春の朝     82句

陸 山村留學

安曇野へ留學の子と春の朝    高島茂

春の朝  春暁  春曙  春の夜明け

作品
作者
掲載誌
掲載年月
自他分かち難き人居る春の朝
星野早苗
空のさえずる
200002
レースカーテン春の朝日を増幅す
林翔
200006
触れ太鼓みみずの太る春の朝
秋野火耕
船団
200105
アフリカの水にちかづく春の朝
佐藤喜孝
あを
200105
五時はもう春の朝の日見つつ発つ
稲畑汀子
ホトトギス
200204
春の朝埠頭にひとり体操す
大串章
百鳥
200205
春の朝カメラ目線の球児達
篠田大佳
あを
200205
春の朝ハワイ土産のマグカップ
芝宮須磨子
あを
200305
夢違観音と会ふ春の朝
中村恭子
200306
春の朝社長も孫の運転手
中村和江
ぐろっけ
200307
洋食器白で統一春の朝
西塚成代
六花
200406
春の朝すぴすぴと鳴く小鳥をり
丹羽敦子
酸漿
200406
春の朝鴉ひろげる紙や紙
吉成美代子
あを
200406
待ちかねし吉野葛茶の春の朝
長谷川登美
ぐろっけ
200406
起こさるるまでのしあはせ春の朝
淺場英彦
万象
200407
イラク派兵かなし寧かれ春の朝
飯田泰子
八千草
200408
硯より春の朝日の離れたり
内藤ゑつ
ゑつ
200411
弥勒菩薩の御前であり春の朝
平間裕子
対岸
200506
啄木鳥の叩く音澄めり春朝日
長田秋男
酸漿
200204
黄身二つ男のパック春朝日
大石雄士
帆船
200305
春朝日光背として友まぶし
谷寿枝
酸漿
200404
春朝日波が映せる川のあり
谷寿枝
酸漿
200507
電車待つに春の朝日の照り返し
松崎鉄之介
200604
七人掛のみな眠りをり春の朝
斉藤裕子
あを
200605
出勤や立春の朝日樹に高く
瀧春一
常念
200606
授かりし余命尊き春の朝
瀬尾幸代
200606
やはらかく水を掬へり春の朝
飯島かほる
対岸
200606
春の朝希望の光昇りくる
わかやぎすずめ
六花
200606
春の朝妙心寺堂に読経せり
佐藤健伍
200707
蒙彊の春の朝日のぽかりと出づ
松崎鉄之介
200707
蒸し麺麭に重曹匂ふ春の朝
山田六甲
六花
200803
調乳の手際しなやか春の朝
篠田純子
あを
200804
竹幹にこつんと小石春の朝
小澤克己
遠嶺
200805
全身に海鳴まとふ春の朝
北川とも子
ぐろっけ
200805
春の朝鴉の声の間のびせり
山荘慶子
あを
200805
茶柱をぐっと飲みこむ春の朝
金井香ル
200806
すべりよきバターナイフや春の朝
西山春文
200806
羊等の犇めきあひて春の朝
北川とも子
ぐろっけ
200806
病棟の廊を貫く春朝日
眞田忠雄
やぶれ傘
200806
金星に立春の朝はじまりぬ
稲畑汀子
ホトトギス
200902
寮生の窓が光れり春の朝
藏本博美
ぐろっけ
200905
春の朝バターナイフの銀の艶
新実貞子
200906
「わあ雪だ」「また雪か」の春の朝
東亜未
あを
201004
春の朝光る雨滴の数珠繋ぎ 山崎真義 201105
時計より人形飛びだす春の朝 高橋泰子 201105
アールグレー琥珀に透ける春の朝 松岡和子 201107
まだ続く余震に目覚め春の朝 神田惣介 京鹿子 201109
ごぶさたの猫に鈴あり春の朝 出口誠 六花 201205
春の朝爪先立ちて廊歩く 小林正史 201205
グローブに球決まる音春の朝 古井公代 ぐろっけ 201206
目が見てる口が食べてる春の朝 中原幸子 船団 201206
ゆるゆるの袖の釦や春の朝 丑久保勲 やぶれ傘 201207
文鳥の脚より明けて春の朝 林昭太郎 あまねく 201210
告ぐべきか否か佳き夢春の朝 伊東和子 201405
春の朝黒い車に母と乗る たかはしすなお 201406
電子機器に返事してゐる春の朝 田渕昌子 京鹿子 201407
オートバイ爆音となる春の朝 仁平則子 201505
立春の朝の光をポストまで 大橋晄 雨月 201604
春の朝バイクの陰に猫の居る 出口誠 六花 201705
春の朝フライパンにも語りかけ 野村鞆枝 京鹿子 201709
濃き色の黄身をごはんに春の朝 篠崎志津子 やぶれ傘 201806
抱えきれないほどの荷物や春の朝 林田麻裕 201806
ロスからの野球中継春の朝 高橋均 やぶれ傘 201808
春の朝ならえ右!消防車 つじあきこ 船団 201809
明るさは晴を約して春の朝 稲畑汀子 ホトトギス 201903
通天閣ヘキリンたたずむ春の朝 浅田光代 風土 201904
合同句集届く大安春の朝 下田奉枝 雨月 201905
久々の電話が長し春の朝 出口誠 六花 201905
春の朝勇気が背中押してをり 出口誠 六花 201906
舌噛んで目を覚ましたる春の朝 小山よる やぶれ傘 201907
立春の朝コーヒーと枡の豆 赤座典子 あを 202003
春の朝橅にあてたる聴診器 加藤タミ 末黒野 202005
影はみな同じ方向く春の朝 林すみ 京鹿子 202006
春の朝読経の声も静かなり 出口誠 六花 202006
鶏鳴のカ変活用春の朝 小島昭夫 春燈 202105
春の朝パンの四隅にジャムを乗せ 佐藤喜孝 あを 202106
目覚むれば戦火の国在り春の朝 森なほ子 あを 202205
ゆるゆると伸ぶる赤子や春の朝 平木三恵子 やぶれ傘 202207
春の朝ツピーツピーとシジュウカラ 小池一司 やぶれ傘 202208
新しき目覚まし鳴らぬ春の朝 小山よる やぶれ傘 202307
春の朝小屋から牛の尻が出て 脇村碧 やぶれ傘 202306

 

2024年3月14日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。