残り鴨 2    93句

春の鴨  残り鴨  引鴨  鴨帰る

作品
作者
掲載誌
掲載年月
神苑にそぼ降る雨や残り鴨 和田郁子 201406
近江路の旅の終りや残る鴨 小島昭夫 春燈 201406
町なかの川へ残れる鴨静か 市川伊團次 六花 201407
残り鴨湖の真中に影落とし 樋口みのぶ 201407
残る鴨顔川中へ隠しをり 市川伊團次 六花 201407
残り鴨羽摶つおのれを煌めかし 山本雅子 馬醉木 201407
残る鴨おまえも好きかこの川を 市川伊團次 六花 201407
万葉の溶け込む沼や残り鴨 伊藤希眸 京鹿子 201409
対岸の人も見てゐる残り鴨 根橋宏次 やぶれ傘 201505
泉水の点描に散る残り鴨 神田恵琳 春燈 201506
夕映にまぎれこんだる残り鴨 松田泰子 末黒野 201506
残る鴨水田に遊ぶ夕日中 米尾芳子 馬醉木 201507
さざ波の末広がりや残る鴨 森清信子 末黒野 201507
将軍の鴨場に睦む残り鴨 山田春生 万象 201507
水脈引くや沼の番の残り鴨 吉田きみえ 末黒野 201508
餌を競ふ鯉に怖けて残り鴨 西川みほ 末黒野 201508
残る鴨ばつ悪さうに寄つて来し 稲畑廣太郎 ホトトギス 201603
神の池一羽に馴れし残り鴨 田中藤穂 201603
残る鴨水の輪ゆつくり広げたる 中島昌子 201605
残る鴨のつぴきならぬ恋をして 中島芳郎 201605
五羽残る鴨に子細は聞かず置く 坂本徹 201605
用水の堰に番の残り鴨 廣瀬雅男 やぶれ傘 201605
誰もゐぬ河原湯ほとり残る鴨 宮原悦子 雨月 201606
残り鴨湖の広さを楽しめり 笹村政子 六花 201606
残り鴨背中吹かれてをりにけり 井上春子 春燈 201606
鶴翼の要を偲ぶ残る鴨 鈴木鳳来 春燈 201606
城跡の濠の片隅残る鴨 谷村祐治 雨月 201606
常識にこだはらないで残る鴨 高橋将夫 201606
くわんおんの膝下に残る鴨の数 長容川閑乙 馬醉木 201606
淋しさとあんどの時を残る鴨 柴田靖子 201607
この場末お気に入りらし残る鴨 山崎靖子 201607
小流れの水を増やして残り鴨 山本久江 201607
残照の湖に水尾引く残り鴨 吉田順子 201607
残り鴨いささか燥ぎ過ぎないか 角野良生 201610
残る鴨池の広さの余りある 前田美恵子 201704
笹越しに見し隠沼の残り鴨 山田六甲 六花 201704
作業着のパン屑貰ふ残り鴨 赤松赤彦 六花 201706
隠沼の水脈の二筋残る鴨 森清堯 末黒野 201706
残る鴨別れゆく鴨湖平ら 塩貝朱千 京鹿子 201706
鴨残る日暮の湖に片寄りて 谷村祐治 雨月 201706
ホスピスの池に残りし番鴨 金森教子 雨月 201707
着水のしぶき煌めき残り鴨 森清信子 末黒野 201707
人麻呂の話うやむや残る鴨 内海良太 万象 201708
残り鴨平行線の水脈を引き 西村白杼 京鹿子 201801
残鴨菖蒲の芽より飛び出しぬ 山田六甲 六花 201805
榛の木を水面に映し残り鴨 能村研三 201805
生き方のいまだ不器用残り鴨 柴崎英子 201805
円陣を組むには足りず残り鴨 前田美恵子 201805
引潮の波に逆らひ残る鴨 森清堯 末黒野 201806
存分に水脈を広ぐや残る鴨 神谷さうぴ 末黒野 201806
いずれひとり煙雨の池に残る鴨 衣斐ちづ子 201807
鯉は背をゆつたり浮かべ残り鴨 石井秀一 風土 201807
汐入りの離宮の池の残り鴨 大島寛治 雨月 201902
渡し場の嵩増す水や残る鴨 滋野暁 末黒野 201904
残り鴨大きく羽根を使ひけり 笹村政子 六花 201905
はばたきや孤影まぎらす残り鴨 村田あを衣 京鹿子 201905
残る鴨家鴨と伍して歩きをり 園部蕗郷 春燈 201906
庭園の鴨の番の残るかな 大橋晄 雨月 201907
溜池の岸辺に浮いて残り鴨 伊藤更正 やぶれ傘 201908
籠沼の隅をひろびろ残鴨 山田六甲 六花 202003
残り鴨尾をたて唐土はるかにす 山田六甲 六花 202004
何とかなると神名備に残る鴨 近藤喜子 202005
残り鴨こゑを尽して羽搏ちけり 小倉征子 202006
残る鴨己がもとめし居場所なる 柴田靖子 202007
夕映えにひろごる水輪残り鴨 吉田順子 202007
残りたる鴨の一羽の浮きしづむ 藤生不二男 六花 202007
たぷたぷと波寄する湖残る鴨 森清信子 末黒野 202007
残り鴨寄り合ふ八十八夜かな 浜福惠 風土 202007
臆病かふてぶてしきか残る鴨 曽根富久恵 202010
蹼に利き足ありぬ残り鴨 和田照海 京鹿子 202104
現実を見つめ直して残る鴨 高橋将夫 202105
午前より午後の長くて残り鴨 小島良子 202105
残る鴨幅が六尺ほどの堀 湯本正友 やぶれ傘 202105
尻だして潜り餌取る残る鴨 湯本正友 やぶれ傘 202105
残る鴨池の日向に群れなして 佐藤稲子 やぶれ傘 202105
人情や一羽で残る鴨はなし 工藤良丞 202106
沼の茂みの朝動きだす残り鴨 浜福惠 風土 202106
隔つとも二羽なればよし残る鴨 浅田光代 風土 202106
長閑しや羽繕ひせる残り鴨 西谷恵美子 春燈 202107
洋子亡き街の水辺に鴨残り 中田みなみ 202107
鯉の餌をついとさらひぬ残る鴨 森一枝 末黒野 202107
隠沼の主の替はりぬ残る鴨 小倉純 末黒野 202107
残る鴨翔つや野太き声放ち 柿沼盟子 風土 202107
三ツ池の黙の深きや残る鴨 谷貝美世 末黒野 202108
居残りの鴨に日向を空けて置く 増成粟人 202204
残り鴨応へなき声くりかへす 吉村さよ子 202205
餌を待つ鳩と一緒に残り鴨 小山よる やぶれ傘 202206
生き様は自分流なり残り鴨 蔵岡信彦 京鹿子 202206
さざ波や今年も五羽の残り鴨 森なほ子 あを 202207
隠沼の一筋の水脈残る鴨 長尾タイ やぶれ傘 202207
残る鴨波間に孤影ただよはす 卜部黎子 春燈 202207
沼光る水漬陽漬に残る鴨 伊藤希眸 京鹿子 202208
残る鴨一橋家の中屋敷 祐森司 202210
残り鴨 →1

 

2023年4月30日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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