神 輿 2       200句

神輿  御輿

作品
作者
掲載誌
掲載年月
宮入りの神輿金鈴鳴らし来る 山田春生 万象 200809
担ぎ手に庭師のゐたり荒神輿 木暮剛平 万象 200810
水の香を残し神輿の遠ざかる 久布白文子 馬醉木 200810
祭神輿大樹の下に据ゑらるる 服部早苗 200810
仁侠の男のゆする荒神輿 中村翠湖 馬醉木 200811
そのなかに利け者ひとり神輿舁く 渡部志津子 200811
千貫神輿の台輪四尺晩夏光 後藤眞由美 春燈 200811
まつさきに声が谷戸出て神輿かな 渡部志津子 200811
手作りのずいき神輿や街を練り 西垣順子 200812
掛け水に女神輿の艶めける 山口裕子 万象 200812
神留守の留守を預かる神輿かな 宮崎左智子 200812
水草生ふ神輿が渡る向う岸 山田慶子 京鹿子 200908
紙垂張られこども神輿の道となる 杉浦典子 火星 200908
荒神輿過ぎてシャッター通りかな 千田百里 200908
深川の魂振り神輿盆の東風 能村研三 200909
掛声と踏む足揃ふ神輿かな 福澤乙 酸漿 200909
万緑山境内裏に神輿倉 桐島教子 風土 200909
四肢ばねとなり神輿昇く若さかな 樋口英子 200909
駅地下道抜けて祭神輿の前 服部早苗 200909
川渡御の佃神輿の船に乗る 大坪景章 万象 200910
水掛けて神輿はげます佃島 大坪景章 万象 200910
女先生ゐるので神輿荒れて見す 定梶じょう あをかき 200910
夏川に暴れ込みたる神輿かな 高倉恵美子 200910
豆絞子供神輿が復活す 井上幸子 酸漿 200910
荒神輿海に入るときまた揉まれ 半澤正子 馬醉木 200910
屈強な走り根が守る神輿庫 能村研三 200911
里祭神馬のうしろ神輿ゆく 鈴木多枝子 あを 200911
田水掛合ひ人も神輿も泥塗れ 鈴木多枝子 あを 200911
掛け水をバケツに並べ神輿待つ 北島智子 200912
八朔や女神輿の意気弾み 桂敦子 200912
瑞饋神輿の存続願ひ田畑守る 久保田雪枝 雨月 201001
若者が麻縄叩き神輿組む 鈴木てるみ ぐろっけ 201001
秋高し子供神輿に菊の紋 田所洋子 雨月 201002
神輿庫の旧町名や返り花 森田節子 風土 201004
鈴鳴らし子供神輿の弾みけり 三橋玲子 末黒野 201004
神輿荒る久方ぶりの外出にて 丁野弘 201005
無患子の雨に音たつ神輿庫 桂樟蹊子 ぐろっけ 201006
祭待つ神輿並べり御神前 古川さかえ 酸漿 201007
張り合って氏子神輿の気勢あげ 靜寿美子 ぐろっけ 201008
路地曲るたびに神輿と出会ひけり 大西八洲雄 万象 201008
百人の千鳥足めく神輿かな 秋葉雅治 201008
荒神輿発火しさうな漢たち 大沼遊魚 倭彩 201009
神輿胼胝見せ根つからの祭好き 生田高子 春燈 201009
大音声挙げて神輿の秋が来る 伊藤希眸 京鹿子 201010
神輿担ぐをみなのネイル・アートかな 石田きよし 201010
掛けし水たちまち乾き神輿振 コ田千鶴子 馬醉木 201010
舁き上げて天日廻す荒神輿 泉本浩子 馬醉木 201011
ふれ太鼓打つ桴太し神輿渡御 田野倉和世 酸漿 201011
をとこらの憂さも載せたる荒神輿 石田きよし 201011
町の名は昔のままに荒神輿 松田明子 201012
太さ長さ揃へ芋茎の神輿組む 久保田雪枝 雨月 201012
遮断機に休む在所の神輿かな 山下青坡 201012
鳳凰を揺らし神輿のいざ街へ 安藤久美子 やぶれ傘 201101
稲の香や志乎路を帰る町神輿 山田春生 万象 201101
境内をせましと勢ふ神輿かな 廣瀬義一 雨月 201108
神域を余勢あらはに神輿過ぐ 廣瀬義一 雨月 201108
担ぎ手も神も酔ひしれ荒神輿 小泉貴弘 春燈 201109
先触れの太鼓近づく神輿渡御 堺昌子 末黒野 201109
神輿居て立ち往生の路線バス 松波丈子 やぶれ傘 201109
ビリケンが神輿替りに舁き出され 品川鈴子 ぐろっけ 201109
大神輿渡御に連なる青年会 米山喜久子 201110
晴男いづこへ失せし雨神輿 酒本八重 201110
神輿舁く声のかすれをかき消して 博多永楽 雨月 201110
鳳凰の龍に抱かるる神輿錬り 延広禎一 201110
鳳凰の初穂くはへし神輿かな 吉田陽代 201110
病む夫を覚ます神輿の通りけり コ田千鶴子 花の翼 201111
こども神輿亀のゐる池まはりけり 杉浦典子 火星 201111
病む秋日こども神輿の声聴くのみ 小林清之介 風土 201112
浜木綿や漁師の町の姫神輿 栗原京子 201202
神輿渡御担ぐ娘のいなせかな 荻龍雲 201207
神輿庫の結界めきし網干紋 能村研三 201207
ざぶざぶと海へ傾く神輿かな 川井素山 かさね 201208
祭あと錠前太き神輿庫 荒井千瑳子 201208
地上へと出づれば神輿吾を待つ 三輪慶子 ぐろっけ 201208
呼吸いまひとつとなりて浮く神輿 頓所友枝 冬の金魚 201209
神輿追ふひよいと手馴れの尻端折り 小嶋恵美 春燈 201209
街路樹に先陣の風神輿来る 松井志津子 201209
荒神輿青海原に禊せり 尾野奈津子 春燈 201209
神輿舁くをんなの締めて男帯 松本三千夫 末黒野 201210
揉みに揉む岬の神輿誕生日 遠藤真砂明 201210
飾り紐の古代紫大神輿 中山良子 末黒野 201211
磴百段浜へ一気に大神輿 石崎和夫 201211
鳳凰の目のルビー映え神輿過ぐ 中山良子 末黒野 201211
白足袋の足踏み高し大神輿 谷貝美世 末黒野 201211
長老のる喝神輿の道開く 栗原京子 201212
芋茎神輿鎮西八郎立たせたり 橋添やよひ 風土 201301
綱を曵く神輿も小さき秋祭 田中臥石 末黒野 201301
危なげにふらつく神輿秋まつり 吉田博行 かさね 201301
梔子やレンガ造りの神輿倉 渡邊孝彦 やぶれ傘 201301
還暦の我が子神輿のお供就き 大西ユリ子 ぐろっけ 201301
お神輿の渡船の合図狼煙音 大西ユリ子 ぐろっけ 201301
お神輿の供にと白衣届きけり 大西ユリ子 ぐろっけ 201301
神輿来る隣の犬が先に吠え 田村善伴 万象 201302
揉みに揉み人の輪崩す大神輿 石黒興平 末黒野 201304
緊張のけんか神輿に響動みけり 大越義雄 201307
神輿もう舁げぬ齢となりにけり 懸林喜代次 春燈 201307
下町の神輿手入を囲む子等 川井素山 かさね 201307
祓はるる子供神輿と町会長 丑久保勲 やぶれ傘 201309
揺れながら赫ひてくる大神輿 田中藤穂 あを 201310
神輿舁き草食系の一変す 菅谷たけし 201310
祭近き神輿の綺羅を拝しけり 出口貴美子 雨月 201310
素戔嗚の神輿に就きて声嗄らす 岩木茂 風土 201311
神輿ゆく鯔背男のものならず 高橋明 末黒野 201311
幼名で呼び合うてゐる神輿舁 能勢俊子 馬醉木 201311
踏切で神輿止(とど)まる秋祭 小山陽子 やぶれ傘 201311
御座船を五艘従へ神輿渡御 倉谷紫龍 万象 201312
港まできて荒れ神輿島を出ず 今井忍 ぐろっけ 201312
えにし餅搗きて迎ふる舟神輿 倉谷紫龍 万象 201312
台風圏だんじり神輿のフィナーレ 松本恒子 ぐろっけ 201401
声直き子らの担ぎし秋神輿 竹中一花 201401
花カンナ鉄錠錆びし神輿庫 佐藤喜仙 かさね 201401
神輿かきお供の鬼も代変り 伊藤マサ子 ぐろっけ 201401
宮入りの神輿よそ目に鉢合せ 足利ロ子 ぐろっけ 201401
人集り割つて神輿の現るる 吉田葎 201402
秋潮に神輿洗ひの鐘太鼓 柴田志津子 201402
仲見世を揺らし輝く荒神輿 上原重一 201407
川渡御へ若人一気神輿舁く 人見洋子 201407
観衆も合はす手拍子大神輿 上原重一 201407
しんがりの子ども神輿も三つ着く 上原重一 201407
夏蝶も神輿かつぐかひらひらす 上原重一 201407
三社祭神輿集結三十余 上原重一 201407
町も人も海も傾く神輿かな 高橋泰子 201408
担ぎ手のかはり神輿のあばれ出す 山田春生 万象 201408
浜降りの神輿踊りて波の立つ 鰭崎洋一 末黒野 201410
荒神輿ひかりの水を浴びにけり 菅谷たけし 201411
御神輿の庫に納まり夏の月 土井三乙 風土 201411
白足袋の汚れにまかす荒神輿 石田きよし 201411
声ほどは弾んでをらぬ神輿かな 塚越.弥栄子 末黒野 201412
上げ潮のしぶきまとひて舟神輿 倉谷紫龍 万象 201412
真暗らな口あつまつて神輿もむ 堀内一郎 堀内一郎集 201412
ひつそり閑黄落止まぬ神輿庫 松本三千夫 末黒野 201501
浅草に神輿と粋が集ひけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201505
どんど神輿火達磨となり炎上す 村上美智子 雨月 201505
信号の赤に神輿の後じさり 廣瀬雅男 やぶれ傘 201507
鳥越の鯔背のそろふ荒神輿 コ田千鶴子 馬醉木 201508
満を持す神輿の前を人力車 佐藤博重 春燈 201508
神輿守る鍵役屹度人寄せず 田中たつを 雨月 201508
すつきりと山晴れわたり神輿渡御 山田春生 万象 201508
黙阿弥居より町神輿出てゆけり 山田春生 万象 201508
夏祭り神輿曼陀羅人曼陀羅 飯田ひでを 201509
飯屋まで子供神輿に就いてゆく 小林愛子 万象 201509
町内を子ども神輿のひとまはり 松田明子 201510
荒神輿黒潮洗ふ御浜入り 石崎和夫 201510
神輿舁く男らはみな半眼に 原田達夫 箱火鉢 201511
神輿舁くために帰れと父の文 石川多歌司 ホトトギス 201511
神輿いま永代橋や木遣歌 久布白文子 馬醉木 201511
乳母車子供神輿のしんがりに 榎美幸 万象 201511
荒神輿幾度も宙に放り投げ 篠田純子 あを 201511
夕薄暑昔馴染みの神輿かな 久保東海司 風鈴 201512
四辻や出合ひ頭に夜の神輿 小沼ゑみ子 末黒野 201512
秋の神輿囃子程には練りもせず 井八重子 末黒野 201601
晶晶と漁師の町へ姫神輿 栗原京子 201601
海へ出て神輿暴るる春祭 田中臥石 末黒野 201606
仲見世に神輿続々現はるる 山田春生 万象 201608
神輿見る特等席の肩車 涌羅由美 ホトトギス 201609
夏を行く女神輿の乳房揺れ 豊田信子 201609
女神輿男神輿ともつれあふ 小林愛子 万象 201609
木遣歌うたうて帰る宮神輿 山田春生 万象 201609
力士らのひよいと上げたる神輿かな 中田みなみ 201609
声のぼる空の広さや神輿渡御 堺昌子 末黒野 201610
意気揃へ海に繰り込む荒神輿 山本無蓋 201610
ゆすり込む神輿に白き渚かな 鎌田光恵 201610
御神輿を送りしあとの草ひばり 吉田葎 201611
汗噴くや漢自慢の神輿瘤 石黒興平 末黒野 201611
消防の半纏まじり荒神輿 石黒興平 末黒野 201611
先導の高き幣束神輿操む 石黒興平 末黒野 201611
子供神輿拍手の中へ戻りけり 久世孝雄 やぶれ傘 201612
この町に小さき八坂社樽神輿 松本善一 やぶれ傘 201612
秋神輿押して引いての痛み分け 岡山敦子 京鹿子 201703
気かな地擦り抛りの江戸神輿 能村研三 201703
神輿舁く三児の母でありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201705
神輿舁くより禁酒解く漢かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201705
荒神輿しやがれ怒声に熱り立つ 森村江風 201807
あんみつや路地行く神輿眺めつつ 森なほ子 あを 201807
神輿の声狼藉めきぬ巫女舞に 森なほ子 あを 201807
神輿舁く百の蹠のリズムもて 大沢美智子 旬日 201808
存分に濡れ荒神輿下さるる 大沢美智子 旬日 201808
鳳凰の咥ふる初穂神輿練る 大沢美智子 旬日 201808
江戸つ子の端くれ神輿かつぎ行く 鈴木昌子 やぶれ傘 201808
浅子てふ屋号名残の江戸神輿 森村江風 201809
彫師塗師仏師窮みの江戸神輿 森村江風 201809
神輿屋の板間涼しや玻璃戸越し 森村江風 201809
水しぶき上げて神輿の来りけり 生一暁 馬醉木 201809
薫風や神輿揺れ切る旧家前 藤波松山 京鹿子 201809
農協の助つ人集団村神輿 岡本尚子 風土 201810
星空へ神輿戻りし鬨の声 岡本尚子 風土 201810
海人達のもみ合ふ渚荒神輿 土田亮 末黒野 201810
神輿侍つ駅舎と濠をむすぶ道 都築繁子 201902
神輿ゆく氏子総出の江戸の華 都築繁子 201902
木の芽張る杜を従へ神輿庫 松本三千夫 末黒野 201906
神輿見てなじみの店のもんじや焼き 菅野日出子 末黒野 201908
荒神輿沈むときこそ力込め 鈴木光影 201908
小学校の名入りの法被神輿の子 田嶋洋子 春燈 201908
バスを待つ見え隠れして大神輿 黒滝志麻子 末黒野 201910
海光のふくらんで来る神輿かな 栗坪和子 201910
信金の角をまがつてくる神輿 根橋宏次 やぶれ傘 201910
長老の一声神輿立ちあがる 石黒興平 末黒野 201911
神灯の昂り合うて荒神輿 鈴鹿呂仁 京鹿子 201911
星月夜倉に入りし神輿かな 江見巌 六花 201911
賑賑しく子供神輿の通り過ぎ 広瀬済 やぶれ傘 201912
神輿 →3

 

2017年7月11日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。

 
17/07/12 2017年7月12日 2017年7月12日