海 苔 2    102句
作品
作者
掲載誌
掲載年月
海苔粗朶に寒々とした空なりき 犬塚芳子 200602
よく乾く海苔干場とて人入れず 稲畑汀子 ホトトギス 200603
海苔ひびの光幾何学模様かな 大海いつ子 百鳥 200603
どんど焼き見てきし靴に海苔の屑 戸栗末廣 火星 200604
海苔舟の沖の雪つけ戻りけり 冨田みのる 200604
海女ひとりしぶく礁の海苔を掻く 三反田輝夫 河鹿 200605
岩海苔をほほばりすぎて噎せにけり 渡辺美知子 200605
海苔粗朶を離れ小艇まつしぐら 大串章 百鳥 200605
海苔掻女背を向けしまま波に退く 酒井忠正 百鳥 200605
島人の海苔かき戻る一握り 鮫島禮子 河鹿 200607
海苔篊のくはしく見えて着地前 宮津昭彦 200701
太陽のこちら向きなり海苔干場 鷹羽狩行 200703
二歩三歩岩海苔採女浪を避く 浅井青二 雨月 200704
浪の間に海苔掻く海女の皆無言 泉田秋硯 200705
暁紅や海苔粗朶黒きアラベスク 佐々木新 春燈 200705
海苔掻き女擋網より海を滴らし 佐々木新 春燈 200705
海苔粗朶を通りし波に力出る 百瀬七生子 海光 200705
頭巾着て海苔の下見の女達 丸田安子 酸漿 200707
いでたちも揃ひて海苔の解禁日 丸田安子 酸漿 200707
採りたての岩海苔匂ふ笊の数 丸田安子 酸漿 200707
品川宿海苔屋に西日溢るほど 岡田章子 ぐろっけ 200712
法螺貝に盛られし川海苔青黒し 幡谷哲子 200801
揺藍のごとく海苔網揺らす波 高崎武義 200802
岩海苔を干す燈台の登り口 阿部すず枝 万象 200804
岩海苔と並べ干しある磯草履 阿部すず枝 万象 200804
海苔乾く音は日の音浦日和 藤岡紫水 京鹿子 200804
春濤の無限抱擁海苔を掻く 神蔵器 風土 200805
海苔掻女掌に載せくるる香りかな 落合絹代 風土 200805
海苔採の波やひかりを渚まで 佐藤いね子 馬醉木 200805
海苔掻女厳顔拝み手を合はす 足立武久 酸漿 200805
夜明け待ち兼ねて海苔舟出してをり 松尾緑富 ホトトギス 200806
漸くに海苔採適ふ磯日和 松尾緑富 ホトトギス 200806
海苔採のおくれおくれの海明けて 松尾緑富 ホトトギス 200806
収穫の海苔を分け合ふ浜言葉 赤堀洋子 万象 200806
海苔篊の油を流す人無口 川合まさお ぐろっけ 200806
海苔掻の渡る小島に木の鳥居 大山文子 火星 200806
海苔あをく焙り師の忌の来りけり 柴崎英子 絹の波 200806
干してゐて明日も海苔を採ると言ふ 嶋田一歩 ホトトギス 200807
海苔干場できし広さに子等遊ぶ 嶋田一歩 ホトトギス 200807
海苔笹挿す海も平らに暮れゆけり 高田令子 200901
海苔粗朶に東京湾の甦る 稲畑廣太郎 ホトトギス 200902
海苔掻の背中が見えてより礁 稲畑廣太郎 ホトトギス 200902
海苔篊の機材積み込む声高し 川合まさお ぐろっけ 200902
運悪しや海苔掻きに雨激しうて 山田六甲 六花 200903
海苔掻きの鼻水腕で拭ひけり 山田六甲 六花 200903
海苔掻女うなづくのみの赤ら顔 ことり 六花 200903
漆黒の艶なつかしき大師海苔 布川直幸 200904
岩海苔の大笊かかへ荒磯みち 中石紀美代 火星 200904
亡き父と岩海苔買ひし下田港 末吉治子 春燈 200905
岩海苔を採る新らしき草履履き 坂口三保子 ぐろっけ 200906
真鰺焼き海苔焼く朝の厨かな 平照子 酸漿 200909
上顎を離れぬ海苔やひとり者 淺場英彦 万象 200910
青竹の海苔篊として全うす 渡部節郎 転舵の渦 200911
いささかの岩海苔掻けり島暮し 田下宮子 201003
引潮の岩場に海苔を掻く媼 田下宮子 201003
海苔舟の傾きしまま接岸す 鈴木良戈 201004
ぼた海苔を焙れば能登の潮の香 谷渡末枝 万象 201005
引潮の岩場に採りぬ流れ海苔 小山ミツ子 末黒野 201005
海苔粗朶に夜は不知火を焚きまする 泉田秋硯 201006
海苔刈の舟海苔網をくぐりけり 垣岡暎子 火星 201006
海苔掻の腰浮かしては波を遣り 根橋宏次 やぶれ傘 201007
突堤にさっと広げし拾い海苔 野沢光代 ぐろっけ 201008
海彦に一番海苔の艶供ふ 藤岡紫水 京鹿子 201102
日本海まなじりに入れ海苔を掻く 山田六甲 六花 201102
岩海苔の香りほのかや波の音 宇治重郎 201104
海苔篊に小波寄する夕明り 堀井英子 雨月 201105
しらぬひの海の藍さに海苔育つ 松田明子 201106
海苔篊や小舟の分つ潮の色 片岡さか江 末黒野句集 201203
海苔粗朶の浜辺に乾くちぎれ海苔 宮内とし子 201205
すてん晴海苔簀に海苔の乾く音 佐々木よし子 201205
海苔あぶる瞬の炎の色のりの彩 渡部節郎 201206
湾明くる潮目に海苔の育ちけり 岡澤田鶴 201206
干海苔のつぶやく声す漁師町 酒井秀郎 返り花 201211
上げ潮を連れて海苔舟帰り来る 町山公孝 201301
海苔を掻く疎開のままに縁付きて 品川鈴子 ぐろっけ 201302
海苔舟の旋回をして粗朶に着く 山田六甲 六花 201302
海苔篊の市松模様西淡路 三輪慶子 ぐろっけ 201304
触れの出て幅海苔を掻く夜の磯 鈴木千恵子 万象 201304
一湾に灯を散りばめて海苔を摘む 鈴木千恵子 万象 201304
夜明けまで海苔掻く灯し動きけり 鈴木千恵子 万象 201304
幅海苔をかるく焙つて食べよとぞ 鈴木千恵子 万象 201304
海苔小屋にゴム長靴の逆さ吊り 柴田志津子 201304
潮引きて海苔掻きおうな火をはなれ 佐藤喜仙 かさね 201305
海苔篊や湾の陽光うたひ出す 森田節子 風土 201305
海苔干場夕べの風の鳴りにけり 鈴木良戈 201305
海苔篊に夕さざ波のたちにけり 鈴木良戈 201305
海苔舟の出揃つてゐる有明海 田優 201305
海苔鍋と云ふもてなしの島泊り 池田かよ ぐろっけ 201307
新海苔の香りをさつと火にあぶる 稲畑汀子 ホトトギス 201311
新海苔として歯応へのありにけり 稲畑汀子 ホトトギス 201311
新海苔を買ひて香りを嗅ぐ仕ぐさ 瀧春一 花石榴 201312
四つ切りの日差を並べ海苔干場 小田司 馬醉木 201403
真鶴の干潮海苔を掻いてみる 須賀敏子 あを 201404
海苔粗朶へ梳き込む波のたぢろがず 落合晃 201404
一枚の寒海苔干せり舟屋口 林八重子 馬醉木 201404
海苔の香の残る揚げ舟朧濃し 石田厚子 馬醉木 201405
海苔篊を遠目に舵を渡し船 庵原敏典 末黒野 201407
不揃ひの海苔の切り口朝餉かな 上村葉子 風土 201407
海苔焼いて母の一日始まれり 小林朱夏 201408
新海苔を炙れば子等の起きて来し 稲畑廣太郎 ホトトギス 201411
一枚の新海苔旅をかがやかす 稲畑汀子 ホトトギス 201411
海苔舟の人影定かになりにけり 鎌田光恵 201405
海苔 →3      

2021年2月9日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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