海 苔 1    93句

海士の子や夜は揃ふる海苔の幅   路通

海苔  新海苔  岩海苔

作品
作者
掲載誌
掲載年月
男気のはみ出してみる海苔むすび 能城檀 船団 199811
海苔篊にあるなしの波機影過ぎ 村上光子 馬醉木 199903
海苔粗朶に波遣らぬやう凪走り 能村研三 199903
アドリアの碧には海苔の世界地図 品川鈴子 ぐろっけ 199903
灸られて海苔金色に老いはよし 佐々木峻 ヒッポ千番地 199905
怒涛の間移り跳びして海苔を掻く 和田照海 京鹿子 199906
波止日和かるた並べに海苔干して 中村翠湖 馬醉木 200003
男鹿日和女総出で岩海苔掻く 佐々木ミツエ 200004
元寇の海海苔粗朶が林なす 永野秀峰 ぐろっけ 200004
海苔掻きて沖見る海女の眼の燃ゆる 片田千鶴 馬醉木 200005
元寇の海海苔粗朶が林立す 永野秀峰 ぐろっけ 200006
海苔掻女次にくる波知つてをり 長沼紫紅 200008
ひるがほや海苔どき過ぎし粗朶積まれ 新井田操 酸漿 200009
口蓋にくつつけながら海苔を食む 稲畑廣太郎 ホトトギス 200102
海苔干すやこれより活気戻る村 稲畑廣太郎 ホトトギス 200102
口許の黒々と子の海苔を食む 稲畑廣太郎 ホトトギス 200102
岩海苔干す岬に祠らる浅間社 堀すみ恵 200105
海苔掻きし腰を叩きつ伸びをする 足利徹 ぐろっけ 200105
海苔篊の四角に波の四角かな 岩垣子鹿 ホトトギス 200107
海苔食むや有明の人思はるる 桑原敏枝 いろり 200107
海苔篊をよすがに誓子詠みし海 宮津昭彦 200112
褐色に入江濁れり海苔漁期 桜井菜緒 200202
海苔篊の尖を見尽す舟の底 鈴鹿仁 京鹿子 200202
海苔掻女夕日の重さ冠りゐる 宇都宮滴水 京鹿子 200202
年頃のおなじか海苔を掻くひとと 山仲英子 200203
岩海苔採り爺も来てゐて賑はへり 佐々木ミツヱ 200204
あめつちのおのれを盾に海苔を掻く 豊田都峰 京鹿子 200204
傾ぐほど桶を引きずる海苔掻女 山城やえ 春耕 200204
海苔掻きの小さき袋の滴れり 加瀬美代子 200204
海苔掻の音の聞こゆるまで近づく 櫻井多恵 200204
海苔竹を足し蜑が家の垣手入れ 宮川杵名男 春耕 200205
浜風や海苔干す海女の指の荒れ 岩永節子 春耕 200205
海苔舟の競ひ合ふとも見えぬかな 三村純也 ホトトギス 200206
海苔買うて人なつかしや島港 沼田巴字 京鹿子 200206
岩海苔を摘むに指間をつるりと抜け 渡辺美知子 200206
暁に海苔掻く声の其処かしこ 大竹節二 春耕 200206
腰深く折りて水踏む海苔掻女 木内憲子 200206
さざ波に囲はれてゐる海苔掻女 前田陶代子 200206
この浜に海苔粗朶立ちし頃知るや 松尾緑富 ホトトギス 200208
海苔干場昔はありし浜なりし 松尾緑富 ホトトギス 200208
海苔を干すアメリカ領事住みし庭 稲畑廣太郎 ホトトギス 200302
海苔舟を待つ碧眼の嫁御かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200302
岩を抱き己が影抱き海苔掻女 長井順子 200302
海苔採りも課外授業や岬の子 長井順子 200302
築港に海苔の岩場の死に果てし 橋本一水 円虹 200304
海苔を干す水平線のまろさかな 浜福恵 風土 200304
海苔粗朶に鋤かれるごとく夕の波 堺紀美子 雲の峰 200304
海苔篊に揉みあふ波や百合鴎 木下玉葉子 酸漿 200304
笊に洗ふとれしばかりの海苔みどり 山戸暁子 円虹 200305
海苔掻女我が釣る岩を掻きゆけり 酒井康正 百鳥 200305
引潮を待ちて荒磯の海苔を掻く 泰江安仁 百鳥 200305
海峡の巨船の狭間海苔を摘む 小川寿照 ぐろっけ 200305
焼海苔を二四が八つに四人分 左官治郎 200306
休み海女五番萌てふ海苔を掻く 西山美枝子 酸漿 200306
海苔掻女三々五々と礁に散る 高橋峰村 200306
海苔粗朶を抜きて拡がる伊勢の海 坂口三保子 ぐろっけ 200306
用済みの海苔粗朶積みて浜で焼く 坂口三保子 ぐろっけ 200306
海苔粗朶の黒の艶増す燧灘 武司琴子 ぐろっけ 200306
波畳み海苔篊挿せる潮入湖 能村研三 200311
冬ざれや舟より挿せる海苔の篊 吉田康子 火星 200401
海苔舟の戻る一家に刻いくさ 斉藤静枝 あを 200402
波引けるひまに岩海苔掻く岩場 長谷川史郊 馬醉木 200404
夕日中浦は静かに海苔育て 石川敬子 対岸 200404
潮引いて海苔網一気に緊張す 石川敬子 対岸 200404
海苔巻きは指二本もて山笑ふ 大橋敦子 雨月 200405
海苔掻女の荒声とぶや暁の浜 片山喜久子 雨月 200405
岩海苔掻き縄にてくくる雨合羽 佐々木ミツヱ 200405
岩海苔掻きみな鳥海山ちょうかいへ尻向けて 佐々木ミツヱ 200405
忌の明けて舌のうへなる海苔一枚 淵脇護 河鹿 200405
一湾の波の揺り籠海苔日和 中村龍徳 200405
海苔の海海苔舟の他許すなし 立石萌木 雨月 200406
父母恋しはば海苔を手に揉み砕き 伊藤白潮 200502
白波の抱擁解くや海苔を掻く 神蔵器 風土 200504
海苔あぶる父の職人気質かな 代田青鳥 風土 200505
小波に影も揺れゐる海苔小舟 代田青鳥 風土 200505
酒好きの男ふんはり海苔あぶる 出口一点 百鳥 200505
生海苔の黒混沌と舟の底 堀井英子 雨月 200505
海水を真水をざざと海苔洗ふ 堀井英子 雨月 200505
海苔育つ沖タンカーの進み行く 堀井英子 雨月 200505
共に来て離ればなれに海苔を掻く 松本恒子 ぐろっけ 200505
夕づつや一灯残る海苔漉場 有島夛美 河鹿 200506
船笛に海苔掻く海女は背を伸す 柴野静 200506
海苔粗朶の向ふに機影新空港 楯野正雄 200506
海苔舟のふたりの影の浮いてきし 杉浦典子 火星 200506
次々と帰る海苔舟洗ひをり 景山まり子 百鳥 200506
海苔採の顔に干乾ぶ海苔の屑 土川照恵 栴檀 200506
海苔篊に来てひとこゑの大鴉 淵脇護 河鹿 200507
海苔掻女いちにち海を見ることなし 立石萌木 雨月 200508
海苔をあぶりてめりはりのなき暮し 木場田秀俊 200509
一握りにもまだ足らず海苔の桶 渡部志津子 200512
海苔篊を挿す点景の人となり 宮津昭彦 200601
海苔舟の四十五度といふ手練 稲畑廣太郎 ホトトギス 200602
海苔粗朶を頭上に飛機の離陸せり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200602
海苔 →2      

2021年2月6日 作成

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