さんま     50句

さんま焼く代々の田畑遊ばせて    しなだしん  ザ・歳時記

秋刀魚  さんま

作品
作者
掲載誌
掲載年月
蜑の路地さんま焼く香を憚らず 水原春郎 馬醉木 199911
いただきしカボスのためにさんま買ふ 菊地澄子 酸漿 200001
新さんま素にして旬の夕餉かな 辻前冨美枝 200010
伝えきれぬ言葉を胸にさんま焼く 甲田夏湖 船団 200105
糶声に人垣崩れ初さんま 近藤暁代 馬醉木 200201
初さんま遙かな海の色見ゆる 柳沢杏 酸漿 200201
潮の香の中にさんまの干されをり 西川久美子 遠嶺 200212
夫の焼くさんまに命養へる 指尾直子 雨月 200312
ロシア法の学者が提げて初さんま 禅京子 風土 200401
サンマ焼く片身こがして誕生日 平山勝子 河鹿 200402
さんま焼く煙の中に父と子と 栢森定男 風よ 200407
さんま嫌ひの妻とも長き縁なる 堀内一郎 あを 200411
ひと網のさんまを捌く漁師妻 正木泰子 ぐろっけ 200601
さんまさんいただきますと小さき手 山内唯嗣 四葩 200602
さんま焼くにおいにつられ腹が鳴る 中田吉英 200612
苦き腸ぷつくりさせて初さんま 布川直幸 200712
七輪や猫侍らせて初さんま 窪田粧子 馬醉木 200712
さんま焼くぽうと火のつく箸叩き 加藤奈那 ぐろっけ 200801
絵のやうな骨となりたるさんまかな 黒田令子 六花 200802
さんま祭り生きてるやうに小銭跳ね 後藤とみ子 ぐろっけ 200912
さんま焼くことも久しき暮しぶり 稲畑汀子 ホトトギス 201010
さんま二尾買ふ夕空に星ひとつ 松本三千夫 末黒野 201012
煙ほどさんま焼けてはをらざりし 芝尚子 あを 201012
おろし大根盛りて半身の初さんま 赤座典子 あを 201110
水のごと生きて二人や初さんま 村上絢子 馬醉木 201112
大攩網の陸揚げさんまどつと散る 遠藤真砂明 201112
焼さんまの定食たのみ戦中派 大西八洲雄 万象 201112
被災地に無力な私サンマ買ふ 丹生をだまき 京鹿子 201201
跳ねさうな八頭身の初さんま 小松ひろし 風土 201211
さんまさんま宮古のさんま流石なり 赤座典子 あを 201211
初さんま焼く幸せに尺度なく 小倉正穂 末黒野 201211
聞き流す夫の甘言さんま焼く 柳橋繁子 201211
初さんま長旅を経て整列す 横内かよこ ぐろっけ 201212
オバマ当選さんま喰ひたる夕の膳 長島清山 かさね 201301
さんま焼く煙もめごと一段落 中山純子 万象 201302
近づけば我が家もさんまの香が漏れる 向江醇子 ぐろっけ 201312
横丁は雀色時初さんま 宮崎高根 201312
焼さんま議論の尽きぬ第九条 吉田宏之 201312
洋皿に男料理の初さんま 舩山東子 ろんど 201401
女子会や意見の多き初さんま 赤座典子 あを 201412
さんま喰ぶ真砂女の海を真向ひに 鈴木静恵 花こぶし 201508
初さんま腸の詩口ずさみ 佐々木秀子 201611
駅近く住みて目黒のさんまかな 古川夏子 201612
秋刀魚さんま銚子へ嫁きし娘の土産 佐藤山人 201702
サンマ焼く後期高齢者だどうだ 中原 幸子 船団 201707
腸の除かれ売らる初さんま 小川玉泉 末黒野 201712
豊漁に安値のさんまけふも焼く 小川玉泉 末黒野 201812
秋刀魚食ぶ骨の容もさんまかな 安田優歌 京鹿子 201901
学食の売切れ御免初さんま 中山惠子 201911
久々に長皿を出し初さんま 武藤節子 やぶれ傘 202002
初さんま五十年目の妻と喰ふ 戸栗末廣 202005
初さんま母の夕餉の手際良さ 本郷公子 京鹿子 202011
七輪に丸き金網初さんま 吉田幸恵 やぶれ傘 202101
初さんまおろし金をも新調す 小島昭夫 春燈 202201

 

2023年9月2日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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