麦 刈   73句

風の老婆抱きすくめては麦を刈る  河合凱夫  飛礫

麦の秋  麦秋  麦刈

作品
作者
掲載誌
掲載年月
小麦刈る地のはたてまで畑つづき 中林京子 雨月 199808
鯨ぬっと顔を出して「麦刈りかあ」 田中空音 海程 199811
黙々と女が一人麦を刈る 池部久子 酸漿 199909
麦秋はわがものよずかずか刈る 藤間雅江 海程 199910
麦を刈る機械ばかりがうごきおり 五十嵐研三 海程 200011
後ろから鶏に突つかれ麦を刈る 鈴木八駛郎 海程 200011
蕎麦を刈る在原村のかそけさに 川勝春 馬醉木 200012
虎刈りの麦秋越えてランディング 泉田秋硯 200108
くらがりに麦刈りて来し手を燃やす 能村登四郎 200108
立尿りさて麦秋に刈り入らん 山口伸 海程 200108
ボテフリに埃吐き出す麦刈機 関口ゆき あを 200108
麦を刈る屯田兵の裔の裔 成澤桂助 百鳥 200109
B29B24知ってをり麦を刈る 堀内一郎 あを 200109
刈りどきの麦へ日照雨の金の脚 斎藤棹歌 200201
蕎麦刈つてダムの測量始まりぬ 嶋木勝次郎 遠嶺 200202
麦を刈る三日の日和見定めて 小西瑞穂 ぐろっけ 200208
岬端の黄昏ながき麦を刈る 塩谷はつ枝 馬醉木 200209
秩父嶺のからりと晴れて麦を刈る 穴澤光江 遠嶺 200209
麦を刈るはしかしの腕なだめては 味村志津子 雨月 200309
麦を刈る乙女一度の実習日 関口みよ子 帆船 200309
麦を刈る麦の躍動コンバイン 大川嘉智香 築港 200309
コンバイン刈る麦畑の彩の濃し 大川嘉智香 築港 200309
一台の機械で広田麦刈れる 大川嘉智香 築港 200309
麦刈や畑一面に日の匂ひ 町田洋子 200310
麦熟れて一家総出で刈りゐたり 岡村容子 築港 200408
麦刈つて鳥入れ替る甲斐の空 青木康信 帆船 200409
麦刈りて現る小さき軍馬の碑 内藤ゑつ ゑつ 200411
麦撫子咲くに麦刈り間近かかな 松崎鉄之介 200508
麦刈りのあとの裸に磯の風 浜明史 風土 200509
麦刈つて多良岳空に浮かびけり 木室幸雄 百鳥 200509
麦を刈る埃を高く舞ひ上げて 佐本英介 築港 200509
麦刈りの帰り支度の間も暮るる 青山丈 200509
青刈の麦の匂ひの真昼かな 水野加代 万象 200603
麥刈の最中に梨の袋掛 瀧春一 常念 200606
痩麦の刈り残さるる古墳みち 亀田やす子 万象 200606
麦刈や雀と鳩のすぐに来て 渡辺ひろし 200608
麦刈の人を迎へに船着場 渡辺ひろし 200608
稲刈つて卑弥呼と食べる麦焦がし 吉弘恭子 あを 200706
麦刈機埃まみれの日が沈む 金居欽一 万象 200709
刈り終りたる麦畑の斯く広し 清水幸治 200709
麦刈や藥缶と湯呑携へて 鈴木多枝子 あを 200709
シャリシャリと麦を刈りつつ一歩一歩 鈴木多枝子 あを 200709
刈麦の果てに雲湧く父の匂ひ 金井充 百日紅 200711
風が言う小麦刈れ刈れ熟れすぎぞ 岡野峯代 ぐろっけ 200809
麦の秋帰りは刈られありし田も 稲畑汀子 ホトトギス 200906
生き急ぐことなき麦を刈つてをり 小澤克己 遠嶺 200908
麦秋の早刈迷路子等遊ぶ 金澤明子 200908
昼月の際立つ白さ麦を刈る 戸栗末廣 火星 200908
明日刈るといふ麦畑に佇つ男 江木紀子 雨月 200909
農人の口笛サンバ麦を刈る 神田恵琳 春燈 201107
麦刈りの良か穂を抜いて噛んでをり 久津見風牛 201108
麦刈りて大地の起伏あらはなり 松岡和子 201109
麦刈りしあとの山風粗きかな 柴田久子 風土 201111
麦秋の刈り残されて道祖神 古川千鶴 かさね 201210
麦熟星一反ばかり刈り残り 広渡敬雄 201303
稲荷山古墳の裾の麦を刈る 亀田やす子 ははのこゑ 201306
目のにほひ残して麦の刈られけり 大崎紀夫 やぶれ傘 201309
麦刈りやゴッホの農夫めきし夫 松岡和子 201310
天日の匂ひの麦を刈り進む 下平しづ子 雨月 201310
麦刈りを少し残せり巣に卵 中島玉五郎 201406
さはさはと夕日揺らせて麦刈女 川崎良平 雨月 201408
麦刈や若き農夫のつなぎ服 石黒興平 末黒野 201409
さつぱりと刈られて麦秋終はりけり 時澤藍 201409
麦刈つて風のざらつく日なりけり 蘭定かず子 火星 201410
半反の刈り残されし麦の秋 山田六甲 六花 201506
常念岳を真つ正面に麦刈りぬ 徳井節子 馬醉木 201509
刈り伏せの麦の香甘し日照雨来る 高橋恵美子 馬醉木 201609
山国の黒穂の麦を刈り急ぐ 伊藤紫水 風土 201609
児等今日は課外授業の麦刈りに 松本善一 やぶれ傘 201610
麦刈りし夜は綺羅星の燃ゆるかな 下平しづ子 雨月 201706
麦刈と田植の忙し下野路 田中たつを 雨月 201809
麦刈りの勤労奉仕思ひ出す 駒井でる太 馬醉木 201809
麦刈りに遅れぬように結婚す 火箱ひろ 201809
くらがりに麦刈りて来し手を燃やす 能村登四郎 201902
麦刈りの終りし丘のゴッホ廟 溝内健乃 雨月 201909
存分に夕日引き寄せ麦を刈る 石黒興平 末黒野 202009

 

2023年5月21日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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