木 犀 3     114句

千葉にて関東大震災に遇ふ

地震をのがれ木犀の下我ありし   金子麒麟草

金木犀  銀木犀  木犀

作品
作者
掲載誌
掲載年月
木犀のほろと散り消す香りかな 布川直幸 200910
バス通りまで木犀のかをりけり 熊谷尚 200911
木犀の一枝手折るや誕生日 大嶋洋子 春燈 200911
木犀や寝不足気味の午後眠る 渡辺安酔 200911
じんわりとじんわりと来る木犀香 中島玉五郎 200911
木犀の金降りそそぐあたりかな 吉成美代子 あを 200911
和宮偲ぶ本陣木犀香 小澤菜美 200912
木犀の香や守衛室点灯す 稲見寛子 炎環 200912
木犀の花の白さに歩をゆるめ 黒澤登美枝 200912
核廃絶木犀にほふ朝刊に 藤原はる美 200912
木犀の香りたしかに隣より 森山のりこ あを 200912
木犀の匂ふ座敷やあぶり餅 五十嵐勉 201001
木犀の大樹や影の黄金色 宮田香 201001
ヘレンケラー泊りし温泉宿木犀香 中川すみ子 201001
晴れ三日木犀一樹花こほす 熊切修 末黒野 201001
木犀や再会の夜の道いそぐ 横松しげる 遠嶺 201001
木犀や父手作りの蔵書印 青柳雅子 春燈 201001
木犀の風吹いてくる城下町 川崎光一郎 京鹿子 201001
西御坊へ木犀の香の門潜り 塩見治郎 雨月 201001
木犀の香に包まるる日和なり 中緒和子 酸漿 201001
木犀の香に立尽す朝のあり 渋谷ひろ子 酸漿 201001
窓明けて木犀の風入れにけり 橋本ふさ子 201001
木犀の香に迎へられ平等院 三浦百合子 201001
木犀の花も終れり庭師入れ 坂口三保子 ぐろっけ 201001
木犀の匂ひ北より南より 苑実耶 201002
木犀のひそめる闇の深さかな 小川玉泉 末黒野 201002
転居する日の木犀の良く匂ふ 山口速 201002
木犀の金色の香や門入れば 舩越美喜 京鹿子 201002
木犀のかをる道へとペダル漕ぐ 松村光典 やぶれ傘 201002
とびら開き木犀匂ふ駅に着く 松村光典 やぶれ傘 201002
木犀の金粒だけが庭の塵 羽生きよみ ぐろっけ 201002
家絶えし木犀大樹香を放つ 上崎暮潮 ホトトギス 201004
木犀のかをる道へとペダル漕ぐ 松村光典 やぶれ傘 201004
とびら開き木犀匂ふ駅に着く 松村光典 やぶれ傘 201004
木犀の香りの中にある祈り 稲畑汀子 ホトトギス 201010
木犀の香の濃く通夜の明けにけり 荒井千佐代 201011
木犀を曲るとすぐに点く外灯 佐藤喜孝 あを 201011
木犀や足進みゆく夕散歩 鈴木幾子 酸漿 201012
仏前に木犀一枝仄かな香 杉本綾 201101
法鼓鳴る木犀の香をひろげつつ 佐藤いね子 馬醉木 201101
木犀をやり過したる匂ひかな 小野口正江 末黒野 201101
あてもなく出て木犀の風に会ふ 加藤八重子 末黒野 201101
木犀の香の移りをり庭箒 亀卦川菊枝 末黒野 201101
木犀の黄金こぼるる長屋門 生田作 風土 201101
木犀や近くて知らぬ径めぐり 柿沼盟子 風土 201101
屋敷跡木犀の香のいづこより 乗光雅子 雨月 201101
覚書木犀の夜々たしかめて 乗光雅子 雨月 201101
遠きより木犀の香のある家路 金森信子 雨月 201101
木犀の香る静寂に座禅かな 小原登志春 雨月 201101
老猫のそば木犀の雨を聴く 堀江惠子 201101
禅院は木犀の香の漂へり 梅田秀子 酸漿 201101
木犀に深呼吸する雨上がり 松村光典 やぶれ傘 201101
木犀を散らすことなき日照雨 吉田きみえ 末黒野 201102
木犀の恨みは深し一夜雨 松本文一郎 六花 201102
木犀の香りと共に引越しす 瀬口ゆみ子 ぐろっけ 201102
木犀の金もて恋の千字文 成瀬櫻桃子 櫻桃子選集 201105
木犀の風洗顔の濡れしまま 長谷川鮎 ぐろっけ 201110
一本の木犀香る無人駅 羽賀恭子 201112
木犀の生垣に沿へば歩数ふゆ 山田をがたま 京鹿子 201112
木犀のただよふ風を帰るかな ことり 六花 201112
木犀の香に包まるる古寺の庫裡 川崎良平 雨月 201112
木犀のかをり広がる手児奈堂 吉村光子 万象 201112
木犀の香る明るき夜を歩く 鎌倉喜久恵 あを 201112
闇へ出づ木犀の香に包まれて 山本孝夫 201201
木犀を散らす雨音独りの餉 上月智子 末黒野 201201
笛の音をからめて届く木犀香 大場ましら 201201
木犀のかをり失ふ真下かな 大坪景章 万象 201201
立ち話木犀の香のとぎれたる 滝浪紀久子 万象 201201
義父の死に木犀の香の静もりぬ 長島清志 かさね 201201
木犀の庭のしじまに香りけり 松本恒子 ぐろっけ 201201
木犀の香に父の忌の始まりぬ 松山直美 火星 201201
どこまでも木犀の香を免れず 志方章子 六花 201201
木犀の香に水音のしのび寄る 長山あや ホトトギス 201202
緊ほぐす木犀の香の待合室 古林田鶴子 ぐろっけ 201202
木犀の香にかへり見る星明り 熊岡俊子 雨月 201211
風沁みて木犀の香の重くなり 杉本綾 201301
木犀の香の吹き溜り廐跡 藤井君江 馬醉木 201301
木犀の香にふり仰ぐ深空かな 米田文彦 かさね 201301
木犀のかおりのありてふり返り 森岡陽子 かさね 201301
木犀の香りや夜気を重くせり 飛高隆夫 万象 201301
木犀といふ安らぎのありにけり 小林珠江 万象 201301
木犀の香りをまとふ野辺送り 石川寿夫 ろんど 201301
木犀の二階にミシンひらきけり 蘭定かず子 火星 201301
明けてきし庭の木犀匂ふ頃 梁瀬照恵 ぐろっけ 201301
木犀や切り貼りのある花頭窓 松本三千夫 末黒野 201301
結界の木犀の香や禅の寺 松本三千夫 末黒野 201301
木犀の香炉となりし狭庭かな 佐藤いづみ ろんど 201302
木犀や園児の列の乱れなく 高橋定峰 末黒野 201302
木犀の香りをまとひ始発バス 高橋定峰 末黒野 201302
箒目に木犀こぼれ庫裡の庭 田村加代 末黒野 201302
木犀や車庫のシャッター開ける音 國保八江 やぶれ傘 201302
夜の闇木犀の香の溶けゐたる 柿本麗子 千の祈り 201307
木犀の香に庭園の鎮もれり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201310
花リレー木犀匂ふ頃となり 鈴木セツ 201311
木犀や吉報の朝明け放つ 宮内とし子 201311
木犀の香に振りむくや夕間暮 池内とほる かさね 201312
木犀や程よき場所に椅子置かれ 小倉正穂 末黒野 201312
木犀や読みかけの本いつもあり 井上淳子 火星 201312
小窓にはいづこからとも木犀の香 森岡陽子 かさね 201312
天地を隔て木犀香を放つ 古川干鶴 かさね 201312
木犀や雨は小降りをよしとして 服部早苅 201401
湯浴みして亦木犀の香を浴びぬ 松木清川 ぐろっけ 201401
獅子の頭に散る木犀の匂ひかな 竹中一花 201401
木犀のそこはかと無き香に酔へり 中野久雄 末黒野 201401
木犀の闇を通りて外厠 瀬戸悠 風土 201401
木犀の移り香髪に句座に入る 白神知恵子 春燈 201401
木犀の香りて亡夫(つま)の在る如し 中村吟子 ぐろっけ 201401
木犀の香を曲り来て相撲部屋 田中たつを 雨月 201401
木犀の風に乱るる稚児の列 竹中一花 201401
台風の木犀の香とともに去り 佐藤喜仙 かさね 201401
風そよぐ墓の木犀香りけり 牛窪啓詞 やぶれ傘 201402
木犀のかをりまみれや石仏 長田厚子 末黒野 201402
木犀の香りのしたり何処ならむ 岩上行雄 末黒野 201402
足止まるサインは木犀雨じめり 松本アイ ぐろっけ 201402
木犀 →4      

2021年10月19日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。