄一 201006
春暁の「もう大丈夫です」執刀医 藤見佳楠子 201006
春暁に父母を描きて誕生日 四條進 201006
春暁の傘寿の夢に人語あり 岸田爾子 201006
春暁やくらしの音の一つづつ 柴田昭子 雨月 201006
春暁の月沈むあり一の杉 阿部ひろし 酸漿 201006
春暁の海見る窓の息ぐもり 吉村さよ子 春燈 201007
春暁や神の日矢受くシナイ山 杉本光 201101
春暁と言へど皎々満ちし月 阿部ひろし 酸漿 201103
春暁の邑の明るし鳥の声 長坂ヤス子 酸漿 201104
春暁を待つ病院の非常口 山口キミコ 201105
近景は先ず春暁の塔の先 北川孝子 京鹿子 201105
春暁の鐘音かすか谷を越え 角谷美恵子 ぐろっけ 201105
春暁余震に目覚む昨日今日 山荘慶子 あを 201105
春暁の地震みんなを起こしけり 加藤良子 春燈 201106
春暁や帰宅難民てふ縁 清水佑実子 201106
町ひとつ消え去るや春暁の浜 佐々木群 201106
春暁の正に日の出に目覚めけり 井上幸子 酸漿 201106
余震なほ続く春暁海の音 田中臥石 末黒野 201107
春暁や湖の釣舟影絵めき 菅野日出子 末黒野 201107
春暁や菜園に早や人の影 大石誠 201107
春暁の覚めざるや島灯を連ね 中村碧泉 ぐろっけ 201107
春暁の耳引張つてをりにけり 中島陽華 201107
春暁の電気ケトルの滾る音 有賀昌子 やぶれ傘 201108
春暁の耳引張つてをりにけり 中島陽華 201107
春暁の祈り捧げて偲ぶのみ 稻畑汀子 ホトトギス 201204
春暁といふ定まらぬ心かな 稻畑汀子 ホトトギス 201204
門灯が消され春暁引き締まる 布川直幸 201204
戸を繰れば春暁の気を鼻先に 布川直幸 201204
春暁やエンジン軽き夫婦船 青野安佐子 201204
春暁や雲の中から人のこゑ 加藤みき 201205
雨上がり春暁浴びて深呼吸 丸山酔宵子 かさね 201206
羽音聞きゐて春暁を深ねむり 風間史子 201205
春暁の目覚めの耳のあたたかし 柳生千枝子 火星 201206
春暁の出船を追ひて鴎発つ 大橋伊佐子 末黒野 201206
春暁の寒さに目覚む振鈴に 木村茂登子 あを 201206
春暁に海猫浮かぶ地震の海 丸山酔宵子 かさね 201207
ともかくも春暁を駈け産院へ 加藤峰子 201207
漁に出る気配春暁旅まくら 鎌田慶子 ろんど 201207
春暁の出発ありて鳥の声 鎌田悟朗 ろんど 201207
春暁の黄蘗の幹の白み初む 千原叡子 ホトトギス 201209
春暁や黙示のごとき地震に覚め 竹内弘子 201212
細き月上げ春暁でありしこと 稲畑汀子 ホトトギス 201304
春暁の机の上の眼鏡かな 神蔵器 風土 201304
春暁の無音の中に蘇生の気 近藤紀子 201305
春暁や鳥語みなぎる向う山 小山繁子 春燈 201306
春暁やかがみのやうな汀道 海村禮子 春燈 201306
春暁や巫女のまなこに五芒星 中島陽華 201306
春暁や妣に起さるる夢を見し 嵐弥生 末黒野 201306
春暁や沖よりもどる船灯り 西岡啓子 春燈 201307
春暁やゴムの木の鉢抱へ出す 瀧春一 花石榴 201312
春暁の早発とても常の如 稲畑汀子 ホトトギス 201404
春暁や句はあけくれに詠むべかり 塩田博久 風土 201405
春暁や音なき雨の中目ざめ 柴田靖子 201406
春暁の納屋に農具の目 森岡正作 201406
春暁の残月白し鍾馗立つ 宮崎左智子 201406
病む犬を置く春暁の草の上 大山文子 火星 201406
ふと醒めて追ふ春暁の夢なりけり 中嶋昌子 春燈 201406
春暁や夢の中にも日は射し来 杉浦一子 万象 201407
春暁や夫の寝床の空つぽに 村上留美子 火星 201407
春暁の子守唄なる雨の音 杉原ツタ子 201407
春暁や箒持つ手のしあはせよ 今井充子 201408
鉢巻の妻春暁の耕運機 西郷慶子 璦別冊 201408
春暁→ 3      

2021年3月17日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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