木 犀 4     113句

千葉にて関東大震災に遇ふ

地震をのがれ木犀の下我ありし   金子麒麟草

金木犀  銀木犀  木犀

作品
作者
掲載誌
掲載年月
木犀のひと雨過ぎしあと匂ふ 塩路五郎 201412
木犀や風にまどろみ風に覚め 近藤喜子 201412
木犀や小江戸に残る木遣塚 白澤よし子 馬醉木 201412
木犀の香りと届く訃報かな 鈴木阿久 201412
画き終へて木犀の香を深々と 築城百々平 馬醉木 201501
避遁に似て木犀のなかにをり 藤沢秀永 201501
訝るや散りし木犀また咲きぬ 小川玉泉 末黒野 201501
木犀や即身仏のある寺に 岡田史女 末黒野 201501
木犀の香の導けり堂の裏 横路尚子 末黒野 201501
木犀の隅田の風に綻びぬ 岩崎スミ子 末黒野 201501
顧みる闇木犀の香のあふれ 鎌田篤 雨月 201501
木犀の帆船揺れの香に浸る 古川忠利 ろんど 201501
木犀の庭にとどまるバイク便 上田由姫子 京鹿子 201501
眼の泳ぐ木犀の香の泳ぐ宙 古川忠利 ろんど 201501
木犀の匂ふやつぱり誰かゐる 後藤立夫 ホトトギス 201502
雨あとの木犀かをる美術館 堺昌子 末黒野 201502
木犀の風ふはとあり六道図 岩月優美子 グピドの瞳 201506
すつぽりと木犀の香に空也かな 岩月優美子 グピドの瞳 201506
こぼしはじめる木犀の匂ひ壷 布川直幸 201509
総持寺の貫禄木犀にも及ぶ 宮内とし子 201512
ぬばたまの夜や木犀の金の砂 七田文子 201512
木犀や井戸覗くとき手をつなぎ 栗山よし子 馬醉木 201512
木犀の香りそめたり素香の忌 臼杵游児 春燈 201512
木犀の香に包まるる観音像 溝越教子 春燈 201512
このあたりいつも木犀匂ひくる 時澤藍 201512
木犀の香り初めたる綾子の忌 飛高隆夫 万象 201512
木犀の香のせばめたる行き止まり 奥井あき 201512
しのび入る木犀の香や部屋ゆふべ 井上石動 あを 201512
上品な興奮銀木犀を過ぐ 篠田純子 あを 201512
ほろ酔ひの木犀匂ふ宵の路地 岡野ひろ子 201512
木犀や香りを運ぶ今朝の風 塚篤子 末黒野 201512
文机に微かな窪み銀木犀 辻響子 201512
抱いて入る木犀の香と新聞と 高村令子 風土 201512
木犀の香や思はずも歩を止めて 石井ケエ子 風土 201512
木犀の名残の雨となりにけり 小川玉泉 末黒野 201601
木犀の香や陵王の夢に醒め 小田嶋野笛 末黒野 201601
木犀や袋小路に香の満てり 鏡英子 末黒野 201601
木犀の風吹く路地へ遠まはり 山口郁子 末黒野 201601
木犀の香りの夜となりにけり 近藤紀子 201601
夕闇の木犀の香に立ち止まり 吉田順子 201601
深酒や木犀の香に酔はざりき 生方義紹 春燈 201602
木犀の香りに想ふ植ゑし人 陳妹蓉 春燈 201602
木犀の香を発ち君の香に着けり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201609
言葉つつしむ木犀の香なりけり 中川句寿夫 あを 201611
朝の祷り木犀の香の馥郁と 岡淑子 雨月 201612
何か足らぬ句に木犀の香をもらふ 有松洋子 201612
木犀の香に半眼の思惟仏 門伝史会 風土 201701
木犀の風の吹きくる稚兒大師 山田春生 万象 201701
木犀や空き家となりし友の家 阿部澄 万象 201701
木犀は香り包丁よく切れる 林昭太郎 201701
木犀の散り敷く金の道をゆく 宮内とし子 201701
靴底も木犀の香をまとひけり 稗田寿明 201701
靴底も木犀の香をまとひけり 稗田寿明 201701
木犀の音立てて散るめうが畑 森なほ子 あを 201701
木犀や忘れし人のゐるやうな 藤沢秀永 201702
木犀や目礼をして思ひ出せず 竹内弘子 あを 201703
板戸きしんで木犀の香なりけり 中川句寿夫 ここのもん 201705
言葉つつしむ木犀の香なりけり 中川句寿夫 ここのもん 201705
曇天も木犀の香の押し上げて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201710
木犀の香に導かれ行く茶席 稲畑廣太郎 ホトトギス 201710
木犀の匂ふ家居を楽しまむ 稲畑汀子 ホトトギス 201710
木犀に季節の移る嬉しさよ 長崎桂子 あを 201711
木犀の香りをまとひ友来る 沼田桂子 春燈 201712
木犀の香や夕闇にくちづけす 近藤喜子 201712
木犀の香をつき抜けるセーラー服 岡田桃子 201712
夕闇の庭の木犀香りたつ 延川笙子 六花 201801
木犀や麻笥職人の足の胼胝 竹内悦子 201801
木犀の香や去りがての立ち話 鈴木撫足 春燈 201801
散りそむる木犀の香や通夜の道 松本三千夫 末黒野 201802
木犀の香の二三軒先より来 大橋晄 雨月 201802
木犀の香に追ひつかれ追越され 隅田惠子 雨月 201802
木犀の散りし花の上また花が 近藤紀子 201802
木犀やそよ風のみを友として 沼田巴字 京鹿子 201810
木犀や一灯のみの闇ふかく 森清堯 末黒野 201812
どこからか木犀匂ひ師の忌日 田中藤穂 あを 201812
木犀の香に足止まる曲がり角 贄田俊之 やぶれ傘 201902
木犀の日暮れて匂ふ羽生宿 田中臥石 末黒野 201902
一輪挿の木犀の香や試着室 柴崎富子 白地 201909
木犀や星座つぎつぎ位に就きて 工藤義夫 馬醉木 201910
木犀の所在問はずも自づから 稲畑汀子 ホトトギス 201910
木犀の庭を抜け来し人ばかり 稲畑汀子 ホトトギス 201910
木犀や闇をとび交ふ花の精 吉田順子 201912
戸々に咲き木犀の香のつながれる 柴田昭子 雨月 202001
木犀の香をとぢこめて夜の帳 西千代恵 雨月 202001
月明り木犀の香に立ちどまり 安部和子 雨月 202001
木犀の咲き誇るかな即位礼 磯野青之里 六花 202001
木犀の闇を濃くせり路地の奥 丸山千穂子 末黒野 202001
駅までは五分木犀香のつづく 小林和子 202001
訪づれる家木犀の道しるべ 前川美智子 末黒野 202001
木犀や幹に触るれば遠のく香 森清信子 末黒野 202002
路地よりの木犀の香や城下町 馬場節子 京鹿子 202002
木犀の香やコンビニの駐車場 村田武 やぶれ傘 202002
木犀の花を散らせて雨あがる 志方章子 六花 202003
木犀の香にのけぞつてをりにけり 山田六甲 六花 202011
昨夜の雨木犀の花地に香り 森なほ子 あを 202012
戦闘機過る木犀零れつつ 藤井美晴 やぶれ傘 202101
木犀や身内ばかりの忌日かな 大内幸子 六花 202101
木戸押せば木犀の香に包まるる 星野椿 ホトトギス 202102
篠垣や木犀金を敷つめて 岡野里子 末黒野 202102
木犀の香のある方へ向き眠る 吉田悦子 202105
木犀の香について行く先父母の墓 小張志げ 春燈 202111
木犀や黒き塀なす門構へ 岡田史女 末黒野 202112
夜の帳下りて木犀香り濃し 福田肇 202112
木犀の香の入り来る自動ドア 岩藤礼子 やぶれ傘 202112
木犀の香り漂ふ雨上り 枝みや子 やぶれ傘 202112
木犀の香が図書館をつつみゐる 枝みや子 やぶれ傘 202112
校庭に木犀五本雨あがる 奥田温子 やぶれ傘 202112
木犀の香り漂ひ日は沈む 高井修一 春燈 202201
木犀の誘ひ今朝の迷ひ道 藤野武彦 202201
木犀の二度咲きの黄のこぼれつぐ 森清堯 末黒野 202201
木犀の金砂のこぼれ地の蒔絵 森清堯 末黒野 202201
木犀の散り切つて坂華やげり 菅野日出子 末黒野 202201
闇に溶く木犀の香や光君 瀬尾ちとみ 京鹿子 202203
木犀→ 1

2022年10月25日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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