落 鮎 2     74

落鮎や日に日に水のおそろしき    千代女

  錆鮎  落鮎

作品
作者
掲載誌
掲載年月
落鮎や日輪とめどなく流れ 沼田巴字 京鹿子 201001
落鮎に川幅といふ修羅場かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201010
山を見て来し落鮎の眼かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201010
落鮎にあら塩をふる高く振る 中山純子 万象 201011
落鮎の川の辺に火を熾したる 杉浦典子 火星 201101
落鮎の腸に炭火のぬくみあり 杉浦典子 火星 201101
落鮎のまひるの水の昏みたる 杉浦典子 火星 201101
落鮎の丸きお腹を見てしまふ 井上淳子 火星 201101
鮎落ちて山河淡々ありにけり 宮内とし子 201101
落鮎の川のつめたさ言ひて佇つ 浅井靑陽子 ホトトギス 201104
落鮎やまことに小さき大洲城 二宮一知 万象 201111
落鮎や光と闇と志 小堀寛 京鹿子 201112
落鮎は何匹ですか魚籠覗く 増田一代 201201
落鮎の寂満面に映ろへり 柴田靖子 201201
落鮎の化粧塩濃しいろり焼 遠藤清子 末黒野 201201
落ち鮎の赤腹見せて川下る 青木英林 かさね 201201
落鮎や宿に古りたる箱眼鏡 松本文一郎 六花 201202
鮎落ちてしまへば杣も来ぬ簗辺 三村純也 ホトトギス 201203
落鮎や山に暮せば山の顔 高倉和子 夜のプール 201203
落鮎や箔の剥げたる仏たち 小池清司 かさね 201211
小太りの落ち鮎に串曲りをり 溝渕弘志 六花 201211
洛中をひたすら鮎の落ちゆくも 北川英子 201212
鮎落ちて青を深むる仁淀川 佐々木新 春燈 201301
鮎落ちて山河にはかにくうとなる 西川織子 馬醉木 201302
鮎落ちて無口の川となりにけり 甕秀麿 201312
地に捧ぐもの落蝉と落鮎と 西川織子 馬醉木 201401
落鮎の光りつ宙へ跳ねにけり 鈴木良戈 201401
落鮎の群れ影となる奥琵琶湖 石川かおり 福袋 201404
落鮎に川音高き夕べかな 稲畑汀子 ホトトギス 201410
川音の常の如くに鮎落つる 稲畑汀子 ホトトギス 201410
落鮎や夕日にてぐす解しつつ 能勢俊子 馬醉木 201412
鮎落ちて瀬音やさしくなりにけり 柴田志津子 201412
落鮎の鰭より焼かれ香り立つ 久保田優子 末黒野 201501
雨風に荒ぶ瀬の音鮎落つる 大島寛治 雨月 201501
落鮎や日照雨の走る峡の裾 岡田史女 末黒野 201501
沈下橋渡り落鮎買ひにけり 中江月鈴子 201510
落鮎酒飲みつつ沈下橋渡る 中江月鈴子 201510
鮎落ちて瀬音高まる日暮かな 山ア刀水 春燈 201512
落鮎や山また山の美術館 中田禎子 201512
今生に鮎の落ちゆく日々つづく 西川織子 馬醉木 201601
落鮎の残りの命いただきぬ 武田巨子 春燈 201601
簗掃いて落鮎を待つ朝の晴 深川淑枝 201605
鮎落ちて碧をこぼす瀬の早み 鈴鹿呂仁 京鹿子 201610
鮎落ちて宿の板さん三分刈り 鈴鹿呂仁 京鹿子 201610
瀬を経たる水のまろみや鮎落つる 峰崎成規 201611
落鮎や街道にあるおとり店 潮貝朱千 京鹿子 201612
落鮎や友に贔屓の酒肆ありき 宮崎他異雅 末黒野 201612
浅瀬には落鮎狩の人の群 江島照美 201701
鮎落ちて星座しづかに巡りだす 林昭太郎 201701
落鮎やふところ深き吉野川 林八重子 馬醉木 201702
ひたひたと鮎の落ちゆく山河かな 夏生一暁 馬醉木 201702
落鮎の川瀬あかるき母郷かな 笹村政子 六花 201702
落鮎や河原の石の乾く頃 内海良太 万象 201702
落鮎や約束ひとつ反故にして 中川句寿夫 ここのもん 201705
落鮎の一生涯を掬ひけり 近藤喜子 201711
落鮎のみ知つてゐるなり水ごころ 近藤喜子 201712
落鮎や真白き雲を追ひかけて 片山煕子 京鹿子 201712
落鮎や錦帯橋に小糠雨 笹村政子 六花 201801
落鮎をいちにち狙ひ鷺の鬱 和田昭海 京鹿子 201801
落鮎の飯を三膳大広間 赤松赤彦 六花 201812
落鮎の水の流れに逆らはず 笹村政子 六花 201912
落鮎の尾鰭ぴくりと串を刺す 谷陽右 馬醉木 201912
落鮎の竹串青く焼かれけり 島玲子 風土 201912
落鮎の早瀬になびく穂草かな 住田千代子 六花 202001
落鮎の腹に朱さすいのちかな 川内谷育代 馬醉木 202001
うぶすなの杉のチップと落鮎と 中島陽華 202002
落鮎の山気もろとも焼かれけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 202010
落鮎の魂鎮めゆく流れ 稲畑廣太郎 ホトトギス 202010
山深く昼は落鮎釣る湯治 中村重幸 202012
落鮎や時季の流れと届けらる 松本鷹根 京鹿子 202111
落鮎や投網は川をひと掴み 岩木茂 風土 202201
落鮎の網外されしとき撓ふ 田中佐知子 風土 202201
落鮎の影は一途に下りけり 笹村政子 六花 202212
落鮎のあえかなる朱を愛しめり 森岡正作 202310
落鮎 →1      

 

2023年10月3日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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