小正月      176句

歯を病んで弟子に逢ふ日や小正月    中村吉右衛門

小正月  女正月

作品
作者
掲載誌
掲載年月
小正月湯舟に深く肩沈む
堤節子
ぐろっけ
199904
毛繕ろふ猫に手を貸す小正月
吉村玲子
船団
199907
子育ての子の深眠る小正月
朝妻力
俳句通信
200002
みづうみに向きてねむるや小正月
杉浦典子
火星
200004
早口の雀集へり小正月
平しげる
酸漿
200004
精神科異常あらずと小正月
大平保子
いろり
200102
だまし絵にだまされてゐる小正月
朝妻力
俳句通信
200102
長老の夜這ひのはなし小正月
内藤三男
ぐろっけ
200102
饒舌の板前がゐて小正月
苑田ひろまさ
200104
長居とて生きぬく技か小正月
竹内美智代
酸漿
200104
佳き酒に不揃ひの盃小正月
竹内美智代
酸漿
200104
野仏の雪払ひけり小正月
前川みどり
春耕
200104
小正月父珍しく飴舐める
皆川盤水
春耕
200202
夫の留守小豆を炊かぬ小正月
赤座典子
あを
200202
小正月仏にけふの女客
山田弘子
円虹
200203
生きるのも芸の内なり小正月
保坂加津夫
いろり
200203
本当の自分を置いて小正月
保坂加津夫
いろり
200203
小正月病めば点滴すぐ打たれ
保坂加津夫
いろり
200203
小正月誰か遊びに来ませんか
保坂加津夫
いろり
200203
亡きひとの長所は云はず小正月
大平保子
いろり
200203
小正月我が身一つを持て余し
久保田一豊
いろり
200203
我が家系女ばかりの小正月
浅井千鶴子
いろり
200203
小正月小豆ふつふつ煮へてをり
竹川美佐子
いろり
200203
小正月近頃父の優しくて
柳生千枝子
火星
200204
茶畑の端のお茶室小正月
元田千重
火星
200204
病院に笑ひの小渦小正月
徳永真弓
百鳥
200204
朱の椀の小振りもよけれ小正月
黒川悦子
円虹
200204
うつばりに鮭の骨吊る小正月
山崎羅春
春耕
200205
尻取りはきりんで終る小正月
折原烈子
帆船
200207
松の木にインコ来てゐる小正月
波田美智子
をりをりに
200208
蕎麦を打つ女二人の小正月
和田清
雲の峰
200303
点眼の雫ふくらむ小正月
横山淑子
200303
帯留の象牙細工や小正月
橋本良子
遠嶺
200304
小正月だるまを作る宿にをり
今井久良子
酸漿
200306
「浮雲」を観てすすり泣く小正月
森一枝
八千草
200307
おほどかに湖の日のあり小正月
淵脇護
河鹿
200404
政宗もかくや眼帯の小正月
沼口蓬風
河鹿
200405
女ッ気なきバーも良し小正月
舟橋千枝子
八千草
200407
留守番を任せて妻の小正月
橋本貞二
酸漿
200503
本郷の落第横丁小正月
田中忠子
帆船
200503
紅薄く引きたる妻や小正月
小池とみを
雲の峰
200503
カテキンの濃き茶を淹るる小正月
岩田敏子
雲の峰
200503
鵜匠家に客の来てゐる小正月
長村雄作
栴檀
200503
長々と電話の続く小正月
加藤君子
火星
200504
小正月阪急電車はあずき色
史あかり
ぐろっけ
200504
大楠にみくじを結ぶ小正月
小田元
六花
200504
小正月鎮守の楠の影ひとつ
小田元
六花
200504
磨かれし神鈴鳴らす小正月
小田元
六花
200504
茶を飲みて感じる甘さ小正月
坂上香菜
200504
武家門に朱欒まろべり小正月
淵脇護
河鹿
200504
紅筆や姉妹寄り合ふ小正月
富川明子
200603
鶺鴒の波飛びゆける小正月
伊藤伴子
四葩
200603
桃の香の金平糖や小正月
芝尚子
あを
200603
円描き蓋の転がる小正月
間島あきら
風土
200604
ふるさとの地鶏の味や小正月
池崎るり子
六花
200604
的を射し矢に歓声の小正月
邑橋節夫
遠嶺
200606
小正月少し派手目に紅を引く
稲畑廣太郎
ホトトギス
200701
琅玗の竹吹き撓ひ小正月
渡辺昭
200703
川底に砂もぐる魚小正月
大島翠木
200704
小正月母在すものは母を訪ひ
守屋井蛙
酸漿
200704
墨つけて笑ひころぐる小正月
田島洋子
200704
姪の来て厨に音や小正月
服部幸
200704
へなへなの蜜柑の皮や小正月
ことり
六花
200801
兜焼つつく交はり小正月
成宮紀代子
200803
小謡のもれくる路地や小正月
森ひろ
馬醉木
200804
むらくもを上弦出でし小正月
大山文子
火星
200804
夫婦とも善哉が好き小正月
高橋英子
ぐろっけ
200804
小正月髭剃りてまた二度寝せり
小林正史
200804
花豆を多目に煮をり小正月
中川悦子
酸漿
200804
小正月目処に退院期待して
松尾緑富
ホトトギス
200805
病み抜きし家族の揃ふ小正月
松尾緑富
ホトトギス
200805
ふるさとの言葉やんはり小正月
高橋宏行
遠嶺
200805
もう聴けぬ母の唱歌や小正月
柴崎甲武信
月日
200811
餡まんの紙のはがれず小正月
森戸柚斎
炎環
200903
惜しみなく月日は過ぎて小正月
加藤北天
雨月
200903
独居の友と語らふ小正月
青木陽子
酸漿
200903
親しげに紋付鳥や小正月
伊藤一枝
酸漿
200903
螺鈿の如き鰺捌きをり小正月
斉藤裕子
あを
200903
幼等の作品展や小正月
阿部文子
酸漿
200904
綾取りを子とおさらひの小正月
齋藤朋子
やぶれ傘
200905
江戸前の月のぼりけり小正月
大崎紀夫
やぶれ傘
200905
小正月集ふ句友も句敵も
稲畑廣太郎
ホトトギス
201001
小正月ビジネスマンのせかせかと
稲畑廣太郎
ホトトギス
201001
小正月東下りは過去のこと
稲畑廣太郎
ホトトギス
201001
細々と続く縁や小正月
稲畑廣太郎
ホトトギス
201001
小正月これはこれはといふ押物
大橋敦子
雨月
201003
火渡りの子供山伏小正月
阿部月山子
万象
201003
小正月帯に折りぐせ結び癖
芝尚子
あを
201003
江戸地図になき墜道や小正月
須賀敏子
あを
201003
明けやらぬ空に鳩舞ふ小正月
関根洋子
風土
201004
朝湯してくつろぐ主婦の小正月
深沢和江
ぐろっけ
201004
山の端に月細りゆく小正月
大木清美子
201004
ぜんざいの好きな植木屋小正月
中条さゆり
201005
小正月ぜんざい振舞う美容院
先山実子
ぐろっけ
201102
竹の節天に弾けて小正月
仲田眞輔
ぐろっけ
201102
お互ひをいたはる電話小正月
池田加寿子
201104
干上る飴色大根小正月
阿部文子
酸漿
201104
能の美を究む個展や小正月
村高卯
201105
友垣と集ふよろこび小正月
家塚洋子
酸漿
201105
三代の男ばかりの小正月
能美昌二郎
201106
屋根も木もどかと雪載せ小正月
野沢しの武
風土
201106
佃煮屋一軒混めり小正月 大西八洲雄 万象 201203
昇竜の絵馬の売られて小正月 渡部法子 201204
日の本の大和に拝す小正月 加藤みき 201204
小正月喪主のリボンを帯へかな 数長藤代 201204
椀種の結び三つ葉や小正月 佐藤信子 春燈 201204
小正月までにと賀状書きもせず 井田実代子 雨月 201204
生れ来る子の名を並べ小正月 井村和子 風花 201206
小正月用とて賜ばる団子花 大橋敦子 雨月 201302
ビル建ちて日輪消ゆる小正月 大橋敦子 雨月 201302
ママママとパパは泣かるる小正月 森理和 あを 201303
小正月旅友達の息災に 赤座典子 あを 201303
寡婦と主婦捏ねて叩いて小正月 和田政子 201304
楽茶碗の銘好日や小正月 間宮あや子 馬醉木 201304
ゆるゆると琴坂をゆく小正月 石脇みはる 201304
海へ来て海を拝む小正月 浜福惠 風土 201304
鍋の底焦がしてしまふ小正月 安田とし子 ぐろっけ 201304
燭台に古色の灯る小正月 中村阪子 万象 201305
七人の敵を集める小正月 秋田直己 ぐろっけ 201305
干し魚の煮凝り透ける小正月 田中一美 ろんど 201305
果てし無き健康談義小正月 西川みほ 末黒野 201305
小正月姫に漆のたばこ盆 山田六甲 六花 201402
小正月一菜ふやす赤ワイン 長崎桂子 あを 201403
小正月には新調の背広着て 稲畑廣太郎 ホトトギス 201501
小正月水面緩んで来りけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201501
小正月名刺をそつと差し出して 稲畑廣太郎 ホトトギス 201501
小正月とは裏口の賑はへり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201501
ひと片食ぬいてすがしき小正月 竹内弘子 あを 201402
整体の指の温さや小正月 田村初枝 春燈 201403
よく笑ふ嬰のゑくぼや小正月 荒井書子 馬醉木 201404
馬居らぬうま屋広々小正月 中山純子 万象 201404
投函口元に戻りぬ小正月 上月智子 末黒野 201405
厨にも香焚きこめし小正月 村田岳洋 ろんど 201405
父よりの備前の一刀小正月 竹下陶子 ホトトギス 201407
恋人を紹介したる小正月 稲畑廣太郎 ホトトギス 201501
小正月水面緩んで来りけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201501
小正月名刺をそつと差し出して 稲畑廣太郎 ホトトギス 201501
小正月とは裏口の賑はへり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201501
小正月には新調の背広着て 稲畑廣太郎 ホトトギス 201501
調べよき雨音かすか小正月 来海雅子 201504
小正月祖父の句を読む蔵の中 島玲子 風土 201504
老いどちの昔ばなしや小正月 折橋綾子 201504
小正月残り野菜の五目汁 岡山敦子 京鹿子 201505
江戸小紋老いて着こなす小正月 藤岡紫水 京鹿子 201604
丸顔の祖母似の孫や小正月 堺昌子 末黒野 201604
小正月夫の卒寿を娘らと祝ぎ 久保晴子 雨月 201604
棟梁と多勢祓はる小正月 奈辺慶子 雨月 201604
リモコンの電池取り替ふ小正月 平野みち代 201604
小正月厨時間に戻り来る 岡山敦子 京鹿子 201605
過ぎし今日すでに昔や小正月 今井千鶴子 ホトトギス 201606
築地にて寿司を楽しむ小正月 松村光典 やぶれ傘 201606
小正月町に溢れてをりにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201701
冨士浅間神社小正月の騒き 稲畑廣太郎 ホトトギス 201701
マニキュアの妻は怪物小正月 足立良雄 201704
小正月至福の時の厨かな 呉秀文 春燈 201704
うす紅のお下がりいただく小正月 廣瀬克子 春燈 201704
ほろ酔ひの夫が正面小正月 曽根富久恵 201705
美しき手毬麩椀に小正月 多田ユリ子 201804
トランプの子に負けゐたる小正月 上林富子 やぶれ傘 201804
小正月骨正月とものがたき 後藤比奈夫 ホトトギス 201805
この町に銀座ありけり小正月 岡野里子 末黒野 201805
人の喪を小正月には忘れをり 秋川泉 あを 201903
明晰な竹馬の友と小正月 田尻勝子 六花 201905
火渡りの十歩息災小正月 徳井節子 馬醉木 202004
小正月過ぎ上棟の男声 児玉充代 202007
小正月走り出したる都心かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 202101
ほくほくと小豆の煮えて小正月 浜福惠 風土 202104
大道芸話術も芸や小正月 長尾タイ 末黒野 202104
幼き頃住みし里山小正月 大山夏子 202105
鯉濃の大鍋届く小正月 三井所美智子 202107
南の島より津波の来る小正月 赤座典子 あを 202203
小正月衣桁に母の絵羽模様 北村操 202204
村の子に夜を遊べる小正月 土井三乙 風土 202204
すれ違う人みなやさし小正月 大山夏子 202206
カレー店へ女三人小正月 小巻若葉 やぶれ傘 202206
小正月まづ糠床を整へて 福田水明 春燈 202304
皿洗ひの好きな夫ゐて小正月 今村千年 末黒野 202305
改めて今年は如何に小正月 増田裕司 やぶれ傘 202306

 

2024年1月17日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。