女正月 1     200句

芝居見に妻出してやる女正月    志摩芳次郎

小正月  女正月

作品
作者
掲載誌
掲載年月
女正月ひとりは泣きにきてをりぬ
林菊枝
199901
枡席の女正月あかりかな
奥田節子
火星
199904
さざなみにかるい疲れや女正月
廣嶋美惠子
船団
199906
曖昧を許さぬ友や女正月
金子里美
船団
199908
女正月貢一ぐもりの話など
三神あすか
ヒッポ千番地
199910
水の上水の走れり女正月
神蔵器
風土
200003
女正月地獄の沙汰も金次第
保坂加津夫
いろり
200003
宅配の料亭料理女正月
安井和子
200003
何啼くか朝のうら山女正月
城孝子
火星
200004
不断着のはなしに尾鰭女正月
門馬貴美子
京鹿子
200004
白地図に頬杖ついて女正月
嵯峨根鈴子
火星
200005
母に逢ふ口実もなき女正月
和田照海
京鹿子
200101
臍曲る餡ぱんも出て女正月
柳未央
いろり
200102
開運の話もちらと女正月
大矢和歌子
200103
女正月滾りてゐたる二番だし
小林あつ子
火星
200104
女正月小町通りに香流る
下山田美江
風土
200104
赤いきつね青いきつねや女正月
辻享子
六花
200104
母帯のまだあたたかき女正月
伊藤翠
船団
200105
お多福の軸の迎へる女正月
村田孝子
京鹿子
200202
天ぷらの海老さつくりと女正月
鈴木恭子
200203
ひとつづつ夢の尾を断つ女正月
堀川夏子
銀化
200203
はやばやと昼餉となりぬ女正月
岩田育左右
遠嶺
200204
友よりの琉球糖菓女正月
伊藤和子
遠嶺
200204
女正月うら返しをる一夜干
山口二三子
火星
200204
掛軸を替へてをりけり女正月
山口二三子
火星
200204
御神籤は末吉とあり女正月
滝本香世
百鳥
200204
ソファーより座卓がよろし女正月
伊藤宇太子
200205
一部屋は落語なりけり女正月
醍醐季世子
200205
おほらかな江戸の絵図見る女正月
高木良多
春耕
200205
女正月娘のぐち宥めコーヒーに
佐々木栄
ぐろっけ
200205
昼酒を銀座で飲もう女正月
森脇多恵子
帆船
200303
日本中温泉ブーム女正月
武田美雪
六花
200303
女正月パートの主婦はせはしかり
白石秀雄
酸漿
200303
女正月只酒ならと浮かれけり
泉田秋硯
200304
女正月寿曽我の砌かな
中島陽華
200304
いきいきと離婚のすすめ女正月
西村葉子
京鹿子
200305
過去形となるものばかり女正月
江成幸子
帆船
200403
うかうかと傘寿間近く女正月
小澤登代
草の花
200403
浸蝕の岩肌見ゆる女正月
原嶋光代
草の花
200403
爪弾きて一人和みぬ女正月
大久保恵美子
遠嶺
200404
追ふやうに送り出されし女正月
小松誠一
200404
一湾に凪が靄よぶ女正月
深田雅敏
200404
女正月息災の顔揃ひけり
鎌倉喜久恵
あを
200404
ぼろぼろの蒸籠を据うる女正月
戸田和子
200404
女正月機上哩を重ねけり
大角麻理子
百鳥
200404
女正月電子辞書など持寄りて
中島霞
ぐろっけ
200404
女正月男カラオケ出番なく
中田征二
ぐろっけ
200404
女正月妻は妹とデパートへ
佐方敏明
ぐろっけ
200404
留守居して包丁を研ぐ女正月
菅龍一
百鳥
200404
女正月文出しに行く夕べかな
松村光子
百鳥
200404
女正月食器洗機届きけり
冨永道子
百鳥
200404
湯けむりと雲のあはひを女正月
鳴海晴美
六花
200405
暫し待つ鯛の兜煮女正月
真木早苗
八千草
200408
女正月スルメの足の絡みけり
須佐薫子
帆船
200503
甘酒の大鍋囲み女正月
山形悦子
万象
200504
みづからに客膳つくり女正月
山崎靖子
200504
女正月気長に唄ふ落とし蓋
淵脇護
河鹿
200504
大津絵の鬼踊り出す女正月
田代ヨシ
河鹿
200504
女正月せずとも娘天下かな
三村純也
ホトトギス
200505
番犬も寝過ごしている女正月
松井洋子
ぐろっけ
200505
女正月妻に一ト日の旅許す
吉本昭子
ぐろっけ
200505
いきいきと薬呑みあふ女正月
荒川美邦
京鹿子
200506
街騒も女正月てふ都心
稲畑廣太郎
ホトトギス
200507
雑魚干して漁の合間の女正月
遠藤真砂明
波太渡し
200510
改めて女正月とぞ思ふ
稲畑汀子
ホトトギス
200601
年女ばかりが寄りて女正月
延川笙子
六花
200603
女正月荒神さまに礼をなし
金丸まさ子
四葩
200603
煮玉子の歯ごたへのよし女正月
諸橋廣子
対岸
200603
座を詰めてまた盛りあがる女正月
清水明子
遠嶺
200604
夫とゐるただゐるだけの女正月
島元文
遠嶺
200604
年毎に恩師美し女正月
辻雅子
ぐろっけ
200604
新しき俎板の音女正月
大坪景章
万象
200604
女正月少々羽目を外さむか
田原陽子
200604
賜りし色紙披露の女正月
飛鳥由紀
200604
女正月ジムのプールに集ひをり
中村晋子
百鳥
200604
茶柱のゆらりと動く女正月
林和子
200605
昭和にて手繰る齢や女正月
高倉恵美子
200605
物きざむ音やはらかき女正月
片山茂子
遠嶺
200605
暮れ残る家路の空や女正月
赤池英津子
遠嶺
200605
老いてこそ華のことはり女正月
本城布沙女
雨月
200605
みほとけと語りし夢や女正月
環順子
夢帽子
200608
女正月曇りガラスに手を汚す
宇都宮滴水
京鹿子
200702
女正月スリム願望さておきて
野中啓子
200704
福耳を褒めて始まる女正月
森下康子
200704
手毬麩の糸の七いろ女正月
村上絢子
馬醉木
200704
合唱のドレス仕上る女正月
鈴木石花
風土
200704
金鍔と浮世絵のある女正月
延広禎一
200704
朝刊のひとりの時間女正月
大坪景章
万象
200704
女正月友とふふみし山百合酒
山形悦子
万象
200704
ごちやくと混む甘酒屋女正月
木内徴子
万象
200704
女正月骨董市に夢二の絵
北村桂石
春燈
200704
盛り替へて汁粉食べをり女正月
伊藤公子
酸漿
200704
猫脚の膳がずらりと女正月
原田しずえ
万象
200705
餅花の揺るる蕎麦屋や女正月
池田倶子
雨月
200705
女正月傍らに夫ただ笑ふ
苑実耶
200705
手作りの焼豚届く女正月
中里カヨ
酸漿
200705
縮緬の風呂敷を解く女正月
岡村一郎
200705
シルバーシート小さく座る女正月
桑原泰子
八千草
200707
男尊はしばしかたへに女正月
武井哲
八千草
200707
女正月座敷に唄の満つるかな
滝沢伊代次
万象
200801
婿殿に茶を所望せり女正月
山田六甲
六花
200801
夢の中たれも話さず女正月
ことり
六花
200801
女正月虚子六人の娘かな
稲畑廣太郎
ホトトギス
200802
鍋加減しかと頼まる女正月
佐藤雄二
万象
200803
金箔酒いただき祝ふ女正月
若江千萱
雨月
200803
塵を出す主人を見たり女正月
松崎鉄之介
200803
女正月一人疎まれゐたりけり
松崎鉄之介
200803
女正月情に棹さす話して
駒井でる太
200804
思ひ切り笑つて終る女正月
代田青鳥
風土
200804
私といふ歳月たひら女正月
村田冨美子
京鹿子
200804
好物の豆を煮てをり女正月
島元文
遠嶺
200804
女正月好きも嫌ひも女偏
次井義泰
200805
無為といふ充電日なり女正月
林和子
200805
男運がどうのかうのと女正月
谷田部栄
万象
200805
夫看取る話の弾む女正月
高倉恵美子
200805
酒瓶に金粉溜る女正月
大坪景章
万象
200901
歌ふ声笑ひ合ふ声女正月
滝沢伊代次
万象
200901
ぬる燗の好きなお人よ女正月
ことり
六花
200901
坊守の鍵鳴らし来る女正月
松本美簾
馬醉木
200903
読みさしの源氏ひもとく女正月
金原登志子
馬醉木
200904
ガーリック香らする箸女正月
高橋道子
200904
縁側に届く日差しや女正月
山田暢子
風土
200904
シャンソンのライブに集ふ女正月
鈴木石花
風土
200904
神の鈴独りに鳴らし女正月
生田恵美子
風土
200904
娘に厳しく夫に優し女正月
竹内美穂
炎環
200904
女正月仕切襖をはづしやり
能村研三
200904
女正月妻いそいそと英会話
山下青坡
200905
女正月耳朶にも少し紅刷きぬ
梶川智恵子
200905
妣よりの行平鍋や女正月
竹内久子
春燈
200905
女正月黄味を真中に親子丼
天野美登里
やぶれ傘
200905
振つてみて土鈴買ひたる女正月
國保八江
やぶれ傘
200905
地ビールの注ぎつぷりよし女正月
山田六甲
六花
201001
樽酒を鏡割りして女正月
山田六甲
六花
201001
女正月太りし猫の寄り添ひて
遠藤実
あを
201002
外泊許可に破顔の翁女正月
日山輝喜
201003
女正月折紙を児に習ひをり
田所節子
201003
女正月回顧しみじみ幼友
岡野ひろ子
201003
盛り付けの一皿粋に女正月
片山茂子
遠嶺
201004
きなこ餅三つ食したる女正月
石脇みはる
201004
女正月国の未来の話など
陶山泰子
ぐろっけ
201004
三匹の猫と戯る女正月
静寿美子
ぐろっけ
201004
女正月任せし厨気に懸り
棗怜子
春燈
201004
志ん生の話芸しみじみ女正月
半沢一枝
末黒野
201004
八掛は山吹色に女正月
中村江利子
京鹿子
201005
ひさびさの姉の電話や女正月
兼子栄子
酸漿
201005
和三盆舌に溶けゆく女正月
武田薫子
201005
旧友に誘はれ映画女正月
林美智
ぐろっけ
201102
グループはB級グルメ女正月
田下宮子
201103
雑学は俳句の糧や女正月
坂上香菜
201104
ほろ酔ひの積もる話や女正月
坂根宏子
201104
天神に恋の絵馬あり女正月
中野あぐり
春燈
201104
てふてふのやうな雪くる女正月
大坪景章
万象
201104
女正月手作りハムを厚切りに
山本無蓋
201104
天王寺七坂晴るる女正月
塚山田美恵子
火星
201104
かく生きて老いて花まる女正月
和田森早苗
201105
女正月伸びたがらない輪ゴムあり
松田都青
京鹿子
201105
親指の深爪ぐせや女正月
コ田千鶴子
花の翼
201111
女正月前頭葉を全開し 中村ふく子 201203
女正月得意料理を持ち寄りて 田下宮子 201203
女正月家例の汁粉妻起こす 渡辺安酔 201203
佃煮の小海老小魚女正月 松下八重美 夢見の鐘 201203
遠嶺々のくつきり浮ぶ女正月 田原陽子 201204
女正月すこしの酒とシャンソンと 折橋綾子 201204
女正月生れし地のほか知らぬ母 川村清子 馬醉木 201204
女正月寡黙饒舌入り混じり 岡野ひろ子 201204
手料理を持ち寄り寡婦の女正月 西川みほ 末黒野 201204
女正月茎石一つづつ下す 山本耀子 火星 201204
女正月ブーゲンビリアもも色に 井上淳子 火星 201204
人肌にじろ飴ぬくめ女正月 野上智恵子 万象 201204
女正月宮部みゆきを二三冊 三輪慶子 ぐろっけ 201204
わが姿テレビに見たり女正月 高木篤子 ぐろっけ 201205
女正月夫のお酌に火照りけり 柴田玲子 万象選集 201205
女正月ワインの栓のかたきかな 岡野輝子 万象選集 201205
つゝきゐる鰤のあら炊き女正月 佐野和子 万象選集 201205
女正月天金の書の清しさよ 瀬戸悠 風土 201205
紅絹をもて椀拭いてをり女正月 北崎展江 くりから 201209
鉈彫の杓子の手擦れ女正月 石井美智子 風土 201211
オンザロック氷の透けて女正月 塩千恵子 201303
箸置の鶴は丹頂女正月 菊地光子 201303
誘はれて銭湯へ行く女正月 須賀敏子 あを 201303
蛇足とは知りつ一言女正月 宮崎高根 201304
カルメ焼のあぶく立ちたる女正月 延広禎一 201304
もたらする菓子の鶴亀女正月 丸尾和子 雨月 201304
女正月悪妻どもの溜り茶屋 松本恒子 ぐろっけ 201304
蛇口より湯の出て今朝の女正月 師岡洋子 ぐろっけ 201304
女正月曾孫の写真見せられて 明石文子 ぐろっけ 201304
あら炊きの庫裡に匂へり女正月 福島せいぎ 万象 201304
女正月をんなばかりにして置けず 上山永晃 鶴翼 201305
物言へばどれも正論女正月 細川知子 ぐろっけ 201305
煎餅を噛む音にほふ女正月 布川直幸 201401
持ちよりのむかし話や女正月 藤見佳楠子 201403
持ち寄りて老尼の庵女正月 松岡和子 201403
女正月うつらうつらの男たち 貝森光洋 六花 201403
ビンゴの窓開くたび囃す女正月 中村ふく子 201403
ふんぱつの神戸牛肉女正月 井上淳子 火星 201404
来年の逢ふ指切りを女正月 堺昌子 末黒野 201404
連れ立つて通し狂言女正月 安永圭子 風土 201404
女正月アールグレイとマカロンと 西村裕子 火星 201404
女正月肴は笑ひ茸なるか 佐藤山人 201404
女正月猫禅僧のやうにゐて 高野春子 京鹿子 201404
女正月遊覧馬車をきしませり 坂口夫佐子 火星 201404
観世能に誘はれてゐる女正月 西村操 雨月 201404
富士のぞむ高階に酌む女正月 菅野日出子 末黒野 201405
いそいそと来てそそくさと女正月 稲畑廣太郎 ホトトギス 201501
大津絵の鬼の三味線女正月 橋添やよひ 風土 201501
留守番を猫としてをり女正月 山田六甲 六花 201501
手のひらに熱燗を抱く女正月 中貞子 201503
女正月勤め帰りに娘が寄りぬ 久染康子 201503
カステラの反発力や女正月 千田百里 201503
ワイン酌み眠りこけたる女正月 塩千恵子 201503
虹色のセーターもらふ女正月 木村みどり 春燈 201503
嫁も来て女正月盛り上り 東秋茄子 京鹿子 201504
久々に机に向かふ女正月 中道愛子 201504
女正月只今手持無沙汰也 加藤みき 201504
末吉のみくじ信じて女正月 大石よし子 雨月 201504
ボルシチの湯気取り分くる女正月 服部早苗 201505
髪染めて行くとこもなし女正月 塩千恵子 201603
定番の話で果つる女正月 清部祥子 201603
女正月漢正月もありぬべし 加藤みき 201603
杖つくも歩く幸せ女正月 加藤千春 春燈 201604
生涯の仕事持たざり女正月 和田絢子 春燈 201604
お洒落してホームに急ぐ女正月 池田節 春燈 201604
女正月チーズリゾット少し焦げ 青谷小枝 やぶれ傘 201604
助け舟小さく出して女正月 奥田筆子 京鹿子 201604
誰一人欠けず集へり女正月 白水良子 201604
あづけたる夫よりメール女正月 笹村政子 六花 201604
手鞠麩の椀に華やぎ女正月 森脇貞子 雨月 201604
北斎の富士仰ぎ見る女正月 長田厚子 末黒野 201605
三猿はさておき嘻嘻と女正月 飯田久美子 末黒野 201605
海苔の色あぶれば青に女正月 山田六甲 六花 201701
女正月風呂が沸いたと風呂の言ふ 森岡正作 201703
抱負なぞありさうで無し女正月 山口ひろよ 201704
便乗の漢へべれけ女正月 中島芳郎 201704
女正月 →2      

 

2021年1月24日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。