長き夜 2       208句

長き夜や心の鬼が身を責める    一茶

夜長   長き夜

作品
作者
掲載誌
掲載年月

長き夜の読みて尽きせぬ旅まくら

 高橋治著慕情旅まくら帯句

鷹羽狩行 199811
長き夜の桝目に写す千字文 武久昭子 風土 199901
長き夜の次郎が太郎誹りたる 山尾玉藻 火星 199910
長き夜の病棟影のやうに辞す 長谷川千枝子 199911
長き夜の指紋の渦の美しき 小枝恵美子 ポケット 199911
長き夜や門限のある島泊り 高濱朋子 円虹 199912
長き夜の自伝は洗ひざらひとす 品川鈴子 ぐろっけ 199912
かなかなのひと息長き夜の底 山田弘子 ホトトギス 200001
長き夜の花眼にかなふ絵本かな 櫨木優子 200001
邯鄲の舞ひ復習ひをり長き夜 川合広保 俳句通信 200001
長き夜同じ絵本を読まさるる 足利徹 ぐろっけ 200001
長き夜や寄木からくり膝に解き 山本雅子 馬醉木 200002
ワイン乾杯ヴェネチアの長き夜を 佐藤淑子 雨月 200002
長き夜のごつた煮とろ火仕上げかな 北川孝子 京鹿子 200002
長き夜の妻の宝の端切箱 川村紫陽 200002
長き夜とあり病室といふ奈落 本橋怜加 冬牡丹 200003
長き夜娘夫婦が気がかりで 篠田三七子 いろり 200011
長き夜の入口に聴くヴイヴァルディー 関根洋子 風土 200012
厨の打落とし長き夜始まりぬ 深川知子 俳句通信 200012
長き夜や古きラジオを枕辺に 岩永節子 春耕 200012
一人居の兄のうたた寝長き夜 池内せつ子 六花 200012
長き夜や根付の鈴は娘の帰宅 福田みさを いろり 200012
寝そべって重ね返事や長き夜 桑垣信子 いろり 200012
遊びたき心に長き夜のありて 浅利恵子 ホトトギス 200101
長き夜の誘ひ断る訳もなく 浅利恵子 ホトトギス 200101
難解の書にあて長き夜なりけり しもだたかし ホトトギス 200101
長き夜や手引に頼るかなづかひ 大久保白村 ホトトギス 200101
晩学の機器と書斎に長き夜を 大久保白村 ホトトギス 200101
通信網途切れて長き夜となりぬ 桑垣信子 いろり 200101
長き夜の目のなき魚の安けさよ 鳥居秀雄 200101
長き夜や詩の種ひとつ書きとめて 栗原公子 200101
長き夜や親馬鹿なりし夫も亡く 五十嵐八重子 ホトトギス 200102
効用を読む長き夜の鼻眼鏡 今井忍 ぐろっけ 200102
長き夜だんだん袋が威張りだす 武井康隆 船団 200103
長き夜の洗濯物にぶつかりぬ 篠原俊博 銀化 200105
あらぬ事考え子を待つ長き夜 桑原敏枝 いろり 200111
長き夜の外出ままにならずして 篠田三七子 いろり 200111
瞼とじ何も浮かばぬ長き夜 桑原敏枝 いろり 200111
長き夜の目を凝らしたる嘘の穴 赤座典子 あを 200111
言葉なき夫のことばと長き夜を 山田弘子 円虹 200111
長き夜や戦記を読めば切もなし 田中峰雪 雨月 200112
長き夜の喪席の畳窪みをり 田中峰雪 雨月 200112
長き夜のらんぷ阿蘭陀渡りかな 利根川妙子 200112
検査結果つのる不安や長き夜 大田かづみ いろり 200112
長き夜の子が新聞紙ちぎるちぎる 浜口高子 火星 200112
隣家でも湯浴みせる音長き夜 八田節子 ぐろっけ 200112
長き夜のオンザロックとイプセンと 伊藤重美 雲の峰 200201
長き夜の夫近しとも遠しとも 高山瑞恵 200201
長き夜の鏡の中のひとりかな 野口香葉 遠嶺 200202
シヤンデリア美男のテナー長き夜 岡田芳子 ぐろっけ 200202
師を語るまづ長き夜の句を引いて 山田六甲 六花 200209
長き夜の首這ふ虫を払ひたる 山田六甲 六花 200210
長き夜を酌むべし虚子を語るべし 山田弘子 円虹 200211
長き夜の藍染に打つ小町針 中川晴美 雲の峰 200211
長き夜や阿吽の連れも居ずなりて 石岡祐子 200212
長き夜や夫と競ひし英単語 菊池嘉江 帆船 200212
長き夜の夫にあはす呼吸かな 岡田万壽美 雲の峰 200212
長き夜を整理の穴を埋めつくす 島純子 ぐろっけ 200212
長き夜の一つ残りし二階の灯 西岡美代子 百鳥 200212
長き夜や二階の奥に夫の部屋 谷渡末枝 万象 200212
謎解きに長き夜使ひたる欠伸 中原道夫 銀化 200301
長き夜の身内に荒ぶ一語とは 鉄山幸子 銀化 200301
長き夜やチャップリンのつと動き出す 浜中雅子 遠嶺 200302
長き夜の夢寐亡き夫の物言はず 田中嘉代子 ぐろっけ 200302
長き夜の叩きて枕整ふる 萩原記代 200305
長き夜の記憶に遠き微積分 塩路隆子 花衣 200307
長き夜の声をつつしみ鳩時計 鷹羽狩行 200311
長き夜を計画倒れしてゐたり 塩川雄三 築港 200312
長き夜の何するとなく時の過ぐ 森田セツ子 築港 200312
長き夜の秒針の音聞こえけり 木村みかん 200312
長き夜や化粧落とした顔も好き 玉川梨恵 200312
長き夜や余生と云ふを持て余し 長屋璃子 火星 200312
長き夜の答のほしきひとり言 舩越美喜 京鹿子 200312
長き夜の厨にぎはひ貝づくし 山田六甲 六花 200312
長き夜の門扉開いて閉づる音 射場智也 六花 200312
長き夜の古書の朱線を読み返す 大串章 百鳥 200312
長き夜を貨物列車の通りけり 影山わこ 百鳥 200312
長き夜やモノクロ映画に雪が降り 影山わこ 百鳥 200312
長き夜や京城よりの朱の切手 鈴木綾子 百鳥 200312
長き夜妻との出逢ひ子に聞かれ 丸山敏幸 200312
長き夜の一泊人間ドックかな 梅本豹太 200401
長き夜の甲骨文字と勾玉と 近藤きくえ 200401
珈琲店憩長き夜はや仕舞ふ 宮津昭彦 200401
長き夜や普段どおりに猫の来て 射場智也 六花 200401
長き夜や校舎に灯る一ところ 永岡セツ 酸漿 200401
長き夜や本は心の寄りどころ 北島上巳 酸漿 200401
見破らる手品の種や長き夜 津田霧笛 ぐろっけ 200401
病窓に灯る大阪長き夜 山下佳子 200402
長き夜の星に韻きのある如し 柳生千枝子 火星 200402
長き夜の時の数打つ鳩時計 広瀬翔 対岸 200402
長き夜や閉ぢて久しき本を読む 永田勇 六花 200402
送られて別れて長き夜なりけり 岡本眸 200409
長き夜や叩いてラヂオ鳴らししこと 細野恵久 ぐろっけ 200409
拍手聞こゆアテネ五輪の長き夜 赤座典子 あを 200410
長き夜や息子の愚痴を聞いてをり 木原紀幸 河鹿 200412
長き夜やまた初めから桃太郎 西面和子 200412
長き夜のうたげ伽椰琴かやぐむ弾き鳴らし 木暮剛平 万象 200412
長き夜の序章オペラの始まりぬ 佐々木よし子 200412
長き夜の繙く手話の単語集 川瀬さとゑ 春耕 200412
長き夜を夫は早寝をしてしまふ 史あかり ぐろっけ 200412
長き夜を覚めて子のこと夫のこと 陣野今日子 風土 200501
点滴の幼児を看る長き夜 森木久美 雲の峰 200501
長き夜やホットミルクを虫おさえ 安部里子 あを 200501
長き夜や耳さとくなる地震のあと 山崎祐子 栴檀 200501
長き夜は釣具の手入れでもせむか 寺岡ひろし 雨月 200501
長き夜に妻発信の長メール 佐藤彰 築港 200501
長き夜はいらぬと母のこぼしをり 松田有伽 河鹿 200502
長き夜の心にかかる誤字一つ 船越美喜 京鹿子 200502
長き夜を眠れず人の歳数ふ 加藤君子 火星 200503
長き夜の夫と二人の童唄 岡田佳世子 栴檀 200503
長き夜の久闊の友一升瓶 遠塚青嵐 200505
長き夜の避難梯子の綱の量 大高芭瑠子 炎夏 200507
長き夜をバスが繋いでをりにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200509
長き夜の語り尽きざる地震のこと 稲畑汀子 ホトトギス 200511
聞こえないふりしてみたり長き夜 倉持梨恵 200511
長き夜をいだきて安し夢枕 桑原泰子 200511
低く歌ふ愛のシヤンソン長き夜 鈴木石花 風土 200511
ゆく先を思へば長き夜なりけり 伊藤百江 春燈 200512
長き夜の底に寝返り幾度も 指尾直子 雨月 200512
長き夜やたたみし図面またひろげ 山本耀子 火星 200512
長き夜を深夜放送聞きゐたり 徳田正樹 河鹿 200601
長き夜の松代焼の藍徳利 久保久子 春燈 200601
長き夜を遊んでくれしちひろの絵 福岡もも 百鳥 200601
長き夜や厚き昭和史の巻を閉づ 毛利宏 酸漿 200601
長き夜や寝そびれて聞く深夜便 古賀美喜恵 河鹿 200602
長き夜や遺品の時計合せをり 北島上巳 酸漿 200602
長き夜やショパン弾きゐる僧の妻 駒形祐右子 万象 200603
愛敬を振りまく長き夜の遺影 伊藤白潮 200610
長き夜や隣家に物の割るる音 前田貴美子 万象 200610
長き夜の音消して弾くピアノかな 佐々木よし子 200612
長き夜をはみ出してゐる胡座かな 田中英子 火星 200612
長き夜の寝酒にまぢる鱗かな 山田六甲 六甲 200612
空中戦の自慢話を長き夜 野中啓子 200701
長き夜やすこし曇りて虫めがね 富岡三枝子 200701
癒えざるも爪の伸びゆく長き夜 中村邦彦 200701
長き夜を戦友会の存続決む 松崎鉄之介 200701
修礼しゆうれいの如く始まる長き夜 貝森光洋 六花 200701
長き夜の復讐劇の第二景 服部早苗 200701
これよりの長き夜よけれ虚子百句 山田弘子 ホトトギス 200702
長き夜のあはひに入れし紅茶かな 目黒慧 遠嶺 200702
終電の音きこえくる長き夜 早崎泰江 あを 200702
長き夜や機織らぬ世を遊びゐて 百瀬七生子 海光 200705
長き夜のオペラ一幕では足らず 稲畑廣太郎 ホトトギス 200709
長き夜や八億四千の念ありし 本多遊方 春燈 200711
長き夜を俳神が来て詠めといふ 辻美奈子 200712
長き夜を一人聴きゐるレクイエム 米原秋城 雨月 200712
長き夜のはてなマークの自在鈎 貝森光洋 六花 200712
長き夜の食時こもごも四世代 澤田緑生 馬醉木 200801
長き夜のふところ深く抱く一句 稲嶺法子 遠嶺 200801
長き夜の地蔵菩薩の念珠かな 外川玲子 風土 200801
長き夜や旅締めくくる焼きうどん 遠藤逍遙子 風土 200801
かさぶたの訳話しだす長き夜 大空純子 ぐろっけ 200801
長き夜の遠くに硝子割れる音 石川裕美 ぐろっけ 200801
長き夜の古き映画の美男美女 西口万佐子 200801
長き夜や計算済みのことばかり 松田都青 京鹿子 200802
長き夜を行書フォントで手習ひす 高橋大三 ぐろっけ 200802
長き夜の机の下の頼りなく 真保喜代子 200803
長き夜のどこを区切りといたさむか 平子公一 馬醉木 200810
つれづれに「寂聴源氏」長き夜 竹内悦子 200811
長き夜や仏前に坐す時長く 大橋晄 雨月 200811
長き夜の源氏いよいよ須磨の巻 木村ふく 馬醉木 200812
子の電話置きそれからの長き夜 石本百合子 馬醉木 200812
長き夜の底の仔犬のあまえ鳴き 高橋道子 200812
長き夜独り言までイングリツシユ 伊吹之博 京鹿子 200812
長き夜のとまち扉臍とぼすを疑はず 栗栖恵通子 200812
長き夜の文士の宿に文士の書 宮内とし子 200812
石筍の一滴思ふ長き夜 稲嶺法子 遠嶺 200901
誘眠の秒針の音長き夜 来海雅子 200901
長き夜乾かす髪に残る熱 倉持梨恵 200901
長き夜の十九海里の閃白光 北川英子 200901
長き夜をにせあかしあに風の鳴る 藤井美晴 やぶれ傘 200901
長き夜は用心棒と心得し 磯崎清 200902
長き夜のイヤホンで聴く宇治十帖 北畠明子 ぐろっけ 200903
長き夜を詰めあぐねたる旅鞄 品川鈴子 龍宮の客 200904

 悼 大塚千々二様

長き夜の絶筆拝し偲ぶのみ

稲畑汀子 ホトトギス 200911
長き夜や尽くし来られしこと偲び 稲畑汀子 ホトトギス 200911
長き夜の精進料理寺泊り 池田加寿子 200912
長き夜を語彙を求めて書肆巡り 北尾章郎 200912
長き夜の記録を移すCD版 甲州千草 200912
長き夜や旅の興そへかじか酒 鈴木靜静恵 春燈 200912
長き夜の膝を払ひに立ちにけり 近藤牧男 春燈 200912
古時計遅れ始めた長き夜 吉沢秀ひろ ろんど 200912
長き夜や犬逝きたればより長し 宮入河童 201001
長き夜や『奥の細道』ひもときぬ 山野惣一郎 遠嶺 201001
長き夜や論語素読の返り点 尾野奈津子 春燈 201001
長き夜思ひの外の針仕事 本島むつみ ろんど 201001
長き夜の疾うに忘れし事をふと 古田かつみ 201001
長き夜に動詞活用繰り返す 佐方敏明 ぐろっけ 201001
島唄に膝打つ酒場長き夜 難波篤直 201002
長き夜バター作りの話など 齋藤朋子 やぶれ傘 201002
長き夜や気掛りな文書き終る 川原典子 酸漿 201002
長き夜の更けて障子に桟の影 鷹羽狩行 201010
長き夜を大魚は泳ぎ止められず 北川英子 201011
長き夜に推敲をして句を損ね 鈴木てるみ ぐろっけ 201011
もの音に五感の聡き長き夜 近藤きくえ 201012
長き夜や枕にひびく波の音 皆川千佐恵 末黒野 201012
長き夜や過去の断片紡ぎゐて 柴田良二 雨月 201012
長き夜言葉少なに二人ゐて 年森恭子 ぐろっけ 201012
長き夜のラジオは古き歌謡曲 長崎桂子 あを 201012
長き夜や「ダンテ神曲」読み倦み 田下宮子 201101
キャンパスノートに文字溢れしめ長き夜 森下康子 201101
長き夜の讃歌となせりパバロッティ 小西和子 201101
長き夜を亡夫の残せし敗戦記 千坂美津恵 201101
長き夜やまづ鉛筆を尖らせて 七田文子 201101
長き夜や妻との今を大切に 柴田良二 雨月 201101
長き夜の螺子ゆるみたる古時計 園多佳女 雨月 201101
長き夜もひとり楽しむ術を得て 中田寿子 ぐろっけ 201101
長き夜の長湯は本の区切りまで 永塚尚代 ぐろっけ 201101
長き夜の灯のかたむきてダージリン 秋葉貞子 やぶれ傘 201101
何しても何しなくても長き夜 山崎@青史 ろんど 201101
長き夜の軸の墨痕あをきかな 有賀昌子 やぶれ傘 201101
カステラの底に粗目糖ざらめや長き夜 天野美登里 やぶれ傘 201101
長き夜のカーテン越しの寝息かな 岡野ひろ子 201102
長き夜の枕にひびく鼓動音 川崎光一郎 京鹿子 201102
長き夜や夫の持論に流されり 佐瀬晶子 ろんど 201102
長き夜にまかせてはがき三四枚 平田恵美子 ぐろっけ 201102
長き夜の手仕事いくつ用意せり 篠原普美子 酸漿 201102
長き夜の灯のまたともる救護室 内藤三男 ぐろっけ 201103
ながき夜の伸びやすきもの老の爪 大川冨美子 ぐろっけ 200712
底なしの沼の民話や長き夜 長崎桂子 あを 201110
聞き役となりて子の愚知長き夜 小林成子 201111
過ちを丸めて捨てて長き夜 太田佳代子 春燈 201112
長き夜を還らぬ友と酒酌まむ 石田康明 春燈 201112
長き夜や枕の高さあれこれと 史あかり ぐろっけ 201112
長き夜の宴半ばにて去り難し 千田百里 201112
長き夜を旅にしあれば寝惜しみて 山西商平 ホトトギス 201201
長き夜の反故を集めて時計見る 笠井敦子 201201
長き夜にゆつくり動く古時計 松嶋一洋 201201
眠らぬ子抱きて現の長き夜 年森恭子 ぐろっけ 201201
長き夜の因数分解子と競ふ 中島霞 ぐろっけ 201201
屑籠に反古のふえゆく長き夜 史あかり ぐろっけ 201201
紙鍋の火の尽きてより長き夜 藤原照子 201201
長き夜を座り直して受話器取る 長浜徳三 春燈 201202
長き夜の短き知らせ佳人逝く 松本文一郎 六花 201202
長き夜を音立てて注ぐ紅茶かな 安藤久美子 やぶれ傘 201202
長き夜よ妹の解熱をひたすらに 布川孝子 京鹿子 201203
ながき夜の稿に真珠の一語欲し 鳥居おさむ 鳥居おさむの、背骨。 201207
長き夜の詩集に残る虫の脚 長久保郁子 かさね 201211
痒き身を千繰り叩く長き夜 品川鈴子 ぐろっけ 201211
長き夜や聖書にのこる子の栞 川村清子 馬醉木 201212
長き夜や源氏五十三帖第二節 小林共代 風土 201212
長き夜を充電中の電話かな 太田佳代子 春燈 201212
彼の世までつづく退屈長き夜 平田恵美子 ぐろっけ 201212
長き夜のクイズ解けたる日曜日 長谷川としゑ ぐろっけ 201212
長き夜や伝へたき事選びをり 塩千恵子 201212
長き夜の貼りては剥がす付箋かな 山田六甲 六花 201212
移植せし腰骨痛む長き夜 飯田美千子 201301
長き夜やよき事のみを思ひ出し 杉本綾 201301
長き夜や一人余生の意地を張る 秋場貞枝 春燈 201301
長き夜の枕時計を二度三度 岡淑子 雨月 201301
長き夜の魂叩く津軽三味 福島茂 201302
長き夜の夢は駱駝に揺れて行く 古川忠利 ろんど 201302
長き夜の忘るるための覚え書 風間史子 201302
長き夜や眼ぬらしてバッハ聴く 神田恵琳 跫音 201303
長き夜のビデオに夫の声若し 布川孝子 京鹿子 201303
長き夜や瀬音確かむ山の宿 布村松景 春燈 201311
長き夜や朱をもて語句を裏返し 千田百里 201311
長き夜の遠乗りサンバ眠気よけ 品川鈴子 ぐろっけ 201311
どの窓も長き夜を守る戸毎の灯 川崎良平 雨月 201311
長き夜を全部眠つてしまひけり 遠藤真砂明 201312
長き夜を使ふ詫状一通に 小林輝子 風土 201312
長き夜のスープことこと妣恋ふる 泉本浩子 馬醉木 201312
新しき駅舎長き夜灯しけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201312
入院の長き夜ばかり迎へたる 三橋早苗 ぐろっけ 201312
パソコンの魔性に憑かれ長き夜 井上あき子 ぐろっけ 201312
長き夜や北京語で読む李杜韓柳 廖運藩 春燈 201401
長き夜の罫をはみ出す旅日記 松本文一郎 六花 201401
長き夜インク補充に手こずりぬ 久米なるを 201401
宿坊の相部屋にをり長き夜 堀志皋 火星 201401
長き夜や眼鏡どこかに置き忘れ 中山静枝 201402
長き夜のリズムの生るるラベル貼り 加藤峰子 201402
絶筆の暗号めきて長き夜 平居澪子 六花 201402
長き夜の柱時計のなかりけり 熊川暁子 201403
島唄に膝打つ酒場長き夜 難波篤直 201404
飛散防止フィルムを貼る長き夜 山荘慶子 あを 201409
長き夜や妻に異なる時欲しき 藤丸誠旨 春燈 201411
長き夜の授乳しだいに覚めにけり 常田希望 201412
長き夜の妻の眠りを誘ふ瓦斯 藤丸誠旨 春燈 201412
長き夜や風にのりくる人のこゑ 加藤みき 201412
長き夜やアルバム抜けて会ひに来い 相澤和子 ろんど 201412
香をたく煙りうつすら長き夜 齋藤朋子 やぶれ傘 201412
長き夜の子が戴る新聞切り抜きぬ 相沢有理子 風土 201412
長き夜の最後に田辺聖子かな 高橋道子 201501
ジンジャーエールの瓶偉さうに長き夜 鳥居美智子 ろんど 201501
長き夜や病妻淋しき寝言言ふ 佐々木良玄 春燈 201501
長き夜の博多おはじき鶴・鯨 野上杳 201501
長き夜や猫なで声の猫とゐて 竹田ひろ子 ろんど 201501
長き夜や古書の翁のめでたけれ 上田由姫子 京鹿子 201501
長き夜の壁に掛りしバラライカ 瀬島洒望 やぶれ傘 201501
長き夜や音なく積もる葉のあまた 半田稜 ろんど 201502
立志伝読み了へてより長き夜 柴田佐知子 201503
長き夜や月と戯むる露天の湯 鈴木鳳来 故山 201505
紙漉いてろうそくゆらり長き夜 吉宇田麻衣 201504
長き夜や旅締めくくる焼うどん 遠藤迫遙子 風土 201507
土門拳の浮浪児写真長き夜 原田達夫 箱火鉢 201511
長き夜の先師憲吉全句集 下山田美江 風土 201511
類想を抜け出せぬまま長き夜 山田天 雨月 201511
長き夜に明日の命を想ひゐし 水原春郎 馬醉木 201512
長き夜の頼りきつたる電子辞書 齊藤哲子 201512
長き夜をぼんやり過ごす嬉しさよ 須賀敏子 あを 201511
濁流に万象泛々長き夜 赤座典子 あを 201511
長き夜やパズルで学ぶ四字熟語 内田梢 末黒野 201512
長き夜の小さき色鉛筆並ぶ 辻響子 201512
長き夜の玻璃戸に映る己が影 堀井英子 雨月 201512
寝そびれて長き夜をなほ長くしぬ 金森教子 雨月 201512
長き夜の妻の手元は電子辞書 板谷俊武 末黒野 201601
パール・バックの『大地』又手に長き夜 赤岡茂子 春燈 201602
身の音のほかに音なき長き夜 白石正躬 やぶれ傘 201602
長き夜 →3      

 

2021年9月8日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。