笹 子 2     100句

紫の立子帰れば笹子鳴く   川端茅舎

笹鳴  笹子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
故郷よりこの地に永し笹子鳴く 清水明子 遠嶺 200503
青竹の匂ふ筧や笹子鳴く 清水明子 遠嶺 200503
笹子鳴き城郭の靄溶けはじむ 山田天 雨月 200504
黄楊の垣笹子の声の移りけり 桜井眞子 対岸 200504
笹子鳴く左入の銘の「草石蚕」かな 橋添やよひ 風土 200504
笹子鳴くずつと千年杉といふ 富沢敏子 200504
笹子鳴き美しき距離生れけり 坂ようこ 200505
対岸へ高く飛んだる夕笹子 辻恵美子 栴檀 200505
広庭も国分遺跡や笹子来る 植村よし子 雨月 200506
腑におちぬところに朱橋初笹子 丸山佳子 京鹿子 200512
奥の院までのロープや笹子ゐる 山尾玉藻 火星 200601
八月を笹子の鳴ける原生林 辻恵美子 栴檀 200601
帰宅せるひとりの我に笹子鳴く 保田英太郎 風土 200602
支那海の涛立ち上がり笹子鳴く 有島夛美 河鹿 200603
忌部氏の祖霊の宮居笹子鳴く 山上カヨ子 200603
蓮月の籠りし庵ぞ笹子鳴く 橋添やよひ 風土 200603
濡れ板を歩めば笹子鳴きにけり 山田六甲 六花 200603
潮遠く引いてしまへり笹子鳴く 今瀬剛一 対岸 200603
塗り替へし鳥居山車倉笹子鳴く 安室敏江 百鳥 200604
菩提寺の径のぬかるむ夕笹子 岡村葉子 栴檀 200604
笹子鳴く地にやはらかき木々の影 有島夛美 河鹿 200605
痘瘡神在すあたりや笹子鳴く 有島夛美 河鹿 200605
西行の縁の井戸や笹子鳴く 山村桂子 遠嶺 200605
聖歌唄ふ父母の墓前に笹子鳴く 渡邊睦夫 200605
初笹子いま発声の練習中 丸山佳子 京鹿子 200605
風に攫はれしか笹子もう鳴かず 大隅三虎 200606
かぐや姫と睦みておるか笹子鳴く 漢隆司 八千草 200608
笹子との間合を詰めて老い深む 伊藤白潮 200612
揚舟の笹子乾ける鵙日和 加瀬美代子 200612
笹子鳴くすぐ細くなる島の径 宮内とし子 200702
どうしても見えぬ笹子と向ひをり 市場基巳 200703
ホッチキス噛み損ねたり笹子来る 伊藤白潮 200703
笹子鳴く西行庵を返しなば 大石喜美子 雨月 200703
山門に薬膳案内笹子鳴く 味村志津子 雨月 200703
駒彫りの反る印刀や笹子鳴く 阿部月山子 万象 200704
沢市とお里夫婦や笹子鳴く 林日圓 京鹿子 200704
長生きとまだまだ思はじ笹子鳴く 加瀬美代子 200704
佐渡へまかると日蓮の文笹子鳴く 百瀬七生子 海光 200705
年どしの鎌倉参り笹子鳴く 百瀬七生子 海光 200705
谷沿ひの御岳参道笹子鳴く 岡田章子 ぐろっけ 200705
今を詠む余命のペンに初笹子 丸山佳子 京鹿子 200705
笹子鳴き民話のやうな僧の居り 安部和子 雨月 200705
一の矢と二の矢のあはひ笹子鳴く 小林眞彦 遠嶺 200705
暗がりを出でし木臼に笹子くる 山尾玉藻 火星 200801
笹子鳴く流人の積みし玉垣に 綱川恵子 万象 200802
初笹子霊光殿は奥の奥 丸山佳子 京鹿子 200802
句碑なしていのちあたたむ初笹子 宮川みね子 風土 200802
高野路は祈りの道や笹子鳴く 古永すみれ 風土 200802
ちちちちと気をひく笹子視野にあり 本間羊山 風土 200802
「燃ゆる」句碑据りよろしく笹子鳴く 南奉栄蓮 風土 200802
甲兵の隠沢とや笹子鳴く 渡邉紅華 酸漿 200802
荼毘を待つしじま笹子のしきり鳴く 栗山恵子 雨月 200803
庵名の謂れの額や笹子鳴く 阿部昭子 遠嶺 200803
隕石に未来の匂ひ笹子鳴く 小宮山勇 遠嶺 200803
窯焚の火を守る声や笹子鳴き 林八重子 馬醉木 200804
笹子鳴く里見の城の女坂 阿部すず枝 万象 200804
補聴器をはずせば聞ゆ笹子鳴き 松田都青 京鹿子 200804
笹子鳴く寺苑の墓地の売行きよし 戸村朗子 200804
笹子鳴く光悦垣の一茶庵 甲州千草 200805
湖神へはだし参りや笹子鳴く 野上智恵子 万象 200805
影法師踏みつつゆけば笹子鳴く 中島知恵子 雨月 200805
笹子鳴く山家へ海の見ゆる道 中村阪子 万象 200806
俎の窪みありけり笹子鳴く 吉田康子 火星 200806
笹子越え来ればくにうち鰯雲 中里信司 酸漿 200811
その中に主税の位牌笹子鳴く 神蔵器 風土 200812
笹子鳴く磨きほそりに柱かな 神蔵器 風土 200903
剪定のその先急かす笹子かな 葦原葭切 春燈 200903
夕笹子テーブルクロスの糊利きし 浜口高子 火星 200903
東西の塔の礎石や夕笹子 南恵子 万象 200903
バチカン展の螺鈿のひかり笹子鳴く 柿本麗子 200903
山の墓地はなればなれや笹子鳴く 白石正躬 やぶれ傘 200903
笹子鳴く牛久城中風致地区 鈴木石花 風土 200904
五線譜を刻む墓石や笹子鳴く 山路紀子 風土 200904
裂織りに使ふ紬や笹子鳴く 中村洋子 風土 200904
相撲部のある中学や笹子鳴く 鈴木庸子 風土 200904
人体に温度差のあり笹子鳴く 山崎彩 炎環 200904
たましひはあるのでせうか笹子鳴く 辻美奈子 200904
内陣へそこはかとなく笹子鳴く 須藤トモ子 200905
朝風の一泉あをき笹子かな 福永みち子 馬酔木 200905
笹子鳴く誰がためにとぞ鳴けるかな 鈴木勢津子 樹間 200911
焼貫の黒楽茶碗笹子鳴く 林日圓 京鹿子 201001
笹子ゐゐ竹の幹より雨くだり 中村恭子 201001
笹子鳴く鎌倉七口仮粧坂 神蔵器 風土 201002
山荘に隠れ鳴きせる夕笹子 増円一代 201003
蘭丸の古りし墓石笹子鳴く 奥村真人 雨月 201003
大寺の不開の門や笹子鳴く 熊切光子 末黒野 201003
地続きに世帶別々笹子鳴く 中山純子 万象 201003
狭井川の細き流れや笹子鳴く 高田たみ子 万象 201003
大絵馬の師の句ひときは笹子鳴く 佐藤喜仙 201003
蘭学者洪庵墓所や笹子鳴く 森田節子 風土 201004
三輪山に日の翳りきて笹子鳴く 伊藤美音子 万象 201004
つくばひにあそぶ日の斑や笹子鳴く 府川昭子 春燈 201004
漬物の蘊蓄ばなし笹子鳴く 宇田喜美栄 201005
旧跡の修復ながし笹子鳴く 今井松子 遠嶺 201005
声移るすわえの先や夕笹子 新堀満寿美 末黒野 201005
茶の熱き立杭茶碗笹子鳴く 杉本綾 201101
笹子鳴く生命線をてのひらに 神蔵器 風土 201101
声明や楽のふるさと笹子鳴く 林日圓 京鹿子 201101
掻い潜る笹子真青の四つ目垣 守屋井蛙 酸漿 201101
声明や樂のふるさと笹子鳴く 林日圓 京鹿子 201102
笹子→ 3      

 

2021年1月30日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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