神 輿 1     200句

神輿  御輿

作品
作者
掲載誌
掲載年月
龍彫らせ神輿をすこし軽うせり 華明日香 銀化 199812
御神輿も柩も擔ぐほかはなき 中原道夫 銀化 199907
金色の鳳鳳踊る大神輿 橋本みず枝 199907
出番待つ神輿担ぎの白き足袋 岡村美恵子 春耕 199908
星々のまたたくまでを荒神輿 伊東みのり 遠嶺 199909
浜へ出て平らに舁ぐ島神輿 青山丈 199910
路地あげて賓銭投げる揉み神輿 木部老正盛 199911
柿誉めて子供神輿を後見す ふけとしこ 船団 199912
荒神輿膝の屈折揃ひけり 伊藤奈津 199912
玻璃越の神田神輿に日脚伸ぶ 小石秀子 酸漿 200003
神輿湖に沈まんばかり渡御すすむ 大橋櫻坡子 雨月 200005
樽神輿柿の木坂を登りきる 旦昭三 俳句通信 200008
先頭に地の人をらず荒神輿 能村研三 200009
神輿舁き六肺に充てり菖蒲の香 小林俊彦 春耕 200009
御神輿の掛声やみて祭終ふ 長谷川登美 ぐろっけ 200101
芋茎神輿上七軒で休みをり 山本耀子 火星 200101
ホットットウホッドットウ酒造の神の樽神輿 石神芳枝 ぐろっけ 200102
瑞饋神輿かけ声荒く大路越ゆ 鵜飼紫生 雨月 200103
神輿組む所作の軽さの男振り 柚口満 春耕 200107
縄あまた玄能で締め神輿成る 柚口満 春耕 200107
神輿渡御水面に龜も首もたげ 内藤順子 酸漿 200108
お旅所へ大練神輿着御せり 古川さかえ 酸漿 200108
ペディキュアのはずむリズムや神輿舁く 松本米子 あを 200108
村中を沸き立たせたる荒神輿 大嶋四郎 200109
炎天へ扇神輿を揺さぶれり 池田草曷 雨月 200109
荒れ神輿車が迂回させられて 大森ムツ子 ぐろっけ 200109
鳳凰のとび跳ねてゐる荒神輿 岩井邦枝 200110
御祝儀のでるまで神輿ねりつづけ 岩井邦枝 200110
榊の葉とばし神輿の鬩ぎあふ 後藤秋邑 百鳥 200110
神輿草花ほつほつと峡の道 永見博子 酸漿 200111
神輿のごと藏を飾れり吊し柿 託正夫 200112
秋神輿帯に挿みし草履かな いしだゆか 遠嶺 200201
隣町より馳せ参じ神輿衆 荒川香代 200201
練り歩く祭神輿に秋日燦 伊田和風 円虹 200202
宮神輿塗り替へに出す神の留守 山田春生 春耕 200202
多摩川に首まで浸かり神輿渡御 岸はじめ ぐろっけ 200207
百本の腕神輿に生えてける 飯島士朗 銀化 200207
潔き疲れあるべし神輿衆 鷹羽狩行 200207
薄暑光小振り神輿を収む蔵 能村研三 200208
先頭は朱の法被なり荒神輿 鈴木良戈 200208
お神輿を見送つてゐる煙草かな 篠原俊博 銀化 200208
神輿揉む熱気の雨をはじきけり 小山梧雨 200208
人波に子供神輿が呑まされさう 宮原みさを 花月亭 200208
手造りの童神輿人魚姫 吉田王里 風土 200208
ペテキュアの足よく揃ひ神輿錬る 宮原みさを 花月亭 200208
高張りのをののくほどに荒神輿 小澤純子 200208
仲見世へ入りし一番神輿かな 藤井昌治 200208
ポスターに漢の背中荒神輿 齋藤宣子 帆船 200208
滝のまへ神輿迎への火のゆらぎ 東尾淀子 馬醉木 200210
五六羽の矮鶏も囃して神輿かな 岡崎和子 200210
住む町を神輿に蹤いて廻りけり 菅原光恵 百鳥 200210
締め込みの子等は前座の神輿舁く 小阪律子 ぐろっけ 200210
胸元の晒きりりとギャル神輿 和田清 雲の峰 200211
秋晴や赤土匂ふ神輿蔵 三代川次郎 雲の峰 200212
神輿揉む父に妻子の付き歩く 高田貴子 万象 200212
太鼓神輿小学校により道し 鈴木てるみ ぐろっけ 200301
子の神輿村の境の橋を越ゆ 井関祥子 酸漿 200301
はやらない商店街を荒神輿 田中嘉代子 ぐろっけ 200301
里祭喧嘩神輿に綱巻かれ 麻生當子 200302
木犀の神輿闇より現れし 城尾たか子 火星 200302
秋桜や練り子を責むる荒神輿 松本恭昂 火星 200302
荒灘を封じて祭神輿かな あさなが捷 200305
春宵の金砂神輿の磯出に急く 松崎鉄之介 200306
金砂磯出の神輿に金の春の雨 杉山たかを 200306
金砂磯出の神輿の過ぎて春の闇 杉山たかを 200306
大江戸の五月揺さ振る神輿かな 杉本光 200307
ぬるりもの好むをとこの荒神輿 宇垣みきえ 200308
胸板を護符が跳ねだす神輿舁 岡田貞峰 馬醉木 200308
雷声押しかたぶけて神輿来る 岡田貞峰 馬醉木 200308
雨さつと退けば三社の荒神輿 岡田貞峰 馬醉木 200308
神輿庫の扉に卍木下闇 奥田弦鬼 風土 200309
たちまちに神輿解かるる堂の脇 阿波谷和子 雲の峰 200309
横町に入りて憩へる樽神輿 園多佳女 雨月 200309
後押しは頭上げざり荒神輿 平田倫子 百鳥 200310
片瀬波牛頭の神輿を洗ひたる 竹中一花 200310
大漁旗掲げ曳き行く船神輿 阪口久子 築港 200310
深川の大神輿舁く皇居前 安陪青人 雨月 200310
日につつまれ扇神輿のきよらかに 西野愁草子 200310
かけ声に酔ひの来てゐる神輿かな 秋岡朝子 200310
お浜入り神輿は裏返り沈み 藤田輝枝 対岸 200311
青柿にこつんと触るる樽神輿 吉田島江 火星 200311
音なくて神霊抜かるる夜の神輿 高橋道子 200311
大天狗神輿もつづく夏祭 富田志げ子 酸漿 200312
秋天や子供神輿の先走る 富川明子 200312
境内を神輿(みこし)練り合ふ夜の紅葉 大柳篤子 雲の峰 200312
神輿の房大揺れ小揺れ立ち上る 田中敏文 ぐろっけ 200401
子供神輿お旅所に入り畏まる 田中嘉代子 ぐろっけ 200401
御神輿の舁夫に外人登録す 筒井圭子朗 ぐろっけ 200402
秋神輿五臓六腑に火がつきぬ 加藤京子 遠嶺 200402
どんど神輿爆ぜ大空の雲払ふ 佐藤貞子 雨月 200405
左義長神輿飾る伊勢えび伊勢の護符 室伏みどり 雨月 200405
荒神輿百の石段駈け上る 谷口秋翠 築港 200406
暴れ足らざれば神輿を海に入れ 鷹羽狩行 200407
町内の札付も居る神輿かな 竹内弘子 あを 200408
将門の首塚を発つ神輿かな 森田節子 風土 200408
のつけに会ふ雷門出る荒神輿 折橋綾子 200408
神輿来て役者総出の六区かな 大坪景章 万象 200408
川渡御の了へし神輿に銭投げる 大西八洲雄 万象 200408
掛け声の揃いて神輿動き出す 長谷川登美 ぐろっけ 200408
田楽舞本社神輿の出払へり 折橋綾子 200408
泥んこの児を肩車神輿くる 鈴木實 百鳥 200408
やつちや場の中へ揉み入る荒神輿 中村房子 馬醉木 200409
神輿昇くきしきしきしと男肩 中尾公彦 200409
いつたんは海に入りたる神輿かな 山尾玉藻 火星 200409
四斗樽を満たし水かけ神輿待つ 綱川恵子 万象 200409
こんちきちん雨も神輿を洗ひけり コ田千鶴子 馬醉木 200409
女神輿水かけられて沸き立てり 大串章 百鳥 200410
神輿待つ千年楠の裾に寄り 阪口久子 築港 200410
海の闇曳き遡る神輿かな 大串章 百鳥 200410
荒神輿見てゐて熱くなりにけり 久保田妙 百鳥 200410
ハッピ着てわんぱく神輿追ひかける 鎌倉喜久恵 あを 200410
右利きの肩差し入るる神輿かな 谷合青洋 酸漿 200410
群衆を引き連れて来る荒神輿 三関浩舟 栴檀 200411
神輿屋に素風威厳の店構へ 能村研三 200411
蟻進む神輿のごとく虫担ぎ 小林朱夏 200411
街空に星きらめけり荒神輿 三関浩舟 栴檀 200411
男には清酒の匂ひ荒神輿 浅田光蛙 対岸 200412
木の実降る錠前しかと神輿蔵 辻井桂子 春耕 200412
晩秋の神輿練りゆく太子道 中川晴美 春耕 200412
胸強くしめて神輿の女衆 吉原一暁 200501
秋濤や百人神輿繰り出せり 小野寺靖 百鳥 200501
神輿舁乳房なきまで晒巻く 藤原照子 200501
白ふどし神輿かついで海に入る 西島みね子 八千草 200501
火祭やゆくりなく引く神輿綱 浅野恵美子 酸漿 200503
淀の上に寿ぐ詩歌神輿舟 塚本みのる 春燈 200507
人波に曳かれゆくごと大神輿 水上れんげ 200507
仲見世を壊さんばかり神輿荒れ 山田晴久 築港 200508
石段を一気に下り荒神輿 元永高美 200508
地下鉄を出ればいきなり樽神輿 内海良太 万象 200508
神籬(ひもろぎ)の見上げる高さ神輿着く 中島正夫 対岸 200508
神輿舁く男盛りの胸はだけ 山田晴久 築港 200508
花の枝震へてゐたり練り神輿 鳴海清美 六花 200508
山若葉まぶしと神輿先導す 中島正夫 対岸 200508
擦れ違ふ子供神輿の揉み合へり 木暮剛平 万象 200508
朝潮に乗り神輿曳く神輿押す 篠田純子 あを 200509
オンヤリョーイ神輿の先に鳶の衆 篠田純子 あを 200509
銭投げて先づ高々と神輿さす 篠田純子 あを 200509
千貫神輿ゆらりとけやき並木かな 山下千鶴 春燈 200509
神輿待つ五色の幟はためけり 篠田純子 あを 200509
神輿草こぞりてみこしかざしをり 先崎きくよ 酸漿 200509
神輿乗る平らな船が岸に寄る 篠田純子 あを 200509
神輿高々はやる囃子のテンポかな 篠田純子 あを 200509
神輿庫開いてをりし揚羽蝶 米澤光子 火星 200509
路地から路地抜けて神輿の先まはり 篠田純子 あを 200509
自慢げに見せて神輿の担ぎ瘤 館容子 200509
神輿渡御始まる灯り暗うせよ 山下千鶴 春燈 200509
横文字のタトゥの見ゆる荒神輿 篠田純子 あを 200509
踏ん張つて脚・足・あしの神輿かな 山下千鶴 春燈 200509
大鳥居出るやすなはち荒神輿 山下千鶴 春燈 200509
むすめらの掛声高き神輿かな 村田文一 遠嶺 200509
神輿過ぎしあとの余白にただよへり 安居正浩 200510
荒神輿後ずさりして盛り返す 小橋末吉 対岸 200510
担ぎ手の湯気立ちのぼる神輿かな 石川英利 百鳥 200511
大神輿かつぐ乙女の耳飾 関まさを 酸漿 200511
神輿庫まだ柔らかき祝餅 岡崎桂子 対岸 200511
神輿担ぎ鯉口を着て乙女さび 松崎鉄之介 200511
蝉時雨窓一つなき神輿殿 石川敬子 対岸 200511
荒神輿満月をつきあげにけり 平田倫子 百鳥 200511
浦人の神輿波間をゆくごとし 保科次ね子 百鳥 200511
ふるさとは喧嘩神輿の秋祭 須賀敏子 あを 200512
人込みを掻き分け神輿練り歩く 大空純子 ぐろっけ 200601
句座端折り子供神輿を見下ろしぬ 桑田青虎 ホトトギス 200602
暁四時の狼煙に神輿宮入りす 足利ロ子 ぐろっけ 200602
若衆の向う鉢巻神輿揺れ 和田照子 200602
夕闇の神輿洗ひや鴨川(かも)の水 和田照子 200602
町衆に声かけられて神輿待つ 渡辺立男 馬醉木 200608
宮入りをすれば修まる荒神輿 合川月林子 ぐろっけ 200608
二天門抜けて神輿のきほひ立つ 渡辺立男 馬醉木 200608
御神輿のやうな銀座の稲荷澁團扇 芝尚子 あを 200609
海に入る神輿男波も囃しけり 木暮剛平 万象 200609
助つ人の肩にあらはな神輿胼胝 小林眞彦 遠嶺 200609
万緑や宝蔵殿兼神輿蔵 矢島久栄 200609
ぶら下がる女わらべの神輿舁き 大坪景章 万象 200609
神輿かく人に神主塩まけり 岡野輝子 万象 200611
出番待つ神輿横目につく家路 中島英子 八千草 200611
腹掛けの肩に神輿の担ぎ瘤 高橋スミ子 万象 200611
慇懃に担ぎたちまち荒神輿 千坂美津恵 200611
秋祭子供神輿の声近し 小松渓水 酸漿 200612
酒飲みの顔ぶれ揃ふ荒神輿 古館勝子 万象 200612
初冬や水槽めきし神輿庫 奥田茶々 風土 200701
目の前の神輿高々秋祭 青垣和子 雨月 200701
神輿蔵玻璃いつぱいの木下闇 百瀬七生子 海光 200705
神輿もむ女だてらと言ふは死語 布村松景 春燈 200707
次ぎつぎと闇押して来る大神輿 田村すゝむ 風土 200708
神輿揉むは女や江戸のどまんなか 三枝正子 万象 200708
神輿担ぎの交代の人待ちに待つ 大塚美孝 200708
火打石神輿繰り出すビルの街 市橋章子 ぐろっけ 200708
見物の畑へ逃げ込む荒神輿 西本才子 万象 200709
荒神輿渦を乱して曲りけり 田村すゝむ 風土 200709
神輿洗ふ龍宮の井の清水にて 田中芳夫 200710
神輿追ふ底抜屋台に耶舟ゐず 君塚敦二 春燈 200710
眉月に出を待つ太鼓神輿かな 丸山照子 火星 200710
神輿洗ひ鴨川の水汲み上げて 奥田妙子 ぐろっけ 200711
水に浮く神輿と星と歓声と 吉野のぶ子 遠嶺 200711
三光坂町会神輿調へり 東亜未 あを 200711
渡御神輿納めし杜に秋時雨 橋本梢明 200801
雇はれの一糸乱れぬ神輿振り 安田久太朗 遠嶺 200806
手拍子に加はる神輿揉むときは 上原重一 200807
町神輿レストランより覗く客 唐鎌光太郎 ぐろっけ 200808
神輿舁く茶髪金髪そら真青 林翔 200808
神輿→ 2      

 

2021年7月11日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。