初 夏 3   100句

初夏は春よりもなほ独居のほとほとつらくむねにせまりく  九条武子  金鈴

はつなつ  初夏

作品
作者
掲載誌
掲載年月
初夏の画川紙にかく赤き唇 竹下昌子 200708
初夏の蝶がビーナスライン越ゆ 小澤克己 遠嶺 200708
青々と希望の見ゆる初夏の湖 林友次郎 遠嶺 200708
初夏や木洩れ日粗き熊野道 西村昌三 遠嶺 200708
ワイナリー出て初夏の光浴ぶ 辻美奈子 200708
初夏の略図川より書きはじむ 栗原公子 200708
陣太鼓鳴らして送る初夏の旅 小田知人 ぐろっけ 200708
初夏や硝子の靴を飾り窓 白井友梨 馬醉木 200708
身にまとふ仕立ておろしや初夏の風 松葉よし江 200709
初夏の水の手ごたへ抜手切る 柿沼盟子 風土 200709
独り開くお結びの折園は初夏 斉藤陽子 雨月 200709
繊き靴脱ぎそろへあり初夏の蝶 水原秋櫻子 馬醉木 200710
初夏の雲遊びゐて日を洩らす 柳生千枝子 火星 200710
シスターの連れ立ち初夏のピカソ展 久留米脩二 馬醉木 200710
初夏の藍の壺なる奥琵琶湖 浅田光代 風土 200711
技芸天に初夏の日矢差し込める 山田六甲 六花 200805
相撲部屋厚き俎干して初夏 長谷川歌子 春燈 200806
水音を聞きつつ宿場町の初夏 北村満弓 六花 200806
初夏の雁木を洗ふ小波かな 高谷栄一 200807
裾広きスカート嬲る初夏の風 伊庭玲子 200807
初夏や人を偲びて七度に 加藤みき 200807
初夏の海玩具のやうな電車乗る 田中藤穂 あを 200807
初夏の吸へば海風甘きかな 藤原たかを 馬醉木 200808
初夏の空にひしめく紫外線 泉田秋硯 200808
阿蘇火口マリンブルーの初夏の風 鈴木照子 200808
飴を切る初夏の音なり寺の町 羽賀恭子 200808
初夏や酒樽並ぶ異空間 小國佐世子 遠嶺 200808
初夏やこころ大草原にあり 近藤喜子 200808
はにかみを覚えし少年初夏の風 竹中一花 200808
初夏やお初天神露天神 竹中一花 200808
紅に醤蝦あみの帯なす初夏の浜 後藤桂子 万象 200808
熔岩のごろり大室山に初夏 岸はじめ ぐろっけ 200808
「チベットに自由を」初夏の市民デモ 石田康明 春燈 200808
初夏のTシャツの背の大首絵 岩藤礼子 やぶれ傘 200808
流木の初夏の渚を這ひあがる 荻野千枝 京鹿子 200809
初夏の旅人のつばらつばらかな 瀬川公馨 200809
初夏や麻布通りの白亜館 塚越美知子 200810
初夏や一年生は大人びし 松本文一郎 六花 200810
初夏の魚に塩打つ裏表 柴田佐知子 200810
つややかに初夏の日返す蜻蛉玉 中村則夫 やぶれ傘 200811
風は初夏鮪の胴の朱の番号 瀧春一 深林 200901
初夏といふ光に紛れ込みし旅 稲畑汀子 ホトトギス 200904
初夏といふ身軽な旅でありしかな 稲畑汀子 ホトトギス 200905
いくたびも初夏あともどりしてしまふ 稲畑汀子 ホトトギス 200905
初夏の旅終へて不順の日に戻る 稲畑汀子 ホトトギス 200905
初夏や旅の眼鏡を窓に置き 鷹羽狩行 200905
子疲れや初夏の欠片を握り寝る 中島玉五郎 200906
離れてはすぐ手をつなぐ初夏の雲 松葉よし江 200906
初夏の白き航跡船の旅 増田一代 200907
初夏の番をしどり野に遊ぶ 増田一代 200907
スニーカーてふを履きをり初夏を行く 伊庭玲子 200907
初夏や涙目怺へ阿修羅像 稲見寛子 炎環 200907
一杯と決め初夏の街にをり 岸ゆうこ 炎環 200907
別々に来ていま一対の初夏の影 布川直幸 200907
白球を追ふ少年へ初夏の風 米山喜久子 200907
初夏といふ清しき朝の来たりけり 米山喜久子 200907
初夏の野鳥しきりにラブソング 岡野ひろ子 200907
水疲れしてはや初夏の三兄弟 和田政子 200907
スケボーの高々と舞ふ初夏の空 渡部磐空 200907
初夏の美しき風生むひとところ 黒澤登美枝 200907
海か山決めてよ初夏のニュートラル 北川英子 200907
古墳百基夜は初夏の星かざす 安立公彦 春燈 200907
飛行船黙して過ぐる初夏の空 戸辺信重 春燈 200907
初夏の風入れ身体検査の日 小林朱夏 200907
初夏の山道五才に追ひ越され 須賀敏子 あを 200907
初夏や翼のやうにレタス盛る 船越和香 馬醉木 200908
初夏や山は大きく座りをり 村上絢子 馬醉木 200908
まだ捨てぬ渡佛の夢や初夏の風 能勢栄子 200908
無洗米研ぐこだはりを捨てて初夏 鈴木照子 200908
挨拶を返され初夏の通学路 布川直幸 200908
川下り難所をこえし初夏の風 西川慶子 酸漿 200908
初夏の日の中に小鳥の声響く 西川慶子 酸漿 200908
初夏の海心やさしき人を呼ぶ 藏本博美 ぐろっけ 200908
点滴にわが身繋がれ初夏病棟 藏本博美 ぐろっけ 200908
人生は不可解八十才の初夏 川崎光一郎 京鹿子 200908
初夏や曙杉の下に入る 吉弘恭子 あを 200908
神鈴の余韻や初夏の樟木立 小山徳夫 遠嶺 200909
初夏や野草恋せし翁逝く 中村クミ子 遠嶺 200909
初夏の風丹田に入れ太極拳 神田惣介 京鹿子 200909
青一色のゴッホの「アザミ」初夏の風 金山雅江 春燈 200909
初夏日記一日一句なればよし 小関栄子 200909
初夏や薩摩切子の藍の色 松木漢子 200909
初夏の空き箱片方から潰す 陽山道子 船団 200909
初夏や旅で求めし鈴二つ 佐田昭子 ぐろっけ 200909
ウインドウーの靴を廻して銀座初夏 石川寿夫 ろんど 200909
初夏の海真青に透きにけり 古林阿也子 200910
木道をひたすら歩み初夏の尾瀬 佐藤喜仙 壁炉 200911
瀬戸内の島々統べて初夏の風 稲畑廣太郎 ホトトギス 201005
城壁に突き当りたる初夏の風 稲畑廣太郎 ホトトギス 201005
初夏の風新しき旅路かな 稲畑汀子 ホトトギス 201005
風荒れて一気に初夏となる日差 稲畑汀子 ホトトギス 201005
片づかぬ書斎そのまま初夏となる 稲畑汀子 ホトトギス 201005
鳥型の小舟流れる初夏の川 林日圓 京鹿子 201005
「それいゆ」の表紙のやうな初夏の服 小西和子 201007
老漁夫の投網一閃初夏の湖 山本丈夫 201007
旅終へてやはり近江よ初夏の湖 竹内悦子 201007
初夏や草食男子急増し 笠井清佑 201007
風は初夏リハビリの師と土を踏む 山田をがたま 京鹿子 201007
初夏の風の高みに麟麟の目 峰幸子 201007
初夏の風を弾ませ子等の声 吉沢陽子 201007
初夏 →4      

 

2021年5月11日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

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