のうぜん  87句

見し夢の数ほど落ちてのうぜん花   石田勝彦   秋興

凌霄  凌霄花  のうぜん

作品
作者
掲載誌
掲載年月
滝のある字や戸毎にのうぜん花 宮津昭彦 199810
のうぜんの駆けのぼりたるまま昏れて 深澤鱶 火星 199911
のうぜんに手触れたき子に肩車 田中藤穂 水瓶座 200002
のうぜん咲く先ののうぜん青莟 市場基巳 200009
のうぜんの蔓のはみ出づ垣のひま 大堀鶴侶 雨月 200011
燃え登るのうぜんかづら日に透ける 荻原廣 200011
のうぜんの揺れの優柔不断かな 佐藤博美 200012
鯉の上のうぜんの影ゆらゆらと 中村祐子 200012
バレリーナの足裏の汚れのうぜん花 芹沢愛子 海程 200012
のうぜんの影を失ふ高さかな 佐藤博美 200108
のうぜんがのうぜん零す奥但馬 山尾玉藻 火星 200109
のうぜんの風にあかるき教会堂 竪ヤヱ子 俳句通信 200109
のうぜんの散り際が好き彼も逝く 堀内一郎 あを 200109
川に散るのうぜん見入る夕ベかな 山村桂子 遠嶺 200110
のうぜんの花を頂より数ふ 宮津昭彦 200110
花尽きてのうぜん妖気払ひけり 木原清彦 百鳥 200111
きのふより宙にとどきしのうぜん花 城孝子 火星 200111
月光に触れしのうぜん揺れゐたり 城孝子 火星 200112
のうぜんの窓に顔出すインド人 浜麻衣子 六花 200112
のうぜんのむすんでひらいて子沢山 荒川美邦 京鹿子 200201
のうぜんを気ままに咲かせ人は死ぬ 和田悟朗 船団 200202
のうぜん花袋小路に咲き垂るる 伊藤京子 200209
早立ちの雲にのうぜんかづらかな 松原仲子 200210
のうぜん花咲ききはまりて忌は近し 醍醐季世女 200210
のうぜん花咲き満ちてなお天を向く 小野れい子 六花 200211
浜風に揺れるのうぜん母校勝つ 山崎辰見 ぐろっけ 200211
のうぜんや「戦中戦後女性展」 田中美智代 200302
のうぜんの明日へ雲を払ひけり 豊田都峰 京鹿子 200309
大木を借りてのうぜんかづらかな 中谷喜美子 六花 200310
のうぜんや家郷捨てたる覚えなし 風間史子 200310
のうぜんの高ゆらぎして涯まで晴れ 豊田都峰 京鹿子 200310
のうぜんの花早引けの子がひとり 小林呼渓 200408
葺き終へし瓦の数やのうぜん花 飛山ますみ 遠嶺 200410
のうぜんの花満開の外泊日 日比野和子 栴檀 200410
のうぜん花手練手管はまねられず 今井飛佐 草の花 200410
のうぜんや被爆語らず逝きし母 小島和子 百鳥 200411
のうぜんの昼を母来る杖の音 師岡洋子 ぐろっけ 200511
のうぜんや一匙の毒身より抜け 伊藤希眸 京鹿子 200511
のうぜんの燃えたばしるや古簾 瀧春一 常念 200606
さぐり弾くピアノのうぜんかづらかな 城戸愛子 酸漿 200709
電柱が咲いてのうぜんかづらかな 戸栗末廣 火星 200710
のうぜんの朱色はたはた落つる朝 大畠政子 雨月 200802
のうぜんの家留守にしてもう月余 伊藤白潮 200808
のうぜんがついと顔出す暁の闇 林翔 200809
逍遙も荷風も通りのうぜん花 堀内一郎 あを 200809
五時間目の保健室混むのうぜん花 北川英子 200810
のうぜんや上人像の太き指 木村佳寿江 炎環 200810
てつぺんに咲きのうぜんとなつてくる 青山丈 200810
のうぜんの揺れ止む刻の不安感 笠井敦子 200811
のうぜんや粥噴きこぼす夕厨 神蔵器 風土 200908
のうぜんの花にまどひて友の家 柴田靖子 200909
のうぜんやアルピニストの追悼展 成田美代 200910
のうぜんの愛憎まんだら白壁に 延広禎一 200911
日を抱きのうぜんの花笑む如し 東芳子 酸奬 201010
屋根までものうぜんかづら上り咲き 渋沢武子 酸奬 201010
褻の日々やのうぜんかづら散りにける 生方義紹 春燈 201011
のうぜんや鳩の赤足ひたひたゆく 堀内一郎 あを 201108
のうぜんのどこか異国の吹かれやう 笠置早苗 火星 201110
のうぜんの花にかがみて話せしこと 中山純子 万象 201110
のうぜんに触れなば遊びではすまぬ 安居正浩 201112
のうぜんの残暑に伸びる蔓の先 辻紅葉 かさね 201201
のうぜんの高み競へり飾り山笠(やま) 荒井千瑳子 201210
のうぜん花樋をあふるゝ通り雨 佐藤喜孝 あを 201212
湿りゐし寄贈の蔵書のうぜん花 垣岡瑛子 火星 201310
のうぜん花中也を想ふ寺の縁 塩田博久 風土 201311
雨の日の開いてゐる窓のうぜん花 佐藤喜孝 あを 201408
石畳の難波寺町のうぜん花 坂根宏子 201409
のうぜんに触れて司祭の車出づ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201507
のうぜんや思ひ潜ませ語りつぐ 柴田靖子 201509
のうぜんや海女の戸口の華やげる 島田万紀子 馬醉木 201510
のうぜんの溢れる門扉閉ぢしまま 池田光子 201511
のうぜんの花咲く米国領事館 吉永すみれ 風土 201511
のうぜんは登りつめねばならぬ花 本間羊山 風土 201610
のうぜん花かなたに吉野川曲がる 上辻蒼人 風土 201610
通りすぐる夕風のうぜんかづら散る 栗山恵子 雨月 201610
のうぜん咲く揉み合ふやうに叫ぶかに 加藤峰子 201610
のうぜんの隣の庭へばかり落つ 山田六甲 六花 201708
色添ふるのうぜんかづら土佐の宿 加藤北天 雨月 201708
のうぜんのくわつと河童忌の真昼 南うみを 風土 201710
のうぜんの咲き継ぎ空の上機嫌 飛高隆夫 万象 201710
のうぜんの映えて自粛の路地住ひ 成宮紀代子 202010
友逝きてのうぜん宙をよぢのぼる 浅田光代 風土 202010
のうぜんの映えて自粛の路地住ひ 成宮紀代子 202101
帰心まだありてのうぜん咲きのぼる 浅田光代 風土 202110
のうぜん花垣に夕映え絡め燃ゆ 峰崎成規 202210
のうぜんの落花狼籍庄屋跡 高村令子 風土 202210
のうぜんや篠つく雨の権太坂 岡野里子 末黒野 202211

 

2023年8月2日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。