オリオン 1     227句

オリオン  シリウス

作品
作者
掲載誌
掲載年月
オリオンの輝きに凍て始まりぬ 大橋晄 雨月 199901
初冬のオリオンへ星飛びにけり 岡和絵 火星 199902
オリオンの楯張る隠岐の黒木御所 山田夏子 雨月 199902
オリオンの明るさ程も愛せるか 松山律子 船団 199907
わが詩を夏オリオンに連ねたし 小澤克己 遠嶺 199910
オリオン座少し傾き虎落笛 稲畑汀子 ホトトギス 199911
木曽の邑いつも頭上にオリオン座 能勢京子 船団 199912
オリオンの西にかたぶく夜明前 阿部ひろし 酸漿 199912
うそ寒にオリオンの空できあがる 空閑一叫子 ホトトギス 200002
寒月にオリオンの盾力失せ 稲岡長 円虹 200002
冬オリオン子牛が見上げゐたりけり 大和田鏡子 俳句通信 200002
オリオンに黒のバロック軽やかに 尾上有紀子 わがまま 200002
オリオンの函を斜めに持ち上げる 加藤かな文 200003
オリオンの真闇に消えた白い羽根 わたなべじゅんこ 鳥になる 200003
オリオンを仰ぎ陣痛の娘へ急ぐ 甲田雅子 200003
オリオンへ等間隔の柝の音かな 柿沼盟子 風土 200003
わらべごゑにてオリオンを見つけたり 今木偉郎 200003
王の森オリオンやをら夜番めく 依田明倫 ホトトギス 200005
オリオンの光芒氷柱のふとりたる 戸村よねこ 遠嶺 200005
旅行かむ春オリオンを頭に冠し 小澤克己 遠嶺 200005
ポケットに手を入れて会うオリオン座 川島ひとみ 船団 200007
オリオンを指して宗谷の羅針盤 北村照子 遠嶺 200008
叱責のオリオンあるいは地雷ふむような 廣嶋美恵子 船団 200008
隠花植物オリオンが崩れゆく 大西政司 海程 200102
寝静まるころオリオンの狩の声 田村はじめ 銀化 200103
オリオンの渚に明日の舟を漕ぐ 斉藤利雄 遠嶺 200103
オリオンへ光年といふ美しき距離 千坂美津恵 200104

 「星座」創刊

オリオンの帆の大いなる寒の明け

鷹羽狩行 200104
オリオンと交信のさま寒欅 山下由紀 200104
オリオンや妻へ感謝の小買物 小澤克己 遠嶺 200105
わが夢のなほオリオンをきらめかす 小澤克己 遠嶺 200105
新年のオリオン空に紛れなし 小澤克己 遠嶺 200105
氷湖吹く風の疾きにオリオン座 岡田貞峰 馬醉木 200105
悪相の犬と仲良しオリオン座 児玉硝子 船団 200108
オリオンが一つ足りない春の夜 ゆにえす 船団 200110
臨海の此処オリオンの家族たち 田中俊弥 船団 200110
オリオンを掲げし一樹ありにけり 川端和子 「星月夜」 200112
嶺あらばさらに高きを秋オリオン 小澤克己 遠嶺 200201
山住みのオリオン屋根の真上なる 北村すなほ 200202
オリオンの揺るぎなき座や星飛べり 小澤克己 遠嶺 200202
オリオンやしんしんと髪冷えてきし 田中藤穂 あを 200202
オリオンや夜釣の客の出港す 武田眞砂 百鳥 200202
北風響き合ふオリオンの箱の中 田中由喜子 馬醉木 200203
冬オリオン教へ子と職同じうす 小島せつ子 百鳥 200203
オリオンを過ぎり緑の星流る 神山喜美代 遠嶺 200203
オリオンに対ひ己を無となせり 小澤克己 遠嶺 200203
オリオンや十七文字の旅日記 大曽根育代 遠嶺 200203
オリオンの下に一会の友を得し 神山喜美代 遠嶺 200203
オリオンへ青き灯の滑走路 水野あき子 遠嶺 200203
オリオンの星物語始発駅 寺内佶 遠嶺 200204
越ゆるべき嶺を仰げば初オリオン 小澤克己 遠嶺 200204
帰り着く我が家オリオン間近なり 与川やよい 遠嶺 200204
露天湯に手足伸ばしてオリオン座。 西塚成代 六花 200204
オリオンの真南に梅ほころびぬ 宮森毅 六花句集 200205
夜は島のオリオンかかげ冬牡丹 石飛明子 円虹 200206
かまくらをみてオリオンの位置質す 多田羅初美 ホトトギス 200206
オリオンの中より木の葉時雨かな 大槻右城 ホトトギス 200206
集会の果てオリオンの光濃く 岡田章子 ぐろっけ 200206
ハンモック揺りオリオンの真上なり 加地芳女 雨月 200207
わが血脈肯ひをりし夏オリオン 小澤克己 遠嶺 200210
オリオンや詩の一行を研ぎ澄ます 小澤克己 遠嶺 200210
秋オリオン詩魂みなぎるまで対す 小澤克己 遠嶺 200211
オリオンの懐深く鼓動きく 赤羽正行 遠嶺 200302
漂泊の旅の終りはオリオンに 赤羽正行 遠嶺 200302
オリオンの揺籃にゐて夢をみる 赤羽正行 遠嶺 200302
オリオンと同じさみしさ巡邏の灯 利根川妙子 200302
オリオンに錨を下ろし停泊す 赤羽正行 遠嶺 200302
オリオンを讃へてホテルヨーロッパ 小澤克己 遠嶺 200302
オリオンの名もなき星の真ん中に 赤羽正行 遠嶺 200302
オリオンと向き合ふ日々や冬に入る 空閑一叫子 ホトトギス 200303
眼前に怒濤頭上の寒オリオン 小澤克己 遠嶺 200304
旅行かむ春オリオンを冠に 小澤克己 春の庵 200305
塚山は夏オリオンを掲げをり 瀬戸悠 風土 200306
北極のオリオン吾に迫り来る 岐部陽子 八千草 200306
オリオンの下に覚ゆる詩情かな 大谷茂 遠嶺 200306
船旅のデッキにてみるオリオン座 鈴木てるみ ぐろっけ 200307
あれオリオンこれカシオペア星月夜 稲畑廣太郎 ホトトギス 200310
オリオンや明日のことは解らずに 藤井智恵子 百鳥 200403
除夜の鐘ベランダに出てオリオン座 安部里子 あを 200403
もらい湯の母の背で見たオリオン座 岡村尚子 ぐろっけ 200403
オリオン座大根懸けたる大銀杏 沖増修治 百鳥 200403
オリオンの神話を辿り更けにけり 吾妻好子 遠嶺 200404
日本とは角度のちがふオリオン座 岩松八重 六花 200404
師系説く冬オリオンのたちあがる 遠藤匡子 遠嶺 200404
オリオンの闇に万羽の鶴眠る 坂中紀子 ホトトギス 200404
早春のオリオンにある帰心かな 青野迦葉 ホトトギス 200406
詩よ興れ夏オリオンの蒼むほど 小澤克己 遠嶺 200410
オリオンが祝ぐ新年の嬰児かな 小澤克己 遠嶺 200501
オリオンの大きく展き竜の玉 鎌倉喜久恵 あをかき 200503
オリオンへ今宵「第九」のフエステイバル 河合佳代子 栴檀 200503
オリオンや永遠を誓いし夫は亡き 蒔田しをん 200503
オリオンや街路樹の瘤太るまま 高橋芳子 火星 200503
冬オリオン巨き投網を打つごとし 竹内弘子 あを 200504
オリオンのまだ見えてをり初詣 柳生千枝子 火星 200504
オリオンの楯傾けて寒明くる 中島あきら 200504
オリオンの存問受けて枯尾花 稲畑廣太郎 ホトトギス 200504
オリオンの真下春立つ雪の宿 渡邉友七 あを 200505
あつといふ間の晩年や冬オリオン 蓮田照子 200505
オリオンの楯に刻みし「情」と「景」 寺内佶 遠嶺 200505
恋句按じをればかつりと冬オリオン 山元志津子 八千草 200506
再会のオリオン楯をきらめかす 曷川克 遠嶺 200506
オリオンも獅子座も凍り街黙す 吉村ひさ志 ホトトギス 200506
被災地にかかつてゐたるオリオン座 近藤貞子 六花 200511
仰ぎたる空オリオン座冬木越 稲畑汀子 ホトトギス 200512
オリオンを見てゐて冬の星流れ 稲畑汀子 ホトトギス 200512
オリオンを背負ふ門限なかりけり 伊藤白潮 200601
オリオンの下温習の師の言葉 浜田はるみ 遠嶺 200602
オリオンを仰ぐ特権山暮し 中山勢都子 200603
オリオンのひとつは海に触れさうに 榎美幸 万象 200604
オリオンの下に鐘楼年むかふ 廣瀬義一 雨月 200604
オリオンの冴えて鍵音とばしけり 外川玲子 風土 200604
オリオンの楯の突つ立つ寒の入 近藤喜子 200604
焼藷を買ふオリオンの真下にて 山田弘子 ホトトギス 200605
廃船の上に廃船春オリオン 荒井千佐代 200605
オリオン座くつきりと見え冬に入る 荻原麗子 酸漿 200701
戸締りの再確認やオリオン座 井山佐多 京鹿子 200703
父泣きし句を口ずさみ寒オリオン 森田子月 ぐろっけ 200703
オリオンや樹心は仏宿らせて 橋本良子 遠嶺 200703
オリオンに触れて句画集生まれけり 浜田はるみ 遠嶺 200703
オリオンの肩より懸けし神秘の絵 小澤克己 遠嶺 200703
詩道行く寒オリオンの膝下ゆく 小澤克己 遠嶺 200704
のぼり来しオリオン首を傾げ見る 坂本知子 酸漿 200704
オリオンヘ各駅停車待ちてをり 竹下昌子 200704
束の間の百年春のオリオン座 富沢敏子 200705
けふよりは春星となるオリオン座 山下佳子 200705
睡りても春オリオンを胸奥に 小澤克己 遠嶺 200705
天窓にオリオン蒼き狩支度 薮脇晴美 馬醉木 200706
軒に見てオリオン燦と夜明前 阿部ひろし 酸漿 200712
オリオンの所在確かめ冬山路 稲畑汀子 ホトトギス 200712
オリオンを仰ぎて嫁の手術の日 刈米育子 200802
オリオンの斜めがかりの大欅 豊田都峰 京鹿子 200802
オリオンの真下に侍ちて無口なり 竹下昌子 200802
注目を浴びてゐるなり冬オリオン 宮澤さくら 遠嶺 200803
早暁のオリオン招く旅路かな 山田富朗 遠嶺 200803
オリオンのひとつが消えて夫病みぬ 竹下昌子 200803
救急車ゆきオリオンは中天に 大崎紀夫 やぶれ傘 200804
寒オリオン無駄でも頼むこと一つ 戸田和子 200804
立ち尽す寒オリオンの瞬きに 大橋晄 雨月 200804
妻が余命くれしかとふとオリオン座 北村香朗 京鹿子 200804
オリオンの一筋の道仰ぐべし 東良子 首座星 200804
インバネス着しオリオンを首座星に 東良子 首座星 200804
オリオン座仰ぎて年の夜を眠る 今井千鶴子 ホトトギス 200805
夏空を超えオリオンの星となれ 小澤克己 遠嶺 200808
斑雲の奥にオリオン確かなり ことり 六花 200812
オリオンの残像著き初景色 小澤克己 遠嶺 200901
星空の中燦然とオリオン座 高谷栄一 200903
連嶺のオリオン明日を疑はず 川口襄 遠嶺 200903
指先で計れる長さオリオン座 宮田香 200903
オリオンや挨拶に胸高鳴らせ 堀本悠 遠嶺 200903
オリオンの下ひつそりと友逝けり 島元文 遠嶺 200904
寒天や頭の中のオリオン座 藤兼静子 200904
稜線に沿ひオリオンの傾きぬ 高田令子 200904
幼きよりあの木の上に寒オリオン 後藤とみ子 ぐろっけ 200904
オリオンの空夕闇に冴返る 四條進 200904
オリオンも早やうるみたる弥生かな 吉田順子 200905
闇凍てて砂漠に降りしオリオン座 神原徳茂 遠嶺 200908
無限なる素数や真夜の大オリオン 小澤克己 遠嶺 201003
オリオンの下に二合の米をとぐ 浅田光代 風土 201003
オリオンの楯きらめけり産声に 中尾杏子 201003
帰路急ぐ母子を見守るオリオン座 島本知子 ぐろっけ 201004
真つ向にオリオン据ゑて詩紡ぐ 小澤克己 遠嶺 201004
オリオン座三時の方の沖を航く 豊田都峰 京鹿子 201004
オリオンの辺り流星待つことに 稲畑汀子 ホトトギス 201010
オリオン座よりの流星見つけねば 稲畑汀子 ホトトギス 201010
オリオンのベルトの辺り冬めける 稲畑廣太郎 ホトトギス 201011
語ること供養となりぬ冬オリオン 能村研三 201012
オリオンや曠野に汽笛尾をひきて コ田千鶴子 馬醉木 201101
オリオンの火の粉の海に堕ちにけり 瀬川公馨 201103
南天にオリオンの楯凍て傾ぐ 柳生千枝子 火星 201103
ふたご座流星オリオン星座を袈裟斬りに 田中芳夫 201103
オリオンの楯立ち上がる対馬灘 野中亮介 馬醉木 201103
オリオンを仰ぎて明日の幸ねがふ 刈米育子 201103
明け近き寒オリオンを湖の上 安斎久英 末黒野 201104
時雨月去りオリオンに更ける宿 藤浦昭代 ホトトギス 201104
南天に凍て傾きてオリオン座 柳生千枝子 火星 201104
貝殻の螺旋は宇宙オリオン星 深川峰子 201105
冴返るガス星雲のオリオン座 澤浦緑 ぐろっけ 201105
オリオンや髪の冷たき人とゐる 星野早苗 船団 201110
オリオンに果てなき旅を誘はるる 桂敦子 201202
オリオン座ひとりぼっちの夜なんだ 上村美翔 うらら 201202
オリオンの恋の狩人煌けり 高谷栄一 201202
オリオンの煌めき鴟尾の立ちあがる 寺田すず江 201203
ディナークルーズオリオンをさかさまに 塩田博久 風土 201203
オリオンに近づく磴や除夜詣 浅川幸代 末黒野 201204
オリオンや窓集りて道となる 井上信子 201204
中天の全きオリオン冴返る 石垣幸子 雨月 201205
雪踏やときにオリオンふりあふぎ 小谷延子 万象 201207
オリオンの空寒月に明け渡す 稲畑汀子 ホトトギス 201301
大寒やオリオン既に位置正す 天野みゆき 風土 201303
オリオンの大きく位置を曲げにけり 山田六甲 六花 201303
涙拭くや寒オリオンと漁火と 荒井千佐代 201402
冬オリオン犬の水飲む音のみぞ 犬塚李里子 201402
オリオンの傾きそめて冴返る 山元土十 ホトトギス 201402
オリオンやわがこころざし銹色に 鴨下昭 201402
オリオンや稿十枚に夜を徹し 松本三千夫 末黒野 201402
着ぶくれてオリオン星座仰ぎゐる 岡山敦子 京鹿子 201404
まっすぐな道をまっすぐ寒オリオン 中原幸子 船団 201406
オリオンの午前三時の冬仰ぐ 稲畑汀子 ホトトギス 201411
オリオンヘ旅を戻りし水の星 山田六甲 六花 201411
クリスマスミサオリオンに呼応して 廣太郎句帳 ホトトギス 201412
再会の宵のオリオンビールかな 原ゆき 船団 201502
秘めごとやオリオンに打ち明ける 犬塚李里子 201502
冬オリオンおさむ貞雄に護られて すずき巴里 ろんど 201503
オリオンの寝起きの顔や冬に入る 橋本くに彦 ホトトギス 201503
オリオンを引つかけてゐる枯木かな 後藤比奈夫 ホトトギス 201504
オリオンの足元にあり大犬座 大日向幸江 あを 201504
屋根雪の迫り出してゐるオリオン座 定梶じょう あを 201504
オリオンの離れ初めたり冬木立 河野美奇 ホトトギス 201505
オリオンの舞ひ立つ闇のレクイエム 後藤眞由美 春燈 201602
宙よりの伝言を聞く冬オリオン 犬塚李里子 201602
潤みつつ空守る春のオリオン座 布川直幸 201602
座(くら)移しゐたるオリオン惜しみけり 山田六甲 六花 201602
オリオンは春へ傾き賎ヶ岳 山田六甲 六花 201603
オリオンや時空に歪みあるといふ 田中信行 201605
オリオンを横切る雲の春隣 橋本くに彦 ホトトギス 201606
寒オリオン真下にいます迷い猫 井上曜子 船団 201612
オリオンをなぞり撫で肩冬はじめ 甕秀麿 201702
街空のオリオン暗し虎落笛 大内マキ子 万象 201702
オリオンを確かめ軋む雨戸鎖す 小川玉泉 末黒野 201703
オリオンの座低くして寒もどり 山田六甲 六花 201704
針供養動き出したるオリオン座 高野春子 京鹿子 201705
オリオンの揺らめき蒼し風の音 井上石動 あを 201704
鬼夜果てオリオンの空下りてくる 岸洋子 201705
春寒やオリオンの空手に触れむ 岡本秀子 201706
オリオンを止まり木として屋台酒 太田良一 末黒野 201803
オリオンや三人なべて華甲過ぐ 小川玉泉 末黒野 201803
真向ひに寒オリオンや湖の闇 安斎久英 末黒野 201804
オリオン→2      

 

2021年11月10日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。