落 花 4     128句

落花掃くつきまとふ鹿追ひながら    朴魯植

 

飛花落花  落花飛花  落花

作品
作者
掲載誌
掲載年月
忘れ潮落花ひとひら浮かべたる 村上葉子 百鳥 200507
みどりごの喃語に応ふ一落花 服部早苗 200507
余花落花影を濃くして歩むなり 岡本眸 200507
堂縁の濡れをり落花きりもなし 初瀬啓子 200507
鎌倉や道しろじろと落花かな 内堀京子 河鹿 200508
落花舞ふこの世の重さなきやうに 長山あや ホトトギス 200508
日射し来しところに落花始まりぬ 稲岡長 ホトトギス 200508
落花とびはじむ別れを惜むかに 安原葉 ホトトギス 200508
みよし野の落花と共に舞ふ歩み 今井千鶴子 ホトトギス 200508
落花浴び梶をたのみの女車夫 川勝春 馬醉木 200508
スキップの少女や落花舞ひたたせ 渡邊英子 馬醉木 200508
木曾馬の睫毛にかかる落花かな 田野力 万象 200508
踏みゆくは許されがたき落花かな 高橋良介 遠嶺 200508
落花して流水の上はまれなりし 高橋良介 遠嶺 200508
木曽谷や落花の奈落底知れず 勝田公子 200508
入学子つむりに落花つけしまま 松井洋子 ぐろっけ 200508
人ゐても人ゐなくても落花舞ふ 田渕昌子 京鹿子 200508
大門を畏み落花浴びにける 菅谷弘子 雨月 200508
夜の落花月の砂漠を行くごとし 岩岡中正 ホトトギス 200510
猟犬もただの犬なり落花浴ぶ 守屋井蛙 酸漿 200511
散り敷ける落花に都心鎮もれり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200604
風向に従はざるも落花かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200604
一片の落花羽音に離れゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 200604
木戸出入御免落花と我等かな 稲畑汀子 ホトトギス 200604
パット寸前のラインヘ落花かな 鷹羽狩行 200605
檜皮葺四簷落花をちりばめし 瀧春一 常念 200606
檜苗落花の中にこぞり立つ 瀧春一 常念 200606
慈悲心鳥落花のつちに霧雫 瀧春一 常念 200606
天守閣吹き抜くる風落花呼ぶ 水原春郎 馬醉木 200606
在り在りと光陰見ゆる落花かな 増田大 春燈 200606
降りそそぐ落花よ心の襞にさへ 林翔 200606
日々愛しバスの中まで来る落花 田中俊子 四葩 200606
黄泉ほどの昏さを曳いて落花かな 小澤克己 遠嶺 200606
掬ふ手に落花の香り嵐山 塩田京子 遠嶺 200606
落花の中漾ふと見しは貧しき墓 瀧春一 瓦礫 200606
墓訪へば柞落花の嵐かな 神蔵器 風土 200606
貫かむ俳諧落花手に享けぬ 佐藤よしい 風土 200606
昂然と面を上げて落花浴ぶ 落合絹代 風土 200606
惜しげなく落花を飛ばす疾風あり 海老名ムツヱ 酸漿 200606
ランボーの白き星降る落花かな 大島翠木 200606
薄紙につつむ御室の落花かな 田中藤穂 あを 200606
羅漢群さざめく落花急にして 木船史舟 200607
山墓の日暮れを急ぐ落花かな 淵脇護 河鹿 200607
夕映えに霊峯の影落花終ゆ 得田武市 河鹿 200607
甲羅干す亀に落花の二三片 尾辻のり子 河鹿 200607
御手洗の落花の水をふくみけり 八染藍子 200607
火の粉散るごとくに夜の落花かな 伊藤トキノ 200607
大地いま落花受けとむ掌 内山花葉 200607
落花踏む金子家当主十五代 服部早苗 200607
野馬土手とや落花とぎれることなかれ 山崎靖子 200607
雨よりもつめたき落花唇に 片山タケ子 200607
ふらここを漕ぎては落花煽りけり 赤松丹山 雨月 200607
史碑仰ぐ肩に落花の二・三片 安田とし子 ぐろっけ 200607
あらたふと仏と浴びる落花かな 守屋井蛙 酸漿 200607
落花舞ふ徳川お詫びの石灯籠 奥田弦鬼 風土 200607
吐息つくごとく落花の一二片 宿谷晃弘 200607
落花にて埋まるに間ある潦 北川たみ子 200607
とめどなき落花にまじる雨の粒 丸山けさ乃 四葩 200607
鳥居見ゆ落花の舞へる九段坂 大澤青霞 四葩 200607
鎮魂の禊のごとく落花浴び 大澤青霞 四葩 200607
神門の菊の紋章落花濃し 大澤青霞 四葩 200607
ひたひたと落花地を駆け城近き 坪井洋子 200607
城門を落花もろとも潜るかな 坪井洋子 200607
落花しきり昇る石段数へては 十文字慶子 200607
嬰抱きて落花の中に賽しけり 佐藤郭子 200607
夕空をついと離るる落花かな 長山あや ホトトギス 200608
風吹かば落花渦巻くはずの谿 黒川悦子 ホトトギス 200608
譲られし木椅子に坐して落花浴ぶ 足利ロ子 ぐろっけ 200608
かたまりて水に漂ふ落花かな 田所洋子 雨月 200608
落花踏み夕日見送りをりにけり 塙告冬 ホトトギス 200609
懐旧の落花浴びたるのみの旅 村松紅花 ホトトギス 200609
雨つむぎ言の葉つむぎゆく落花 山田弘子 ホトトギス 200609
みな胸に落花を溜めて別れなむ 山田弘子 ホトトギス 200609
雨傘を干せば落花の点々と 高橋ふじ 酸漿 200609
櫂先に落花逆巻きつつ浮き来 ことり 六花 200609
踏まれては透きとほりゆく落花かな ことり 六花 200609
雨後落花水玉模様乗用車 真木早苗 八千草 200610
幹のまだ乾ききらぬに落花かな 宿谷晃弘 200611
何処とも知らで散りゆく落花かな 加藤北天 雨月 200701
両の手に掬ふほど散る落花かな 鈴木榮子 春燈 200703
年旧りし建礼門に落花舞ふ 村上みきお 万象句集 200703
天地は神の造化や落花舞ふ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200704
枝といふ落花の橋掛りであり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200704
落花一片日当りながら神となる 稲畑廣太郎 ホトトギス 200704
落花より明日へ繋いでゆく吉野 稲畑廣太郎 ホトトギス 200704
軽々と雨の落花でありしかな 稲畑汀子 ホトトギス 200704
山の雨落花を誘ひ来ることも 稲畑汀子 ホトトギス 200704
死ぬ覚悟さらさらなくて落花浴ぶ 伊藤白潮 200705
工具箱落花しきりの地に開く 定梶じょう あを 200705
武家門を入れば落花の石畳 名取袿子 200706
ハンディの子の掌に受ける落花かな 増田大 春燈 200706
昨夜の嘘混じりて雨の落花かな 大島翠木 200706
ライトアップに雨の落花の滝めけり 大塚美孝 200706
落花舞ふに思はずワルツ口遊む 大塚美孝 200706
生ひ出でし蘆の中なる落花かな 瀧春一 200706
落花燦足湯に禁固一時間 泉田秋硯 200707
晩鐘に落花はなやぐ彦根城 駒井でる太 200707
琴の音の落花と舞ひし空の果 曽根京子 春燈 200707
小さき風大きく見せて落花かな 松嶋一洋 200707
一片の落花とどめる縁かな 今谷脩 ぐろっけ 200707
しきりなる落花が均す道の窪 大井邦子 ぐろっけ 200707
綿菓子に落花とどまる河川敷 岩田登美子 ぐろっけ 200707
落花霏々霏々と夕日の限りなし 大橋淳一 雨月 200707
散りつつも散るをためらふ落花かな 川崎良平 雨月 200707
参道の落花に時を惜みけり 小平恒子 酸漿 200707
落花してしばらく風の潦 藪長傳 200707
落花ただ美しと見るかなしさよ 安原葉 ホトトギス 200708
落花浴び来て大拙の墓所に立つ 小山徳夫 遠嶺 200708
シャワー浴ぶやうに落花を浴びてをり 中島知恵子 雨月 200708
あれ程の落花を浴びし疲れかも 石垣幸子 雨月 200708
まとひつく風の落花や吸入器 丸山冬鳳 京鹿子 200708
手に受けし落花すかさず地に落下 大井邦子 ぐろっけ 200708
白川の水泡に落花渦まきて 櫻木道代 ぐろっけ 200708
振り向けば落花仰げばまた落花 安原葉 ホトトギス 200709
花の谷湧くが如くに落花かな 稲岡長 ホトトギス 200709
み吉野の午前八時の落花かな 山田閏子 ホトトギス 200709
わが魂のいま昇天のごと落花 竹下陶子 ホトトギス 200709
神天降り給へる落花滝となる 竹下陶子 ホトトギス 200709
一片の落花に山の朝うごく 山田弘子 ホトトギス 200709
落花浴ぶ今を諾ひゐて寧し 木村風師 馬醉木 200710
鯉跳ねて落花一片誘へり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200710
松が枝も落花とどめてをりにけり 安原葉 ホトトギス 200710
城跡を出でし落花が湖の上 丁野弘 200804
散り込める落花夕日にはたと止み 稲畑廣太郎 ホトトギス 200804
惜し気なき落花をさそふ風となる 稲畑汀子 ホトトギス 200804
どこからの落花といへぬ吉野山 稲畑汀子 ホトトギス 200804
晋山の散華五彩に落花添ふ 品川鈴子 ぐろっけ 200804
落花 →5      

 

 

2021年4月21日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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