木 犀 2     140句

木犀や雨に籠れば男饐え    上田五千石

金木犀  銀木犀  木犀

作品
作者
掲載誌
掲載年月
木犀の散り敷く庭や銀河濃し 的池遙 百鳥 200401
木犀やゆきすぎし影戻り来る 三由規童 雨月 200401
この路地の奥に木犀あるらしく 鳥川昌実 六花 200401
金の粒集めて漬くる木犀酒 大関とし子 築港 200401
灰皿に木犀拾ひ夫とゐる 大東由美子 火星 200401
木犀の香る戸毎や祭注連 永田二三子 酸漿 200401
仰ぎ見て木犀金をこぼしけり 梅田秀子 酸漿 200401
軍港の古りて木犀夜も匂ふ 青砥真貴子 200401
木犀の香の濃き朝は海鳴す 青砥真貴子 200401
金銀の香りひとつに夜の木犀 有吉桜雲 200402
木犀の香の濃き方へ足向けり 永岡セツ 酸漿 200402
木犀の咲きて聳ゆる旧家あり 渕上家 酸漿 200411
木犀やまこと煤けし微笑仏 渕上家 酸漿 200411
木犀や円空仏は立ちたまふ 渕上家 酸漿 200411
木犀や水たまりにも出来不出来 岡本眸 200411
早とちり木犀匂ふひよどり越 品川鈴子 ぐろっけ 200411
木犀に佇み吾も老いたりし 田中芳夫 200412
木犀の次ぎなる罠と知り曲がる 豊田都峰 京鹿子 200412
木犀の大傘暗し鵯のこゑ 阿部ひろし 酸漿 200412
大木犀見に来てよき茶たまひけり 阿部ひろし 酸漿 200412
木犀の香を送り来る雨静か 土方豊子 酸漿 200412
木犀の長雨の中に咲き散れり 青木民子 酸漿 200412
木犀の金銀が咲き杜甫草堂 梶井和呼 酸漿 200412
木犀の香を追ふ如し散歩道 松崎鉄之介 200412
木犀が咲きその色に木を包み 宮津昭彦 200412
娶りたる背や木犀の香に満ちて 中川晴美 春耕 200412
一円に木犀の香や夜の地震 服部早苗 200412
木犀や空のみ映す文机 信崎和葉 六花 200501
木犀を敷きつめ牧師赴任先 吉田明子 200501
木犀に神馬をつなぎ布留祭 山田春生 万象 200501
木犀の花に先立つかをりかな 庄中健吉 200501
角曲り木犀の香によろめけり 吉澤恵美子 春燈 200501
木犀にしばし微睡む娼かな 波田美智子 火星 200501
甃染めて木犀散りにけり 河合大拙 百鳥 200501
木犀の香りを招く出窓かな 大堀鶴侶 雨月 200501
学校の木犀がまづ香りけり 里中章子 200502
白鳳佛木犀の香に現れましぬ 瀧春一 菜園 200509
木犀や再会は言はなやぎて ほんだゆき 馬醉木 200512
木犀のこぼれつもれる塀の裾 宮津昭彦 200512
木犀よ金の絨椴まだ敷くな 林翔 200512
木犀や祭そこまで来てをりぬ 三浦カヨ子 酸漿 200512
木犀の香りの中に家屋朽ち 平居澪子 六花 200512
木犀の金のつぶつぶ香を放つ 佐野芳子 築港 200512
木犀の香の追ひかける引き戻す 高田佐土子 築港 200512
木犀がにほふと密会のやうだ 田口武 さうぢやなくても 200512
結界のむかう木犀の香しとど 篠田純子 あを 200512
月の蝕木犀は花散りつげり 新田巣鳩 馬醉木 200601
木犀や留守を灯して診療所 田巻和子 遠嶺 200601
星見えて木犀にほふ鉄路かな 鈴木清子 遠嶺 200601
木犀の香に歩を止むる夜の径 半谷弘子 遠嶺 200601
己が香に酔うて木犀花こぼす 千坂美津恵 200601
木犀の風に忽ち深呼吸 楯野正雄 200601
木犀の香の追ふてくる姫街道 松尾いさ子 四葩 200601
木犀の香の運び来し佳き報せ 中山恵子 四葩 200601
木犀が匂へば山に幸が来る 舩越美喜 京鹿子 200601
肘ついて木犀の香に浸る朝 山口天木 雨月 200601
六階の窓木犀のふとかをる 大坪景章 万象 200601
行くほどに木犀馨る星明り 大西裕 酸漿 200601
木犀や鎌倉古道香の流れ 木村迪子 酸漿 200601
木犀の香の中しばし立ち話 浜口タズノ 河鹿 200602
木犀の光の中に友迎ふ 佐山苑子 遠嶺 200602
木犀の香に誘はるる夕歩き 板坂良子 馬醉木 200602
木犀の花に寄らばや葉にすくむ 加藤君子 火星 200602
木犀に神籤が花と初詣 阿部ひろし 酸漿 200602
木犀の金砂を散らす雨の垣 長澤健子 酸漿 200602
木犀の香聞きつつ夜道行く 赤司美智子 酸漿 200602
濡縁の月に木犀の壺すはる 瀧春一 常念 200606
いづこの木犀朝の鞄は飯の重さ 瀧春一 瓦礫 200606
風に乗るより木犀の香となれり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200610
木犀の香の沈みゐる掛鏡 ほんだゆき 馬醉木 200612
木犀と思ひて人の黙しけり 瀬下るか 200612
目印は金木犀のあるあたり 倉持梨恵 200612
木犀の香ありとひとり安らぐ日 鈴木幾子 酸漿 200612
木犀の香に目覚けり今朝の庭 増田八重 酸漿 200612
木犀の香の流れ来る畑仕事 本間勇 酸漿 200612
木犀や思ひがけなき友の文 与川やよい 遠嶺 200701
木犀や心の奥に昭和の夜 林友次郎 遠嶺 200701
木犀の花の乾きてこぼれざる KOKIA 六花 200701
木犀の散りこぼるるや一周忌 山村桂子 遠嶺 200702
木犀の香を潜り抜けゴミ出しに 尼嵜太一郎 ぐろっけ 200702
木犀や傘さしいでて腋さびし 松崎豊 200704
木犀の匂ひたどつてゆけば闇 柴田佐知子 200704
大いなる木犀の香の平林寺 瀧春一 200706
飯も水も絶たれ木犀の香の旨し 金井充 百日紅 200711
木犀を仰がば蜘蛛の囲に骸 ことり 六花 200711
木犀やより新たなる日となりし 四條進 200712
木犀の金銀こぼし雨流る 鈴木阿久 200712
木犀の金を敷きつめ風去れり 中山静枝 200712
路地曲るに木犀の香の顔を打つ 松崎鉄之介 200712
寺門より木犀匂ひ初めしかな 細川コマヱ 雨月 200712
住古るや庭に木犀の花こぼれ 井口初江 酸漿 200712
しばらくを木犀の香に身を置きぬ 坂本知子 酸漿 200712
木犀の香と乗る夜の昇降機 野路斉子 200712
諦めのくる木犀の風のあと 中田みなみ 200712
星霜や一樹森なす大木犀 阿部ひろし 酸漿 200712
香を忘れ立つ木犀の傘の中 阿部ひろし 酸漿 200712
木犀の風匂ひ来る裏通り 中緒和子 酸漿 200712
木犀の香の風通る路地のあり 中村昭子 酸漿 200712
木犀や棚の真中の放浪記 本多ちづ子 馬醉木 200801
木犀の匂ひここまで大飛出 谷村幸子 200801
木犀は早や姿よし松手入 金澤明子 火星 200801
木犀の香のとどきたる遊女塚 河崎尚子 火星 200801
木犀のかをりはいつも濡れてをり 根岸善行 風土 200801
木犀の散らすこがねよ苔の上 林翔 200801
額衝きの暗さ木犀香に委ぬ 松本鷹根 京鹿子 200801
木犀の夜を庭伝ひ子の訪ひ来 上林孝子 200801
客人に木犀の香のしたりけり 宮尾直美 200801
禅定に入る木犀の垣の椅子 曷川克 遠嶺 200802
くちづけのごと木犀に近づきぬ 倉持梨恵 200802
吉日や木犀の香のはじめの日 煙山郷子 200802
木犀の路地潮風にひらけたる 今橋眞理子 ホトトギス 200803
木犀や心の奥に昭和の夜 林友次郎 天帝 200806
木犀の香る所在は問はずとも 稲畑汀子 ホトトギス 200810
町の名となりし木犀香を放つ 梶井和呼 酸漿 200810
木犀や朝な夕なの夕ベの香 阿部ひろし 酸漿 200811
木犀の乾き尽くして零れけり ことり 六花 200811
今朝ふいに木犀香る日を迎ふ 川崎俊子 馬醉木 200812
木犀の香や宵闇を領とせる 和田照子 200812
木犀のふいの香に酔ひ路地の風 三川美代子 200812
木犀の気をくりぬきし新幹線 増田明美 炎環 200812
路地の奥木犀の香をまとひけり 池田光子 200812
木犀の小さきいづこに香り秘め 前川千恵子 雨月 200812
木犀の一樹立たちたる塀の内 小野木雁 酸漿 200812
木犀の薫たのしみ床みがく 谷村幸子 200901
木犀やあの山この川遠くなる 中野京子 200901
木犀の闇に備へし拳なり 泉田秋硯 200901
夜気乱すほどに木犀三丁目 高橋道子 200901
木犀の香風に散らばるところかな 倉持梨恵 200901
木犀の匂ひ昂る月明り 勝又窓秋 200901
木犀を離れ抜けきて寧らけし 成田美代 200901
木犀の香りを広げ交差点 高野幸次 200901
木犀の香に夫誘ふ朝の庭 渋谷ひろ子 酸漿 200901
木犀の香まとひて夫帰る 土屋喜美代 酸漿 200901
辻毎に木犀匂ふ宿場かな 廣瀬雅男 やぶれ傘 200901
窓に陽のあふれ木犀にほふかな 藤井美晴 やぶれ傘 200901
木犀の香の流れくる満ちてくる  今橋眞理子 ホトトギス 200902
風向きを木犀の香に教へられ 境幹生 200902
辻曲り木犀の香の新しく 船越美喜 京鹿子 200903
木犀の香に俳磚の揺るぎ無く 稲畑廣太郎 ホトトギス 200910
木犀→3      

2021年10月14日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。