秋刀魚 2     100句

秋刀魚焼く煙の中の妻を見に   山口誓子   ザ・歳時記

作品
作者
掲載誌
掲載年月
秋刀魚焼けば数珠仏々と声出して 伊藤賢三 春燈 200411
嘴の黄色い秋刀魚新しき 横林誠一 200411
身二ツ切りて秋刀魚を焼きにけり 大野信子 草の花 200411
漁婦の焼く秋刀魚の青火したたかに 芝生南天 河鹿 200412
七輪の秋刀魚昭和の煙吐く 塩路五郎 200412
一番船の秋刀魚と言ひて送り来し 山形悦子 万象 200412
秋刀魚食ふ平和な今日でありにけり 瀬下るか 200412
秋刀魚焼くかたへにモンテクリスト伯 石山惠子 遠嶺 200412
秋刀魚焼く油の勢ひ炭火立つ 長村雄作 200412
遅き餉の藻塩利かせし秋刀魚焼く 相沢有理子 風土 200412
秋刀魚焼く病も同じ二人かな 橋本幸 帆船 200412
初漁の秋刀魚馬穴で振舞はれ 佐藤哲 万象 200501
大秋刀魚しばらく眺め料りけり 森佳子 遠嶺 200501
焼秋刀魚調子はづれに春夫の詩 淵脇護 河鹿 200501
店頭は野菜果物初秋刀魚 平山風鳥 河鹿 200501
行きずりや秋刀魚の匂ひ路地灯り 平山風鳥 河鹿 200501
新婚もひとりの爺も秋刀魚焼く 松本恒子 ぐろっけ 200502
こだはりは秋刀魚焼くにもありにけり 伊藤敬子 遠嶺 200502
食卓へぼうぼうと焼く秋刀魚かな 前川りょう 200505
月曜は図書休館日秋刀魚買ふ 森田きよ 200505
居酒屋の秋刀魚いつぴき紐育 堀内一郎 あを 200509
平凡で陳腐に秋刀魚焼き上がる 山田六甲 六花 200510
秋刀魚の生簀浮きし油で銀光り 宇田紀代 200511
天聳ゆ秋刀魚焼く露路のこりけり 吉澤利治 遠嶺 200511
秋刀魚焼く空気のやうに二人ゐて 井内佳代子 遠嶺 200511
書道家も主婦の眼となり秋刀魚選る 水野範子 ぐろっけ 200511
外泊許可二泊三日の初秋刀魚 三浦てる 風土 200511
初秋刀魚形のままに焼きにけり 三浦カヨ子 酸漿 200511
糶られゐる箱より秋刀魚辷り落つ 北嶋薫 築港 200511
主婦の座に卒業なくて秋刀魚焼く 西教文江 築港 200511
秋刀魚刺しのどにとろりと島泊り 淵脇護 河鹿 200512
白ワイン秋刀魚に和すと鬚の婿 松尾いさ子 四葩 200512
初秋刀魚スタイル抜きに選びをり 行則ミヤ子 四葩 200512
これは一槍と呼びたき青秋刀魚 鷹羽狩行 200512
丸焦げの秋刀魚おのれに詫びて食ぶ 伊藤百江 春燈 200512
わたつみの道なき道を秋刀魚くる 高橋将夫 200512
秋刀魚食ふ空の青さのレクイエム 中野京子 200512
酢秋刀魚や祖母の手ほどきそのままに 小山漂葉 酸漿 200512
七輪に秋刀魚焼きしも遠き日よ 斉藤陽子 雨月 200512
炭火にて秋刀魚焼き中すぐ帰る 小田元 六花 200512
半分に切られ焼かれし秋刀魚の目 平居澪子 六花 200512
ひとりの餉秋刀魚煙らせゐたりけり 佐野芳子 築港 200512
豊楽や山河に秋刀魚焼くけむり 横松しげる 遠嶺 200601
夫の忌に益荒男振りの秋刀魚買ふ 隅田享子 200601
二切れに秋刀魚を焼いて向ひ合ふ 西田秀渓 四葩 200601
一匹の秋刀魚で足りる夕餉の詩 岩月優美子 200601
あざやかな老斑の手で秋刀魚切る 合川月林子 ぐろっけ 200601
術前の最後の食事焼秋刀魚 次井義泰 200602
手掴みの獲れとれ秋刀魚小太刀めく 山下佳子 200602
秋刀魚には荒ぶ火の欲し夕厨 本多ちづ子 馬醉木 200602
体にも家計にも良い秋刀魚かな 島本知子 ぐろっけ 200602
オホーツクの猫は下り目秋刀魚焼く 松本紀子 八千草 200603
落日のすとんと秋刀魚焼かれけり 岩月優美子 200608
目黒区に住み古り秋刀魚焼きにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200609
明らかに秋刀魚と判る煙かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200609
秋刀魚返して七輪の燃え上がる あさなが捷 200611
浜言葉宙に飛び交ふ秋刀魚売 佐藤三男 万象 200612
かはたれの路地に秋刀魚を焼く臭ひ 府川鈴 200612
引退へ百日を割り秋刀魚焼く 稲嶺法子 遠嶺 200612
海の色してトロ箱の秋刀魚かな 稲次登美子 雨月 200612
秋刀魚焼いて昨日はすでに烟の中 藤原たかを 馬醉木 200701
煙出ぬ魚焼器で焼く秋刀魚 根本眞知子 200701
初秋刀魚骨うつくしく残りけり 山口耕堂 万象 200701
コラーゲンの素とはやされ秋刀魚買ふ 野辺祥子 200701
居酒屋の品書きあらた初秋刀魚 片野光子 ぐろっけ 200701
秋刀魚買ひ八百屋へ回る男かな 守屋井蛙 酸漿 200701
秋刀魚焼く煙に顔を巻き込まれ 樋口みのぶ 200701
秋刀魚食ぶる男の口も尖りけり 小林朱夏 200702
秋刀魚にだけ使ふ長皿青き色 加藤梅窓 200702
秋刀魚飯香を広げつつ炊き上る 長谷川たか子 酸漿 200702
音無しの構えして焼く秋刀魚かな 網野月を 200704
秋刀魚焼く煙の出ないガスコンロ 池崎るり子 六花 200704
秋刀魚焼くここに殿様来たといふ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200709
秋刀魚焼く芦屋マダムでありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200709
わて秋刀魚あんまり好きとちやひまんねん 稲畑廣太郎 ホトトギス 200709
半折を八枚書きて秋刀魚食ふ 松崎鉄之介 200710
秋刀魚焼き余生大事にひと日了ふ 木下ふみ子 馬醉木 200711
氷温にぎゆつと包まれ秋刀魚着く 布川直幸 200712
東京へ帰る子へ焼く秋刀魚かな 望月洋子 200712
志無きことは喜び秋刀魚焼く 小國佐世子 遠嶺 200712
秋刀魚焼く煙の中の厨ごと 池田いつ子 酸漿 200712
食べ方を父に習ひし秋刀魚なり 坂本知子 酸漿 200712
秋刀魚焼き猫のすり寄る夕餉なり 田中まよみ 酸漿 200712
繰り言をさらりと受けて秋刀魚焼く 木下忠雄 酸漿 200712
惣菜屋路地を燻して秋刀魚焼く 菊池由惠 酸漿 200712
我がたつきこれで幸せ秋刀魚焼く 久永つう 六花 200712
秋刀魚干し盛りとなりぬ浜辺かな 佐藤健伍 200801
秋刀魚焼く煙の醸す一行詩 川崎光一郎 京鹿子 200801
秋刀魚買ふ低きヒールの友母に 瀬下るか 200801
首の骨こきと鳴らして秋刀魚焼く 石田きよし 200801
日本人の顔に戻りて秋刀魚焼く 伊吹之博 京鹿子 200802
思へども山のむかふや秋刀魚焼く 近藤公子 200808
燃料高騰休漁の秋刀魚船 佐藤健伍 200809
地べた売り秋刀魚一本おまけなり 品川鈴子 ぐろっけ 200809
ぐい呑の火襷めでて初秋刀魚 千田敬 200810
上々の祝儀値の付き初秋刀魚 奈辺慶子 雨月 200810
秋刀魚高値平らな道につまづきて 岡本眸 200810
秋刀魚焼いて噎せて主婦らに定年なし 岡本眸 200810
夫婦してメタボ予備軍秋刀魚焼く 鈴木照子 200811
日常の中に埋もれて秋刀魚焼く 鴨下昭 200811
秋刀魚 3→      

 

2021年9月4日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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