身に入む 4           71句

身に入むやつねに浅手の厨傷   本橋怜加

身に入む 身に沁む  身にしむ

作品
作者
掲載誌
掲載年月
誰彼の話身に入むことばかり 稲畑汀子 ホトトギス 201710
身に入むや地震の報道聞きながら 稲畑汀子 ホトトギス 201710
脱稿や身に入む心開放す 稲畑汀子 ホトトギス 201710
生きてゆくために身に入むことをいざ 稲畑汀子 ホトトギス 201710
身に入むや句碑の歳月刻む湖 稲畑廣太郎 ホトトギス 201710
聖櫃のランプ身に入む赤さかな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201710
身に入むや白川の水たをやかに 山田六甲 六花 201711
商店街抜けて身に入む夜風かな 永田万年青 六花 201712
子規庵の月日身に入む机辺かな 佐藤保子 馬醉木 201712
身に入むやコンドル飛べぬ羽根を持ち 片桐紀美子 風土 201801
身に入むやギプスの繋ぐ傷の幹 岡崎郁子 馬醉木 201801
身に入むや今もオラショを隠れ耶蘇 塩見英子 雨月 201801
身に入むや六百本の梅伐られ 山田夏子 雨月 201801
身に入むや虚子の山家の文机 今村千年 末黒野 201802
忌日過ぎ身に入む日々の流れゆく 稲畑汀子 ホトトギス 201810
齟齬ありしことに身に入む朝かな 稲畑汀子 ホトトギス 201810
身に入むや岬の端の遭難碑 鈴木鳳来 春燈 201811
秒針の身に入む音や星の夜 鈴鹿呂仁 京鹿子 201812
ひと言のじわり身に入む齢かな 西村白杼 京鹿子 201901
身に入むや心の透き間払拭す 植村蘇星 京鹿子 201901
身に入むや百から引いてゆく七つ 井尻妙子 京鹿子 201901
身に入むや介護のことを声ひそめ 中原敏雄 雨月 201901
身に入むや出窓の玻璃を磨き上げ 小田嶋野笛 末黒野 201902
身に入むや泉の水を壷中へと 杉原ツタ子 201902
身に入むや風の軽さと日の軽さ 熊川暁子 201902
身に入むやすつぽかされてゐる木椅子 井尻妙子 京鹿子 201902
身に入むや鳩の糞する常夜灯 中島和子 やぶれ傘 201902
身に入むや自戒の念は杳として 中川のぼる 201904
身に入むや天狗になった僧の下駄 大山夏子 201905
身に入むや門は修復されぬまま 稲畑廣太郎 ホトトギス 201911
身に入むや鳥のかたちを探してる 林田麻裕 201912
身に入むや寺宝の青葉の笛を見て 佐津のぼる 六花 201912
身に入むや茶渋のやうに添うて来て 千田百里 201912
身に入むや万年筆の筆記音 鈴木光影 201912
身に入むや御所の夕べの笙の笛 池上昌子 春燈 201912
身に入むや断髪式の国技館 石田康明 春燈 201912
身に入むや遺品の時計正確に 大石よし子 雨月 201912
身に入むや角切り終へし角の跡 笹村ルル 202001
誰彼と付きまとふ猫身に入むる 大内幸子 六花 202001
身に入むや殺生石に風の声 北村梢 京鹿子 202001
身に入むや秒打つ亡夫の腕時計 本郷 公子 京鹿子 202001
身に入むや吾も暮色の中にあり 吉原ひろ子 末黒野 202002
身に入むや酒の李白を読みをれば 宮澤靖子 末黒野 202002
身に入むや島に耕す土地無くて 蒲田雅子 雨月 202002
身に入むや家の柱にぶつかつて 丑久保勲 やぶれ傘 202002
身に入むや即身仏の前のめり 永淵惠子 202005
吉備の国身に入む空の青さかな 稲畑廣太郎 ホトトギス 202010
身に入むや喪服に着替へたる夕べ 稲畑廣太郎 ホトトギス 202011
身に入むや茶渋のやうに添うて来て 千田百里 201911
身に入むや万年筆の筆記音 鈴木光影 201911
友逝きて身に入む朝となりにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 202011
身に入むや納戸の奥に鉄兜 森岡正作 202012
身に入むやウィズコロナといふ新語 遠城健司 202012
身に入むや六字名号堂に満つ 里村梨邨 202101
身に入むや迫力褪せぬ師の朱筆 赤堀美恵子 風土 202102
身に入むや近詠一句読み進み 今村千年 末黒野 202111
身に入むやまた一つ減る古書の店 高木邦雄 末黒野 202112
小三治のまくら身に入む夕べかな 塙誠一郎 202112
身に入むや講座を了ふる師の板書 藤原若菜 春燈 202201
馬糞紙の素十の句集身に入みて 南うみを 風土 202201
身に入むや人に会話てふ薬 落合絹代 風土 202201
身に入むや恩顔うかぶ師の忌日 大川暉美 末黒野 202203
同病の友の励まし身に入みて 河野昭彦 ホトトギス 202204
身に入むやゆっくり毀すラテアート 井上菜摘子 京鹿子 202209
身に入むやけりをつけねばならぬこと 稲畑廣太郎 ホトトギス 202210
昨日とは違ふ都心の身に入みて 稲畑廣太郎 ホトトギス 202210
身に入みて喉を潤す赤ワイン 稲畑廣太郎 ホトトギス 202210
教会の葬儀身に入む祈りかな 稲畑廣太郎 ホトトギス 202210
味の素使ひし昭和身に入めり 鈴木浩子 202212
身に入むや父の遺稿の読めぬ文字 神谷さうび 末黒野 202301
身に入むや台本なしに上がる幕 藤井杏愛 京鹿子 202301
身に入む→ 1

 

2023年10月20日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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