笹 子 1     100句

笹子鳴く病みてみだるる暦日に    皆吉爽雨

笹鳴  笹子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
笹子鳴く姥子の宿の白障子 神蔵器 風土 199901
二合半こなからの酒に眞赤や笹子鳴く 中原道夫 銀化 199901
天平の仏と二人笹子聴く 小谷部東吾 199902
笹子来てみる天性の不器用に 木野本加寿江 火星 199903
笹子鳴く小町の井戸の底の浮き 神蔵器 風土 199904
笹子越ゆ生絹の張りの寒の空 宮城菊子 199904
笹子鳴く知恵の輪に時つひやせば 田中みちよ 199905
石仏と光陰わかち笹子鳴く 和田敏子 雨月 199905
声を聞きとめて笹子の見当らず 鷹羽狩行 200001
船音の笹子に和してをりにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200001
笹子鳴く高処の一寺一社かな 渡邊牢晴 雨月 200002
木の股に杣の手拭笹子鳴く 皆川盤水 春耕 200002
杖の歩のわれにつき来よ夕笹子 村越化石 200003
笹子鳴く藪にのこれる日の匂ひ 唐沢静男 春耕 200003
連れのなき吾に笹子の鳴きくるる 星野椿 ホトトギス 200004
千年の古刹の礎石笹子鳴く 中浜菌芽 京鹿子 200005
笹子越え雨上りたる葡萄棚 守屋井蛙 酸漿 200012
順路外れし石庭に笹子鳴く 館容子 200101
山荘のとんがり屋根や笹子鳴く 環順子 遠嶺 200102
笹子ゐてそこに日溜りありにけり 武政礼子 雨月 200102
露坐仏に笹子のやはり来てゐたり 武政礼子 雨月 200102
風の無き午後のみささぎ笹子鳴く 上田尚義 俳句通信 200102
笹子鳴く豆州韮山一揆の地 吉永すみれ 風土 200103
雨降れば閉ざす御堂や笹子鳴く 吉永すみれ 風土 200103
初笹子平常心に戻しくれ 丸山佳子 京鹿子 200104
女生徒の一団過ぎて笹子かな 鳴海清美 遊び蔓 200105
目配せに気づいてくれぬ笹子かな 石橋翠 いろり 200107
世の音をしかと観ぜし笹子くる 岡井省二 200108
笹子鳴くよべの雨粒きらめきて 伊藤月江 雲の峰 200202
笹子鳴き祉務所に届く干支の絵馬 渡辺政子 春耕 200202
修禅寺の竹をこぼれし笹子かな 鈴木恭子 200203
釘付けの日差しありけり笹子鳴く 中原道夫 銀化 200203
愛子てふ名の麗しや笹子鳴く 萩野谷三和 遠嶺 200203
笹子鳴く黒髪長き奇稲田姫くしいなだ 神蔵器 風土 200203
笹子来る法然院の大障子 赤座閑山 風土 200203
切株の窯場の椅子や笹子鳴く 代田青鳥 風土 200203
日を溜めし低き生垣笹子鳴く 西川よし子 春耕 200203
夕月や笹子の声の遠ざかり 萩原記代 200203
御手洗の杓の紐付き笹子鳴く 中田貞子 200203
さやさやと波立つ池の面笹子鳴く 高垣和惠 雨月 200204
乾ききるプールサイドに笹子鳴く 柿沼盟子 風土 200204
日和下駄鳴らし笹子を驚かす 沖祐里 200205
笹子鳴く地獄噴気の向かうより 河野扶美 ホトトギス 200205
流寓のおけいの墓や笹子鳴く 田中武彦 六花 200205
日の満てる「お馬の茅場」笹子鳴く 山上カヨ子 200205
穏やかに過ぎゆく一と日笹子鳴く 綿谷美那 雨月 200205
笹子鳴く延命の井戸覗きをり 岩木眞澄 ぐろっけ 200205
日輪をくぐり笹子のよく鳴けり 田邊英夫 円虹 200301
声散つて笹子の二羽でありにけり 田邊英夫 円虹 200301
笹子来る湖の細江の昼しづか 田邊英夫 円虹 200301
笹子鳴く女の肩に日の乗るとき 岡本眸 200302
上人の御硯井戸や笹子鳴く 水井千鶴子 風土 200303
神籬のさゆれに笹子来てゐたり 米澤光子 火星 200303
十帖の三帖あたり笹子鳴く 和田照海 京鹿子 200303
野づかさの日は淡あはと笹子鳴く 長沼冨久子 馬醉木 200304
号鐘の山懐抄や笹子鳴く 大久保白村 円虹 200304
吉報のもう来る頃と笹子鳴く 長田等 200304
青墨の片減りのして笹子鳴く 中村洋子 風土 200304
文人の墓多き丘笹子鳴く 遠藤逍遙子 風土 200304
碾茶篩ふ香のなかにをり笹子鳴く 大野英美 風土 200304
笹子鳴く垣根に今朝は風は無し 榎本みや 築港 200304
墓経の躓きしとき笹子鳴く 古田考鵬 雨月 200304
高垣かしぐねの白樫五本笹子鳴く 門伝史会 風土 200305
いま笹子啼きしと羅漢にも語り 大槻右城 円虹 200305
父母の墓和むや笹子訪ひくれて 片山喜久子 雨月 200305
潮浸みの鳥居を一基笹子鳴く 鳴海清美 六花 200305
笹子鳴く銅山跡地の碑の裏で 筒井圭子朗 ぐろっけ 200305
指折りてつむぐ言の葉笹子鳴く 中島霞 ぐろっけ 200306
笹子鳴く大樹の洞に石仏 池田光子 風土 200311
風音のとらへてをりし笹子かな 稲畑汀子 ホトトギス 200311
嶽の神笹子日和の鼻ぬくとし 岡井省二 省二全句集 200312
初笹子庭のお掃除おそかつた 丸山佳子 京鹿子 200401
寺山に日の当りをり笹子鳴く 白鳥義岳 帆船 200401
父祖の世の石臼光り笹子鳴く 小橋末吉 対岸 200402
連子より拝む薬師や笹子鳴く 鶴田武子 雲の峰 200402
谷深く笹子鳴きゐる石鼎忌 山口マサエ 雲の峰 200402
古稀妻の耳目は聡し笹子鳴く 杉本重雄 200403
笹子鳴く嬉しいお茶を飲みにけり 井内佳代子 遠嶺 200403
あたためて身を養へば笹子鳴く 矢島久栄 200403
笹子鳴き椎葉悲話媼とつとつと 堀田清江 雨月 200403
尾根道を下りて木の橋笹子鳴く 高橋清 草の花 200403
高龗斎ける丘の笹子かな 鎌田篤 雨月 200404
浮若布寄するまで待つ笹子浜 末益冬青 雲の峰 200404
裏山に日イのかたまり笹子鳴く 城孝子 火星 200404
笹子鳴き光悦垣に音もどる 字都宮滴水 京鹿子 200404
笹子鳴く空に明るさ戻りけり 前迫寛子 河鹿 200405
裏山に夕笹子啼き湖北かな 長村雄作 栴檀 200406
斥候山ものみやまみち細ぼそと笹子鳴く 森屋慶基 風土 200411
笹子鳴く遊行歌人の庵跡 小澤克己 遠嶺 200501
蕎麦打の後ろ鉢巻笹子鳴く 松橋利雄 春燈 200501
うしろより我が名呼ばれり笹子鳴く 林田江美 馬醉木 200502
佗助の蜜吸ひて鳴く笹子かな 松崎鉄之介 200502
耳よりも心で聞けと初笹子 丸山佳子 京鹿子 200502
待庵の二畳台目や笹子鳴く 橋添やよひ 風土 200502
藪の中覗かぬがよし笹子鳴く 斧田綾子 対岸 200503
弓の弦磨きてをれば笹子かな 榎本文代 万象 200503

 中越地震の被災地見舞

半壊の家の竹藪笹子鳴く

阿部由紀子 200503
絶壁の下は荒磯笹子鳴く 小野寺靖 百鳥 200503
夕笹子櫟林の風止んで 坂部尚子 栴檀 200503
苔むしし童地蔵や笹子鳴く 松本静江 遠嶺 200503
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2021年1月29日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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