岩海苔 (海苔掻き)    79句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
怒涛の間移り跳びして海苔を掻く 和田照海 京鹿子 199906
男鹿日和女総出で岩海苔掻く 佐々木ミツエ 200004
海苔掻きて沖見る海女の眼の燃ゆる 片田千鶴 馬醉木 200005
海苔掻女次にくる波知つてをり 長沼紫紅 200008
岩海苔干す岬に祠らる浅間社 堀すみ恵 200105
海苔掻きし腰を叩きつ伸びをする 足利徹 ぐろっけ 200105
海苔掻女夕日の重さ冠りゐる 宇都宮滴水 京鹿子 200202
年頃のおなじか海苔を掻くひとと 山仲英子 200203
傾ぐほど桶を引きずる海苔掻女 山城やえ 春耕 200204
海苔掻きの小さき袋の滴れり 加瀬美代子 200204
岩海苔採り爺も来てゐて賑はへり 佐々木ミツヱ 200204
海苔掻の音の聞こゆるまで近づく 櫻井多恵 200204
あめつちのおのれを盾に海苔を掻く 豊田都峰 京鹿子 200204
暁に海苔掻く声の其処かしこ 大竹節二 春耕 200206
岩海苔を摘むに指間をつるりと抜け 渡辺美知子 200206
さざ波に囲はれてゐる海苔掻女 前田陶代子 200206
腰深く折りて水踏む海苔掻女 木内憲子 200206
岩を抱き己が影抱き海苔掻女 長井順子 200302
海苔掻女我が釣る岩を掻きゆけり 酒井康正 百鳥 200305
引潮を待ちて荒磯の海苔を掻く 泰江安仁 百鳥 200305
海苔掻女三々五々と礁に散る 高橋峰村 200306
休み海女五番萌てふ海苔を掻く 西山美枝子 酸漿 200306
波引けるひまに岩海苔掻く岩場 長谷川史郊 馬醉木 200404
海苔掻女の荒声とぶや暁の浜 片山喜久子 雨月 200405
岩海苔掻き縄にてくくる雨合羽 佐々木ミツヱ 200405
岩海苔掻きみな鳥海山ちょうかいへ尻向けて 佐々木ミツヱ 200405
白波の抱擁解くや海苔を掻く 神蔵器 風土 200504
共に来て離ればなれに海苔を掻く 松本恒子 ぐろっけ 200505
船笛に海苔掻く海女は背を伸す 柴野静 200506
海苔掻女いちにち海を見ることなし 立石萌木 雨月 200508
岩海苔をほほばりすぎて噎せにけり 渡辺美知子 200605
海苔掻女背を向けしまま波に退く 酒井忠正 百鳥 200605
海女ひとりしぶく礁の海苔を掻く 三反田輝夫 河鹿 200605
二歩三歩岩海苔採女浪を避く 浅井青二 雨月 200704
浪の間に海苔掻く海女の皆無言 泉田秋硯 200705
海苔掻き女攩網より海を滴らし 佐々木新 春燈 200705
採りたての岩海苔匂ふ笊の数 丸田安子 酸漿 200707
岩海苔を干す燈台の登り口 阿部すず枝 万象 200804
岩海苔と並べ干しある磯草履 阿部すず枝 万象 200804
春濤の無限抱擁海苔を掻く 神蔵器 風土 200805
海苔掻女掌に載せくるる香りかな 落合絹代 風土 200805
海苔掻女厳顔拝み手を合はす 足立武久 酸漿 200805
海苔掻の渡る小島に木の鳥居 大山文子 火星 200806
海苔掻の背中が見えてより礁 稲畑廣太郎 ホトトギス 200902
海苔掻女うなづくのみの赤ら顔 ことり 六花 200903
海苔掻きの鼻水腕で拭ひけり 山田六甲 六花 200903
運悪しや海苔掻きに雨激しうて 山田六甲 六花 200903
岩海苔の大笊かかへ荒磯みち 中石紀美代 火星 200904
亡き父と岩海苔買ひし下田港 末吉治子 春燈 200905
岩海苔を採る新らしき草履履き 坂口三保子 ぐろっけ 200906
いささかの岩海苔掻けり島暮し 田下宮子 201003
引潮の岩場に海苔を掻く媼 田下宮子 201003
海苔掻の腰浮かしては波を遣り 根橋宏次 やぶれ傘 201007
日本海まなじりに入れ海苔を掻く 山田六甲 六花 201102
岩海苔の香りほのかや波の音 宇治重郎 201104
寒海苔を掻くは媼の楽しみぞ 菅原孟 かさね 201211
海苔を掻く疎開のままに縁付きて 品川鈴子 ぐろっけ 201302
触れの出て幅海苔を掻く夜の磯 鈴木千恵子 万象 201304
夜明けまで海苔掻く灯し動きけり 鈴木千恵子 万象 201304
潮引きて海苔掻きおうな火をはなれ 佐藤喜仙 かさね 201305
青海苔掻く四万十日和の女子衆 妹尾貞雪 春燈 201405
磯釣と岩をたがへて海苔を掻く 今橋眞理子 ホトトギス 201605
岩越えの波の育てし海苔を掻く 南光翠峰 馬醉木 201605
海苔掻きや光の中に人動く 中村洋子 風土 201705
塩汁に岩海苔さっとくぐらせて 中川句寿夫 ここのもん 201705
海苔掻の背に海が鳴る風が鳴る 湖東紀子 ホトトギス 201707
引き腰は波の備へと海苔掻女 岡村清美 馬醉木 201712
海苔掻や阿吽の呼吸爺と婆 稲畑廣太郎 ホトトギス 201802
海苔掻くや東京湾を持ち上げて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201802
海苔掻いて地球の叫び聞いてをり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201802
遭難碑しぶく辺りよ岩海苔掻く 内山花葉 201805
十戸の字少子長寿や海苔を掻く 小林のり人 春燈 201906
有明の朝日傾け海苔を掻く 稲畑廣太郎 ホトトギス 202002
海苔掻いて波より高き女声 山田佳乃 ホトトギス 202107
海苔を掻く海女や波間をはかりつつ 斉藤マキ子 末黒野 202108
海苔を掻くアクアラインを揺らしつつ 稲畑廣太郎 ホトトギス 202202
海苔を掻く東京湾の風を読み 稲畑廣太郎 ホトトギス 202202
有明の波の囁き海苔を掻く 稲畑廣太郎 ホトトギス 202202
房総に富士近づけて海苔を掻く 稲畑廣太郎 ホトトギス 202203

 

2023年2月18日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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