落 椿 2     159句

落椿掃いて閉めたる廟扉かな    朴魯植

落椿  椿落つ

作品
作者
掲載誌
掲載年月
尼寺の裏道埋める落椿
海老原信男
築港
200306
落椿いまだ余生の盛んなる
吉江潤二
築港
200306
落椿本堂の奥覗きけり
山遊亭金太郎
百鳥
200306
落椿くるりくるりと葬り川
野中亮介
馬醉木
200307
落椿あまた和太鼓響きをり
沖増修治
百鳥
200307
その後を光が追へり落椿
早矢仕圭子
雲の峯
200307
首筋をふいに風過ぐ落椿
十文字慶子
200307
飼ひ犬の水入れに咲く落椿
向江醇子
ぐろっけ
200307
落椿丸く掃き置く尼の寺
三間菜々絵
遠嶺
200308
落椿杳き方へと水の寄る
谷上佳那
百鳥
200308
滝壺の青さにいくつ落椿
小林れい
酸漿
200309
聞きながす知恵もそなはり落椿
関口ゆき
あを
200312
水勢をいま捕へたる落椿
西川織子
馬醉木
200401
落椿日ごとに増えて試歩の道
吉原一暁
200402
落椿蕊生き生きとありにけり
岡本のぶ子
雨月
200402
地震の来る兆しかあまた落椿
山仲英子
200403
せせらぎを流れきれずに落ち椿
山本昭夫
雲の峰
200404
神の域こだはりすぎる落椿
字都宮滴水
京鹿子
200404
落椿奢りごころをとき放ち
鎌倉喜久恵
あを
200404
参道の掃かれしあたり落椿
成井侃
対岸
200404
箒目に音譜のごとき落椿
橘沙希
月の雫
200404
急くことのなくなりし日の落椿
辻濟行
草の花
200405
ころころと笑ふ少女ら落椿
高橋瑛子
河鹿
200405
落椿手鞠唄もて慰めな
山田六甲
六花
200405
落椿爪先立ちに坂下る
信崎和葉
六花
200405
落椿そのまま寺の景をなす
加納花子
築港
200405
きざはしにはなやぎかさね落椿
長沼冨久子
馬醉木
200405
防空壕崩れしあたり落椿
藤田京子
ぐろっけ
200405
岬宮の箒目しるし落椿
佐々木よし子
200406
急坂をとどまってゐる落椿
西村しげ子
雨月
200406
落椿拾ひて旅の時過ごす
喜多初枝
雨月
200406
落椿落ちたるままに重なりぬ
浅田浦蛙
対岸
200406
疑ひが確信となり落椿
藤井智恵子
百鳥
200406
落椿浮かべて暗き水たまり
藤井智恵子
百鳥
200406
お手玉にほどよき数の落椿
八染藍子
200406
石庭の滝に一輪落椿
鳴海清美
六花
200406
落椿踏絵のごとく我に対く
佐々木ひさこ
築港
200406
落つ時の姿のままの落椿
一ノ瀬千恵
築港
200406
陰暗し散り敷く径の落椿
小黒加支
酸漿
200406
落椿拾ひ余命をいましばし
阿久沢きく子
草の花
200406
落椿さてこれよりの持ち時間
木山杏理
京鹿子
200406
村の神に真つ赤に敷けり落椿
土田祈久男
200407
落椿お手玉好きの子安はん
禰寝瓶史
京鹿子
200407
落椿潮の香の満つ札所寺
原口洋子
栴檀
200407
落椿枯山水の砂の紋
松山正江
河鹿
200407
袋詰めの数えきれざる落椿
上原口チヱ
ぐろっけ
200407
存分に生きて色濃き落椿
内田稔
遠嶺
200408
落椿掃き込む穴を掘つてをり
真保喜代子
200408
箒目の流れ止めたる落椿
秋千晴
200502
天地のこゑを発して落椿
平子公一
馬醉木
200503
あめつちに恙のありて落椿
庄中健吉
200503
石だたみ紅惜しき落椿
宍倉清子
帆船
200504
落椿よりはじまれる大干潟
山尾玉藻
火星
200504
落椿喪ごころとなる作務箒
鈴鹿仁
京鹿子
200504
落椿結界越えて拾ふ君
稲畑廣太郎
ホトトギス
200504
木洩れ日や水輪の芯の落椿
栗原公子
200505
良弁の生れし鵜の瀬落椿
梅原美子
200505
しづかさに落椿の音幾度も
門田陽子
200505
落椿の花輪を首にけんけんぱ
石垣幸子
雨月
200505
園に来て砂紋風紋落椿
塩川雄三
築港
200505
落椿拾ひつつ行く荒磯道
村梛子
築港
200505
落椿水棹寝かせて橋くぐる
山田六甲
六花
200505
独楽の如舞うて瀬を越す落椿
木内美保子
六花
200505
夕闇の底に落椿のみ赤し
あさなが捷
200505
下向きに咲き上向きに落椿
広渡詩乃
200505
落椿鯉はななめに流れをり
尾堂Y
河鹿
200506
落椿踏むまじ室生鐙坂
荻野嘉代子
春燈
200506
流されてたちまち遠し落椿
今瀬剛一
対岸
200506
美しき夢見てゐしが落椿
今瀬剛一
対岸
200506
落椿日の差す窪にかたまつて
杉浦典子
火星
200506
落椿見つつ避けつつ燈登る
大槻洋子
築港
200506
灯籠の笠を飾りし落椿
松本恒子
ぐろっけ
200506
落椿拾ひて来たる虚子忌かな
上藤八重子
酸漿
200506
石ころが入つてをりぬ落椿
佐藤喜孝
あを
200506
落椿藪より抜けて華やげる
小林時夫
200506
華やぎて踏まるるまでの落椿
長山あや
ホトトギス
200507
落椿全きを拾ひ掌に錆びぬ
鈴木榮子
春燈
200507
落椿次々踏むは自虐に似
宮地れい子
春燈
200507
献木の連隊名や落椿
渡邊泰子
春燈
200507
落椿上野介に落度なし
吉澤利治
遠嶺
200507
つくばひの水の震へる落椿
浅田光喜
対岸
200507
朽ちて行くことを怖れて落椿
島村ひろ子
対岸
200507
惜みても戻らぬ日々よ落椿
北島上巳
酸漿
200507
落椿の重きを拾う墓標かな
若泉真樹
200507
往く人や石の平らに落椿
竹内太郎
200507
古墳への道の湿りや落椿
青山悠
200507
落椿つかみたる手に余りけり
鹿野佳子
200507
樹下といふ冥さ寧けさ落椿
松岡隆子
200507
落椿真昼の黙の深まりに
青砥真貴子
200507
鳴る海や疵ひとつなき落椿
島谷征良
風土
200602
落椿思ひの丈を言はずとも
宇都宮滴水
京鹿子
200603
散りぬれど雪かゞやかす落椿
吉田多美
京鹿子
200603
海柘榴市や磴に一輪落椿
茂里正治
200604
滑り台すべつて着地落椿
木内美保子
六花
200604
天帝の手を離れたる落椿
橋口礼子
河鹿
200605
落椿赤き水尾ひき流れけり
松本圭司
200605
落椿鑑真の日を載せてをり
城孝子
火星
200605
落椿鳴咽の花粉吐きゐたる
ことり
六花
200605
掌にのせて息通はする落椿
鹿野佳子
200605
掃き寄せて根元明るし落椿
須賀敏子
あを
200605
落椿水音も無き水車小屋
森山のりこ
あを
200605
落椿屈みて写す女かな
森永敏子
河鹿
200606
落椿夕浪の音を鎮めけり
柴村郁子
遠嶺
200606
風のあと落椿みな俯せに
神長裕子
200606
夫の墓落椿もて敷きつめむ
藤井佐和子
200606
落椿けふもことなく空仰ぐ
宇都宮滴水
京鹿子
200606
総社宮へ急な階段落椿
赤尾杉昌子
対岸
200606
椿山荘裏垣添ひに落椿
菊地恵子
酸漿
200606
落椿のくれなゐ土にもどりゆく
中野京子
200606
無言といふ返事したまま落椿
斉藤裕子
あを
200606
落椿志野の器に浮べけり
徳永亜希
馬醉木
200607
落椿含み笑ひのまま掃かる
松本鷹根
京鹿子
200607
一瞥といふことすまじ落椿
大橋敦子
雨月
200607
蕊の黄の鮮やかなまま落椿
木野裕美
ぐろっけ
200607
満月の一夜のかくも落椿
長沼三津夫
200607
落椿通りすがりの子が拾ふ
早崎泰江
あを
200607
落椿日照雨に色を取り戻す
岩木茂
風土
200608
寒ながらよき日を浴びて落椿
阿部ひろし
酸漿
200702
うつ伏せの苦しからずや落椿
鷹羽狩行
200703
落椿折り重なつて相対死
安住敦
春燈
200703
水縒りて速き小流れ落椿
渡辺昭
200703
恍惚と寂光院の落椿
竹貫示虹
京鹿子
200703
出されたるパロマの上に落椿
松崎鉄之介
200704
百とせの苔を褥や落椿
林翔
200704
落椿落ちてまだまだ咲くつもり
塚本泰子
酸漿
200704
黒猫がつついてをりぬ落椿
山田六甲
六花
200704
落椿拾ひ上ぐるや崩れ落つ
ことり
六花
200704
落椿鯉の寄りしはいち度きり
佐藤喜孝
あを
200704
落椿向きをかへたる錦鯉
佐藤喜孝
あを
200704
愁ひとはをんなの美学落椿
千坂美津恵
200705
わが昭和遠くなりたり落椿
林和子
200705
仰向いて愈々大き落椿
清水幸治
200705
落椿祠の神も外歩き
百瀬七生子
海光
200705
一瑕だになくて炎の落椿
大畑善昭
200705
落椿ほとんど赤い椿かな
松崎鉄之介
200705
落椿のレイも吊らるる玩具館
廣畑育子
200705
踏まれたる鍵屋の辻の落椿
吉田郁子
風土
200705
雨粒の撥ねて入りたる落椿
山田六甲
六花
200705
重なりて蕊を並べて落椿
木内美保子
六花
200705
落椿掌に載せしばらくを歩く
野路斉子
200705
俯せの苦しからずや落椿
荒川香代
200706
自尊捨て類にまぎれし落椿
泉田秋硯
200706
亀の背に歴代の墓碑落椿
名取袿子
200706
何かいふやうに蕊立て落椿
布川直幸
200706
山門の空凹ませて落椿
代田青鳥
風土
200706
夥しき流人の島の落椿
川畑はるか
遠嶺
200706
碧潭や浮かびあがりし落椿
瀧春一
200706
紅・絞りつらつら椿落椿
山下青坡
200707
流れにはなかなかのれず落椿
伊藤ふみ子
200707
野仏へ子の心配の落椿
伊藤希眸
京鹿子
200707
落椿風の火輪となり走る
大畑善昭
200707
落椿土のよごれのなかりけり
樋口みのぶ
200707
つめたさのまだ生々し落椿
長沼三津夫
200707
産土の箒目に燃ゆ落椿
長野珠江
京鹿子
200708
落椿踏み養生の芝踏まず
稲畑汀子
ホトトギス
200802
養生の芝踏みさうや落椿
稲畑汀子
ホトトギス
200802
星あまた刃物の匂ひの落椿
遠藤実
あを
200802
はらからを見上げてゐるや落椿
鷹羽狩行
200804
石の上に姿ただして落椿
大川冨美子
ぐろっけ
200804
落椿 3→      

 

2021年4月22日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。