千 両 2    108句

千両の実をこぼしたる青畳   今井つる女

万両  千両  草珊瑚

作品
作者
掲載誌
掲載年月
選りて剪る庭の千両年用意 伊藤一枝 酸漿 201103
つくばひの一滴に和す実千両 鈴鹿仁 京鹿子 201201
千両の末広がりに生けてあり 山田六甲 六花 201201
安心と安全何処に実千両 須賀敏子 あを 201201
実千両楷書に生きてきし夫へ 北村幸子 201202
赤と黄に雨かがやかす実千両 和田政子 201202

 小石珠子先生へ

実千両珠玉の一句たまはりし

小島昭夫 春燈 201202
節約に向かぬ性なり実千両 宮田香 201203
何気なきそのひと言よ実千両 近藤きくえ 201203
鎌倉に千両万両藪柑子 神蔵器 風土 201203
千両も万両もまた実を零し 田村すゝむ 風土 201203
かばかりの輝き庭の実千両 占部美弥子 末黒野 201203
振り返り気づく幸せ実千両 松本恒子 ぐろっけ 201203
千両を噛みて御寺の野面積 竹内喜代子 雨月 201203
千両を活けて帰る子小晦日 小川玉泉 末黒野 201204
千両の庭に亡き夫偲ぶかな 細川コマヱ 雨月 201205
下町が好きで居着きぬ実千両 石川笙児 馬込百坂 201206
実千両鳥の好みを見届ける 東秋茄子 京鹿子 201206
供花にして華やぐ仏間実千両 酒井秀郎 返り花 201211
よく眠る八十路のふたり実千両 酒井秀郎 返り花 201211
あなたには千両で充分過ぎる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201301
実千両茅葺き酒肆に石灯籠 佐藤喜仙 かさね 201301
実千両母の昭和を赤々と 池田光子 201301
鎮もりしガラシャの墓の実千両 山口キミコ 201302
伝説に小町の泉実千両 神蔵器 風土 201302
鳥声ややはき日差しの実千両 田村加代 末黒野 201302
千両も万両も食ひ鵯騒ぐ 中村ふく子 201303
千両の映えし一壺となりにけり 志方章子 六花 201304
実千両水琴窟の音冴えて 熊切光子 末黒野 201304
一条のひかりをまとひ実千両 梶浦玲良子 六花 201305
千両をたうとう見つけたる鳥よ 稲畑汀子 ホトトギス 201401
塵箱にすてゝも千兩の實は眞紅 丸山佳子 京鹿子 201401
千両も万両も鵯容赦なし 池田かよ ぐろっけ 201402
秘めごとのひとつや二つ実千両 塩路隆子 201402
岩座に不動滝とて実千両 榎本ふじえ 風土 201402
水揚げの水切り今朝も実千両 森理和 あを 201402
西のお屋敷千両も万両も 山田六甲 六花 201402
紅唇の君のひと言実千両 小島昭夫 春燈 201402
庭からの客に伐りけり実千両 田村加代 末黒野 201403
「忌中」貼って千両万両藪柑子 松井季湖 201403
石庭の波の平らか実千両 丑久保勲 やぶれ傘 201403
千両や部屋に祝賀を漂はす 長崎桂子 あを 201403
二つ三つ仏がこぼす実千両 柴田久子 風土 201404
実千両添水の筒の新しく 稲岡みち子 雨月 201404
丁寧に掃く店先や実千両 矢口笑子 春燈 201404
鳥の難のがれ春待つ実千両 小川玉泉 末黒野 201404
実千両啄まれゐるうれしさよ 伊藤希眸 京鹿子 201405
巻物は鳥獣戯画よ実千両 竹内悦子 201502
日おもての千両燃ゆる黙の刻 近藤紀子 201502
雨あがる気配に映えて実千両 森田尚宏 201503
千両の実を食ひ尽し鵯太る 内海良太 万象 201503
命運は天意に委ね実千両 中本吉信 201503
控へ目がうら寂しきや実千両 大松一枝 201504
透き徹る楢の小川や実千両 塩見治郎 雨月 201504
一木より生れし弥陀佛実千両 元橋孝之 京鹿子 201505
活け直す千両の実の転がりて 野中圭子 京鹿子 201505
清貧の目にもあきらか実千両 布川直幸 201511
一本の千両の艶庭明し 羽賀恭子 201601
千両や蚕の杜傘さして 竹内悦子 201602
実千両松の根方に処得し 久保田優子 末黒野 201603
人ごとのやうに座つて実千両 奥田筆子 京鹿子 201604
紅白の千両活けて蕎麦処 堺昌子 末黒野 201604
松過ぎの床にこぼるる実千両 服部珠子 雨月 201604
千両や抱いて寝かせて市松人形(いちまさん) 中島陽華 201605
家角の大石三つ実千両 野中圭子 京鹿子 201606

 中村芝翫

八代目襲名の柝や実千両

須山登 201702
千両の赤は錯覚かもしれぬ 高橋将夫 201702
鳥の道千両万両すつからかん 奥田筆子 京鹿子 201702

 祝・芝翫

千両や名前の踊る祝幕

三宅文子 春燈 201702
今朝も又鳥の餌場や実千両 福田禎子 末黒野 201702
束ねたる言の葉眠る実千両 阪倉孝子 201703
千両の万両の紅米寿祝ぐ 岡淑子 雨月 201703
愚妻なる悪妻良妻実千両 荒木甫 201703
ふんだんに実生千両赤と黄と 数長藤代 201703
千両を活けて客待つ昼下り 吉田きみえ 末黒野 201704
大壺に千両南天打ち揃ひ 大橋晄 雨月 201704
福笹の千両箱の風に舞ひ 栗山恵子 雨月 201704
明るさを秘めて千両日を弾く 稲畑廣太郎 ホトトギス 201709
千両や色無き庭を灯し初む 稲畑廣太郎 ホトトギス 201709
明るさを秘めて千両日を弾く 稲畑廣太郎 ホトトギス 201712
千両や色無き庭を灯し初む 稲畑廣太郎 ホトトギス 201712
枝倒れたれど実千両紅を増す 長崎桂子 あを 201801
吉良の忌や雨の千両実を零す 大久保志遼 201802
千両の実の明かるさや病癒ゆ 須賀敏子 あを 201802
句の友の栄えある賞や実千両 中村紀美子 春燈 201802
千両の実をこぼしたる鳥がゐて 白石正躬 やぶれ傘 201803
千両や振込用紙複数枚 木戸渥子 京鹿子 201803
実千両祖父の名のある寄進札 佐津のぼる 六花 201803
千両を活けてひととせ終へる妻 秋山信行 やぶれ傘 201803
千両の赤と黄の実へ雨が降る 安藤久美子 やぶれ傘 201803
幼児のさす本将棋実千両 篠田純子 あを 201804
千両の紅を目に雪兎 小川玉泉 末黒野 201804
帯止めは祖母の形見や実千両 荻野周子 雨月 201804
千両を活けてひととせ終へる妻 秋山信行 やぶれ傘 201804
南宗寺千両万両実のあまた 大橋晄 雨月 201804
庭手入れして千両の際立てり 小池一司 やぶれ傘 201804
赤と黄の千両活けて供へたる 今井充子 201804
千両を大きく活けて窯どころ 堤京子 馬醉木 201902
実千両溢れて老いのど真ン中 伊藤希眸 京鹿子 201902
石庭の白砂にこぼる実千両 藤岡紫水 京鹿子 201902
千両の紅を深めて夜雨去る 小川玉泉 末黒野 201903
実千両床へ飾りて客を待つ 久島しんの 末黒野 201903
生涯の家や千両の実の真つ赤 田村すゝむ 風土 201903
二両ほど零して剪りぬ実千両 阪上多恵子 雨月 201903
早朝の鳥の声満つ実千両 小川玉泉 末黒野 201903
実千両祈りの跡の墓の前 東正則 末黒野 201905
千両や茅屋根高き文庫蔵 谷貝美世 末黒野 201905
濡れてゐて日の当りをる実千両 竹内悦子 201905
知らぬ子のおじぎして行く実千両 田代貞香 201906
千両の赤とは句碑の伽として 稲畑廣太郎 ホトトギス 201912
森点す千両ほどの輝きに 稲畑廣太郎 ホトトギス 202001
西行堂へとどく朝の日実千両 佐俣まさを 京鹿子 202002
なだらかな坂降りくれば実千両 谷口摩耶 202002
千両を載せて花屋のワゴンかな 上村士守江 雨月 202003
万両の千両ほどを剪り供華に 岡村彩里 雨月 202003
鳥鳴くや一夜に消ゆる実千両 菅野日出子 末黒野 202003
千両の荷のトラツクが城に入る 片山喜久子 雨月 202003
啄むを防ぎ網かけ実千両 今井充子 202003
お茶室へ処を得たる実千両 菅野日出子 末黒野 202004
松千両活け玄関の改まり 岡野里子 末黒野 202004
訪るるひとなく日の落つ実千両 佐渡谷秀一 春燈 202004
実千両早や鳥の目のそこここに 森清堯 末黒野 202004
実千両一粒づつの日の温み 加藤静江 末黒野 202004
千両の赤に黄色と良き役者 和田華凛 ホトトギス 202004
千両→ 1

 

2021年1月27日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。