鴨帰る    96句

春の鴨  残り鴨  引鴨  鴨帰る

作品
作者
掲載誌
掲載年月
鴨帰る残り餌撒きて小屋仕舞 登坂章一 春耕 199805
魞ぞひに水走りして鴨帰る 大橋宵火 雨月 199904
鴨帰る薮から棒にチャンスきて 丸山佳子 京鹿子 199905
葦に父水に母の香鴨帰る 吉本昴 馬醉木 199906
夕日より高きを飛んで鴨帰る 大川泉舟 199909
向き合ふも背くもやがて帰る鴨 中川濱子 ぐろっけ 200003
帰る鴨いくどもしぶきあげてをり 皆川盤水 春耕 200004
餌付け人置去りに鴨帰りけり 松崎鉄之介 200005
パンに群れ鴨に帰心のすこしづつ 小林輝子 風土 200006
鴨帰りがらんだうなる山の池 木内美保子 六花 200006
朝月を嶺に残して鴨帰る 小石秀子 酸漿 200006
鴨帰る心さざめく湖面かな 稲畑汀子 ホトトギス 200104
鳥帰る鴨場の空を傾けて 門伝史会 風土 200205
思ひきり日本に憩ひ帰る鴨 谷本房子 ホトトギス 200307
何も纏はず重さうに帰る鴨 猿渡青雨 ホトトギス 200307
鴨帰る国あり不況なる日本 蔭山一舟 ホトトギス 200307
帰心矢のごとき高さを鴨帰る 武内緑水 ホトトギス 200307
鴨帰るシベリヤわれに遠い国 三好雷風 ホトトギス 200307
点となりても連なりて鴨帰る 武内緑水 ホトトギス 200307
帰る日の間近き鴨にパンをやり 上原カツミ 帆船 200404
あれこれと煮てゐて鴨に帰られし 福井隆子 つぎつぎと 200405
帰る鴨残る鴨いま渾然と 中村恭子 200405
帰りなむ鴨一族の勢揃ひ 藤井美智子 対岸 200406
帰る鴨河口の波の夕づける 木下玉葉子 酸漿 200406
欠伸して帰心の鴨を驚かす 吉田明子 200406
鴨帰り池の主役はスワンボート 橘澄男 「山景」 200408
帰心てふ鴨の羽音でありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200503
波の綺羅鴨に帰心の更々に 水原春郎 馬醉木 200504
鴨まろく眠りて帰心更になし 府中谷幸枝 馬醉木 200505
鴨帰る兆しの羽音沼に満ち 神宮きよい 馬醉木 200506
帰る鴨浮寝の湖に榛の影 落合裕子 万象 200507
鴨帰りゆくや此岸の如来像 小澤克己 遠嶺 200604
幼児の鴨に挨拶して帰る 甲斐ゆき子 百鳥 200605
鴨帰り釣人のみが残さるる 足利徹 ぐろっけ 200606
己が影水面に叩き鴨帰る 中田郁子 四葩 200606
水音も鴨の帰心を促せり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200703
空仰ぐたび帰る鴨見送りぬ 稲畑汀子 ホトトギス 200703
帰心まだ行き渡らざる鴨の群 百瀬七生子 海光 200705
帰心はや鴨ひたすらに啄める 加瀬美代子 200705
鯉跳ねて鴨の帰りを促せり 禰寝瓶史 京鹿子 200706
羽撃きの予習復習帰る鴨 橋本くに彦 ホトトギス 200707
春うらら帰りそこねの鴨の群れ 小池一司 やぶれ傘 200805
旅立ちの挨拶交し帰る鴨 島田山流 春燈 200805
鴨帰るいつもの高さはるか越え 布川直幸 200805
羽ばたきて翠あざやか鴨帰る 上原重一 200806
帰る鴨鎮守の橋を潜りけり 赤堀洋子 万象 200806
帰る鴨鳴門の渦を越えにけり 大坪景章 万象 200807
鴨どちの帰りあはうみ残りけり 西川保子 春燈 200905
帰る気のなき鴨と見る蘆がくれ 安達風越 雨月 200906
一懸案残りしままや鴨帰る 乗鞍三彦 春燈 200906
チューニング終へし翼や鴨帰る 橋本くに彦 ホトトギス 200907
鴨帰る池のほとりに眼鏡の碑 遠藤和彦 遠嶺 200908
おおい君鴎それとも帰る鴨 稲畑廣太郎 ホトトギス 201002
帰る鴨入日は湖に金を延べ 片山博介 春燈 201004
野の池の帰る日近き鴨聡き 広瀬峰雄 201005
鴨帰るころなり鍵を預けらる 杉浦典子 火星 201005
明日あたり帰るか鴨の水走り 松井志津子 201104
帰る鴨漂ふ雲を頼りとし 鈴木良戈 201105
帰ろかと決めかねてゐる鴨一羽 橋本くに彦 ホトトギス 201107
江戸前の水を脱ぎ捨て帰る鴨 橋本くに彦 ホトトギス 201107
鴨帰り水に窪みのありにけり 杉浦典子 火星 201205
スターバックスにをんなばかりや鴨帰る 深澤鱶 火星 201205
海翔けて声落しけり帰る鴨 田村加代 末黒野 201206
みづからの湾を惜しみて鴨帰る 土屋草子 ろんど 201207
帰る鴨申し伝への陣構 神崎ひでこ 京鹿子 201209
帰り仕度の鴨鳴いてをり流離仏 岩木茂 風土 201306
鴨帰り後は淋しき波の影 佐用圭子 201307
スカイツリー夕べを灯し帰る鴨 福永みち子 馬醉木 201307
丸々と鴨の帰心でありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201403
湖の波だちに鴨帰りけり 山田六甲 六花 201403
砂舟に朝の段取り鴨帰る 深澤鱶 火星 201405
川幅を少しひろげて鴨帰る 柴田志津子 201405
羽摶つたび帰心育てて春の鴨 中嶋昌子 春燈 201406
水玉が包む帰りの近き鴨 山田六甲 六花 201502
鴨帰る日かいくたびも水を搏ち 戸栗末廣 201503
堰に鴨北帰準備の身繕ひ 坂上香菜 201504
鴨帰る湖国やうから疎開の地 佐藤淑子 雨月 201504
さざなみに沼明け渡し鴨帰る 菅谷たけし 201505
帰る日の近きか濠の鴨の数 石垣幸子 雨月 201505
帰心かな先へ先へと鴨の首 生田恵美子 風土 201506
北帰行近き鴨とぞ打ち眺め 江木紀子 雨月 201506
鴨帰り鶴翼の陣崩れたり 西川保子 春燈 201605
尾羽根立て水をつかんで鴨帰る 廣瀬克子 春燈 201606
嘴を先へ先へと鴨帰る 森清堯 末黒野 201806
鴨帰る船の汽笛の谺して 谷村祐治 雨月 201806
遠山と鴨の群れみて帰りけり 白石正躬 やぶれ傘 201901
鴨帰る束の間の影水に置き 升田ヤス子 六花 201905
鴨帰る三井の晩鐘こだまして 谷村祐治 雨月 201905
鴨帰る余呉湖に影を残しつつ 和田華凛 ホトトギス 201906
逆光のさざめき鴨の群帰る 伊藤希眸 京鹿子 202005
大川に北帰を前の鴨百羽 守屋吉郎 202006
点々と水面にしづく鴨帰る 片山博介 春燈 202105
空に水脈描きて鴨の帰りけり 升田ヤス子 六花 202106
明けやらぬ中山道を鴨帰る 廣瀬雅男 やぶれ傘 202205
鴨帰る硝子泛子吊る舟屋カフェ 小原芙美子 風土 202205
鴨帰り烏も啼かず日暮かな 森なほ子 あを 202207

 

2023年5月4日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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